ヒマワリWIZ娘のぼうけんにっき   作:151

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プリ男、人生最大の危機

「ヒール!!」 バシュゥゥゥ

 癒しの光がまた一匹、モンスターを葬る。

 

 フェイヨンダンジョン3F。不死系のモンスターが多く、プリーストにとっては比較的楽な場所だ。

 虚ろな目をした連中は背景だと思え、と誰かが言ってたな。

 

 もともと俺がプリを目指したのは、子供の頃、村を襲った動く骨の大群を一瞬で土へ返したプリの姿を見てからだ。

 

「死してなお、眠ることが許されない……彼らはそんな哀れな存在なのです」

「だからこそ、これ以上苦しまず、安らかに……そんな思いを込めて癒しの光を用い、彼らを解放することが私の務め……」

 

 俺は……そんなプリになっているだろうか?休憩をとりながらそんなことを考えていた。

 

 

「おーい、プリ男」BSからギルドチャットだ。

 

「どうした?」

「今どこにいるんだ?」

「FD3」

「ちょうどいいや、試しに月夜花狩ってみないか?」

「俺ら二人じゃきついんじゃないか?」

「試すだけだよ」

 よく聞いてみると微妙に特化武器(対火悪魔)が出来たとのこと。ま、試すだけなら行ってみるか。

 

「今から行く。エリア2入り口で待っててくれ」「OK」

 

 フェイヨンダンジョン最深部、地下寺院エリア2。通称FD5。

 エリア1からの入り口は一つだが、出口は4つ。ランダムにとばされるので、注意が必要な場所だ。

 

「よし、合流」「時間は?」「そろそろ出るらしい」「探すか」

 

 ここで出てくる敵は……と記憶をたどる。

 

ホロン……人魂だ。ひたすら堅い。

ソヒー……水の悪魔。見た目に惑わされると……

ドケビ……子鬼。うろうろしているだけなので無視しても。

ソルスケ……動く骨。ヒール砲で。

アチャスケ……弓骨。こちらもヒール砲で。

天下大将軍……棒、柱、木……何とでも言え。

九尾狐……狐。素早い上に結構タフ。

月夜花……ボス。狐の取り巻きに注意。

バラエティはあるな。

 

 

 BSがガツガツとホロンを殴る。

 

「くっそ、堅ぇ」

「KIAIだ」

「おう。アドレナリンラッシュ!!」

 ふと見ると、近くに天下大将軍が3本生えている。HLでさくっと行くか……っと、BSに追加オーダーが来たな、そっち優先しよう。

 

 

「マキシマイズパワー!!」

「オーバートラスト!!」

「ウェポンパーフェクション!!」

 豪快な狩り方だなぁ……さて、天下大将軍どうなったかな……ん?……大魔法発動時に出る魔法陣が見える……SG?……月夜花狩りのPTのWIZか?

 

「ロードオブヴァーミリオン!!(・∀・)ノ」

 轟音とともに天下大将軍が砕かれていく……聞き覚えのある声……

 

「あ、BSくんとプリ男くんだヽ(´∀`)ノ」

  ∩ ∩

~| ∪ |         (´´  

ヘノ  ノ       (´⌒(´  

((つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡

 ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;

 

「WIZ娘……お前、来てたの?」

「うん」

「一人か?」

「そうだよ」

 BS……この状況で普通に会話できるんだ……俺には無理だ。

 

「しかし、WIZ娘」

「なに?」

「大将軍にはLoVよりSGじゃないか?」

「SG、1しかないし、LoVだと他の敵も一緒に倒してくれるんだよ(・∀・)」

「む、そうか」

 理屈は通ってるが、こいつの場合……

 

「しかしSGなら固めてくれるだろ?」

「LoVの方がかっこいいじゃないヽ(´ー`)ノ」

「なるほどな」

 やっぱりそうか。

 

 改めて考えてみると、ここの敵って……WIZなら楽に狩れる敵ばっかりなんだな。『普通の』WIZなら来ないだろうが、こいつは「楽しい」「面白い」という理由で来るという訳か。

 

「BSくんはヤファ狩り?」

「ああ、腕試しでな。ボス狩りはまだしたことなかったし」

「ダメもとで挑戦?」

「おう」

「ふーん?」

 

 WIZ娘は……ちょっと疑いの眼差しを向け、続ける。

 

「ホントは?」

「ヤファたんハァハァだ」

「BSクン(*・∀・*)エッチー!!」

「はっはっは、何とでも言え。男の勲章だ」

 

 クスクス笑いながら、こちらを向く。

 

「と言うことは……一緒に来てる……プリ男クン(*・∀・*)エッチー!!」

「な゛……ちょっと待て!」

「照れるなって」

 

 そ う 言 う 問 題 じ ゃ ね え !

 

「俺は、BSに誘われたから来たんだ!」

「断らなかっただろ?」

「ふーん、プリ男くんって月夜花みたいなのがタイプなんだ」

「違う!」

「じゃあ、どういうのがタイプなんだ?」

「あ、それは聞いてみたいな」

 

 え……

 俺の好みのタイプ?そんなもの聞いてどうするんだ……それを聞いてWIZ娘ががんばってそう言うタイプに……イヤむしろ最近はWIZ娘が……待て待て!俺は聖・職・者!

 

「お、俺は聖職者だ!そう言うのは考えたことは無い。だからその質問には答えられないよ!」

「逃げたな……」

 う゛……どうやって答えたものか……

 

「あ、もしかして……」

「ん?」

「やだ、プリ男くんたら……( *・-・*)」

 

 

「プリ男くんって……男の人が好きなんだ」「ちょっと待て!」

 

「何!」

 ずざざざっとBSが距離をとる。WIZ娘も心なしか後ずさったような……

 

「そう言えば、いつも男と組んでるよな」

「うんうん」

「言っておくが、俺にその気はないぞ」

「そういうので差別したりしちゃいけないって誰か言ってたから……今まで通りでいようと思うの」

 

「そう言う問題じゃねえ!」

 と近づくと……下がる。近づくと、下がる。くっ……

 

「っとと、そろそろ月夜花が出る時間になるな」

「BSくん、ガンバ(・∀・)b」

「おう、プリ男、行くぜ」

「ああ」

 うまくごまかせたけど……微妙に距離置いてるのが気になる(´・ω・`)

 

 取り巻きの九尾狐への対処も必要だろうとWIZ娘も連れて、探し始める。雑魚、特にホロンを倒すのにかかる時間が半分以下に減ったので、移動が早い。

 

「いた!」

 BSが見つけた。完全にフリー……というか、近くに数名倒れているのが見える。

 

 ボス狩りは一瞬の判断ミスが命取り。

 数分後にああなっているのは俺たちかもしれない。

 

「いくぜ!」

「おう」

 フル支援+フルブーストをかけたBSが突っ込んでいく。取り巻きの狐が一斉にBSに襲いかかる。まずはこれを何とかしないとな。

 

「ストームガスト!!」

「BS!割るなよ!」

「わかってる!」

 BSはヤファだけを攻撃。取り巻きやその他の雑魚はWIZ娘が倒せばいい。俺は……フル支援だ……って、次のSGがこない?

 

          (○)

          ヽ|〃

        γ ̄ ̄ ヽ  / ̄ ̄ ̄ ̄

         (( ( ハN )ィ i< ん?何?

      ∬ 从ヮ゚*从,、ル \____

      旦 ノ ̄ ̄ ̄)

       ⊂ノ .    |

       <    .  )

        `~ー~~

r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、  

ヽ__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ ⊂(。Д。)つ

 

 ダメだ、こいつ全っ然狩る気になってない。

 

「WIZ娘」

「何?」

「狐は結構いい感じに箱を落とすぞ」

「ホント?(゚∀゚)」

「ああ」

 落とさなくても俺は知らんが、と心の中で付け足す。

 

「ストームガスト!!(゚ヮ^*)ノ」

 

 ……WIZ娘ってわかりやすい性格だな……

 

 

 

「何か知らんが、パッシブでアドレナリンラッシュ!!」

「ヤファたんハァハァでウェポンパーフェクション!!」

「萌えながらマキシマイズパワー!!」

 煩悩ってたいしたモンだな……

 

 それなりに装備を調えてきていたことと、取り巻きも混ぜながらSGが吹き荒れるので、あともうちょっとと言うところか。

 おっと、WIZ娘にもフォロー入れておこう。SGばっかりだと「飽きた(´・ω・`)」とか言い出しそうだからな。

 

「WIZ娘、LoV使っていいぞ」

「いいの?」

「ああ」

 

 にこっと笑い、息を吸い込んで……

「ロードオブヴァーミリオン!!(・∀・)ノ」

「ロードオブヴァーミリオン!!.(o´∀`o)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(゚∀゚ )」

「ロードオブヴァーミリオン!!(´∀`)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(*・ω・)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(*゚▽゚)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(*´▽`*)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(´・∀・`)」

「ロードオブヴァーミリオン!!(`・ω・´)」

「ロードオブヴァーミリオン!!∩(´∀`∩)」

「ロードオブヴァーミリオン!!∩( ´∀` )∩」

「ロードオブヴァーミリオン!! (∩´∀`)∩」

 

 そんなにLoV好きなんだ……_| ̄|○

 

 やがて月夜花は倒れた……

 

「よっしゃあ!……MVPドロップなしかよ……」

「残念だね……(´・ω・`)」

「ま、次回だな」「ああ」

 

「それよりも」

「ん?」

「お前が男しか愛せないっt」

「待てい」

「何だよ」

「話 が 飛 躍 し す ぎ だ」

 

「まぁ確かに、お前は好みのタイプを答えていない。WIZ娘が適当に言った話だ」

「ああ」

「よく考えたら俺も話していない」

「うむ、つまり俺が答える必要は」

 ない、と続けようとしたところをBSがさえぎる。

「俺が話せば答える義務が生じるな」

「何だって?」

 

「俺の好みのタイプは……ヤファたんもいいがソヒーたんもいい。ジルタス様もいいし、カプラさん達も大好きだ。雅人形の清楚な感じもいいぞ」

「BSくん、節操なしだね」

「任せろ、WIZ娘も俺のタイプだ」

「キャ(*>∀<*)」

 ストレートすぎて逆にさわやかに流しやがった。

 

「で、お前の好みは?」

「う……」

「ふむ……タイプだと言いづらいなら具体的な例でもいいぞ。ヤファは?」

「ん……範囲外かな……ってちょっと待て」

「何だ?」

「なんとしても答えろと?」

「当たり前だ」

「なら、せめてモンスターは外してくれ、頼む」

「わかった」

 

「じゃあ、ズバリ聞く」

「あ、ああ」

 BSがニヤリ、と笑う。

「WIZ娘は?」

 




 ちなみに作者のWIZ娘はよくFDで遊んでおりました。月夜花は逃げますが。なお、現在はモンスターの配置も換わっているので、気軽に行ける場所では無くなりました。

解説
 月夜花
 作中ではあまり触れませんでしたが、見た目は各自で調べること。……MVPボスとしては比較的(・・・)弱い方のボスでした(・・・)
 ドロップ品が比較的優秀なのと、手軽に行きやすい場所に出るので、競争率は高め。


 ホロン
 見た目はそのまんま人魂。とにかく堅くて、低レベルの内は武器でまともに殴るのはお薦めしない。魔法だと簡単に倒せます。作者のAD二極のローグが殴るとダメージ表示が楽しいのでよく叩いてました。


 ソヒー
 ペットの人気ランキングで常に上位。水属性だが、FWで止まるので、マジシャン系は狩りやすい相手。たまに自決して残念な気持ちになりますが。


 天下大将軍
 移動しない系モンスターなので、離れていれば安全に狩れるモンスター、でした(・・・)。あるときのパッチから、急に魔法を打つようになったので要注意。LoVで巻き込めば安全に狩れます。

 九尾狐
 一次職ではまず倒せず、二次職でも回避や耐久が低いと死にかける結構強いモンスター。通常ドロップがかなり良いので作者は結構狩っていた。ちなみにハンター転職のためのギルドがフェイヨン近くにあった頃、そのマップに(確か)2匹いて、転職しようとしたアーチャーがよく転がっていたものである。
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