魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダーシード&仮面ライダーディケイド 世界を繋ぐ旅人【第九章】

「……それでさ。アリサちゃんはどうしてタッチノートを持って行ったのか。理由を教えてくれるかな?」

 

アリサちゃんが少し落ち着くのを待ってから、俺はアリサちゃんに質問した。

 

本当ならこんな戦場の真っ只中で聞く事ではないと我ながら思うが、今は周囲の敵はディエンド達に気を取られていて、俺達に構っている暇は無さそうだし、何よりこんな状況だからこそ、アリサちゃんときちん向き合うべきなんだと思う。

 

「それは……」

 

俺の質問に対して涙を拭いながら、それでも視線は俺から離さず、アリサちゃんは己の意思を包み隠さずに話し始める。

 

「私はね……純が心配なのよ。純が仮面ライダーなんだって知った時、いつか純が私の前から居なくなるんじゃないかなって思うと……凄く怖い……だからこれ以上は戦って欲しくなくて……だから純とメー君の大切な物を気付いた時には持ち出してた」

 

「……そっか」

 

「まあ、私自身がそう思ってる事に気付いたのも、士先生と話してからなんだけどね」

 

真剣な顔で自身の想いを吐露すると、アリサちゃんは一転して最後を冗談めかして締め括った。

 

「……でも、俺はやっぱりこれからも仮面ライダーとして戦い続けるよ」

 

アリサちゃんが俺の事を心配してくれるのは、正直に言って嬉しい。

 

だけど俺にも引く事が出来ない理由がある。

 

「……純はエミリーにとって、自分の国を救ってくれた英雄かもしれない。アリシアにしたって純は誰よりも頼れる兄なんでしょうね……」

 

「アリサちゃん?」

 

「……でもね。私にとって純は、少し頼りなくて、しっかりしてそうで何処か抜けてて、変に真面目で……それで底抜けに優しい……私の大切な友達なのよ」

 

大切な友達だからか……

 

俺はアリサちゃんの言葉を聞き、自身の心の中にあった一つ胸の痞えが取れたのを確かに感じた。

 

「ありがとう。アリサちゃん。俺もさ……アリサちゃんの事を大切な友達だって思ってるよ」

 

「……純」

 

「……でも、だからこそ俺は、戦い続けるよ。これからも」

 

大切な友達が暮すこの世界を、俺は守りたい。

 

それは俺が初めて仮面ライダーとして戦った切欠でもある。

 

あの戦いの後にも、色々な出来事があって、俺の中で戦う意味はそれだけでなくなったのは事実だ。

 

「考えは変わらないのね?」

 

アリサちゃんは、俺の出した答えに対して、真剣な表情で再度確かめる。

 

だから俺はその確認に対して頷き、肯定の意思を示すと共に、補足として一言だけ付け足す事にした。

 

「それに、もしも俺が仮面ライダーじゃなかったとしてもさ。大切な友達が危険になってたら後先考えずに突っ込んでると思うんだよ」

 

今まで俺は自分の事をただの平凡な奴だと評価していたのだが、案外そうでもないらしい。

 

「……純ってさ。慎重そうに見えて、意外と無鉄砲なところがあるわよね」

 

「俺も最近になって気付いたんだよ」

 

アリサちゃんの評価に対して、俺は苦笑いを浮かべた。

 

「……これ。純に返すわ」

 

アリサちゃんが唐突に俺の眼前に差し出されたのは、タッチノートだった。

 

「返してくれるの?」

 

「だって私が何を言っても純の考えは変わらないんでしょ?」

 

「それは……そうだけどさ」

 

「どっちにしても無茶するなら、まだメー君が一緒に居てくれた方が安心だわ」

 

アリサちゃんは呆れたといった感じに溜息を吐きながら、俺に早く受け取れと急かす。

 

「えっと、それじゃあ……」

 

俺はアリサちゃんに急かされるまま、アリサちゃんからタッチノートを受け取る。

 

だけど何故かアリサちゃんは俺がタッチノートを手に取ったのに関わらず、その手を離そうとしない。

 

「……私はもう、純が戦う事を止めないわ。だけど忘れないで。純が戦ってるのを心配する人が居るんだって事を……だから絶対に勝ってよね仮面ライダー!」

 

アリサちゃんはそう言うと、今度こそタッチノートから手を離した。

 

「ありがとうアリサちゃん。絶対に勝って戻ってくるから!」

 

俺はアリサちゃんの想いに応える為に絶対に勝つ。

 

それが今の俺に出来る、唯一の約束だから。

 

『どうやらアリサ嬢とは、和解出来た様だなマスター!』

 

俺とアリサちゃんとの話し合いが終わるのを見計らった様に現れたのは、先程まで近くのホルダーの顔面に張り付いていたメカ犬だった。

 

今から迎えに行こうと思っていたのだが、メカ犬の方から来てくれたのならば話しは早い。

 

「純の事を頼んだわよ。メー君!」

 

『うむ。任された!』

 

アリサちゃんとメカ犬のやりとりを見ながら、俺は周囲を見渡す。

 

今も乱戦状態は続いており、ここは台風の目の様な状態となっているが、それも長い事は持たないだろう。

 

これから参戦するにしても、まずは二人を安全な場所に逃がさなくてはならない。

 

そう考えている間にも、事態は刻一刻と変化していく。

 

俺の懸念は現実のものとなり、俺達の退路を塞ぐ様に、ホルダーモドキ達が俺達に狙いを定める。

 

「こうなったら……え!?」

 

シードに変身して活路を見出そうとしてタッチノートのボタンを押そうとしたその時。

 

目の前で予想外の出来事が起こり、俺は思わずタッチノートのボタンを押そうとしていた事も忘れて、声を上げていた。

 

俺達の目の前で吹き飛ばされるホルダーモドキ。

 

常人にそんな芸当が出来る筈も無い。

 

その光景を現実としたのは、人とは違う姿をした一人の異形の戦士。

 

身体の上半身は、鍛え上げられた筋肉を模した様な鎧に覆われている。

 

そして金色の二本角に赤く大きな二つの複眼。

 

俺はその戦士の名前を知っている。

 

その戦士の名前は、かつて共に戦った五代さんも変身した、仮面ライダークウガに他ならなかった。

 

だが今現在、この世界に五代さんが居る可能性は限りなくゼロに近いだろう。

 

だとすれば、このクウガが誰なのかは、一人しか思いつかない。

 

「ユウスケ!?」

 

最初にクウガに声を掛けたのは夏海さんだった。

 

「怪我は大丈夫なんですか!?」

 

それを皮切りに俺もクウガに声を掛ける。

 

光写真館に着いた時は、かなり酷く消耗していた様に見えたので、無理をして出て来た事は明白だ。

 

「心配してくれてありがとう。でも俺は大丈夫だからさ!」

 

クウガは俺にそう言うと、それを証言するかの様に右手を突き出して親指を上にしてサムズアップのポーズをした。

 

どうやらただ痩せ我慢をしているだけでもないらしい。

 

俺はあの短時間で其処まで回復したのかと、内心でかなり驚いた。

 

でもそれならば、頼みやすい。

 

「ユウスケさん!俺はこれからメカ犬と士さんの所に向かいます。ですから二人を安全な場所まで!」

 

「ああ!」

 

クウガは俺の頼みに二つ返事で了承してくれた。

 

「行くぞメカ犬!」

 

『うむ!』

 

俺はクウガに一礼してから、メカ犬と共にその場から駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファイナルアタックライド……ディ、ディ、ディ、ディエンド!』

 

ディエンドが自身を象徴するロゴが描かれたカードを、ディエンドライバーにセットすると音声が流れ、ディエンドの前方に複数の半透明のカードがターゲットを捕捉し召喚されたライダーであるG3-Xもそのカードの一部となって還元される。

 

ディエンドがディエンドライバーの引き金を引くと同時に、銃口からカードのエネルギーが込められた巨大なビームが放たれ、その標準の先に居たホルダーモドキ達がビームの濁流に飲み込まれて無に帰っていく。

 

「……海東か」

 

「やあ、士」

 

派手な爆発により振り向いたディケイドに対して、ディエンドは軽く手を振りながら隣までやって来る。

 

「一体どういう風の吹き回しだ?」

 

「別に僕がどうしようと、士には関係無いだろ。それに僕よりも先に注意した方が良い相手が居るだろう」

 

ディエンドがそう言いながら指を示す方角に、ディケイドが視線を向けると、其処にはオーバーとメルトを両脇に従えた鳴滝が不敵な笑みを浮かべていた。

 

「ディケイドよ。お前の旅は今度こそここで終わる!それが貴様の運命だ!!!」

 

鳴滝が咆哮を上げるとその後方から、銀色のオーラが出現する。

 

その奥には一つの影。

 

オーロラを超えて来たのは一体の異形の姿をした存在だった。

 

額から伸びる四本の金色の角と、まるで穢れを知らない様な白い肉体を持ちながら、その存在は神々しさとは別に死を予感させる鋭い殺気を放ち続けている。

 

「ふん。またそいつか」

 

その存在、ン・ダグバ・ゼバを前にしてもディケイドは余裕の仕草を見せる。

 

ディケイドも相手の強さは肌で感じているが、それでも一度は戦った相手であり、勝てない相手ではない知っているからこそ、この強敵を前にしても焦りはしない。

 

「それはどうかな?」

 

「言ったでしょ?これから楽しいイベントが始まるってさ!」

 

だがそんなディケイドに対して、鳴滝の両脇に控えていた二人の怪人、メルトが相変わらずの平坦な声で呟き、それとは対照的にオーバーが、心から楽しげに発言する。

 

その二人の言葉にディケイドが疑問をぶつけるよりも先に、オーバーとメルトは正面に立つン・ダグバ・ゼバに対して右手を突き出す。

 

するとン・ダグバ・ゼバを囲む様に、数本の黒い円柱状の物体が地面から突き出した。

 

「あれは?」

 

ディエンドの疑問の声に誰も返事を返す事も無いままに、この状況は新たな展開を見せる。

 

ン・ダグバ・ゼバを囲む様に突き出した数本の円柱から徐々に雷の様な光が発生し、その光が次々とン・ダグバ・ゼバの身体へと取り込まれ始めたのだ。

 

それと同時に、ン・ダグバ・ゼバの身体に大きな変化が生じた。

 

白い肉体を被う様に、金色の鎧がン・ダグバ・ゼバを包み、側頭部からは額の四本の角とは別に新たな二本の鋭利な金色の角が伸びる。

 

「これこそ究極を越えた究極の存在!言うなれば今のン・ダグバ・ゼバは超究極体といったところか」

 

大きな変化を果たしたン・ダグバ・ゼバを嬉々として語る鳴滝。

 

不必要となった己を囲む黒い円柱が、ン・ダグバ・ゼバが一歩を踏み出すと同時に一瞬で炎に包まれ灰と化す。

 

一歩ずつ近付くン・ダグバ・ゼバのプレッシャーに当てられつつも、ディケイドとディエンドは迎え撃つ。

 

まず最初に動いたのはディエンドだった。

 

ディエンドライバーを前方に構えて、引き金を引くと、銃口から複数の光弾が放たれて、ン・ダグバ・ゼバに命中して小さな火花を無数に生み出す。

 

しかしン・ダグバ・ゼバはそれに一切のダメージを負った様子すら見せずに、ただゆっくりと歩を進めていく。

 

「はあああああああああああ!」

 

其処へ今度はディケイドがライドブッカーをソードモードにして斬りかかっていく。

 

ディケイドが上段から放ったその斬檄は、見事にン・ダグバ・ゼバの右肩口に決まるのだが、その刃がそれ以上に下へと振り抜かれる事は無かった。

 

攻撃を受けた当人であるン・ダグバ・ゼバはそれでも微動だにせず、ただ無造作に右拳を前に突き出す。

 

「ぐはっ!?」

 

その拳がディケイドの腹部を捉え、ディケイドは耐える事も出来ないまま、自身の身体を九の字に曲げる。

 

「士!」

 

其処へディエンドライバーによる連射を繰り出しながら、ディエンドがフォローに入ろうと駆け寄るが、ン・ダグバ・ゼバが空いていた左手をかざすと、ディエンドの全身から炎が吹き上がった。

 

「ぐあああああああああああ!?」

 

何とか自身に纏わり着く炎を振り払おうとして、ディエンドはその場で地面にのたうち回る。

 

その光景を一瞥してからン・ダグバ・ゼバは目の前で今も苦痛に苦しむディケイドの顔を横薙ぎに拳を軽く当てて吹き飛ばしてしまう。

 

何とか全身を覆う炎が消えたディエンドの横に、成す術も無く転がるディケイド。

 

大きなダメージを負い、立ち上がる事すら困難な二人のライダーに対して、ン・ダグバ・ゼバは悠然とした態度で歩み寄っていく。

 

「うをうりゃあああああああああ!」

 

だがその進行を遮る様に、今まで離れた位置でホルダーモドキ達の相手をしていたアクセスが、果敢にン・ダグバ・ゼバへと強襲を仕掛ける。

 

繰り出す拳と蹴りの全てが叩き込まれるが、それでもン・ダグバ・ゼバには一切のダメージも通らない。

 

それどころか、ン・ダグバ・ゼバは目の前のアクセスに一瞥すらせず、まるで近くに飛んでいる小さな羽虫を追い払う様に軽く腕を振るうとその一撃によって、アクセスはいとも簡単に弾き飛ばされ、頭から地面に転がりその影響で変身が解け、更に打ち所が悪く意識を失ってしまう。

 

だがアクセスの攻撃は全てが無駄に終わった訳では無かった。

 

アクセスが意図せずにだが稼いでくれた僅かな時間の間に、何とか態勢を立て直したディケイドとディエンドが再びン・ダグバ・ゼバに攻撃を仕掛ける。

 

同時に繰り出される二人の渾身の力を込めた拳が、同時にン・ダグバ・ゼバの胸部を捉えるが、その渾身の一撃すら、有効打とは成り得なかった。

 

おもむろにン・ダグバ・ゼバが二人の拳を掴むと其処から直接、稲妻の様な自身のエネルギーを腕を通して二人へ流し込んでいく。

 

「「うわああああああああああああああああああああっ!?」」

 

全身に火花が走り、苦痛と共にディケイドとディエンドは悲鳴を上げた。

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