魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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ここ最近、短編の方を書いていたら、こっちの執筆が遅れてしまいましたが、やっと更新出来ました。

そして何気なくハーメルンでの投稿話数が200を超えている事に気付きました。


ライダー戦記編 10

俺の頭は、今の状況を理解する事が出来なかった。

 

どうして如月さんは、俺に対してここまで怒りを露わにしているのだろうか。

 

幾らクラスメイトとは言え、転校初日の俺は、彼女とはほぼ初対面と言って良いだろう。

 

学校でも、会話らしきものは、一切無くて、つい先程の怒りの感情が籠った叫びが直接的なファーストコンタクトと言っても過言では無い。

 

「ちょっと、どういう事かって聞いてるのよ! 転校生!」

 

突然の事態に固まっている俺を見て、自分の話を聞いてないと感じたのか、その勝気な瞳を細めながら、如月さんが詰め寄る。

 

「あ、えっと、ごめん。ちゃんと聞いてるよ」

 

流石にこれ以上は固まっていられないと思い、俺は慌てながらも、如月さんに返事をした。

 

取り敢えず、俺が返事をした事によって、一瞬だが態度が軟化するが、それも本当に少しの間だけで、如月さんは、すぐに怒りの感情の籠った瞳を俺にぶつける。

 

「聞いてるなら良いのよ……それで! 何であんな事を言ったのさ!?」

 

「あんな事って……」

 

俺が如月さんについて、実際に言葉にした事と言えば殆ど無い。

 

あるとすれば……。

 

「もしかして、さっきの人に俺が友達だって言った事かな?」

 

「それよ! 何であんたなんかが私の友達なのよ!?」

 

まさかという思いで口にしてみたが、どうやら正解だったらしい。

 

「いや、あの場はああ言っておいた方が良いと…んっ!?」

 

何とか宥めようと試みる最中。

 

俺はここ最近、かなりの頻度で感じる敵意を、感じ取った。

 

「何よ? 言いたい事があるなら、はっきり言いなさい」

 

そんな俺に、訝しげな視線を向けて、文句を言う如月さんだけれど、この敵意が気のせいで無いとしたら、悠長に説明してる暇はない。

 

『マスター!』

 

ランドセルの中に潜んでいたメカ犬も、周囲の異常に気付いたのか、声を上げる。

 

「危ない!」

 

俺は咄嗟に、如月さんの手を掴み、力任せにその場から飛び退く。

 

その次の瞬間。

 

先程まで俺達の居た場所に、緑色の丸みを帯びた昆虫を彷彿とさせる怪物が、腕を俺達が先程までいた位置に振り下ろしていた。

 

俺はその怪物の正体を知っている。

 

宇宙から飛来した隕石と共に、地球へとやってきた人に害をなすエイリアン……ワーム。

 

平成の仮面ライダーシリーズの一つ、仮面ライダーカブトに登場する敵勢力だ。

 

奴等は、擬態や、クロックアップ等の特殊な能力を持つ。

 

何でこんな奴等がここに居るのか、その理由は既に分かっている。

 

このワームも、ディアスの送り込んだコアの作り出した奴だと見て、間違い無いだろう。

 

「な、何よこの化け物!?」

 

突如として出て来たワームに、恐怖と驚愕が簡単に見て取れる、表情で如月さんが声を上げる。

 

「あれの狙いは如月さんなんだ! 今は兎に角、逃げよう!」

 

今はまだ、目の前の一体しか入ないが、俺の世界や、オーズの世界での事を考えると、ワームの幼生体であるこいつが、一体だけだという事はあり得ない。

 

ここで戦えば、後から来たこいつの仲間に包囲される危険性がある。

 

だから、せめて戦い易い場所にまで誘導しようと動こうとするが、既に遅かった様だ。

 

見えない死角となっていた通りから、大量のワーム達がズラズラと、その姿を現したのである。

 

『どうやら、完全に囲まれてしまった様だな』

 

出来れば直視したくない現実に対して、ランドセルの中のメカ犬が、無遠慮に告げた。

 

こうなったら仕方が無いか。

 

俺は如月さんを庇う様に前に出て、タッチノートを取り出して身構える。

 

囲まれている現状では、如月さんを守りながら戦うのは難しいけれど、何とかするしかない。

 

だけど、俺が変身するよりも先に、ワームが俺達を取り囲む輪を飛び越えて、黒い何かが俺の目の前へと、見事に着地する。

 

その正体は、さっきの昭和ルックの不良ルックな短ランに身を包んだ、リーゼントの学生さん。

 

「ちょっと待ったああああああああああ!」

 

突然出て来た、不良な人は叫ぶと、ワームに啖呵を切りつつ、青いクリアパーツを素体として中央を外した四か所に何かのスイッチが取り付けられ側部には大きめのグリップを付けた物体を取り出して、腹部へ宛がうとベルトとなった……へ? ベルト!?

 

流れる様な慣れた動作に、俺は一瞬だが自分の目を疑ってしまったが、不良の人が持っていたのは、間違い無く、俺が見た事の無いタイプの変身ベルトとしか、思えない物だった。

 

俺が一人、驚いている間にも、不良の人は、ベルトに填め込まれた四つのスイッチを順番に押していく。

 

『3』

 

その上、不良の人が、拳を固めポーズを取ると、ほぼ同時に、ベルトから音声が流れだす。

 

『2』

 

突然の出来事に、対応出来ないのか、ワームすらも、襲い掛かる事無く、不良の人の行動を黙って見ている。

 

『1』

 

俺や如月さんんも、同様にこの光景を見続けていたが、さっきからこのカウントダウンは何なんだろうか?

 

「変身!」

 

その謎も、この不良の人が紡ぐ、あの言葉によって解ける事となった。

 

声高らかに叫び、グリップを引くと、不良の人はそのまま片手を空に向けて突き上げる。

 

そうすると、ベルトから放出された形の無い、エネルギーとでも言えば良いのか。

 

不良の人を丸く囲むサークルの様に下から上へと移動して、その中に居た不良の人を、俺が初めて見る一人の戦士の姿へと変えていく。

 

全体的に白く統一されたボディーと、尖がった頭に赤い二つの複眼。

 

……いや、はっきり言うならば、この姿は宇宙飛行士が着る、宇宙服に見える。

 

そんな俺の考えを他所に、不良の人から、宇宙飛行士へと予想外のジョブチェンジを果たした、その人が新たな行動を起こす。

 

最初は、何か唸りながら、しゃがみ込んだと思ったのだが、それは前動作でしか無かったらしい。

 

次の瞬間、思い切り立ち上がり、両手を大の字に広げて叫んだのだ。

 

「宇宙ううううううううううううううううううううううううううううううううう来たあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

まるで本当に宇宙にでも届いたんじゃないかという程の雄叫びを上げると、上げていた両腕を一旦降ろして、今度は拳をワームに向かって突き出した。

 

「仮面ライダーフォーゼ! タイマン張らせて貰うぜ!」

 

そう言いつつ、もう片方の手で尖がった頭を、まるで変身前のリーゼントを手ぐしで整えるかの様に、キュッと撫でると、ワームの大群に向かって突っ込んでいく。

 

『あれではタイマンにはならないと思うのだがな』

 

何時の間にか、ランドセルから首を覗かせて、先程までの様子を見ていたメカ犬が、さっきの決め台詞に突っ込んでいるが、明らかに突っ込むべき場所が他にもあるだろう。

 

まあ、それは兎も角として、目の前でワームと戦う仮面ライダーフォーゼと名乗った、俺の知らないライダーを見て思う事は、きっとだが彼は、オーズ以降に放送されたであろうライダーじゃないかという事だ。

 

元からデンライナーで移動している俺に関しては、時間の経過概念とかは、あまり適応されないのかも知れないし、そもそもライダーが存在する世界と、俺が元から居た前世の世界も違う物だとは考えているから、実際のところは分からないが、少なくとも前世の俺が亡くなった後も、変わらず仮面ライダーシリーズは続いていたのではないかと、想像する事は出来る。

 

だとしたら、もうオーズの後輩に当たるライダーが、どんなに居たとしても不思議じゃない。

 

今の俺になってから、既に干支が半周以上しているのだから、下手したら、このフォーゼ以外にも、6~7人位の後続ライダーが存在する事態だってあり得る。

 

だからと言って、確認する術は無いし、実際に報告を受けていたとしても、きっとお盆時に前世の友人が墓参りついでに、今度もお前の好きだったライダーが放送がされたぞとか映画の新フォームが良かったわとか、報告に来てくれる位だろう……ああ! もう随分と前に頭では諦めたと思っていたけど、凄く続きが気になってくるんですけど!

 

この戦いの場で、不謹慎だとは自覚しつつも、こうして目の前で全く新しいライダーを目撃してしまうと、なるべく普段は抑えようと努力しているライダーファンの血が騒ぐ。

 

『マスター。何を悶えているのか知らないが、ワタシ達も行くべきではないか?』

 

「そ、そうだな」

 

ライダーファンとしての憤りに葛藤していた俺だったが、メカ犬の言葉で何とか我に返り、俺は慌ててタッチノートを開く。

 

『バックルモード』

 

タッチノートを操作する事によって、メカ犬がベルトに変形して俺の腹部へと巻き付く。

 

その光景に、隣に居た如月さんが目を見開くが、今は説明する時間も惜しい。

 

「如月さんは、其処の影に隠れてて。後は俺達が何とかするから」

 

俺は近くの電柱の物陰に、何かを言いたそうにしている如月さんを、強引押し込み、そのままフォーゼがワームと戦っている場所に向かって駆け出す。

 

「あ、おい! ここは危ねぇぞ!」

 

突如として駆け込んで来た俺に、フォーゼが逃げる様に言うが、この大量のワームを一人でどうにかするのは難しいだろう。

 

「俺も手伝いますよ」

 

「て、手伝うって……」

 

俺の提案に、無茶を言うなという態度を示すフォーゼだったが、それも仕方の無い事だろう。

 

だって、俺の見た目は小学生でしかないのだから。

 

でも、俺には戦うべき理由がある。

 

例え居るべき世界が違っても、それだけは変わらない。

 

それに、さっきの驚かされた分、今度はそっちでも驚いて貰いたい。

 

俺はタッチノートを前面に突き出して叫ぶ。

 

「変身!」

 

音声キーワードを口にして、俺はそのままバックルの中央の溝へと、タッチノートを差し込んだ。

 

『アップロード』

 

響く音声と同時に、俺の全身は光に包まれ、一人の戦士へと姿を変える。

 

「えええええええええええええええええええええ!?」

 

俺の変身を見て、さっきの俺と同様か、それ以上に驚くフォーゼ。

 

今の俺の姿は、全体的にメタルブラックのボディーとベルトを中心に、四肢へと伸びる銀色のライン。

 

同色のV字型の角飾りが、額を飾、その下には赤い二つの複眼。

 

シードへと変身を遂げた俺は、普段はしないのだが、初対面の挨拶という意味も込めて、片手を上げて、ワームに向かって指をさしながら告げる。

 

「仮面ライダーシード。こんな悪夢はここで終わらせる」

 

そう告げてから、一足飛びにフォーゼの近くに居たワームを殴り飛ばして、俺も戦線へと参加した。

 

「……という訳で、俺も手伝いますよ」

 

「お、おおおおぅ。何だか良く分からねぇが、俺は仮面ライダーともダチになる男だ! 歓迎するぜ!」

 

切符の良い性格なのか、それとも深く考えていないのか、取り敢えず敵対する事が無いと分かり、安心した俺は、フォーゼと協力して周囲のワームを倒す為に動き出す。

 

成体となって、クロックアップをしてくれば厄介な存在となるワームだが、不幸中の幸いにも、今の俺達が相手にしているのは全て、幼体の奴等ばかりだ。

 

そもそも、ディアスのコアから生み出されたこいつ等が、カブトの劇中で見せたオリジナルと同様に脱皮して成体となるかどうかは未知数だけど、悪戯に戦いを長引かせる訳にはいかない。

 

「一気に決めましょう!」

 

「おお! 任せとけ!」

 

俺の言葉に、フォーゼも胸を叩きながら賛同してくれる。

 

そして何を思ったのか、フォーゼがベルトに填め込んだスイッチの一つを押した。

 

『ロケットオン』

 

音声がフォーゼのベルトから響くと同時に、巨大なロケットがフォーゼの腕に装備され、ロケットのバーニアが点火して、フォーゼがそのまま上空へと飛び上る。

 

きっと、あのスイッチがフォーゼ特有の能力なのだと思うが、これまた文字通りにぶっ飛んだ能力だなと、俺は冷や汗を流す。

 

「まだまだ!」

 

更にこれで終わりでは無かったらしく、フォーゼが別のボタンを押した。

 

『ドリルオン』

 

先程と同様に、今度は右足に巨大なドリル……。

 

いや、凄いのだけれど、物凄く個性的な武器の数々に、驚きが尽きない。

 

だが俺も、kのまま驚いてる訳にもいかない。

 

バックルからタッチノートを引き抜き、全体図を表示させて、四肢をタッチして、俺は再びタッチノートを差し込む。

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

ベルトから発生した光が、四肢の銀のラインから伝わり、俺の両手両足が光輝く。

 

『リミットブレイク』

 

そして上空でも、フォーゼがベルトのグリップを引く事によって、音声が鳴り響く。

 

どうやら向うの方も、準備は整ったらしい。

 

フォーゼは上空から、足のドリルを高速回転させつつワームの固まっている箇所へと急速降下し、俺も四肢に光を纏いながら、別の塊に特攻を仕掛ける。

 

「ライダーロケットドリルキーーック!」

 

「ライダーラッシュ」

 

そのままフォーゼは、ドリルで次々とワーム達を屠り、俺も光を纏った拳と蹴りを次々とワームに喰らわせ、周囲のワームは一体残らず、爆散して勝利に決着がついた。

 

そして、ふとフォーゼを見ると、ドリルが地面に突き刺さり、くるくると回りながら少しずつその速度を落としていく姿が……。

 

俺はその光景を見ながら、本当に色んな意味で個性的なライダーだなと、改めて実感した。

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