魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

119 / 233
第31話 恩師との再会は始まりの序曲【前編】

「行くぞメカ犬!」

 

『うむ!』

 

俺の掛け声に隣を走るメカ犬が頷きながら応える。

 

その返事を聞きながら俺は開いていたタッチノートのボタンを押す。

 

『バックルモード』

 

タッチノートから音声が流れると同時に、隣を走っていたメカ犬が飛び上がりながらベルトに変形して、自動的に俺の腹部へと巻きつく。

 

「変身」

 

素早く音声コマンドとなっている言葉を紡ぎ、俺はタッチノートをベルトの窪みへと差し込む。

 

『アップロード』

 

ベルトにタッチノートを差し込んだ瞬間に、俺の全身が光に包まれてその姿を一人の戦士へと変える。

 

「はあ!」

 

メタルブラックのボディーが特徴的な姿である仮面ライダーシードへと変身を完了させて、俺はその勢いのまま正面で身構える異形の存在、ホルダーに拳を振るう。

 

夜の闇に映える純白の羽毛を持つ梟に良く似たホルダーの羽が、俺の攻撃を受ける度に宙を舞う。

 

夕飯を終えて部屋でゆっくりしていたその時、突如としてタッチノートからホルダー反応が起こり、俺とメカ犬はこっそりと家から抜け出して反応場所である海鳴市の繁華街へとやって来た。

 

繁華街は夜であっても様々なお店が営業しているので、昼間の様な明るさと賑わいを見せているのだが、それは普段の話である。

 

今の繁華街は、ホルダーという異形の存在の登場によってパニックを起こして逃げ惑う市民達の姿と、その原因でもあるホルダーが繁華街の中央で暴れ回っているという場面が展開されていた。

 

俺とメカ犬はホルダーの居る場所から離れようと逃げ惑う人達を掻き分けて、変身して暴れるホルダーに拳を振るったのである。

 

「やっぱり来たわね仮面ライダー!でも私の邪魔はさせないわ!」

 

連続して繰り出す攻撃の一瞬の隙に、翼を広げ飛び上がったホルダーはそう告げる。

 

その高い領域の音質から恐らくホルダーの素体となった人は女性なのだろう。

 

「行くわよ!」

 

夜空を華麗に舞うホルダーはそう宣言すると、上空から俺目掛けて急降下を開始した。

 

「危ない!?」

 

咄嗟に横に転がる様にして直撃を避ける事に成功するが、安心するのも束の間。

 

『次がくるぞ!』

 

メカ犬の声がベルトから響くと同時に背後から風を切る様な音が聞こえて来る。

 

その直後、俺が後ろに振り向くよりも早く背中に衝撃が走り、俺は前方へと倒れ込んでしまう。

 

「くっ!?」

 

痛みに耐えながら直ぐに顔を上げると、ホルダーが悠然と夜空を滑空している。

 

先程の衝撃の正体は、間違い無くホルダーの攻撃だという事が見なくても分かった。

 

『大丈夫かマスター!?』

 

「……ああ。それにしても急降下して攻撃してきた後に、直ぐ切り替えして後ろから来るなんて……」

 

俺はホルダーから視線を逸らさぬ様に立ち上がりながら、心配するメカ犬の声に応える。

 

『空を飛ぶ相手には遠距離攻撃で攻めるのがセオリーだと思うがどうするマスター?』

 

メカ犬の言う通り、サーチフォルムならば相手の動きを読みつつ此方からも攻撃する事も可能だが、俺の頭の中に先程のホルダーの攻撃方法からある考えを思いつく。

 

「いや。それよりももっと手っ取り早い方法があるぞメカ犬!」

 

『うむ?どうする気だマスター』

 

俺の返した返事に対してメカ犬が疑問の声を上げるが、悠長に説明している時間は無かった。

 

再びホルダーが上空から急降下を開始したのである。

 

だから俺はその方法を実行する事でメカ犬に示す。

 

「こうするのさ!」

 

俺は叫ぶと同時にベルトの右側をスライドさせて、赤いボタンを押した。

 

『パワーフォルム』

 

ボタンを押した直後、メタルブラックのボディーが鮮やかなクリムゾンレッドへと染め上がる。

 

「うをおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

パワーフォルムへとフォルムチェンジを果たした俺は、先程の避ける動作とは間逆の行為。

 

つまり此方に急降下してくるホルダーに対して特攻を試みる。

 

程無くして正面からホルダーの突撃を受け止める事となった俺だったが、今度は吹き飛ばされる事無く、両腕でホルダーの身体をがっちりと押さえ込む事に成功した。

 

『まさか力尽くとは思わなかったぞ……』

 

その現状にメカ犬が呆れたと言わんばかりの台詞を吐く。

 

「空を飛んでる相手が、態々こっちに飛び込んでくれるんだ。こっちの方が手っ取り早いだろ?」

 

そんなメカ犬に、俺は軽い口調で返事を返す。

 

確かにサーチフォルムでも戦う事は出来たが、ここは繁華街の中心である。

 

既に周囲に人の気配は無いが、万が一にも流れ弾が人に当たったりでもしたら危険な事に変わり無い。

 

だからこそ俺はメカ犬の言った通り、力尽くではあるが最も効率的なこの方法を選んだ。

 

「ちょっと!?放しなさいよ!?」

 

俺の手の中でホルダーが必死にもがくが、当然ながら俺がその言葉に耳を貸す事は無い。

 

「悪いけど、一気に決めさせてもらう!」

 

「冗談じゃないわ!私はまだあいつに復讐してない!!それまでは絶対にこの力が必要なのよ!!!」

 

パワーフォルムの腕の拘束から逃れようと暴れ続けるホルダーに俺が宣言すると、それを聞いたホルダーが突如としてヒステリックな叫びを上げて、更に激しく暴れ始める。

 

「『復讐?』」

 

その言葉にメカ犬と俺が同時に疑問を上げるが、ホルダーとの会話?が出来たのは其処までだった。

 

俺とホルダーの上空に、何処から飛来したのか。

 

見覚えのある光の球体が出現したのである。

 

「あれは!?」

 

『試練の光か!?』

 

それはここ最近の海鳴市で数多く目撃されている謎の発光体。

 

その正体はミルファが回収を命じられたという失われた文明が作り出した危険な物だった。

 

更に俺達の目の前に突如として現れた試練の光はあろう事か、止める間も無く俺が押さえつけているホルダーの体内へ吸い込まれる様に消えてしまう。

 

「ぐっう……あああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 

試練の光を吸収したホルダーは断末魔の様な叫びを上げながら、俺の目の前でその異形の姿を更に異質なものへと変貌させていく。

 

「うわっ!?」

 

ホルダーの変貌は凄まじい爆風を生み出し、俺はその衝撃に耐え切れずホルダーを掴んでいた手を離してしまうと同時に吹き飛ばされてしまう。

 

『マスター!?』

 

メカ犬の俺を心配する声に返事を返す間も無く、直ぐに立ち上がった俺は目の前で自ら生み出した爆風の中に包まれたホルダーを見据える。

 

「完全に変化する前に、倒すぞメカ犬!!!」

 

『うむ!あの風の壁は上の方が薄い様だ。狙うなら上を狙えマスター!!!』

 

俺はメカ犬の返事を聞きながらベルトの右側をスライドさせて黒いボタンを押す。

 

『ベーシックフォルム』

 

流れる音声とと共にパワーフォルムの特徴であるクリムゾンレッドのボディーが、再びメタルブラックのボディーへと変化する。

 

ベーシックフォルムにフォルムチェンジを終えた俺は、直ぐさまベルトからタッチノートを引き抜き、全体図を表示させて右足をタッチしてから、再びタッチノートをベルトに差し込む。

 

『ポイントチャージ』

 

ベルトから音声と同時に発生したエネルギーが、光となって右足へと伸びるラインを伝い、俺の右足に集約される。

 

「こいつで決めるぜ」

 

俺は腰を落として身構えてから、地を蹴り大きく跳躍して輝く右足を前に突き出す。

 

「ライダーキック」

 

メカ犬の指示通り、ホルダーの周囲を包む風の一番薄い部分に狙いを定めて、俺は必殺の一撃を放つ。

 

その一撃は風を突き破る事に成功してホルダーへと到達するが、倒すには至らなかった……

 

後一歩というところで、間に合わなかったのだろうか。

 

それに加えて、風を突き破った為に威力の弱まってしまったキックは、ホルダーに到達すると同時に弾かれてしまったのである。

 

弾き飛ばされた俺は直ぐに体勢を整えて、ホルダーが居る筈の正面を見やるが、既にホルダーの姿は何処にも見当たらなかった。

 

「……消えた?」

 

『ホルダー反応は無くなっている……どうやら逃げられた様だな』

 

俺の呟きに、メカ犬が冷静に周囲を分析した結果で答える。

 

ホルダーが既にこの場に居ない上に、反応が消えてしまっている以上、追跡する事も出来ないので俺は変身を解いて周囲を観察しながら呟く。

 

「試練の光か……また厄介な事になって来たけど、あのホルダーが言ってた復讐って何なんだ?」

 

『マスターこれを見てくれ!』

 

先程の戦いから何かホルダーについてヒントを得ようと考察していると、その間も周囲を観察していたメカ犬が俺を呼んだ。

 

「どうしたメカ犬」

 

『マスター。こんな物をホルダーが居た場所の近くから見つけたのだが、もしかしたらこれはホルダーの所持品なのではないか?』

 

メカ犬が俺に見せたのは一枚の写真だった。

 

背景はこの近くの公園の広場……そして肝心の写真の中央には、若い男性の笑顔が写されていた。

 

他には誰も写っておらず、先程のホルダーは恐らく女性だと思われるので、写真の男性がホルダーという事も無いだろう。

 

そもそもこの写真が、ホルダーの落とした物だという確証は何処にも無い。

 

だがこの写真以外に手掛かりは無い上に、ホルダーの言っていた復讐という言葉も気に掛かる……

 

「……良し。取り敢えずこの写真が何処の誰なのか調べてみよう。もしかしたらあのホルダーに関して、何かのヒントになるかも知れない」

 

『うむ!』

 

俺達はこの写真に写っている男性を調べてみる事に決定して、繁華街を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ……はい。私も教授に会うのは久し振りなので楽しみです。」

 

海鳴警察署の一室。

 

他の署に例を見ないホルダー対策特務課という特殊な部署に当てられた一室で、セーラー服の上に白衣を着た見た目が女子中学生という、あまりに場違いな少女が親しげな声で電話越しに会話をしていた。

 

「……そうですね。後ほど御伺いしますんで、その話は直接会って話しましょう。それでは」

 

風間恵美。

 

中々に特異な話ではあるが、この部署で最も高い権限を有している彼女は電話での会話を終わらせて受話器を置くとほぼ同時に、特務課の扉がゆっくりと開かれる。

 

「あれ、恵美さん今日は非番だって言ってませんでしたか?」

 

扉を開けて室内に入って来たのはスーツを着た一人の青年だった。

 

このホルダー特務課は、先程も述べた通りかなり特殊な部類となっており現在でも正式に配属されているのは二名だけである。

 

その内の一人が、外部からの要請で急遽配属が決まった恵美その人であり、もう一人がこの警察署で元々刑事を務めていた彼、長谷川啓太。

 

以上二名が現在のホルダー特務課のメンバーである。

 

「外せない用事があるから今日はお休みを貰ってたんだけど、少し時間が空いたからE2のメンテナンスをしに来たのよ」

 

長谷川の疑問に答えながら、恵美は早々に手荷物を纏め始める。

 

「外せない用事ですか?」

 

「私が大学に通っていた頃にお世話になっていた先生が、先月からこの近くに赴任して来てね。最近になって漸く落ち着いて時間を取れる様になったらしいから、これから挨拶に行ってくるのよ」

 

嬉そうに話す恵美の様子から、本当にそのお世話になった先生に会えるのが楽しみだという事が、長谷川にも窺い知る事が出来た。

 

手早く全ての準備を整えた恵美は、長谷川と入れ違いに扉に手を掛ける。

 

「それじゃあ私はこのまま出掛けるから、何かあったら連絡してね!」

 

「はい。行ってらっしゃい恵美さん」

 

部屋を出ると同時に見送りの言葉を掛ける長谷川に背に恵美は行ってきますと応えると、海鳴署の廊下を足早に進み長谷川の視界からその姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジャックの情報だとこの大学の在校生って事で間違い無いんだな?」

 

『うむ。その写真に写っている男性の名前は金田正敏《かねだまさとし》。20歳でこの海鳴大学に通う二年生だ。ジャックからの情報によると、所謂プレイボーイという奴らしいが、それ以外は特に素行が悪い訳でもない普通の大学生らしい』

 

「……プレイボーイねぇ」

 

俺は改めて写真に写っている金田という男性を、目を細めながら観察する。

 

現在俺達は小学校が終わってからその足で、以前にも訪れた場所である海鳴大学のキャンパス内を歩いていた。

 

あの戦いの後、ジャックに調べてもらった結果。

 

写真の男性の正体は直ぐに判明した。

 

何でもその金田宅ではゴールデンレトリバーを飼っているから、調べるまでも無くその筋から既に知っていたのだそうだ。

 

『ところでミルファ嬢はどうしたのだ?』

 

「ああ。昨日の夜の内に連絡した時に、ミルファは俺が学校に行ってる間も探すって言ってたから、朝からここに来てる筈だけど」

 

俺はメカ犬の疑問に、キャンパスを歩きながら答える。

 

ちなみにミルファは現在この海鳴市のアパートの一室を借りて、表向きは海鳴市民の一人という事になっているらしい。

 

別の世界から来たミルファがどうしてこの世界の市民権を得る事が出来たのか、質問してみたが笑顔で聞かない方が身の為よと言われて、俺はそれ以上この話題に己の身を賭けてまで踏み込む気は無かったので、真実は今でも闇の中だ。

 

『いや、ミルファ嬢の実年齢は別として見た目が小学生の彼女が幾ら一般に開放されている大学とは言え、平日の朝から堂々と闊歩するのは問題があるんじゃないか?』

 

「……あ」

 

メカ犬の最もな意見に俺は思わず声を漏らす。

 

確かにミルファの年齢は17歳なので、歳相応の外見をしているのであれば、大学の中に紛れ込んでいても良さそうだが、彼女の見た目は明らかに小学生の少女である。

 

もしかしたら今頃、学校をサボって来てしまった子供と間違われて、この大学の先生なんかにお説教をされているのではないかという想像図が、俺の頭の中に容易に浮かぶ。

 

「あら?こんな場所で会うなんて奇遇ね」

 

中々にシュールな光景を想像していたその時、俺とメカ犬の背後から声を掛けられた。

 

その声に反応して後ろに振り向くと、普段から見慣れたセーラー服の上に白衣という格好をしている見た目は中学生程に見える一人の少女が、その瞳に俺とメカ犬を映している。

 

「恵美さん?」

 

意外な場所で遭遇した知人の名前を俺が声を上げると、恵美さんはそれはこっちの台詞だと言う様に肩を竦めて見せた。

 

「私はこの大学に来る用事があったのよ。それより君達がどうして此処に来てるかの方が気になるわね」

 

「えっと……それは」

 

好奇心を刺激してしまったのか、獲物を狙う猛禽類の様にぎらついた瞳をしながら質問してくる恵美さんに、俺はたじろいでしまう。

 

『マスター。折角だから恵美嬢にも何か知っていないか聞いてみたらどうだ?』

 

「そ、そうだな」

 

メカ犬の助言に頷きながら俺は、話題を転換させる意味も込めて、手に持っていた写真を恵美さんに見せながら質問をしてみる。

 

「あの、この写真の男性……金田さんって方なんですけど、この大学の在校生の筈なんですけどここに来るまでに見かけたりしませんでしたか?」

 

「……私は見てないわね……そうだわ!」

 

暫く写真を眺めてから知らないと答えた恵美さんだったが、何かを思い付いたかの様に、声を上げると俺と手を掴み、もう片方の手ではメカ犬を鷲掴みにして、そまま大学構内へと突き進んで行く。

 

「え?ち、ちょっと何処に連れて行く気ですか!?」

 

「大人しく着いて来なさい!その金田って男の居場所は知らないけど、知ってるかも知れない人は居るから会わせてあげるわ!!!」

 

まさに問答無用という勢いで連行された俺とメカ犬は、恵美さんと共に大学の廊下を数分程歩き、ある一室の扉の前へと辿り着いた。

 

「ここは……」

 

俺が扉の前で呟いている間に、恵美さんが扉を軽く数回程叩くと、扉の向こうからどうぞという男性の声が聞こえてきた。

 

それを合図にして恵美さんが扉を開くと、その扉の中から外に居る俺にも分かる程に古い本特有の香りと、それに混じって鼻腔をくすぐるほのかなコーヒーの香りが漂う。

 

「お久し振りです。森沢教授」

 

扉を開けて室内へと入ると、其処は書斎として使われているのか、無数の本棚に何やら外国の文字で背表紙を飾られた分厚い本が何冊も納められており、その一番奥のデスクに一人の50代程に見える白髪で細身の初老の男性がコーヒーを片手にA4サイズの青いファイルに目を通していた。

 

その男性に恵美さんが挨拶をすると、その男性はファイルから顔を上げて恵美さんに親しげな笑みを向ける。

 

「やあ、久し振りだね恵美君。その様子だと以前と変わらず、元気にやっている様だね」

 

「はい。森沢教授も相変わらずみたいで安心しました」

 

お互いに面識があるのだろう。

 

親しげに恵美さん達が会話を交わすのを見ていると、その相手である男性、森沢教授という人が恵美さんの後ろに居た俺に気付き、恵美さんに疑問の声を投げ掛ける。

 

「そう言えば恵美君。先程から君の後ろに居る少年は誰かね?」

 

「あ、この子は私の姉の知り合い何ですけど、中々面白い子なんですよ」

 

「……ほう。向こうでもやんちゃだった君が面白いというとは、かなり興味深い話だ」

 

何故か分からないが、今この瞬間に俺はこの森沢教授という人にとんでもない誤解のされ方をしたのは気のせいだろうか?

 

「改めて紹介するわね。この人は森沢教授。私が大学時代にお世話になった先生なの」

 

恵美さん紹介の後、森沢教授が軽く会釈をして来たので、俺も慌てて軽く会釈を返してから簡単に自己紹介をする。

 

「えっと板橋純って言います。宜しくお願いします」

 

『そしてワタシがメカ犬だ』

 

俺に続いてメカ犬が未だ恵美さんに鷲掴みされた状態で挨拶をすると、案の定森沢教授の顔が驚愕の表情へと変わっていく。

 

「し、喋った!?」

 

『うむ。ワタシはオモチャ会社の……(以下略)」

 

初対面の人からすれば突然の事態にも関わらず、悠長に既に何度も聞いた説明をするメカ犬を見て、俺は一人呆れながら溜息を吐いた。

 

「ちょ、ちょっと分解させてもらっても良いかね?」

 

驚くのも束の間に、森沢教授が興奮気味に以前にも聞いた事のあるニュアンスの台詞をメカ犬に向ける。

 

この後、興奮した森沢教授が正気を取り戻して話を再開させるまでに約5分の時間を費やす事になったのは、全くの余談だ……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。