魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダー電王&仮面ライダーシード+爆竜戦隊アバレンジャー ~明日への誓い~【第一章】

「良太郎……大丈夫?」

 

「うん。少し横になってれば平気だから」

 

イマジンを倒した後俺は、疲弊しきっていた良太郎君を担いで、デンライナーの食堂車両へ運んだ。

 

今はコハナさんが付き添い、良太郎君を介抱している。

 

俺は良太郎君をコハナさんに任せた後、食堂車両内を見渡すが、劇中では普段からこの食堂車両屯っていた筈のモモさん達イマジンの姿が何処にも見えない。

 

先程良太郎君が、イマジンを相手にプラットフォームで戦っていた事から、多少の予感はしていたがこれは一体どういう事なのだろうか?

 

それも気になる部分だが、他にも幾つか疑問に覚える部分が存在していた。

 

まずは良太郎君についてだ。

 

これは良太郎君が変身を解いた事で初めて分かった事なのだが、以前に会った時の子供の姿では無く、大人の姿をしていた。

 

もしかしたら俺と出会う以前の時間軸から来たのではないかとも考えたが、良太郎君とコハナさんが俺達の事を覚えていたので、それは違った様である。

 

つまり良太郎君は、あの後に何らかの要因によって元の姿に戻ったという事だ。

 

良太郎君が戻った一方で、何故コハナさんは元に戻らないのかという新たな疑問が発生するが、そもそも子供の姿になってしまった原因が別に存在しているのであれば、今は比べるべき事柄でも無いだろう。

 

「大丈夫そうで安心したよ」

 

俺は良太郎君の様態が、大分落ち着いた頃を見計らい話し掛ける。

 

「……うん。さっきは助かったよ。ありがとう」

 

先程まで殆ど会話をしていなかった事も相まってか、良太郎君の口から感謝の言葉が告げられる。

 

『うむ。それは良いのだが、一体何故あの様な事になっていたのだ?以前に会った赤い者達も居ない様だが……』

 

続いてメカ犬が、俺も疑問に思っていた事象を言葉にして問い掛けた。

 

「それは……」

 

その問いにコハナさんが答えようとした刹那。

 

「それは私がお答え致しましょう」

 

デンライナーの俺達が今居る食堂車両と別の車両を繋ぐ扉が開かれると同時に、聞き覚えのある低音ボイスが俺の鼓膜を振るわせる。

 

声の主はこのデンライナーの所有者であり、本名は俺の知る所では無いが、皆からはオーナーと呼ばれる人物である事はすぐに分かった。

 

その後ろには、白と黒のエナメル調に思える衣服に身を包んだ、この食堂車両の乗務員をしているナオミさんが銀のトレーに人数分のコーヒーと恐らくはオーナーの注文した品であろうチャーハンが鎮座している。

 

この二人の存在は、デンライナーにおいて当たり前の事なので、別段何かを言うつもりは無いのだが、扉を潜って此方にやってきた更なる人物を前に俺は度肝を抜かれた。

 

「純お兄ちゃん!!!」

 

「ふぐっ!?」

 

全くの予想外な出会いに固まる中、強烈なタックルを腹部に受けた俺の喉から苦悶の声が捻出される。

 

出会い頭に俺に突撃をしてきた人物。

 

金髪の長い髪をリボンで二つに結んだ一人の少女。

 

もしかしたら二度と会う事は叶わないと思える程に、離れた場所に居た筈の俺の友達が、今こうして目の前に存在している……

 

「なんでアリシアちゃんがデンライナーに!?」

 

俺はあまりにも予想外のアリシアちゃんとの再会に、思わず声を上げてしまう。

 

「その件も含めて君にお話したい事があるのです」

 

戸惑い続ける俺とは反対に、オーナーは相変わらずの淡々とした口調で、俺にそう述べると、一番奥の席に座った。

 

更に其処へナオミさんが、俺達の座席のテーブル脇にトレーに乗っていたコーヒーを置いていき、最後にオーナーの席へと辿り着くと、コーヒーにプラスしてチャーハンを置く。

 

「まず最初にお話する事は、何故アリシアさんがデンライナーに乗っているかという事です」

 

オーナーは俺に視線を向けながらそう話を切り出すと、懐から手入れの行き届いたスプーンを取り出して、指先で回し始める。

 

「其処までの過程を話す前に一つだけ言っておきましょう。アリシアさん。彼女は良太郎君やハナさんと同じ特異点なのです」

 

「……アリシアちゃんが特異点?」

 

俺は唐突に告げられた衝撃の事実に、思わず聞き返してしまった。

 

「はい」

 

その問いにオーナーは毅然とした態度で答えると、指先で回していたスプーンを空中へと放る。

 

「アリシアさん。彼女は特異点の中でも特殊な部類であり、例外的にある時間軸における分岐点でもあったのです」

 

空中から再び舞い降りたスプーンが何時の間にか一本から二本に増え、オーナーは語り続けながらその手に持っていた二本に増えたスプーンを再び空中へと投げ出す。

 

「とある時間軸での彼女の死。それがある時間の流れに必ず必要な出来事だったのです。ですが結果は変わってしまいました」

 

そのオーナーの言葉を合図にするかの様に、先程まで俺に抱きついていたアリシアちゃんが、神妙な顔つきで衣類のポケットからある物を取り出して、俺の前に差し出した。

 

それは中央の宝石部分が破損したネックレス。

 

俺はそのネックレスを目の前にして思い出す。

 

そのネックレスは、メカ竜が異世界に居るという博士から俺に宛てて贈られた物だったのだが、別れ際に他に渡せる物が無く、お守りだと聞かされていたこのネックレスをアリシアちゃんに贈ったのだ。

 

だがそのネックレスが今の話に、どう関わっていると言うのだろうか?

 

「純お兄ちゃんがくれたこのお守りが私を守ってくれたんだよ」

 

困惑を極める俺の表情を悟ってか、アリシアちゃんが壊れたネックレスを愛しげに両手で包み込む。

 

だがその瞳からは何処か憂いと悲しみを感じさせた。

 

『そのネックレスは一回限りだが、強力な防御フィールドを形成するシステムが組み込んであるな』

 

俺と同様にアリシアちゃんが持っていたネックレスを眺めていたメカ犬が、破損した箇所を確認しながら告げる。

 

良く見てみれば、破損した宝石の内側の部分には何か機械的なコード等があり、これが何かの機械であるという事がそういった知識に乏しい俺の様な素人でも窺い知る事が出来た。

 

それよりも問題なのは、オーナーとアリシアちゃんの言動とメカ犬の補足説明から容易に想像出来た事象にある。

 

「彼女はある研究の暴走が招いた事故によってお亡くなりとなる筈でした。しかし純君……君がアリシアさんにお譲りしたネックレスがその運命を変えてしまったのです。それは大きな世界の歪みとなって、アリシアさんが居た時間は特異点である彼女だけを残して消えてしまいました」

 

俺の予想が真実だと告げる様に、オーナーが淡々と語り続ける。

 

ネックレスの方に気を取られていたのだが、空中に放り投げられたスプーンの数は既にパッと見ただけでも10本以上に達しており、今はオーナーがジャグリング……つまりお手玉をしている状況となっていた。

 

先程から衝撃的な事実を聞かされているというのに、オーナーが同時進行で披露し続けているスプーンを使ったイリュージョンがチラチラと目に入って集中力が削がれてしまうのは、この場で俺だけなのだろうか?

 

「……つまり俺のせいでアリシアちゃんは」

 

思考をなるべくオーナーのスプーンイリュージョンから逸らしながら、先程の言葉を何度も心の中で租借した俺は、自然と言葉を零していた。

 

このままアリシアちゃんを見殺しにしていれば良かっただなんて考えは決してしないし、その事柄に関しては後悔もしてはいない。

 

だが俺が軽率に取った行動の為に、一つの時間が失われアリシアちゃんを天涯孤独の身としてしまった事に自責の念が湧き上がっていく。

 

「ですが彼女が特異点だったという事が幸いしたのでしょう。失われた時間は再生されました。ただし……本来あるべき時間。つまりアリシアさんがお亡くなりになった世界としてですがね」

 

オーナーは最後にそう締め括ると、ジャグリングしていた全てのスプーンを手の中に収めていき両手の内側に包み込んでから開く。

 

すると中には、今まで増え続けていたスプーンが消えて、元の一本となった真新しいスプーンだけが存在していた。

 

「問題はここからです。一つの時間を消し去った程のエネルギーが、ある強力なイマジンを生み出してしまいました。アリシアさんの無意識からなる願望によって」

 

オーナーはスプーンをチャーハンに突き立てながら、話の本題へて移していく。

 

「彼女は願いました。一人は寂しいと、特異点である彼女のその願いが干渉を起こしてしまったのです」

 

「……メアはね。誰も居なくなった後に、私の前に現れてずっと一緒に過ごしてくれたの」

 

オーナーの言葉を引き継ぎ、アリシアちゃんが其処から先に起こった出来事をゆっくりと語りだす。

 

メアというのは、先程オーナーが言っていたイマジンの事で、どうやらアリシアちゃんが名付けたらしい。

 

本来の時間から消えてしまった二人は、その後デンライナーとは別の列車に乗り、ターミナルに行き着いたそうだ。

 

それからは、アリシアちゃんに何が起こったのか、どうすれば失われた時間を取り戻す事が出来るのかを調べ続けた……

 

だがその過程で、メアは一つの大きな野心を持ってしまったのである。

 

「イマジンはターミナル内部で、突如として破壊活動を開始しました。その場に居合わせたモモタロス君達が応戦したのですが、そのイマジンは戦いの中で自力で時の狭間に亀裂を作り、その亀裂の中へと消えてしまったのです。その近くに居たモモタロス君達も巻き込むという形を取って……」

 

オーナーの話で、どうしてモモさん達がこの場に居ないのか理解するに至った。

 

そして今がどういう状況になっているかという事にも……

 

どうやら先程俺が倒したイマジンも、そのメアの考えに賛同した者の一人らしく、ターミナルからデンライナーが出る際に忍び込み、奇襲を実行に移すチャンスを待っていたらしい。

 

良太郎君もデンライナーを運転していた一瞬の隙を突かれた様だ。

 

恐らく良太郎君にとっては突然の出来事で、ライナーフォームになる余裕すら無かったのだろう。

 

もしかしたら他にも協力しているイマジンが居るかもしれない。

 

……そしてアリシアちゃんがここに居る理由についてなのだが、どうやら自ら志願したらしいのだ。

 

今まで共に過ごしてきた友人の真意を確かめたい。

 

この様な境遇に陥りながら、小さなその身体でアリシアちゃんは、懸命に……ん?

 

俺は話を聞き終えて、自身の考えを整理していた最中に、ある異変に気付く。

 

今までずっと出会い頭からアリシアちゃんが抱きついていたので分かり難かったのだが、距離を少し置いた状態で確認してみると、アリシアちゃんの身長が、現在の俺と殆ど変わらないという事実に気付いたのである。

 

「あの……アリシアちゃん。一つだけ聞いてみても良いかな?」

 

「うん。何でも聞いて良いよ」

 

俺はアリシアちゃんの了承を得てから、一呼吸置いた後に一つの質問を投げ掛ける。

 

「アリシアちゃんは、ターミナルでどれ位の間を過ごしてきたの?」

 

「えっとね……あそこは時間の感覚が違うから、大体の時間でも良いかな?」

 

「うん。それで良いよ」

 

「それじゃあ……多分二年位は居たと思う」

 

俺がミッドチルダから元の世界に戻ってから過ごした時間は、まだその時から一年も経っていない。

 

まあ、異世界であり時間軸すらも違う上にと、様々な要因が重なった結果と言えるかもしれないので、今更久方振りに再会した年下の女の子が、ほぼ同い年と呼べる形になっていても……

 

通常では有り得ない事ではあるが、電王の世界観が関わっていると思うと、妙に納得すらしてしまう自分が居る。

 

「モモタロスが狭間に吸い込まれる寸前に、そのイマジンの行き先を書いたチケットを残してくれたんだ。僕達はこれからその時間に行くつもりなんだけど、出来れば君にも手伝って貰いたいんだ」

 

「侑斗と幸太郎は先にゼロライナーでその時間に向かったわ。私達はアリシアちゃんの提案で君の力を借りにこの時間にやって来たの」

 

良太郎君が、まだ辛そうに身体を起こしながら俺に語りかけ、コハナさんがその身を労わりながら良太郎君に代わって、何故ここまで来たかについての事情を説明していく。

 

ここまでの話を聞いて、既に俺の中の答えは決まっていた。

 

「分かりました。俺も協力します!」

 

今回の一件に関して言えば、俺にも責任の一端が無いとは言えない。

 

それにアリシアちゃんが、たった一度しか会った事の無い俺を頼って、こんな危ない場所にまで自らの意思で同行して来たのである。

 

俺はその想いに、一人の男として応えなければならない。

 

それから良太郎君の回復を待ち、出発の準備を整えた俺達は、モモさん達が飛ばされたという時間に向けて旅立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……俺はその世界で、新たなヒーローとの出会いを果たす事になるという事を今はまだ夢にも考えては居なかった。

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