南東の大陸の南に位置する街。
犯罪者、世捨て人、何らかの理由で表に出れなくなった者たちの街。
ゲームではカジノがあって入り組んでるくらいしか他の街との違いはなかったですがこの小説においてはかなり大きい街ということにします。
闇の街があんなに最小限なわけないはず。
「お頭さん、これどこへ向かってるんですか?」
「パルミドだ。」
「え、この魔法あるんだったら船いらなかったんじゃないですか?」
「何言ってんだ。船まるごと持ち込めばいくらになると思ってるんだ?
これだけの船ならざっと50万Gは下らねぇぞ。
王子の誘拐2回分より多いぞ。」
(まじか。なんでそんなに高いんだよ。)
「なんでそんなに高いんですか?ただの船ですよね?」
「おいおい、この船には魔物除けが掛けられてるんだぞ。
それに船そのものも大きい。
出力もでかい。サザンビークからゴルドまであっという間だったじゃねぇか。
そんな船まともに作るとなれば100万Gじゃ済まないだろうよ。」
「でも、持ってるだけで捕まる船ですよね。」
「馬鹿野郎。そのためにパルミドまで持ち込もうとしたんだ。
パルミドなら船の偽装くらいなんてこたぁねぇ。
オークションに出せば簡単に買い手がつくぞ。」
「もしかして、僕もオークションに出す感じですか?」
「そのつもりだったが、気が変わった。
お前はパルミドのギャングに売り払う。」
「ギャング…ベルガラックのギャリング家みたいな?」
「ああいうまっとうなのとは違う。ガチの大盗賊の集まりだ。」
(おいおい、なんだってそんな心変わりしたんだよ。)
「えーと、なんでギャングに?」
「お前が珍しいからだ。
お前の真価はオークションで大々的に公表するよりこっそりとギャングに売り払ったほうがいい。
お前はこの俺でさえ知らない魔法を使うんだ。
どうせアバカムやらステルスやらも俺が知らない遺物の魔法なんだろう。
わかるか?お前は周りに知られなければ知られないほど、その力を発揮できるんだ。
暗殺者なり盗賊なり…そういやお前、魔法使いじゃなくて盗賊だったな。
その魔法がありゃどんな大盗賊にも負けないような盗賊になる。
俺が保証するぞ。」
(たしかにどこでも鍵を開けれて、誰にも察知されなくて、鉄の塊にして無力化できるなんて盗賊としてはチートもいいとこだよなぁ。)
「ほら、見えてきたぞ。あの大陸がパルミドのある南東大陸だ。」
「…いやぁ、暗くて見えませんね。」
「盗賊なら夜目くらい利かせられるようになっとけ。
いいか、俺らが売り払うまでは絶対に逃げるんじゃねぇぞ。
逃げるなら俺らが売り払ってからにしろ。」
「え、そんな堂々と逃げていいんですか?」
「お前どうせ逃げるつもりだったろ。
子供一人管理できないようなギャングなんていない。
そういうことだ。」
「……追ってこないってことですか?」
「そうだ。お前を買った事実から無くなる。
ましてやお前は王子だ。
逃げられちまったんなら下手に追わないほうがいい。」
「そういうものなんですね。」
「そういえばチャックさん、あの後何があったんです?」
「なに…査問官がやなやつだったってだけだ。
俺の嘆願なんか聞いてもらえなかった。
これだから聖堂騎士団どもは…」
「坊主、これからパルミドでは俺が抱えるがよ。
そのまま歩いていたら坊主なんかすぐ攫われてオークションに出されるがよ。」
「そうだな、そうしとけ。
チャック、お前は宿を手配しろ。
俺とアクズで話を付けに行く。」
「ところで、なんて名前のギャングなんです?」
「ヤングライオン団だ。」
(…なんか聞き覚えあるような。)
◆
エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP295/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
◆