魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダーシード&仮面ライダーディケイド 世界を繋ぐ旅人【第十章】

ン・ダグバ・ゼバの攻撃によって、ディケイドとディエンドの全身に強烈な痛みが駆け抜けていく。

 

「……く……そ!」

 

そんな痛みに耐えながらもディケイドがン・ダグバ・ゼバの手を引き剥がそうとする。

 

だがその行為を相手が許す筈も無く、ディケイドを握るン・ダグバ・ゼバの手の握力が更に増す。

 

「ぐああああああああああああああああああっ!?」

 

ディケイドはその痛みに耐え切れず、苦痛の叫びを公園内に響かせる。

 

「つ、士……」

 

攻撃がディケイドに集中した為に、若干だが余裕が生まれたディエンドが、残る力を振り絞りディエンドライバーの銃口を、ディケイドの手を掴むン・ダグバ・ゼバの腕へと向けて、光弾を撃ち込んだ。

 

その瞬間小さな規模の爆発が起こり、ディケイドへの変身が解けてしまった変わりに、士はン・ダグバ・ゼバの手から解放され爆風に飛ばされながらも、何とか持ち堪えた。

 

しかしそれはン・ダグバ・ゼバの怒りを買う事となってしまう。

 

今までディケイドに注ぎ込まれていた分のエネルギーが、一気にディエンドに集中する。

 

その衝撃に悲鳴を上げる暇も無く、凄まじい衝撃がディエンドの全身を走り、大きな負荷を与えられた事によってディエンドの変身が解けてしまう。

 

「……海東!?」

 

それを間近で見ていた士の声も虚しく、海東はその場で崩れ落ちる。

 

崩れ落ちた海東は何時まで経っても、動きが無い。

 

だが僅かに呼吸をしている事が、士の居る位置からでも分かる事から、ただ意識を失っているだけなのだという事が理解出来た。

 

海東がまだ生きている事は、士にとって不幸中の幸いであったが、事態が好転した訳ではない。

 

今もン・ダグバ・ゼバは悠然と士の前に立ち塞がっているのだ。

 

「あはははははははは!」

 

絶体絶命とも言えるこの状況で、場にそぐわない笑い声が周囲に響く。

 

その声の主は、戦いの成り行きを今まで大人しく見ていたオーバーだった。

 

「大体さあ~罠だと分かってて態々突っ込んでくるだなんて馬鹿だよねぇ~人質を取っただけでこんな簡単に引っかかるなんて、人間の考えてる事は良く分からないなあ~」

 

最後に僕だったら絶対にこんな事はしないよ、と言って締め括るオーバー。

 

「……そうだな。確かに俺達は馬鹿かもしれない」

 

幾ばくかの間を置き静かに、だがはっきりとした意思を宿す声が公園に響く。

 

その声の主は士だった。

 

「確かに俺達は、お前の言う通り馬鹿かもしれない。でもそれが分かっていても、守りたい誰かが居る。それは掛け替えの無い……人の持つ大切な強さだ!」

 

痛みに耐えながら叫ぶ士。

 

それに対してオーバーは失笑する。

 

「はは。口では奇麗事を言っててもさ……現に皆ボロボロじゃない?それが強さだなんて僕には信じられないな」

 

「……そうでも無いぜ。なあ、そうだろ」

 

しかし士はオーバーの反論に対して、何か言うでもなく、視線を自身の後ろへと向ける。

 

其処には小さな相棒を連れた、一人の少年の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうですね。確かに俺達は馬鹿かもしれません。でもそれで大切な人を守る事が出来るなら、俺は馬鹿で構いませんよ」

 

士さんの言葉に対して、俺はそう返答しながらメカ犬と共に、士さんの横に並び立つ。

 

「それにしても……ボロボロだな」

 

「それはお互い様じゃないですか?」

 

皮肉交じりにも聞こえる士さんに、俺も少しだけ皮肉を交えた答えを返す。

 

確かに今の俺達は、誰が見てもボロボロの満身創痍と言えるだろう。

 

更に今俺達の目の前に居る相手も、今までに無い強敵だと分かる。

 

だがそれでも、俺は負ける気がしない。

 

士さんの言う通り、俺には守りたい大切な人達が居る。

 

その想いが俺に力をくれるから……

 

「だから!こんな悪夢はここで終わらせるんだ!!!」

 

俺は気合を込めた叫びと共に、タッチノートのボタンを押した。

 

『バックルモード』

 

タッチノートから流れる音声と共に、メカ犬がベルトに変形して俺の腹部に自動的に巻き付く。

 

その隣では士さんがディケイドライバーを自身の腹部に宛がい、ライドブッカーから一枚のカードを取り出した。

 

士さんの言葉を現実のものとする為に、俺達は同時に己の決意を戦う力に変える言葉を紡ぐ。

 

「「変身!」」

 

同時に叫び、俺はタッチノートをベルトの中央の溝に差し込み、その横で士さんはベルト中央のバックルを展開させて、カードを差し込んで再び展開させたバックルを元の状態へと戻す。

 

『アップロード』

 

『カメンライド……ディケイド!』

 

其々のベルトから音声が響き、俺と士さんを一人の戦士の姿へと変える。

 

今ここに並び立つのは、堅い決意を胸に宿した二人の戦士、仮面ライダーだ。

 

「貴様は……貴様は何者だ?」

 

俺と士さんの変身を眼前に、メルトが静かに呟く。

 

その疑問への返答は一つだけしか無いだろう。

 

「俺は……通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

お決まりの台詞を、メルトに自信満々に言い放つディケイド。

 

次の瞬間、ディケイドのライドブッカーが独りでに開き、複数のカードが飛び出してディケイドの手の中に納まる。

 

「士さん。そのカードは……」

 

「早速使ってみるか」

 

新たに手にしたカードの一枚を、おもむろに展開したバックルの中に差し込むディケイド。

 

『ファイナルフォームライド……シ、シ、シ、シード!』

 

ベルトから音声が流れると、そのまま直ぐに俺の背後に回るディケイド。

 

「ちょっとくすぐったいぞ?」

 

ディケイドはそう言いいながら俺の背中に手を這わせる。

 

その瞬間に、背中を始めとして、言葉では言い表す事が出来ない感覚が、俺の全身を駆け巡っていく。

 

この言葉が的確だとは言い難いのだが、ディケイドの言う通り、この感覚を敢えて言葉にするのであれば、くすぐったいというのは言い得て妙かもしれない。

 

そんな事を考えている間にも、俺の身体には劇的な変化が起こり続ける。

 

まるで何かの変形ロボットの様に、俺の四肢が間接という概念を拭い去った様に回転し更には首までもが反転していくのだ。

 

しかもこれで痛くないというのだから、不思議な事このうえない。

 

やがて変形を完了した俺の姿を一言で説明するとしたら、メタルブラックの巨大なメカ犬というのが、一番適切と言えるだろうか。

 

俺の四肢は見事なまでに四足歩行する動物特有の前足と後ろ足に変貌を遂げて、顔も犬らしく犬歯の生えた牙を持つに至っている。

 

「行くぞ純!」

 

「はい!」

 

俺の返答を合図にファイナルフォームライドで、メタルブラックカラーのメカ犬の姿となった俺に飛び乗るディケイド。

 

ディケイドが騎乗した事を確認した俺は、猛然とダグバ目掛けて駆け抜けていく。

 

作戦なんて何も無い。

 

ただ先程ファイナルフォームライドをした後から、俺の全身に力が漲って来るのだ。

 

この全身に滾る力を爆発させたいという一心で、俺はただ一匹の獣の様に駆け抜けていく。

 

そんな俺に対して、ダグバが手をかざすと、俺の全身が炎に包まれる。

 

アルティメットフォームのクウガが扱うのと同じ能力、超自然発火だ。

 

だがそれでも俺は止まらない。

 

寧ろ更に速度を上げて、俺は瞬時にして全身に纏う炎を掻き消した。

 

俺はその速度を保ったまま、ダグバに強烈な体当たりを喰らわせる。

 

控えめに見ても、普段のチェイサーさんが行うバイクタックル以上の威力があるだろうと思われる一撃だったが、それでも相手は倒れない。

 

「一発で駄目なら連続で行け!」

 

「了解!」

 

上に騎乗するディケイドのアドバイスに俺は短く返事をしつつ、一旦バックステップで距離を取ってから再び体当たりを仕掛ける。

 

それを短い時間の間に何度も繰り返していくと、やがてダグバの全身を覆う金の鎧の胸部に大きな亀裂が生じた。

 

「今だ!」

 

このチャンスを逃すまいと、ディケイドが更に一枚のカードを取り出して、展開したバックルの中へと差し込む。

 

『ファイナルアタックライド……シ、シ、シ、シード!』

 

ディケイドライバーから流れる音声と共に、俺とその上に騎乗するディケイドが、実態を持つ残像を何体も生み出す。

 

更にディケイドは、俺の上に騎乗したままライドブッカーをソードモードにすると、その刃が七色の輝きを放つ。

 

残像を先導しながら俺はダグバの横を全速力で駆け抜け、ディケイドとその残像の光輝く刃が幾重にもダグバの金の鎧を切り刻んでいく。

 

攻撃を終えると直ぐに俺の上から、ディケイドが飛び退き、俺も強く元に戻れと念じると、巨大なメタルブラックのメカ犬の姿から、シードの姿に瞬時に変わった。

 

『あれだけの攻撃を受けて、まだ倒れないとはな……』

 

ベルトから聞こえるメカ犬の声に反応して振り向くと、先程の攻撃によって金の鎧が粉々に砕け散りながらも、いまだ健在なダグバの姿が其処にはあった。

 

「純!一気に畳み掛けるぞ!!!」

 

「ええ!」

 

ケータッチを取り出しながら、隣から話し掛けてくるディケイドに頷きながら、俺はベルトからタッチノートを引き抜く。

 

『クウガ』

 

『アギト』

 

『龍騎』

 

『ファイズ』

 

『ブレイド』

 

『響鬼』

 

『カブト』

 

『電王』

 

『キバ』

 

ディケイドがケータッチを操作していく隣で、俺もタッチノートの操作を開始する。

 

『ガイア・コール』

 

タッチノートから音声が流れると、何処からとも無く、公園内に軽快な足音が響く。

 

『出番ですねマスター!』

 

ガイア・コールで呼び出したメカ竜が颯爽と駆け付ける。

 

「メカ竜。お前の力を貸してくれ!」

 

『はい!ボクに任せて下さい!』

 

俺の言葉に、二つ返事で了承してくれたメカ竜を一瞥した後、俺はタッチノートのボタンを押す。

 

『スタンディングモード』

 

音声が流れると共に、メカ竜がアタッチメントパーツに変形して俺の左手に収まる。

 

操作を終えたタッチノートをベルトに再び差し込んだ俺は、続けてベルトの左側をスライドさせて、アタッチメントパーツに変形したメカ竜を差し込む。

 

それとほぼ同時に、ディケイドもケータッチの操作を完了させた。

 

『ベーシック・ガイア』

 

『ファイナルカメンライド……ディケイド!』

 

俺の周囲に展開されたメタルレッドの追加装甲が、次々と全身に装着されていき、ディケイドの方も全体のカラーリングはマゼンタと白を基調としたものから、黒と銀を基調としたものに変わり、緑の複眼もマゼンタに変わって顔の造詣そのものが若干変化していく。

 

更に自ら腹部のバックルを取り外して、右腰に着け直し、空いた中央部分にケータッチを差し込んで、完全にディケイドがコンプリートフォームになったのを確認してから、俺とディケイドは互いに頷き合った後、この戦いを終わらせる為に同時に駆け出した。

 

迎え撃つダグバに対して、猛攻を仕掛ける俺とディケイド。

 

先程まで纏っていた金の鎧のせいで、ファイナルフォームライドした状態の俺の攻撃ですら耐えたダグバだったが、それを失った今、俺達の攻撃は確実にダメージを与えていく。

 

少しでも距離を取ってしまえば、確実に発火能力を使ってくるだろう。

 

それをさせない為に、俺とディケイドは交互に攻撃を繰り返して、一縷の隙すら与えはしない。

 

「「はあ!!!」」

 

俺とディケイドはダグバが連続攻撃に怯んだところに、同時に拳を放り込んで吹き飛ばす。

 

「一緒に決めるぞ!」

 

「勿論です!」

 

ライドブッカーから一枚のカードを取り出しつつ俺に話し掛けてくるディケイドに対して、俺も力強く返事を返して、アタッチメントパーツのレバー部分に手を掛ける。

 

『マックスチャージ』

 

『ファイナルアタックライド……ディ、ディ、ディ、ディケイド!』

 

其々が必殺の一撃を放つ為の準備を整え終わり、構えを取る。

 

「こいつで決めるぜ」

 

俺の声を合図に、二人の仮面ライダーは同時に高く跳躍した。

 

ディケイドとだグバの間に現れる、十枚のホログラム映像状のカード型エネルギー。

 

そのホログラムを通過して、ディケイドの必殺技の一つでもあるディメンションキックをホルダーに放たれ、俺の方も後方に四体の分身体が直線状に生成されて、正面の分身体の背中を蹴りこむ度に、加速度的に速度と威力が増していき、このベーシックガイアの必殺技であるガイアチェーンスマッシュが放たれる。

 

「「はああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」」

 

同時に放たれた必殺の一撃が、ダグバに叩き込まれ、次の瞬間に大きな爆発が引き起こされた。

 

暫くして周囲の爆煙が晴れて周囲を見回すと、まだ僅かに残っていたホルダーモドキ達は既に姿を消しており、当然の様にオーバーとメルトも何処にも居ない。

 

ただ一人、ディケイドの宿敵である鳴滝だけが、俺達に怒りの形相を向けていた。

 

「おのれ、ディケイド……次は、次こそは必ず……」

 

まるで呪詛の様に静かに呟くと、鳴滝の背後から銀色のオーラが出現して、彼の全身を包み込み、次の瞬間には鳴滝の存在はこの世界から完全に消えてしまった。

 

それは俺にとってこの世界での一つの戦いに決着がついたという事であり、同時にそれはディケイドのこの世界での戦いが終わりを迎えた事を意味していた……

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