サザンビーク王子の覗き見   作:道化師ケダマ

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{キメラのつばさ}
ゲームでは使い捨てのルーラができる安い道具
この小説では何度でも使えるルーラができる魔道具。



25

「ふむ…パルミドで止まったか。

この地図を使ってエリゴスを守りながら連れ戻してきてくれ。」

「はい、かしこまりましたクラビウス様。」

 

 

 

「なぁ、ガキはこのまま売り払っちまうんですかい?

俺、なんだか愛着が湧いちゃいましたよ。」

「馬鹿野郎。こんな厄介者いつまでも持ってるわけないだろ。

そもそも誘拐犯だぞ俺たちは。」

「いくら命の恩人とはいえこればっかりは仕方ないことがよ。」

 

「まぁ、僕としてもお三方との出会いは得るものが大きかったです。

またいつか会ったら話しましょう。」

 

「おいおい、もう脱走後の事考えてるのか?

もし脱走に失敗してみろ、

二度と出れないような場所に閉じ込められちまうぞ!」

「いざとなればそこからでも脱出して見せますとも。

孤島でも地下でもどんとこいですよ。」

「おい、あんまり調子に乗ってると軽いミスで全てが台無しになるぞ。」

 

「とりあえずメシを喰ったら寝るぞ。

もうすぐ夜明けだ。少しでも寝ておけ。」

「「アイアイサ。」」

「はい。」

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、やはりキメラのつばさがあると便利ですね。

パルミドも様変わりしましたねぇ。

さっそくエリゴス様を探しますか。」

 

 

「地図によるとこの建物…墨廊館?宿屋ですか。それも高級な。

ちょうどいい、私にうってつけの場所ですね。

さっそく入るとしますか。」

 

 

 

 

 

 

「おい、起きろ。メシの時間だ。」

「「アイアイサ。」」

「はい…ふわぁ。」

 

「わぁ、これ豚の丸焼きだ!」

「お?初めて見るか?このあたりじゃ珍しくないんだがな。

アスカンタは畜産が主流でな、魔物じゃない肉もそれなりに流通している。

ここのはちゃんとしたところから仕入れてるだろうし安心だぜ!」

「安心じゃない肉って…?」

 

「あぁ…盗んだ子豚を質素なメシで育てたりすると、そりゃもう不味い。

でも安宿だと魔物肉よりそっちが主流だってんだからなぁ。

ガキ、腹いっぱい食っておけよ!ここはお替りできるからな!」

 

「ははは…5歳児そんなに食べませんよ。」

 

 

 

「…そんなに食べないとか言ってたくせに、ガッツリ大人と同じ量食ってるじゃねーか。」

「…育ち盛りですからね!」

 

(おかしいな、普段こんなに食べれないはずなんだけど。)

 

「もしかして、魔力を大量に使うとお腹すきますか?」

「ん?いや、そんなことはないが。」

「うーん、そうですか。」

 

(なんでだろうなぁ。まぁ気にせずに食べよう。)

 

 

 

「坊主、ズタ袋に入るがよ。」

「はい、わかりました。…!?」

「どうしたがよ?」

「いえ、なんでもないです。」

 

 

 

 

「おい、お前たち何の用だ。ここはヤングライオン団の本部だ!」

「昨夜商談を申し込んだバフロンズです。首領との面会に来ました。」

「おう、オレっちも話は聞いてるぜ。入んな。」

「坊主、出るがよ。」

「ほら、いくぞお前ら。」

 

「ん?」

室内に居たのは体も顔も丸く無精髭がある大男。

肩に白い毛皮をかけているその大男の頭の上には…

見覚えのある形の被り物があった。

 

「オレがヤングライオン団首領ヤンパーだ。

そこに座ってくれ。話を聞こう。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2 寄生
HP38/38
MP380/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法

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