魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダー電王&仮面ライダーシード+爆竜戦隊アバレンジャー ~明日への誓い~【第八章】

「あと少しで全てが終わります……だから、もう少しの間だけ辛抱して下さい……アリシア……」

 

数刻前に大きな地震と共に、都内に突如としてその姿を現した、巨大な黒い塔の最上階で、一人の異形が静かに言葉を紡いだ。

 

塔の最上階の部屋は一見すると石造りで、丸いドーム上に広がっておりバスケットのコートが三つは余裕で入るであろう広さを誇っている。

 

その中央には同じく石造りの台座が仰々しく鎮座し、更に台座の上には気を失っている二人の少女の姿があった。

 

異形の存在、特殊な過程を経て生まれたイマジンであるメアは、その意識を失っている二人の少女の一方に対して、決して本人には己の本心を明かさないと誓いながらも、深い謝罪の念を送り続けるが、当然ながらその想いが意識の無いアリシアに届く事は無い。

 

「さあ、ここまで舞台を整えてあげたんだからさ、邪魔なのが来る前にさっさと始めようよ?」

 

この場の雰囲気と現在のメアの心情には似つかわしくない、何処までも軽い口調の声が、ドーム状に広がった塔の最上階の一室で反響を引き起こす。

 

その声の主はメアとは別の異形の存在、藍色の怪人オーバーである。

 

「分かっています……ですが、本当にこれで彼女は、アリシアは救われるのですか?」

 

オーバーの口調とは裏腹に、メアは重々しく言葉を返す。

 

その声からは、迷い、戸惑い等の不安定な感情が滲み出ていた。

 

「ここまで僕が貴方達に協力をしてきたのは、全てこの為です。ですが……」

 

「何を戸惑う事がある?私達がお前に協力を申し出て、利害が一致したからこそ、今のこの状況が存在しているのだぞ。それに私達は一つの選択肢を提示したに過ぎない」

 

メアの言葉を遮る様に、オーバーの隣に居たこの場において、三人目の異形の存在である灰色の怪人メルトが淡々と言葉を投げ掛けていく。

 

「そうだよ?全部そのアリシアって子の為に、僕達の計画に協力してくれたんじゃないのさ」

 

「選んだのは私達ではなくお前自身だ。気が乗らないのであれば、この場で放棄すれば良い。だがその選択をしてお前が何を思おうと私達は一切関与する事は無いだろうがな……」

 

迷いの生じたメアの心に、二体の怪人の言葉が容赦無く鋭い刃となり、突き刺さっていく。

 

その衝撃によってメアの心は、静かに闇の中へと沈む。

 

ここまで来て、今更何を迷っているのかと、己の脆弱な精神を自分自身の決意で戒める。

 

迷う暇などある訳も無い。

 

メアにはどうしても果たさなくては成らない使命があるのだ。

 

掛け替えの無い一人の友を救う。

 

例えその結果、自らの身が滅んだとしても、代わりに誰かを傷付けたとしても、それで大切なたった一人の小さき友を救う事が出来るのであれば、メアは本望なのだと再び硬い決意を己の魂に焼き付ける。

 

「……分かりました。確かに今回の件に対して協力を申し出たのは、他の誰でもない僕自身の意思です!」

 

メアはオーバー達にというよりも、己を納得させる様に、力強く言い放つと台座に眠っている二人の少女の頭に手を添えて、その身に取り込んだ銀杏電池のエネルギーを触媒にして、この黒い塔に満ち溢れる膨大なエネルギーと直結させて自身の能力を発動させた。

 

「例えこの選択が間違っていたとしても……それでも僕は……大切な友達を救いたい……」

 

そう言ったメアの手は一瞬だけその輪郭を失い、床に幾ばくかの砂が零れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開かれたゼロライナーのハッチから飛び出した二台のバイク。

 

その内の一台は黒と白のツートンカラーの大型バイクで、残るもう一台のバイクは、白地に緑のラインが走っており普段の日常生活では、あまり見掛けないサイドカータイプ。

 

俺はその二台のバイクの、あまりにも突然な登場に対して驚くと同時に、この状況で来てくれた事に全ての理屈を抜きにして、素直に感謝の念が沸き起こった。

 

何故ならばこの二台のバイクを、俺は良く知っている。

 

マシンドレッサーにサイドアクセラー。

 

そしてそのバイクに乗って現れた彼等の事も……

 

「デンライナー課からの応援要請が来たので、急いで駆けつけたんですが、一体何が起こっているんですがシードさん!?」

 

俺達の直ぐ傍でバイクを停車させると、メタルイエローのボディーを身に纏う仮面ライダー、E2が愛機であるマシンドレッサーから降りて、俺に質問を投げ掛ける。

 

「何だか良く分からないが、こんな楽しそうな事してるんだったら、俺ももっと早く誘ってくれよな」

 

更にE2に続いてサイドアクセラーを降りた西洋の鎧を彷彿とさせる白いボディーに緑の装飾が印象的な仮面ライダー、アクセスが、突然のゼロライナーの来襲によってその場で警戒をし続けているイマジン達を見やりながら嬉しそうに声を掛けて来た。

 

E2の装着員である長谷川さんは、以前にも海鳴署に設立されていた、デンライナー課に勤めていた経歴もあるので、恐らくはオーナーが謎のコネか何かを使ったのではないかと想像する事が出来る。

 

一方で俺が知らないだけかも知れないが、警察とは直接関係無さそうなアクセスも一緒に居るという事実。

 

しかしバイクを降りて此方に近付いてきたアクセスが先に近くに来ていたE2を小突いているのと、その度に項垂れるE2の態度で、大方先程アクセスが言った通り面白そうだからという理由で無理矢理付いて来たのだろう。

 

アクセスの変身者である鳥羽さんの普段の行いを顧みて、ゼロライナーを目撃した鳥羽さんが、喜々として長谷川さん達に連れて行けとせがむ姿が、手に取る様に頭の中に浮かんでくる。

 

だから俺も多くの事は語らない。

 

それに悠長に事の経緯を説明している時間も無いというのが正直な所だ。

 

「これから俺は急いであの黒い塔に向かわなくちゃ行けないんだ!」

 

俺は簡潔に急いでこの包囲網を抜けて、示した先に建つ黒い塔に行かなければ成らない事を口にする。

 

「つまり俺達にこいつ等の相手を頼みたいって訳だな……良いぜ!あんたには借りがあるし、何より楽しそうだ!!!」

 

「元から僕は応援要請を受けて来ましたから、異論は無いですよ」

 

アクセスとE2は俺の短い説明ではあったが、快く頷いてくれた。

 

「まあ、このイマジンの数を見れば、何かが起こってるって考えるのが当然だからな」

 

俺が同郷のライダー達に説明をしている間に、良太郎君から事のあらましを聞いたのか、侑斗さんが溜息を吐き出しつつ、一本のベルトを自身の腹部へと巻きつけて、一枚の黒いカードを取り出す。

 

そのカードの表面には緑のラインが走り、そのラインの裏側には同じ様に赤色ラインが見える。

 

侑斗さんがベルトの上部をスライドさせると、周囲にメロディーが鳴り響く。

 

「変身!」

 

その一連の動作を淀み無く行うと侑斗さんは力強い掛け声と共に、カードを赤いラインが表面になる状態でベルトへ差し込んだ。

 

『Charge And Up』

 

次の瞬間に音声が聞えると共に、電王と良く似てはいるが細部に多くの違いが見受けられる姿へと侑斗さんが変わっていく。

 

だがそれは一瞬の事で、更に出てきたパーツの数々が次々にその身に装着されて電王とは異なる時の運行を守る戦士がここに誕生する。

 

仮面ライダーゼロノス。

 

電王と共に戦い抜いた仮面ライダーの一人だが、その配色は以前に見た鮮やかな緑では無く、全体に追加されたパーツは形状こそ変わらないが、これでもかという程に赤茶けていた。

 

そのフォームは最も使用頻度の高いアルタイルフォームに酷似してはいるのだが、良く見ればその際にバックルに浮かび上がる筈のAというアルファベットもZとなっている事から、違いがあるのは明らかだ。

 

デネブさんが憑依したベガフォームと比べて、直接の攻撃力には劣るらしいが、このゼロフォームこそがゼロノスが誇る最速の速さと先程比較に出したアルタイルフォーム以上のパワーを秘めたゼロノスの最強のフォームだ。

 

「変身!」

 

更にその隣で侑斗さんに続いてベルトを腹部に巻いてライダーパスをセタッチさせる事で変身を開始する幸太郎さん。

 

『ストライクフォーム』

 

鳴り響く音声とメロディーの中で一瞬だけ電王よりも青味を帯びたプラットフォームへとその姿を変えると、先程のゼロノスとは全く違った装甲を周囲に展開させて次々に装着していく。

 

電車のレールをそのまま纏った様な装備に続いて頭部を角張った三角のバイザーが覆い、未来を守る仮面ライダーNEW電王へと変身を遂げる。

 

「デネブ!」

 

「テディ!」

 

「「おう!」」

 

ゼロノスとNEW電王の掛け声に応え、其々の契約イマジンであるデネブさんとテディさんがその場から飛び上がると、自身の身体を変形されて各々の武器へとその姿を変えていく。

 

デネブさんはガトリング型の武器、デネビックバスターとなりゼロノスの手の中に納まり、テディさんは銃剣タイプの武器、マチェーテディとなってNEW電王が握り締める。

 

「爺ちゃん達は急ぐんでしょ?」

 

「ここは俺達に任せてさっさと行って来い野上!」

 

其々の武器を手に、NEW電王と幸太郎さんは、電王に背中越しにそう伝えるとイマジンが犇く正面へと一気に駆け抜けていく。

 

「ははっ!俺達も遅れてられねえな!」

 

「僕達がこの包囲網に突破口を開きますから、シードさん達はその隙に行って下さい!」

 

それに少し遅れる様にして、アクセスとE2もゼロノス達に続く様にして、突貫を開始する。

 

「ありがとう御座います……飛羽さん。長谷川さん」

 

俺は二人にこの声が届いていないと知りつつも、感謝の言葉を口にした。

 

『マスター!彼らの頑張りを無駄にしない為にワタシ達も急ぐぞ!』

 

「分かってるさ!」

 

俺はメカ犬の言葉に対して手短に返事を返しながら、バックルのタッチノートを抜き出して、ボタンをp押す事でこんな状況においてかなり心強いあの人を呼び出す。

 

『チェイサー』

 

タッチノートから音声が発せられてから殆ど間を置かず、何処からとも無くエンジン音が辺りに木霊する。

 

『お待たせ~マスター』

 

その音源でもある黒塗りのライダーバイク、チェイサーさんが相変わらずのお姉さん系口調とは似つかわしくない低音ボイスで颯爽と駆けつける……何故か後ろにロープで括り付けたデンバードを引き摺りながら……

 

『多分これも必要になると思ったから、ついでに持ってきちゃったわ!』

 

悪びれも無く当然の様に言い放つチェイサーさんからは、寧ろアタシを褒め称えても良いのよと言わんばかりの誇らしさすら感じる。

 

何故この世界にチェイサーさんが居るのかと言うと、その理由は至ってシンプルだ。

 

俺達はこの世界に来る際に、前もって準備をして来た訳なのだが、もしかしたらの事態を想定してチェイサーさんを含めてメカーズの面々もデンライナーに乗せてこの世界に連れてきたのである。

 

結果としてそれは不幸中の幸いとなった。

 

後ろからロープで括り付けてここまで引っ張ってきた、デンライナーの操縦席の役割も同時に兼ねている電王のバイク、デンバードもその運搬方法は置いておくとしてこの場に持ってきてくれたのは嬉しい限りだ。

 

かなり無茶な方法で運ばれてきたデンバードに傷が無いか入念な確認を行うモモさんを尻目に、アバレンジャーの面々に視線を送ると、アバレッドとアバレブラックは其々のバックルに手を掛けて、中から四次元ポケットもびっくりな二足歩行の恐竜を取り出していた。

 

赤と黒の恐竜はライドラプターと呼ばれる仮面ライダーにおけるバイク、俺で言えばチェイサーさん的なポジションに存在する、彼らの移動を助ける仲間だ。

 

其々の色に合わせて、アバレッドが呼び出した赤いライドラプターがレッドラプターで、アバレブラックが呼び出した黒い方がブラックラプターと、固体の名称もきちんとあるらしい。

 

「それじゃあ準備は良いですね!」

 

全員が準備を終えた事をアバレッドが確認するのを合図にして、俺達は各自のバイク及びラプターを走らせて、E2達が蹴散らしてくれたお陰で手薄となった箇所を目指して一気に駆け抜けていく。

 

「もう一つサービスだ!」

 

この光景を見ていたアクセスが、擦れ違い様にそう告げると、ベルトに差し込んだカードデッキから一枚のカードを抜き取って、ベルトの右側のスリッドへとカードをスライドさせる。

 

『ウインドリンク』

 

アクセスのベルトから電子音声が響き、周囲の空気が風となってアクセスの傍へと集約されていく。

 

「うおりゃああああああ!!!」

 

更に何かを撃ち出す様に、アクセスが大きな叫びと共に拳を突き出すと、不可視の大きな塊が前方のイマジン達を蹴散らした。

 

恐らくだが、これもアクセスが持つ能力の一端なのだろう。

 

「頑張って来いよ!」

 

アクセスの声援を背に受けながら、俺達はアクセスが切り開いた道を通り、見事にこのイマジン達による包囲網を突破する事に成功した。

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