ないです。
「エライゴス君、見えてきたよ。あれがサザンビーク一の歓楽街、ベルガラックだ。」
「…うーん、ぎりっぎり見えますけどまだ遠いですね。」
「ははは、もうここまで来たらすぐさ。よかったら夕食でも一緒にどうかね?」
「ありがたくご相伴に預からせていただきます!」
「私の商会には王都の高級宿にも負けない料理人が居るからね、期待してもらって構わんよ。」
「いやぁ、楽しみですね。海鮮料理ですか?」
「うんうん。ベルガラックへ行ったら海鮮料理を食べることにしていてね。
料理人も普段は店を構えている。
食材も腕も一級品だから今にも思い出すだけで…お腹がすいてくるねぇ。」
「海魚を食べるのは(生まれて)初めてなのでとても楽しみです。」
「よし、ここが私のアクエル商店だよ。お前たちは荷下ろしをしておいてくれ。私は先に食事に行かせてもらうよ。」
『はい!モスコさん!』
「さぁ、行こうか。向かいの店だよ。」
「いらっしゃい。あ、オーナー!お帰りなさいませ!」
「うむうむ。客入りは上々だね。個室使わせてもらうよ。」
「わかりました!御用の際はお呼びください!」
「(おい、あれが食狂いか。)」
「(たしかに食狂いそうな体してるな。)」
「(ここの店の秘密をつかんで来いったって、食って覚えるしかねぇよな。)」
「(いっそ聞きに行くか?)」
「(馬鹿野郎、わざわざ金になるようなレシピを教えてくれるもんかよ。)」
(・・・・・・・・・)
「ねぇ、モスコさん。もしモスコさんの店のレシピを知りたいって人達が聞きに来たらどうするんです?」
「うーん、そうだねぇ。とりあえず二度とそんな事を思えないようにするね。」
「他の店が同じような料理出すの反対な感じですか?」
「逆だね。むしろ試行錯誤して出してほしい。その方がうちの店と違う味付けになるだろうからね。
私の店のレシピ通りに作ったところでそれはうちの店の料理と代り映えしない。
私はね、アレンジは良いんだ。そのままの再現は何より許しがたい。」
「だってさ、おじさん達。」
「「な、なにがだ!?」」
「バッチリ聞こえてたよ。この店のレシピが欲しいんだってね。
モスコさん、この二人はスパイだけどどうする?」
「…どうもしないさ。ただ、君達にはこの店のレシピを再現しようとするのではなく、新しい料理として模倣してほしいね。」
「「は、はい!!」」
「ごゆっくり食べて行ってくれ。さ、行こうか。」
「はい。」
「なぁ、エライゴス君。私には彼らの声が全く聞こえなかったが、どうしてわかったんだい?」
「盗賊としての修行で聞き耳の技術も習ったんですよ。そもそも彼ら僕たちが入ってから内緒話の体勢とりましたからね。あからさまでしたよ。」
「だからといってそう刺激するものじゃないよ。場合によっては彼らが激怒する可能性もあったのだからね。」
「へへへ、一般人二人相手なら足だけでも取り押さえられますよ。」
「ははは、それなら仕返しにこられても安心だね。
さぁ、海鮮料理を味わうとしましょう。」
◆
エリゴス
王子
186ゴールド
盗賊Lv12
HP107/107
MP680/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
◆