魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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ライダー戦記編 7

「「変身!」」

 

俺と火野さんが叫ぶ。

 

『アップロード』

 

『タカ・トラ・バッタ』

 

力ある言葉を共に紡ぎ、全ての工程を終える事によって、其々のベルトからは音声が流れて、俺達は無事に変身を完了させる。

 

俺はメタルブラックのボディーが特徴的な、ベーシックフォルムの仮面ライダーシードになり、火野さんはタカメダルと、トラメダルにバッタメダルを使った、基本フォームである仮面ライダーオーズ、タトバコンボとなって、ディアスの作り出したコアが生み出した屑ヤミー軍団へと向かって駆け出した。

 

基本的に動きの鈍い屑ヤミーに対して、俺達は速攻を仕掛ける。

 

「せいやっ!」

 

オーズがトラクローを使い、周囲の屑ヤミーを蹴散らす。

 

「たあっ!」

 

その近くでは俺が、拳と蹴りを駆使して、同じく屑ヤミー達を吹き飛ばしていく。

 

だが、この快進撃は長くは続かない。

 

『危ない!』

 

ベルトから聞こえるメカ犬の注意を促す声に反応して、俺とオーズは咄嗟にその場がら飛び退く。

 

その直後に、大きな腕が先程まで居た場所を躊躇無く蹂躙する。

 

通常の人のサイズでは考えられない程の、巨大な腕。

 

それは、遠くからでも見て分かる程の巨体を誇っていた、仮面ライダーアークに他ならないだろう。

 

「ちょっと大き過ぎでしょ……」

 

通常では有り得ない大きさを誇るアークを前にして、思わずオーズが呟く。

 

その気持ちは、俺にも良く分かる。

 

俺の場合は、事前に一つの情報として知ってはいたけれど、こうして直接、相対してみると、実際よりも大きく異様に見えてしまう。

 

「次が来ますよ!」

 

アークが再び動くのを前にして、俺はオーズに呼び掛けると共に動き出す。

 

あの巨体に無警戒に近づくのは危険だ。

 

それならば、遠距離からの攻撃にシフトするのも、一つの手だろう。

 

俺はベルトの右側をスライドさせて、青いボタンと黄色いボタンを、連続で押す。

 

『サーチフォルム』

 

『サーチバレット』

 

ボタンを押す事によって、メタルブラックのボディーはスカイブルーへと変わり、俺の右腕には大量の光が溢れ、このサーチフォルムの専用武器であるサーチバレットへと、形成される。

 

「ならこっちはこれで!」

 

俺がフォルムチェンジするその隣では、オーズがベルトからトラとバッタのメダルを抜き出して、代わりに灰色と黄色いメダルをセットした。

 

新たにセットされたのは、ゴリラメダルとチーターメダルの二枚。

 

『タカ・ゴリラ・チーター』

 

半円状のオースキャナーで、三枚のメダルを再スキャンする事によって、再びオーズの姿が変化していく。

 

鷹を模した頭部の形状はそのままに、腕のトラクローは灰色のグローブ状の形へと変わり、足の形状も、バッタメダルでは緑を基本としていた配色に対して、若干だが形状も異なる黄色の脚部へと変わった。

 

これはオーズの通常のコンボでは無い、亜種コンボの一つではあるが、状況によっては普通にコンボを使うよりも、戦局を有利に進める事も出来る。

 

「俺が援護します」

 

「頼むよ」

 

お互いに戦いへのスタンスを変えた後、俺達は声を掛け合い、行動を開始する。

 

「このっ!」

 

俺はオーズを援護する為に、サーチバレットの連射によって、光弾を次々と撃ち出すと共に、周囲の屑ヤミーへと対しても牽制の射撃を行う。

 

「せいっ!」

 

その隙にオーズは、チーターメダルの恩恵による、脚力で走り回り、ゴリラメダルによって強化された腕力を使い強力な拳をアークの足へと見舞っていく。

 

俺とオーズのコンビネーションが上手く噛み合う事によって、少しずつではあるが、周囲の屑ヤミーは数を減らし、アークにも確実にダメージを蓄積する。

 

このままいけば、特に問題も無く、戦いで勝利を納められると確信するが、そんな戦いが簡単なものでは無いという事は、経験から理解しているつもりだ。

 

戦いには何があるか分からない。

 

それは嫌という程に……。

 

こんな考えが、頭を過った事が原因だろうか。

 

本当にこの戦いに、大きな変化が起こってしまったのである。

 

先程までバラバラに動いていた屑ヤミー達が、一つの目的を持って、動き出したのである。

 

次々と集まり、自らの身体を重ねていく屑ヤミー達。

 

その身体を重ね、メダルへと変わり、そのメダルが新たな肉体を生み出し、全く違う形を成していく。

 

一言で表すのならば、大きな翼を持った、トカゲと言うべきか……。

 

いや、もっと分かり易く言うのであれば、ファンタジーに出て来る様な、巨大なドラゴンだ。

 

『これはまた凄いのが出て来たな……』

 

「呑気に言ってる場合か!?」

 

思わず呟いたメカ犬に、突っ込みを入れつつ、俺は大量のメダルで新たに生み出されたドラゴンに対して、連続でサーチバレットによる射撃を行い、大量の光弾を撃ち込み続ける。

 

「ぎゃぐああああああああああああああ!」

 

だが一切のダメージを受けていないのか、ドラゴンを大きな咆哮をあげて、翼を広げて大空へと飛翔する。

 

「何あれ!?」

 

あの巨体が飛び上がる事によって突風を巻き起こし、アークと戦っていたオーズも異変に気付く。

 

まるで映画にでも出て来る様な動きで、飛び回るドラゴンはその大きな口から、次々と炎弾を生み出して、俺達が居る地上に、無差別攻撃を仕掛ける。

 

『これは流石に不味いぞマスター』

 

「確かに、ここまでやりたい放題されると、嫌になるな」

 

思わず俺とメカ犬は愚痴を口にするが、一刻も早く対処をしなければ成らない事には変わり無い。

 

だけど、アークとあの巨大なドラゴンを同時に相対するには、聊か戦力が足りない。

 

せめて一体ずつ相手に出来れば良いんだけど……。

 

「まずはあのドラゴンを止めよう!」

 

どうするべきか考えていたその時である。

 

いつの間にか横に来ていたオーズが、俺に声を掛けてきた。

 

「あれ? 火野さん、アークの相手をしてたんじゃなかったんですか!?」

 

「うん。それなら、あの人が代わってくれたんだ」

 

そう言って、先程まで戦っていた場所を指差され、視線を向けるとロッドフォームの電王が上手く立ち回りながら、アークと戦っている姿が目に映った。

 

どうやら探索を続けていた良太郎君達が、異様を察知して駆け付けてくれた様である。

 

取り敢えず、アークの相手は電王に任せておけば良いだろう。

 

ならば俺とオーズは先に、あの無差別に地上爆撃を続ける、メダルドラゴンを倒すべきだ。

 

「来るよ」

 

「はい!」

 

オーズの呼び声に返事をして、身構えた直後。

 

俺達に向かって、空中から急降下してくるメダルドラゴン。

 

避け様に、もう一度サーチバレットによる攻撃を撃ち込むが、あまり効果は得られず、数枚のセルメダルが零れ落ちるだけだった。

 

……セルメダル?

 

つまり、あのドラゴンはディアスの作り出したコアから生まれたと同時に、セルメダルによって肉体を保っている存在でもあるという事だ。

 

それならば、戦い方もある筈である。

 

「メカ犬! 一旦変身を解くぞ!」

 

『な、何を言っているのだマスター!?』

 

俺の発言に驚くメカ犬だったが、考えが無い訳では無い。

 

ベルトからタッチノートを引き抜き、俺は変身を解いて急いで持ち込んだショルダーバックの下へと駆け出した。

 

「へ? ちょっと!?」

 

「すぐに戻って来ますから、少しの間だけお願いします!」

 

変身を解いた俺に驚くオーズに、俺は簡潔に言葉を残して急いで、バックからある物を取り出す。念の為に、バックを中庭にまで持ち込んでおいて助かった。

 

「まさか、会長さんから預かったこれが役に立つとはね……」

 

『マスターそれは!?』

 

俺の後を追って来たメカ犬が、バックから取り出した物を見て、驚愕の声をあげる。

 

中央に丸い物体が収まり、横に回し手の付いた、個性的な形状のベルト。

 

このベルトの名前は、バースドライバーという。

 

会長さんから、念の為にと預かった物である。

 

元は使用者が二人程居たそうなのだが、今はその二人共が不在であり、保管されていたらしいのだが、相手がセルメダルを力の根源にしているのならば、有効に使えるかも知れないという事で、預けられていたのだ。

 

このバースドライバー。

 

前世の頃に、オーズの一話目までしか視聴していなかった俺には確認しようが無いが、作中の二号ライダーとして間違い無いだろう。

 

俺はベルトを片手に急ぎ、再び走り出す。

 

使い方のマニュアルも一緒に預かり、熟読しておいたので、俺は途中で落ちているセルメダルも回収しておく。

 

「お待たせしました!」

 

「あ、あれ!? そのベルトって」

 

駆け付けた俺の持っているバースドライバーを見て、オーズが驚くが俺は不敵に笑みを浮かべて、ベルトを腹部に巻きつける。

 

そして途中で拾っておいたセルメダルを一枚だけ指で弾き、目の前に落ちて来たメダルをキャッチした。

 

良く分からないが、会長さんや里中さんに聞いた話だと、使う時はこうするべきなのだと言われていたので、一応やってみた次第である。

 

「変身!」

 

そして、俺は力ある言葉を紡ぎ、ベルトの上部からセルメダルを投入して、横の取っ手を回す。

 

カポンという高い音が鳴り、中央の丸い形状のオブジェクトが開き、俺の姿が急激に変化する。

 

黒を基調とした手足の上に、銀を基調としたボディーパーツと、緑の球体オブジェクトが目立つ、中々に歴代のライダーと比べても個性的な見た目のライダーが、今の俺の姿だ。

 

仮面ライダーバース。

 

劇中でコアメダルの力を使って変身するオーズに対して、近代技術の粋を結集して、セルメダルの力によって変身した仮面ライダーが、このバースなのである。

 

……ただし、素体となったのが、実年齢が小学生低学年である俺が変身した為に、その見た目はかなりのミニサイズだ。

 

「ち、ちっちゃいバースだね」

 

変身していても、オーズが苦笑いしている事が、容易に想像出来る。

 

「でも、セルメダルの集合体が相手なら、こっちの方が有利でしょう」

 

普通に戦うならば、シードの方が戦い易い事には変わり無いが、メダル相手ならば、専用に作られたこっちの方が良いのに変わり無い。

 

それに、まだコアを体内に有しているアークも健在な為に、決着を急ぐ必要がある。

 

「……そうだね。同時攻撃で一気に決めよう!」

 

「それなら、これを使って下さい」

 

オーズの提案に頷き、俺は複数のセルメダルを手にして、同じく必殺の一撃を繰り出す為に、オーズもオースキャナーを手にするが、俺達が準備を整えるその前に、真っ赤なライダースーツを身に纏った里中さんが颯爽と現れて、一枚のメダルをオーズへと投げ渡す。

 

「これって……金のメダル!?」

 

投げ渡されたメダルを見て、オーズが驚きの声を上げる。

 

「一応の調整は済ませたので、一回なら使用出来るそうです。実地試験も兼ねているそうなので、使ってみてください」

 

何の事も無い様に、淡々と言い放つ里中さん。

 

「わ、分かりました、使ってみますね!」

 

オーズはそう言うと、ベルトからゴリラとチーターのメダルを抜き出して、代わりに中央に金のメダルと、使い慣れているバッタメダルをセットしてスキャンする。

 

『タカ・キャノン・バッタ』

 

タカとバッタメダルを使用している為に、頭部と脚部は通常のタトバコンボと何の変わりも無いけれど、腕から胸部に掛けてまで形状が、かなり異なる形状となった。

 

金のメダルを使ったという事もあり、配色は金色が基本カラーリングとなっており、胸部には、巨大な金の銃口。

 

メダルの音声の通り、それはキャノンと言うのに相応しい外見だった。

 

「それじゃあ俺も!」

 

仮にこのコンボをタキャノバコンボとでも言っておこうか。

 

俺もそれに追随する為に、セルメダルをベルトに入れて、取っ手を回す。

 

『ブレストキャノン』

 

バースは変身と同様に、セルメダルを使う事で、様々な武装を使用する事も可能としている。

 

その中でも、協力な遠距離攻撃を可能としているのが、このブレストキャノンだ。

 

オーズのキャノンと同様に、俺の胸部にも巨大な砲身が形成される。

 

更に俺は残りのセルメダルを連続でベルトに入れて、威力の引き上げを行い、オーズもオースキャナーでベルトのメダルをスキャンして必殺の一撃を撃ち出す為の、準備を整えていく。

 

『スキャニングチャージ』

 

『セルバースト』

 

音声が同時に響き、俺とオーズは同時に引き金を引く。

 

「うをおおおおおおおりゃあああああ!」

 

「せいやあああああああああああああ!」

 

狙いを定めて其々銃口から放たれた、高出力を誇る、エネルギーの波動が、ドラゴンへと直撃する。

 

エネルギー波は、確実にドラゴンの身を削ぎ、雨の様にセルメダルが降り注ぐ。

 

そして最後は大きな爆発を引き起こした。

 

『どうやら終わった様だな』

 

空を見上げながら、呟いたメカ犬の言う通り、どうやらドラゴンは今の一撃によって、完全に消滅したらしい。

 

ならば残すところは、電王が足止めしてくれているアークのみである。

 

俺は急いで、バースドライバーを外して変身を解く。

 

「急ぐぞメカ犬!」

 

『うむ!』

 

俺はメカ犬に声を掛けつつ、急いで同じく金のメダルをトラメダルに差し替えたオーズと共に、もう一つの戦いの場へと赴いた。

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