魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダーシード&仮面ライダークウガ 繋がる絆【第十五章】

大きな爆発によって、一室が瓦礫と化した海鳴病院へと、三人の異形が足を踏み入れる。

 

三人とも共に、全体的にブラウンを基調としたカラーリングに上半身を覆う、銀色のプロテクター。

 

炎を模した角飾りに、大きな二つの複眼。

 

野球ボール程の大きさの玉が埋め込まれたベルトという、酷似した姿をしていた。

 

大きな違いを挙げるとするのであれば、角飾り細部の形状に、其々に赤、青、黄色の複眼とその色に合わされているベルトに填め込まれた同色の玉ぐらいのものである。

 

その姿を知る者は、誰もが彼らをこう呼ぶ筈でろう……仮面ライダーと。

 

先程の爆発による混乱により、逃げ惑う病院内の人達を尻目にハンター、ガンナー、ボマーの三名は、爆発によって大量に発生した煙が覆う病院の廊下を悠然と進んで行く。

 

「……ちょっと派手にやりすぎたかな?」

 

三人のライダーの内の一人、青い複眼を持つボマーが、病院内に入った自分達とは逆に、外へ出ようと逃げる人達に何度も廊下ですれ違うのを見ながら呟いた。

 

「大地ってば、意外と過激よね~」

 

「流石に俺でも、ここまでやろうとは思わないぜ……」

 

普段から弄りがいの無い、友人をからかおうと、赤い複眼を持つライダー、ガンナーの軽口に、黄色の複眼を持つライダーのハンターも便乗する。

 

「……少し前まで君達二人が、口喧嘩していたとは思えないチームワークだよ……」

 

自分自身でも、流石にこれはやり過ぎてしまったと、反省していたボマーは、精一杯の皮肉を口にした。

 

海鳴病院の一室が、爆発した原因を作ったのは、ボマーである。

 

ボマーが持つ爆弾を生成する能力で、ある程度の威力を持った爆弾を作り出して、目的の場所である海鳴病院の一室へと、外から投げ込んだのだが、予想よりも威力を高くし過ぎたらしく、威嚇の為に小規模の爆発を起こすつもりが、病院の一室を丸ごと爆発させてしまったのだ。

 

「どうするのよ?もしもあの中に、オーバーさんが言ってた【器】が居たりしたら、一緒に吹き飛んでるんじゃないの?」

 

「そうなりゃあ、任務失敗って奴だろうな」

 

「それは確かにそうだけど……そもそも、この場所を突き止めたのは沙耶さんだし、僕の爆弾で奇襲を仕掛けようって言い出したのは、雄太君じゃないか!?」

 

更に責任を追及しようと弄ってくる、ガンナーとハンターに、流石に理不尽だと思ったボマーが反撃の狼煙を上げる。

 

元を正せば、何故この三名が海鳴病院に訪れて、この様なテロ紛いの暴挙に及んだのか、それはこの三名のライダーの内の一人、ガンナーの能力が大きく関係していた。

 

ガンナーの能力は、光弾を発射する機構を備えた手甲を生成する事なのだが、それだけでは無いのである。

 

手甲から射出される光弾には、相手に攻撃する殺傷能力を有するタイプともう一つ、相手に当てる事でマーカーとなり、24時間という制限が課せられるが、その間だけはマーカーを当てた相手に感知される事無く、居場所は把握出来るという、追尾能力を持っているのだ。

 

ガンナーは昨夜の戦いでクウガに対して、攻撃用の光弾以外にも、保険としてこのマーカー弾を撃ち込んでいた。

 

「実際にやって失敗したのは、結局は大地でしょ!もう……あのライダーが一箇所に留まっている場所に行けば、何かしら器の情報が手に入ると思ったのに!私の考えた完璧過ぎる作戦がこれでパーになったら、どうする気よ!?」

 

ボマーの反論を一蹴したボマーは、自身の作り出したチャンスが、味方の失敗によって、水泡と帰すかもしれないという、今の状況に対して憤慨し続ける。

 

「でもよ……あいつが沙耶の言ってた通りに、そんなに強いライダーなら、あれ位の爆発なんてどうとでもなるんじゃねえか」

 

だがここでガンナーと共に、今までボマーを糾弾していた筈のハンターが、ボマーを擁護する言動を放つ。

 

それと時を同じくして、会話を続けながら、病院内を歩き続けていた三人は目的地でもある、病室の前へと辿り着く。

 

爆発により辛うじて扉としての形を保っていたそれを、ハンターは無造作に蹴破り、病室内へと進入を果たす。

 

「何だよこれ?」

 

ただの瓦礫となり掛けた扉を蹴破り、病室へと一番に入ったハンターが、自身の目の前に広がる光景を見て、驚愕の声を上げた。

 

それはハンターの想像していた光景とは、違うものだったのである。

 

ハンターが想像していたのは、誰も居なくなった部屋、もしくは爆発する前に変身を果たしたであろうライダーの姿だったのだが、実際の光景はそのどちらにも当て嵌まらなかった。

 

病室に鎮座していたのは、一台の巨大なバイクだったのである。

 

その巨大なバイクは全体的に黒いカラーリングをしていると共に、前方部分が野生動物の巨大な牙を彷彿とさせる形状をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として、病室に飛び込んで来たメカ犬が叫んだ直後である。

 

何かが窓ガラスを突き破った。

 

病室の窓ガラスを突き破ったそれは、筒状の物体だったのだが、俺はその物体に見覚えがあった……

 

それも当然の話である。

 

蘇るのは昨日の夕方に、ハンターと戦った際の記憶。

 

俺は昨日の夕方のハンターとの戦いの最中に、それを見ていた。

 

そして同時に、思い出したのだ。

 

筒状の物体の正体と、それがもたらすであろう、未来の惨劇を……

 

「これは爆弾……」

 

五代さんもこの爆弾に見覚えがあったのか、言葉を紡いだ。

 

突如としてこの病室の中に飛び込んで来た爆弾に、戦々恐々とする中で、逸早く行動に出たのは空だった。

 

「ちょっと痛いかもしれないけど、ごめんね五代さん!!!」

 

空はそう叫びながら、ベットから飛び起きて、五代さんの腹部に、右手を叩き付けた。

 

次の瞬間に五代さんの腹部が、昨日の夜に見た時とは、比較にならない程の眩い光を放つ。

 

「……これって!?」

 

眩い光はほんの一瞬で治まり、視界を取り戻した俺は、目の前に広がる光景を目にして驚愕した。

 

俺の視界に飛び込んで来たのは、過去に見た覚えのある一台のバイク。

 

それは俺以上に、五代さんもだろう。

 

俺と五代さんは、唐突とも言えるそのバイクの出現に、驚きを隠す事が出来ない。

 

「純も早くこっちに!!!」

 

五代さんと一緒にバイクの後ろに隠れた空が、俺を呼び寄せようと叫ぶ。

 

「急ぐぞメカ犬!!!」

 

『うむ!!!』

 

空の叫びに対して、俺は一旦考える事を放棄して、メカ犬と共にバイクの裏に回ってしゃがみ込む。

 

その直後に先程の眩い光とは別種の、熱量を含んだ光と、激しい爆風が病室全体を包んだ。

 

まともに直撃すれば、生身の状態ではまず命は無いであろう衝撃が、俺達の居る病室内に巻き起こるが、爆発の直前にこの部屋に現れたバイクが、鉄壁の防御壁となって、全ての衝撃から俺達を守ってくれる。

 

普通のバイクでは、そんな事は出来ないであろう。

 

しかしこのバイクは、普通のバイクでは無かった。

 

俺はそのバイクの名を知っている。

 

ただ名前を知っているというだけで、本物をこの目で見る事になったのは、勿論だが俺がそのバイクを見紛う筈が無い。

 

そのバイクの名は、ビートゴウラム。

 

仮面ライダークウガの劇中において、クウガが乗る専用のバイク、ビートチェイサーに、クウガのベルト、アークルに埋め込まれた霊石アマダムと同様のものが内臓された、リントがクウガを支援する為に作られた、巨大なクワガタムシ型の遺産、装甲機ゴウラム が合体した姿が、このビートゴウラムである。

 

その装甲は絶大な防御力を誇っており、劇中でもビートチェイサー以前に使っていたトライチェイサーと合体した、トライゴウラムの状態でさえ、劇中で大型トラックの激突に対しても無傷だった程だ。

 

多少の爆発ではびくともしないだろう……

 

「どうして……ゴウラムがここに?」

 

爆風が治まった後に、五代さんが、ビートゴウラムに手を置きながら呟いた。

 

それは俺も気になるところであり、その回答を知っているであろう空に、この場に居る全員の視線が集まる。

 

「ゴウラムはクウガの意思と繋がっているからね。僕が外部から五代さんのアマダムに、強制的にリンクして呼び出したんだけど……ゴウラムの姿も昔と随分変わったみたいだね……」

 

俺達の視線に気付いた空が、ビートゴウラムがここにある理由を説明しながら、呼び出した本人であるにも関わらず、ビートゴウラムの姿に対して驚愕の表情を浮かべていた。

 

まあ、空が生きていた時代にバイクは無かった筈だし、ゴウラムももっと別の形状をしていたに違いない。

 

空が昔とは違うゴウラムに驚いていると、病室の入り口の方から、大きな衝撃音が聞こえた。

 

「何だよこれ?」

 

それは壊れかけた病室の扉が吹き飛ばされる音であり、続いて昨日から二回は聞いた覚えのある声が聞こえて来る。

 

『マスター』

 

其処でメカ犬が、俺に呼び掛ける。

 

メカ犬が何を言いたいのかは、言葉にせずとも理解出来た。

 

俺は頷きながら、タッチノートを取り出してボタンを押す。

 

『バックルモード』

 

タッチノートから流れる音声と共に、傍に居たメカ犬がベルトに変形して、俺の腹部に自動的に巻きつく。

 

その隣では五代さんが、腹部に両手を添える事で、霊石アマダムが埋め込まれたベルト、アークルが出現する。

 

俺と五代さんは、お互いに一瞬だけ視線を交わす。

 

五代さんが、俺に戦って欲しく無いと思っているかもしれないが、事態は待ってくれない……

 

病室に飛び込んで来てメカ犬が叫んだ言葉と、直後に病室がこんな状態になってしまったという事実。

 

更に前後して、俺達の目の前に現れた奴らが、器である空を目的としているのなら、今は言い争うよりも協力して、奴らの手に、空を渡さない事が最優先である。

 

「五代さん……」

 

「……うん。残念だけど、話はもう少し後にしよう」

 

俺と五代さんは、一言だけ会話を交わしてから、ビートゴウラムの影から、同時に飛び出した。

 

俺達がビートゴウラムから飛び出した瞬間に、予想通りハンターとその後ろに居る二人のライダーが、子供の外見をしている俺を見て驚いているが、俺と五代さんは構う事無く、戦う為に力ある言葉を紡ぐ。

 

「「変身!」」

 

俺は五代さんと同時に叫びながら、タッチノートをベルトの中央の窪みへと差し込む。

 

隣に居る五代さんも、腰に添えた手に右手を上から押し込んだ後に、勢い良く一気に両腕を広げる。

 

『アップロード』

 

ベルトにタッチノートを差し込んだ直後に流れる音声と共に、俺の全身が白銀の光に包まれて、俺の姿を戦うメタルブラックの戦士へと変えていく。

 

五代さんの身体も上半身は、筋肉を模した造形の赤い鎧に覆われて、頭部は二股に分かれた金の角と、赤い大きな複眼という、前世の俺がテレビ越しに憧れ続けた、何時だって誰かの笑顔を守る為に戦い続ける赤い戦士の姿へとなる。

 

仮面ライダーシード、そして仮面ライダークウガ。

 

今ここに……二人の仮面ライダーが並び立った。

 

「あんなガキが……仮面ライダーだと!?」

 

俺の変身を見て、一番驚いているのはハンターだった。

 

「ここは俺が食い止めるから、純は空を頼む!」

 

クウガは右腕を突き出した構えを取りながら、俺に空をここから連れ出す様に指示を出す。

 

『今はそれが一番妥当な判断だと、ワタシも思うぞマスター!』

 

ベルトから聞こえるメカ犬の声も、クウガの言葉を肯定していた。

 

確かにこの場所で戦えば、空に被害が及ぶ可能性が高い。

 

どちらかが相手を引き付けて置いて、その間にもう一人が、空を安全な場所に運ぶのが、妥当な判断だろう。

 

「分かりました・この場は五代さんにお願いします!」

 

恐らく五代さんは俺がここに残って、足止めをするという選択を、良しとする事は無い筈だ。

 

ならばここは素直に指示に従うべきだと判断して、俺は後ろのビートゴウラムの影に隠れている空を、ここから連れ出すべく、後ろ向けて駆け出そうとしたのだが、それを一人のライダーに遮られた。

 

「認めねえ……こんなガキに……俺が二回も負けたなんて……絶対に認めてたまるかよ!!!!!」

 

俺の進行方向に回り込んだハンターが、怒号と共に拳を振り上げる。

 

「危ない!?」

 

俺は咄嗟に、振り下ろされたハンター拳に腕を差し入れて、軌道を逸らす。

 

力の限り拳を放ったのだろう。

 

少しだけ軌道を逸らしたにも関わらず、大きくバランスを崩すが、すぐに体勢を整え直して、再び俺に殴り掛かってくる。

 

その攻撃もただ感情に任せた大振りな攻撃であり、簡単に避ける事は出来るのだが、間髪入れずに次の攻撃を放って来るせいで、安易に空へと近付く事が出来そうに無い。

 

「こうなったら……」

 

次々と繰り返される攻撃を避けながら、俺は一つの決断をする。

 

「五代さん!!!ここは俺が食い止めますから、空をお願いします!!!」

 

俺はハンターの攻撃を避けながら、声を大にして叫んだ。

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