盗賊なら持ってると思った。
「なぁおっさん。俺らなんで投獄されたんだろうな。」
「…まぁ、教会を相手にしたからじゃないですかね。」
「そうかぁ。にしても領主も領主だな。司教に会っただけでヘコヘコスリスリ。俺らの言い分は聞かずに即投獄とか。」
「ここまで教会贔屓の貴族が治めているとは知りませんでしたね。やはり教会が立派なのって実権を握っているからなんじゃ…」
「あー、だから立派な魔道具の楽器置いてるのか。貴族の独断でどうこうなるような場所じゃないから。」
「そうかもしれませんね…ところで私たちいつになったら出れるんでしょうか。」
「…ところでさ、おっさんの牢からは見えないかもしれないけどさ。向かいの牢に手錠かけられたままの白骨死体があるんだけど。」
「そ、それって!まさか死ぬまで放置ですか!?」
「あの司教ならやりかねんぞ。とりあえず、このままこうしていても埒が明かない。俺は牢の外を見てくる。」
「え、どうやってですか?」
「…実はな、この牢大人用だからか抜けれちゃうんだよね。」
「ほんとだ…でも見つかったら大変なんじゃないですか?」
「大丈夫大丈夫、魔法使ってたところ見たろ?いざとなったら眠らせるさ。」
「わかりました。気を付けてくださいね。あと見捨てないでくださいね。」
「ここで見捨てるくらいなら最初から助けないよ。」
「グフフフ、司教様。あの者たちはどうしましょうか。」
(おっと、ここか。)
「今は確か牢屋に居るのですよね?もちろん死んでもらいますよ。彼らは司教たる私に歯向かい、大事な魔道具を盗もうとしたのですからね。」
「グフ、で、では。子供の方を味見してもいいですかね?」
「おやおや、あなたも好色ですね。しかしあの子供なかなかにレベルが高いのか強いですが、どうするのですか?」
「グフフウ、力の抜ける薬を食事に仕掛ければちょうどいい柔らかさになるのですよ。これまでもこっそり旅人の子供を攫っては味見をしていましたから慣れたものです。」
「おやぁ、あなた本当に好色ですねぇ。では、私は男性のほうを痛めつけるとしますかね。神に歯向かう不届きものを庇うような不心得者は苦しんで死んでもらわねば。」
(…なんだ、似た者同士か。それなら…)
「……む?何か甘いようなにおいが。」
「おや?確かに。なんでしょうか。」
「……グフグフ、こ、こんなに可愛い男の子が目の前に!」
「……なんとも美しい女だ。これは手を出すのが神の御心!」
(うわぁ、出来心で作った媚薬とあやかし草と武道エキスのお香の実験台になってもらったけどやっぱ強すぎか。でもこれでしばらくは時間を稼げるだろうし今のうちにこっそり逃げとくか。)
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エリゴス
王子
9836G
魔人エリゴスLv20 加護(秘匿)
HP270/270
MP495/500
ちから185
すばやさ190
たいりょく130
かしこさ180
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
盗む
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
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