クラビウス所有の庭園。
ガラス細工が置かれた枯山水の庭。
あまりにも眩しいためわざわざ見ようとする者はいない。
「失礼しまぁーす。父上いますかぁー。」
「居るぞ。話はミームスから聞いている。入りなさい。」
「あ、はい。その、お久しぶりです父上。」
「そうだな、かれこれ2年か。」
「「・・・・・・・・・」」
「エリゴス様、何か言いたいことがあったのでは?」
「あ、そうだった。父上、地下牢で大臣さんを見ました。
彼は本当に横領をしたのですか?」
「そうだ、証人は何人もいるし、誰もかれも信用のおける人物だった。
その人たちが横領の証拠をこれでもかと用意していた。
隠密の者にも調査させたが裏はなかった。
彼は私の信頼を裏切ったのだ。」
「そう…ですか。わかりました。
それはそうと父上、
赤の庭園に行ったらミシェル侍女長という見知らぬ人物が居たのですが、
マリアンはどうなさったんですか?」
「マリアンは元々侍女が本分ではなく護衛としてつけていたのは知っているな?
今は国内を巡回警備する任務に就いている。」
「ということはクビじゃないんですね、よかったです。」
「それはそうとエリゴス、お前は本当に睡眠毒で誘拐されたのか?」
「え、あ、はい。そうなっています。」
「…そうなっています、か。わざとだな?」
「あー、まぁ、はい。そうです。」
「結果としていい経験になったようだが、
もし殺害が目的だった場合はお前は今ここにいるか怪しいのだぞ。
次からはもう少し警戒心を持ってくれ。
もう、心配させるな。」
「あー、その、無理…ですかねぇ。やりたいこともあるので。」
「そうか、いや、その為に日々鍛えていたのだろう?」
「半分はそうですね。
王家の試練を無事に乗り越えられるか不安ですので。」
「王家の試練か…エリゴス、今から手合わせをしよう。」
「え、今からですか?」
「そうだ。お前には言っておかねばならないことがある。
しかしそれは説明しにくい。
まずは私の実力をもって証明する。」
「はぁ、わかりました。」
「ここは砂の庭園、私の所有する庭だ。
ここなら誰も見ていないはずだ。」
「きれいなガラス細工ですね。
この中で戦うのは気が引けます。」
「これらを壊さぬようにするのも実力のうちだ。さぁ、構なさい。」
「はい、父上。」
「それではクラビウス様、エリゴス様。構え、開始。」
「いきますよ父上!」
カァン!
「ぬわぁ!?」
「エリゴスよ、お前はやはり身体能力を過信していたな?」
「な、なら【ラリホー】」
「……効かんな。」
「…もしかして、同じ体質だったりします?」
「そうだ、気付くのが早かったな。
お前がずっとその体質を自分の個性だと思っているというのはミームスの分身から聞いている。
それはサザンビーク王家の血筋に由来するものだ。
手合わせは終える。執務室へ戻るぞ。」
◆
エリゴス
王子
盗賊Lv10 寄生
HP90/90
MP234/620
ちから57
すばやさ96
たいりょく30
かしこさ161
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
◆
◇
ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス
◇