ミシェル。第一王子の世話をさせないようにメイドに通達した思い上がり者。
「父上、ただいま戻りました。なにか変わりありました?」
「うむ、彼らが用いていた機械がどこで調達されたものかが分かった。そして協力者、なにより一番大変なことがある。」
「もしかしてマデュライトの仕入れ方とか?」
「いや、使用済みマデュライトの使い道だ。彼らはそれをマドエルの不完全品…まぁマデュエルなのだろうが抽出後のそれを粉末状にし売りさばくことで資金を得ていたようだ。」
「えー…買う人いるんですか?」
「サザンビークに人型の魔族が多いことは知っているな。それらを血縁に持つ者にとってマ素の含まれるその粉末はとても美味に感じるらしい。しかしその幸福感は長続きせず、不足して数日が経つ者は性格が変わるほどだそうだ。」
「………父上、心当たりが一人いるんですけど。」
「む、それは誰だ。もしかしたら我々も知らない人物かもしれない。」
「ミシェル侍女長です。実はミームスは私が城を出る理由を城下町で暮らしたいからと報告したはずですが。実際は侍女長による世話の拒否が原因です。そこでちょっとしたイタズラに侍女長の私室に入り込んだのですが、金をほとんど持っていませんでした。なにより…第一王子よりも偉いと思い込むとかどうかと思うんです。」
「…ミームスからは報告を受けていないな。そうか。誰か、侍女長を呼び出してくれ。」
「畏まりました。」
「陛下、失礼します。いかがいたしましたか。」
「ミシェル侍女長。たしか半年ほど前に就任したそうだな。」
「はい、おっしゃる通りにございます。」
「それで、第一王子の世話を拒否したそうではないか。何か申し開きはあるか?」
「…?申し開きもなにも、私の正当な権限を行使したまでです。」
「…どういうことだ?」
「私はこの王城の侍女長。全ての使用人は私の部下です。そんな私が何故パルミド育ちの下賤な者を世話する必要があるのでしょうか。」
「侍女長、この城で一番偉いのが誰か答えられるか。」
「もちろん陛下でございます。しかし、この城で働く者の中で一番偉いのはもちろん私であることは確かです。」
「…もうよい。マデュライトがどうとかではない。単刀直入に聞くが、私はマドエルを持っている。欲しいか?」
「是非!!!!!」
「…このような廃人になるものを売りさばきおって。ガード、ミシェル元侍女長を牢屋へ。リハビリ用に戦士と僧侶の職業を持った者達を雇用しておくように。」
「はっ!ついてきなさい。」
「元…侍女長…?え…あぇ…」
「ふぅ…これは一回全員と顔を合わせる必要がありそうだな。もう出てきていいぞ。」
「いやぁ、案外作業机の下も居心地がいいもんですね。にしても前よりひどくなってましたよ。前はもうちょっと分別のある感じでしたけど。」
「そうか。エリゴス、お前に頼みたいことがある。話を聞いてから判断してほしい。」
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エリゴス
王子
1863ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP709/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
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