オリジナル要素。
聖水と神父の祈りで神と交信させやすくして子供の職業を決めさせる儀式。
たとえその存在が神であろうとなかろうと教会の信じる神はこれ。
{物理と魔法の融合が得意になる}
かえんぎりやいなづまぎりやマヒャドぎりなど。
{職業に性格を引っ張られる}
いくつかの本質から選び出された一つを突出させることでその分野に対応する感情が強くなる。
戦士は戦いたくなる。魔法使いはものぐさになる。僧侶は慎ましやかになる。
盗賊や遊び人のように引っ張られすぎると犯罪や死に急ぐようになるとされる職業もある。
それから2年、部屋から全く出ることなく本だけが娯楽、腹筋腕立てスクワットを毎日することでこの世界の常識を覚え、レベルありの子供にも勝てるだけの筋力を手に入れたと思う。思う。思うだけかもしれない。
今日、城下町の聖堂で祝福を受けることになり現在同い年の子供たちと一緒に並びながら神父に聖水をかけられている。
「いいですか、心から神に祈るのです。神はあなたたちに選択肢を授けるでしょう。その中からあなたたちがなりたいものを選ぶのです。一生付き合うことになる職業ですので、よーく考えて選ぶのですよ。」
と神父が言うと子供達は次々に輝く。祈るとこうなるのか…。
「神父様!僕は戦士になりました!」「私は踊り子!きらきらしてたの!」「僕だって踊り子だもんねー!」「あそびにんだったー!!あそぶー!!」
おっと、祈らないと…神様ぁ!!
★
エリゴス、あなたがなれる職業は4つ。
賢者
盗賊
魔法戦士
聖騎士
賢者は攻撃魔法と回復魔法の達人になれるでしょう。
盗賊は素早く器用になれるでしょう。
魔法戦士は攻撃魔法と近接攻撃を組み合わせやすくなるでしょう。
聖騎士は回復魔法と補助魔法を操る戦士になれるでしょう。
どれを選んでもあなたは大成する。
★
おおっと…?4つの職業が輝いて見える、これはどれを選んでも大成するからか。
もっと魔王とかやばいのが来ると思ったが…賢者はだめだ、
本によればたしかに魔法の達人にはなるだろうが肉体的にとても弱くなるらしい。
魔法戦士もよさげだと思うが実際には魔法を使うのではなく物理と魔法の融合が得意になるだけらしい。
となると盗賊か聖騎士かだが、俺は全ての魔法が使える。
聖騎士より盗賊になったほうがいいと思う。きめたぞ、俺は盗賊になる!!
★
よかろう、エリゴスは今日から盗賊のレベル1である。
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目を開けると神父が目の前に立っていた。
「エリゴス様、何を選ばれましたかな?」
「はい、俺は盗賊を選びました。」
「…今なんと?」
「盗賊を選びました。」
「も、もしや盗賊しかなかったのですか?」
「いいえ、俺はこれと思い、盗賊を、選びました!!」
「そうですか…エリゴス様。職業に性格を引っ張られて落ちぶれる者もいることはご存じでしょうな。職業に支配されることなく、どうか名君となってくだされ。」
「そうだな、まぁおいおい考えるさ。」
「…大丈夫ですかなぁ。」
職業補正のせいか帰りはとても体が軽く、街中だというのに曲芸のような動きをしてしまいマリアンに叱られてしまった。しょうがないじゃない、嬉しいんだもの。
エリゴス
王子
盗賊Lv1