生きています。
「待たせたねチャゴス。どうやら父上は今ちょっと剣と喧嘩してるようでね。訓練はしないそうなんだ。」
「んー?そうですか、仕方ありませんね。ところで父上は先ほどから気分がすぐれないようですがどうなさったのですか?」
「あぁ、うむ。エリゴスに久々に会えたから喜んでいるのだよ。」
「なるほど、父上は喜んでいるときはそういう顔をするのですね。」
(父上…やっぱ普段から笑えないんだな)
「じゃあ代わりに俺が話をするけど、何か聞きたいことあるかい?」
「そうですね…兄上が行ったところで一番すごかった場所はどこですか?」
「一番すごかったところ…あー、これは俺が攫われてる最中のことなんだがな、途中で聖地ゴルドってところの港に立ち寄ることになったんだ。その時に港からそれはそれは巨大な像があったんだよ。その後街に入ることがあったんで近くで見たんだけど、それは女神像でな。顔の造形も精巧でよくあんな巨大なのに綺麗に仕上げたもんだと驚いたよ。」
「ほほう、それは僕も見てみたくなってきました。今度父上に言ってみます。」
「そかそか。俺みたいに攫われないようにな。俺の時は運よく良い性格のやつらだったが、これがタチの悪いやつなら捕まってその場でミンチだろうからな。」
「ミンチとはなんですか?」
「粉々の肉片になるってことだ。それこそそうなったらザオリクでも蘇生できないと思う。試したことはないが。」
「兄上は苦手なモノは無いのですか?」
「苦手なモノ…しいていえば汚いものとかかな。」
「それは皆嫌だと思います。もっとハッキリしてるものです。」
「そうだな…ペットのスライムとは顔を合わせにくいな。」
「なんでですか?ペットなんですよね。」
「俺のわがままで連れてきたんだがその後誘拐されて2年が経過してな。ぶっちゃけなぁ。無理やり連れてきたのもあって放置だぞ?どんな面して会いに行けばいいのか。」
「じゃあ、会いましょうよ。会ってから決めましょう。」
「…チャゴスいい性格してるな。いい意味で。」
「父上、良いですよね。」
「…申し訳ないがな、エリゴスのペットであるスラぼうは現在実験体として勤務してもらっている。」
「…実験体。ということはもはや原型を留めてなかったり?」
「いや…南西研究棟が巨獣によって壊されたのだが、そこにスラぼうも居たのだ。南西研究棟は未だ発掘作業中でスラぼうも生きていれば餓死はしていないだろうが…絶望的だ。」
「…そか。なぁチャゴス。俺会いに行ってくるよ。」
「え、ちょ。エリゴス。今言った通り埋まっているんだぞ。どうするんだ。」
「決まってるだろ、手伝いに行くんだ。じゃあまた後程。父上、チャゴス。」
「父上、兄上ってなんかカッコイイですね。」
「…チャゴス、マネしちゃいけませんよ。あれは勇敢なんじゃなくて無謀なんです。」
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エリゴス
王子
1867ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP709/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
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