「じゃあ、ズバリ聞く」
「あ、ああ」
「WIZ娘は?」
「WIZ娘が好みのタイプかどうかって……ことか?」
「他にどういう意味にとれる?」
くそっ直球ストレートか。
あらためてWIZ娘を見てみる。
相変わらず頭のヒマワリが平和そうな……緊張感のない顔と一緒にふよふよ揺れている。顔立ちは美人と言うより、かわいい、と言った感じ……童顔で、頬がどの程度ぷにっとしているかは確認済みだ。背は……俺はそんなに背の高い方じゃないから、頭が肩くらい。背の高いBSと並ぶとヒマワリがBSの肩あたり。
魔術師ギルドから支給されたマントは長すぎて詰めたそうだが、横幅はそのままにしたので、普通は体が見えるはずなのに完全にマントに包まれている。そのマントに隠れた体は……ノーコメント。まぁ、見た目よりは……っと、俺も詳しく知らないぜ。普段着姿は何度も見ているが、じっくり見たわけじゃないし。
性格は、平和そのもの。行動原則は「楽しい」「面白い」が基準。
嘘を吐けない、と言うか疑うという概念がなく、相手の言うことは何でも信じる。だからこそ、ギルメンの誰もが、WIZ娘のことを気にかけている。この前も詐欺露店に引っかかりかけたところだったが、直前で誰かが止めたんだっけ。
そう、答えは真剣に考えなければならない。
後になって「ごめん、嘘」などと言おうものなら、普通は「うそを吐く人なんて嫌い」なんてなるはずが……WIZ娘から「変な人」と思われてしまう。
「WIZ娘は……タイプかどうかと言う基準に乗せづらいな」
「ほう……」
「何て言うか、同じギルドの仲間という意識の方が強い。ギルドと関係なしにだったら……そうだな……」
じっくり考えた結論を答える。
「タイプじゃない」
「そうか……なぁ、WIZ娘」
BSが後ろでホロンにLoVを落としている(またかよ)WIZ娘を呼ぶ。
まぁ、アクティブモンスターのいるところだから、誰かがモンスターを倒していないとのんきに話なんて出来ないんだが。
「どうしたの?」
「WIZ娘、大事な話だ」
「う、うん(`・ω・´)」
いつになく真剣なBS。
「今まで気がかりだったことがあったんだが、すっかり解決した」
「?(・∀・)?」
「WIZ娘、ずっと言おうとしていたことだし、こういう場所だけど言わせてくれ」
「な、何?」
少し緊張気味のBS。
「好きだ、今すぐ結婚してくれとは言わないが、結婚を前提につきあってくれないか」
それから……細かいことはよく覚えていないので、かいつまんでおくと、二ヶ月後、二人は結婚し、冒険者を引退。ゲフェンで新しい暮らしを始めた。
季節の折り目毎に時候の挨拶の手紙が届き……1年ほどした頃の手紙は「もうすぐママになります(^∀^)ノ」と書かれていた。
俺はと言うと、幼い頃に見たプリーストの姿を追い求め、今日も修行を続ける日々。
「ストームガスト!!」
「おい、氷を割れよ!」
「!す、スマン……」
「ストームガスト!!」
BSとWIZ娘の結婚式以来、俺がLoVとMSを見た回数は10回にもならない。ここはMSの方が……なんて言っても「持ってねーよ」と返ってくる。
殺伐とした雰囲気だけの日々が続く。
「効率……か」
プロンテラの空を見上げ、胸に手を当てる。
胸ポケットに入れたロザリオには一枚のSS。皆に言うと止められるのを承知の上で、カードの代わりにWIZ娘が写っていたものを切り抜いて挿している。
これを見るたびに、俺は……
「……っ!プリ男!」
「え?」
名前を呼ばれた。BSが肩を揺すっている。ここは……FD?
「えーっと……」
「ったく、俺の質問、そんなに難しい質問だったか?」
今のは……想像?
「大丈夫か?」
「あ、ああ。ちと余計なことまで考えていたみたいだ」
「……ったく……で、答えは?」
ち、ごまかせないか。仕方ない、正直に答えよう。
「WIZ娘は……タイプと言えばタイプなんだが、何て言うか……家族みたいな感じかな?」
「ほう」
「前にも話したろ、俺、5人兄弟の末っ子でさ、兄とか姉はわかるんだが、弟とか妹ってわからないんだよ」
「うむ」
「だから、妹がいるとしたらWIZ娘みたいな感じなのかな……って、そんな感じ」
「なるほど」
「WIZ娘ー」
「なに?(・∀・)」
BSがホロンにLoV落としているWIZ娘を呼ぶ。とてとてっとこちらへやってくるWIZ娘。
「プリ男がな、お前のこと、妹にしたいって」
「え?」
r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、
ヽ__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ ⊂(。Д。)つ ち、ちょっと待て……
「プリ男くんが、お兄ちゃんなの?」
「そう言うことだ」
だから待って……
「おにいちゃん?(・∀・)?」 お、おい……
.,__ ., \
‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
"‐ニ‐-> "`"'-' \
(○)オニイチャン__二) \ ヽ
ヽ|〃 -─ ヽ ‐=≡ (>∀< )
γ ⌒ ヽ 三 ≡ ヽ; ‐=≡(  ̄ ̄ ̄`ヽ ヽ⌒ヽ
! ィノノハ ) ) _ - ― = ̄  ̄`:, | ‐=≡  ̄ ̄ ̄ ̄\ヾ イ |
ルリq゚ ヮ ゚从 お に い ち ゃ ん ♪ ; .‐=≡‐=≡; : ))) | |
√ ヨE )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"'" ! . : , ‐=≡ / | |
ノヽ ノ | | ヾ、 _、 | ‐=≡ / / /し丿
ノ, ノ | | ヾ./_ _ //.` ‐=≡ / / /
/ L¬¬ヽ 、ー`、-、ヾ、、, 、, /i/ ‐=≡ ( ̄ / /
// ./// / ‐=≡  ̄(__/
/ / / /
かいしんのいちげき!
プリ男に999のダメージ!
さらにプリ男はせいしんりょくに999のダメージをうけた
その後のことはよく覚えていない。WIZ娘に「以後、『おにいちゃん』と呼ぶのは禁止だ」と言い聞かせたことだけは覚えている。
まぁ、言い聞かせればちゃんと聞くからその辺は大丈夫……のハズだ。
ベッドに横になる。疲れてはいないが、習慣みたいなものだ。
「兄弟……か」
俺の家は5人兄弟、兄二人姉二人、そして俺。皆、かわいがってくれた、と言うかいじめていたというか……弟や妹がほしい、と何度願ったことか。
BSは確か、長男で、弟二人と妹が一人いるとか言ってたっけ。初心者修練場で一緒だったから、長いつきあいで結構いろいろ話をしているな。他のギルメン達も家族はいろいろ。時折話題になるので知っているのだが、WIZ娘のことはよく知らない。
俺がWIZ娘に会ったときには既にWIZに転職済みだったから、マジシャンの頃のこともよく知らない。
もともと俺たちのギルドは二つのギルドだったのだが、もろもろの事情で一つになった。そのもう一つのギルドにWIZ娘はいた……だったかな。
「それとなく、聞いてみる、か……」