魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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多くの励ましの感想をありがとうございます。
まだ迷う事はありますが、取り敢えずは続けて行こうかと思いますので、これからも不定期な更新となってしまうかも知れませんが、お付き合いして頂ければ嬉しいです。

それでは今回も楽しんで頂けたら嬉しい限りです。
感想の返信は、ご迷惑を掛けますが少し遅れるかもです。
ではでは。



ライダー戦記偏13

雄のカブト虫を模した角飾りが特徴的なフォルムと、赤黒いカラーのメタルボディー。

 

それが俺達を攻撃した存在の正体だった。

 

人類に牙を向き、襲い掛かるワームから人類を守る為に戦った仮面ライダーでもある、仮面ライダーカブト。

 

今、俺の目の前に居る存在は、そのカブトの姿と酷似してはいたが、明らかに違う部分もあった。、

 

中でも特徴的なのは、カブトならば青い複眼である筈なのに、黄色い複眼だという事が、目の前に居るダークカブトとの最も分かり易いと言えるだろう。

 

おそらく、このダークカブトがコアを保有しているのだろうとは思うが、それ以上に厄介なのが先程も俺とフォーゼに不可視の攻撃をする事を可能としたクロックアップである。

 

クロックアップはカブトを始めとした、マスクドライダー達と、生体のワームが使う特殊能力なのだが、僅かの間という制限はあるが通常とは異なる時間の中で活動する事が出来るという凶悪な能力である。

 

俺はサーチフォルムによって強化された感覚で、辛うじて気付く事が出来たが、それでも完全に動きを見切るのは困難だ。

 

それほどまでに、体感する時間に差が出てしまうのがクロックアップという能力。

 

こうして相手の力を分析して、戦いで勝つ為の戦略を練るのは大切だが、それよりも今は……。

 

「ま、待て!」

 

ダークカブトは呼び止める俺を一瞥だけすると、興味の欠片も無さ気に、如月さんが居る風都タワーの奥へと歩を進める。

 

それを何とか阻止しようと、俺も追い掛けようと試みるが、さっきの攻撃のダメージが抜け切っていない状態で、思った様に身体は動かず、更に行く手を阻む様にワームが道を塞ぐ。

 

「逃げろ! 琴葉!」

 

フォーゼも、周囲を囲むワームを蹴散らして如月さんを助けに向かおうと叫ぶが、俺と同様にワームに道を遮られてその場から動けずに居る。

 

「い、嫌! こっちに来ないでよ!」

 

如月さんも何とかこの場から逃げようと試みるが、ダークカブトを前にした恐怖によって、尻餅をついてしまい、結果としてゆっくりと後ずさる事しか出来ていない。

 

ダークカブトが、そんな如月さんを逃がしてくれる訳が無かった。

 

追い着けないならば、せめて牽制にと、サーチバレットの銃口を向けようとしてはみるが、その射線上にはワームが入り、狙いが定まらない。

 

そうしている間にも、ダークカブトの手が如月さんに伸ばされ……。

 

「え?」

 

次に起こるであろう、最悪な未来は、結果として訪れる事は永久に訪れる事は無かった。

 

その代わりに如月さんの口から毀れたのは、上手く今の状況が飲み込めないという、困惑の声。

 

何故ならば、如月さんにダークカブトが手を掛け様とした次の瞬間に、白い小さな影が凄まじい速度でダークカブトを襲撃したのである。

 

でも、唐突に起こった事態は、それだけでは無かった。

 

「そこまでやで!」

 

唐突な予想外な事態に、唖然とする俺達を他所に、ワームの包囲網を走りながら、力尽くで薙ぎ倒し黄色と黒の縞柄の着流しを着た一人の男が叫びながら、ダークカブトと如月さんの間に壁の様に立ち塞がったのだ。

 

「どっこいしょ!」

 

しかも、白い小さな謎の影によって攻撃を受け続けているダークカブトに張り手を決めて、吹き飛ばしてしまったのである。

 

こんな事が出来る人は、俺の知っている限り、あの人しか居ない。

 

「来てくれたんですね。キンさん!」

 

正確に言えば、イマジンであるキンタロスこと、キンさんを憑依させた良太郎君だが。

 

「おう! 俺と良太郎が来たからには、これ以上は好きにさせへんで!」

 

憑依された影響で金色のメッシュが入ると同時に後ろに結われた髪を軽く靡かせてキンさんは頼もしく宣言する。

 

「助っ人は彼だけじゃ無いよ」

 

そうなのだ。

 

ここに来てくれた頼もしい助っ人は、良太郎君とキンさんだけではなかったのだ。

 

何時の間に近くに来ていたのか、デンライナーで待機している筈のフィリップ君がスタッグフォンを片手に腹部にはダブルドライバーを装着した状態で佇んでいた。

 

「フィリップ君までどうしてここに? 翔太郎さんが居ないと変身は出来ない筈じゃあ……」

 

「確かに僕と一緒に来た翔太郎は居ないさ。だけどね、ここは風都なんだよ」

 

俺の疑問にフィリップ君はそう答えつつ、視線を手にしたスタッグフォンへと向ける。

 

[「良く分からねえが、風都を泣かす様な連中を黙って見過ごすなんて出来ないからな」]

 

サーチフォルムによって強化された俺の聴力が、確かにスタッグフォンから聞こえる翔太郎さんの声を拾う。

 

これはどういう事なのだろうか?

 

確かに聞こえた声は翔太郎さんの声だが、翔太郎さんは、モモさんと一緒に俺の世界に居る筈だというのに

……。

 

分からないという気持ちが、態度に出ていたのだろう。

 

フィリップ君は、シニカルな微笑みと共に、これがどういう事なのか種明かしをする為に口を開く。

 

「今、連絡をとっている翔太郎は、この世界の時間軸に存在している翔太郎さ」

 

「……そうか。ここも風都だし、歴代の仮面ライダーが居るこの世界なら、翔太郎さんが存在していても不思議じゃない」

 

「まあね」

 

謎が一つ解けたところで、フィリップ君の手の中に納まるのは、先程までダークカブトに強襲を仕掛けていた白い影……いや、ファングメモリ。

 

「行くよ翔太郎」

 

[「ああ、いつでも良いぜ!」]

 

スタッグフォン越しに聞こえる翔太郎さんの声を合図に、ドライバーへ離れた場所に居る翔太郎さんが所持しているジョーカーメモリが転送され、フィリップ君はファングメモリを手動で変形させて、ドライバーに差し込める形にしてから構えを取る。

 

「俺等も遅れるわけにはいかんな! 気合入れて行くで良太郎!」

 

フィリップ君の動向を見ていた良太郎君に憑依していたキンさんもそう言うと、ベルトを腹部に巻き、バックルの黄色いボタンを押し、ライダーパスを片手に、両手をパチンと勢い良く叩いた。

 

「「変身!」」

 

二人は同時に叫ぶと、フリップ君はドライバーにファングメモリを差込み、更に上の部分のパーツをドライバーに被せ、キンさんはライダーパスをベルトにセタッチさせる。

 

『ファング・ジョーカー』

 

『アックスフォーム』

 

其々のベルトから音声が流れ、二人は……いや四人の人物が二人の戦う戦士へとその姿を変えていく。

 

まずはWのフォームの一つである白と黒が半々という、極端なカラーリングが目を引くファング・ジョーカーなのだが、これはWの数多いメモリの組み合わせでも、かなり特殊な部類に入る。

 

まずダブルへの変身は、基本的に翔太郎さんの身体がメインとなる筈なのだが、このファング・ジョーカーに限り、フィリップ君の身体がメインとなるのだ。

 

そして本来ならば、Wの基本戦術とも言える、メモリを組み替えて多彩な戦術を用いるという戦闘方法は取らずに、高次元のスピードとパワーを駆使した肉弾戦を展開して敵を、一網打尽とする。

 

そしてキンさんがメインで憑依した良太郎君が変身するのは、電王アックスフォーム。

 

頭部の仮面は、まるで斧の刃先の様になっている独特なフォルムが目立つ、全ての電王フォームの中でも屈指の力を誇るパワーファイトを信条とした戦闘を得意としているのは、メインとなっているキンさんの影響が如実に出た結果だろう。

 

「「さあ、お前の罪を数えろ!」」

 

「俺の強さは泣けるで!」

 

Wと電王は、ダークカブトに向かい決まり文句を口にして、同時に攻め込んで行く。

 

強力な助っ人が参戦してくれたお陰で、ワームの包囲網が薄くなる。

 

その隙を突き、俺はベルトの右側をスライドさせて、緑のボタンを押した。

 

『スピードフォルム』

 

音声が響き、スカイブルーのボディーカラーはライトグリーンへと染まり、身体全体が身軽になったのを肌に感じる。

 

それもその筈であり、このスピードフォルムはその名の通り、速さを重点にとした戦法を得意としたフォルムなのだから。

 

「はっ!」

 

俺は身軽となった身体能力に任せて、ワームの頭を足蹴にして、強引に包囲を抜けて、如月さんの下へと辿り着く。

 

「如月さん!」

 

『怪我は無いか!?』

 

今も地べたに座る如月さんに、俺とメカ犬は声を掛ける。

 

「わ、私なら、だ、大丈夫よ!」

 

「……そっか」

 

明らかに強がりだと分かったが、こうして強がりな言葉を言えるのなら、其処まで心配する事は無いだろうと、俺は安心した。

 

でも、戦いは終わった訳ではない。

 

まだダークカブトが健在である以上、いつクロックアップを仕掛けて来たとしてもおかしくは無いだろう。

 

しかし、クロックアップは厄介な能力ではあるが、決して無敵の能力という訳でもない。

 

でも、普通に戦って攻略するには骨が折れるというのも確かだ。

 

もしも短い時間で決着を着けるならば、圧倒的な力の差で叩くか、同じ舞台で戦うしかないだろう。

 

残念ながらこの場には、クロックアップと同等の動きが出来る味方のライダーは居ない……俺を抜かしてはという注意書きを必要とするが。

 

「これ以上は好きにさせない!」

 

俺はWと電王を相手に立ち回るダークカブトを見据えて、決意の言葉を口にして、ベルトのタッチノートを引き抜き操作する。

 

『コール・ライガー』

 

俺の呼び出しに応えて、元居た世界からデンライナーでこの世界へと連れて来た頼もしい仲間が、その姿を現す。

 

『マスター! オレッチの出番ジャン!?』

 

現れた手乗りサイズの緑のメタリックな虎……メカ虎が俺に呼び掛けた。

 

「ああ、力を借りるぞメカ虎!」

 

「メカ犬にメカ虎って……名付けのセンスが無いにも程があるでしょ」

 

何だか胸に突き刺さる如月さんの声が聞こえた気がするけれど、今はそんな場合じゃ無いので、気のせいという事にしておこう。

 

確かに自分でもセンスが無いなとは思う時もあるのだけれど、もうすっかりこの呼び方で馴染んでしまったので、今になって別の名前にしようとも思えないんだよな……今度、その辺りの事をそれとなくどう思ってるのか、メカ犬達に聞いた方が良いかも知れないのかも。

 

ただし、メカ鳥の意見だけは聞く気が無いけれど。

 

あのゴザル鳥にだけは、俺のセンスをどうとか言える資格は無いと思う。

 

そもそも、あの長ったらしい名前が正式名称になったとしても、俺にはフルネームを覚えられる自信がないわ。

 

『オレッチに任せとくジャン!』

 

俺はメカ虎の合意の返事を受けて、更にタッチノートを操作する。

 

『スタンディングモード』

 

そうする事によって、メカ虎がアタッチメントパーツへと変形して俺の手の中へと収まった。

 

先にタッチノートを再びベルトに差込み、俺はベルトの左側をスライドさせて、その溝部分へとアタッチメントパーツに変形させたメカ虎を差し込んだ。

 

『スピード・ライガー』

 

音声が鳴り響いたその瞬間に、ライトグリーンのボディーの上から更に追加パーツが、ベルトから発せられる光から生成されて、次々と俺の身体に装着されていく。

 

クロックアップは出来ないが、それと同等の事をするのは不可能ではない。

 

それを可能とするのが、このメカ虎の力を借りたライガーモードであり、更にその中でも最速を誇るスピード・ライガーだ。

 

俺の行動に気付いたのか、ダークカブトはベルトの側部に手を掛ける。

 

『クロックアップ』

 

音声だけが鳴り響き、俺達の前から姿が掻き消えてしまうダークカブトだったが、このまま好きにさせはしない。

 

その為の、スピードライガーなのだから。

 

『ワタシ達も行くぞマスター!』

 

『オレッチ達の方が速いって証明してやるジャン!』

 

メカ犬とメカ虎に催促されるまでも無く、最初からそのつもりだ。

 

俺はダークカブトに続き、アタッチメントパーツのレバーを引く。

 

『マックスチャージ』

 

ベルトから流れる音声と同時に、発生した光が、俺の四肢へと集約されていき、既に何度も体感した事のある感覚が、俺の見る世界を変える。

 

実際の時間に換算すれば、十秒程しか維持出来ないこのスピードタイムだが、クロックアップに対抗するならば、充分な時間だ。

 

予想通り、殆どクロックアップをした相手と同等の速さで動く速さを手に入れた俺には、クロックアップによって姿を掻き消した筈のダークカブトの姿が、はっきりと見えて居る。

 

それに反して、周りの全てが、殆ど動かない様にしか見えない。

 

俺は周りの世界、全てを置き去りにして、ダークカブトへと攻撃を仕掛ける。

 

互いの攻守は激しく入れ替わり、時に障害物となる壁等を、どちらかが破壊すると、その残骸は、地面に落下する事無く、その場に浮いた状態で留まるという不思議な現象が起こるのだが、それを珍しがる余裕など、俺にはなかった。

 

刹那にも満たない時間の中の激しい攻防は、未だ終わらない。

 

 

 

 

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