魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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暫く、投稿に間が開いてしまって申し訳ありません。

急な仕事で、一時的に海外に行っていたので、全く執筆が出来ませんでした(汗)

そんな訳で久し振りな更新ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。


第54話 雷の戦士 【後編】

「おお!? 中々カッコイイなこれ!」

 

全身がブロンズ色の鎧に包まれたアクセスが、自身の姿をまじまじと見て、驚きつつも楽しげな声を上げる。

 

だが、そんなアクセスの楽しげな雰囲気とは違い、俺達は警戒の色を強めていく。

 

今まで使われていたプロトアクセスと比べても、純粋な力で勝っていた正規版アクセスだが、更にこの様な姿に変わるとは、予想外だった。

 

だからこそ、どんな能力を有しているのか分からない。

 

『油断するなよマスター』

 

「ああ、鳥羽さんが相手だしな。ただの見掛け倒しって事は、まず無いだろう」

 

注意を促すメカ犬に対して、俺は構えを解く事無く答える。

 

「ここは、俺が行ってきます!」

 

俺達が警戒する中で、プロトアクセスが先陣を切って、前に飛び出す。

 

「あっ!? ちょっと待ってヤス君!」

 

「一人じゃ危ないぞ!」

 

E2と俺の制止を振り切り、プロトアクセスが、強襲を仕掛ける。

 

「お、まずはヤスが相手か」

 

プロトアクセスが正面から向かって来る事に気付いたアクセス。

 

迎え撃つ為に、アクセスが構えると思ったのだが、予想外な事に無防備な状態で、プロトアクセスの拳をその胸に、正面から受けたのである。

 

「……ぐっ」

 

確かにプロトアクセスの拳は、アクセスに届いたのだが……。

 

苦悶の声を上げる事になったのは、攻撃を受けたアクセスではなく、攻撃を放った方のプロトアクセスだった。

 

「そんなやわな攻撃じゃ、意味が無いぜヤス」

 

アクセスは溜息交じりにそう言って、プロトアクセスの手首を掴む。

 

「ぐっ……あ、ああああ!?」

 

更にアクセスは掴んだ手首を捻り上げ、プロトアクセスは痛みに悶絶する。

 

「ヤス!」

 

「今すぐに助けるよ!」

 

何時までも、プロトアクセスをこのままにしておく訳にはいかない。

 

俺とE2は急いで、プロトアクセスの救援へと向かう。

 

「やっぱ、板橋と刑事さんと遊ぶ方が楽しそうだぜ」

 

プロトアクセスを投げ飛ばしつつ、アクセスがカードデッキから一枚のカードを抜き放つと、右腕のガンとレットの溝へカードを通した。

 

『ウインド・アーマー』

 

音声が響くと同時に、アクセスの全身に強風が吹き荒れる。

 

『アクセスの周りに、高密度の風が流れているのを感じる……気をつけろマスター! 下手に近付くとそれだけで危ないぞ!』

 

メカ犬の注意が飛ぶのと、アクセスが動き出すのは、ほぼ同時だった。

 

「速い!?」

 

アクセスの動きの速さに、俺は驚きの声を上げる。

 

近接格闘戦を得意とするスタイルのアクセスは元々、素早い動きではあったけれど、今の動きはその比ではない。

 

速さだけで言うならば、スピード・ライガーのシードにも負けないレベルだ。

 

「ふっ!」

 

E2が咄嗟にESM01を構えて、狙い撃とうと試みるが、アクセスは余裕の動きで弾丸を避けていく。

 

「それなら、俺も行くぞ!」

 

このままE2だけに任せておく訳にはいかないと、俺はベルトの右側をスライドさせて、青いボタンと黄色いボタンを、連続で押していく。

 

『サーチフォルム』

 

『サーチバレット』

 

メタルブラックのボディーは、スカイブルーへと染まり、右手にはこのサーチフォルムの専用銃である、サーチバレットが生成されて握り締める。

 

「同時に行きますよ、長谷川さん!」

 

「板橋君!」

 

俺はE2と並び、高速移動を続けるアクセスに対して、弾幕を張るのだが、俊敏な動きを見せるアクセスに、流れ弾の一つすら当たる気配がしない。

 

「今度はこっちから行くぜ!」

 

アクセスは避け続けながら、新たなカードをガントレットの溝に通す。

 

『ライトニング・エンチャント』

 

風の鎧を纏って、凄い速さで動いたと思ったその次は、アクセスの両手と足に稲妻の様な光が纏われていく。

 

「今度は何だ!?」

 

『今度はアクセスの両手と両足に、高圧の電気か……この能力があれば、世界中のエネルギー問題が解決しそうだな』

 

「冗談を言ってる場合か!?」

 

メカ犬の冗談に付き合っている暇は無い。

 

全身に強風を纏い、四肢には高圧の電流を流しながら接近してくる、近接格闘のエキスパートな上に、重度の戦闘狂が、こっちに迫って来ているのだ。

 

『グランド・リンク』

 

アクセスが俺達に殴り掛かるよりも早く、少し離れた場所から俺の耳に、ある音声が響く。

 

それとほぼ同時に、周囲の地面が次々と隆起して突き出し、俺達とアクセスを遮る、即席の障害物となる。

 

「ヤス!」

 

声のした方を向けば、先程のダメージから回復したのか、プロトアクセスが床に手を着いていた。

 

この隆起した地面も、プロトアクセスのカード能力によって、生まれた事象に違いない。

 

「今の内に!」

 

E2はプロトアクセスが作ったこの隙に、腕のEブレイクを操作し始める。

 

『ブレイクモード』

 

Eブレイクから機械音声が響くと同時に、この場に銀色に輝く、小型戦闘機が飛来してE2の下へと降り立った戦闘機は、幾つものパーツへと分離して、E2の全身へと装着されていった。

 

メタルイエローの上にシルバーパーツが重なり、背中と手足には戦闘機の際にもあった大型バーニアが装着される。

 

E2改め、E2Bは大型バーニアを噴射させて、プロトアクセスが作り出した障害物を飛び越えて、アクセスを上から強襲する。

 

「長谷川さんだけに任せては置けないよな!」

 

俺はE2に続くべく、ベルトからタッチノートを引き抜き操作する。

 

『コール・ガイア』

 

『コール・ダイバー』

 

『コール・ライガー』

 

『コール・フェザー』

 

タッチノートを操作し続ける事により、俺はメカ竜、メカ海、メカ虎、メカ鳥をこの場へと呼び寄せる。

 

メカ竜達が来るのを確認してから、俺は更にタッチノートのボタンを押す。

 

『マスターフォルム』

 

音声が響くと同時に、俺はタッチノートを再びベルトに差し込む。

 

両手両足にリング状の突起が生成され、更に呼び寄せたメカーズ達が、アタッチメントパーツに良く似た腕輪の形状となり、メカ竜が右腕、メカ海が左腕、メカ虎が右足、メカ鳥が左足へと、それぞれ装着され、最後に黄金色に輝く追加装甲が、俺の身体に装着される。

 

「行くぞ!」

 

マスターフォルムとなった俺は、E2Bの後を追って、アクセスを強襲する。

 

上空からE2Bが仕掛け、俺は正面からアクセスへと向かう。

 

「そっちも、本気になったみたいだな!」

 

アクセスは、強化して向かって来る俺達に向けて、そう言いながらプロトアクセスが作った障害物の隙間を縫いながら、突っ込んで来る。

 

「ふんっ!」

 

「はあっ!」

 

まずは俺とアクセスが、互いの距離を詰めて、拳を交わす。

 

共に繰り出された拳を受け止める度に、強化された一撃の余波が、衝撃波となって周囲に広がり、プロトアクセスが、カードの能力で作り出した土の突起が崩れていく。

 

「たああああああああああああっ!」

 

俺とアクセスが近接戦を繰り広げている最中、上空からE2Bがバーニアで勢いを付けて、強烈な蹴りを見舞う。

 

『マスター!』

 

「分かってるって!」

 

メカ犬が何を言いたいのか、言われるまでも無く、理解出来た俺は、短く簡潔に答えつつ、アクセスからバックステップで距離を取る。

 

その直後、今さっきまで俺が居た場所を、E2Bが過ぎ去り、一発の巨大な弾丸が如く、アクセスへと突き刺さった。

 

「ぐっ!」

 

この攻撃は流石に決まったと思ったのだが、アクセスは咄嗟にその一撃にも反応して見せたらしく、良く見れば、両手のガントレットを胸でクロスさせて、E2Bの強烈な蹴りを受け止めていた。

 

攻撃を受け止められたと悟ったE2Bは、すぐに離れようと試みるが、それよりも早く、アクセスがE2Bの足を掴み、振り回す。

 

言わばジャイアントスイングだ。

 

しかもアクセスは充分に振り回すと、そのままE2Bの足を離して、遠くに投げ飛ばされてしまう。

 

「今度はこっちが、強烈なのを見せてやるぜ」

 

E2Bを投げ飛ばしたアクセスは、俺の方に向きそう言うと、一枚のカードをデッキから抜き出して、ガントレットの溝に通す。

 

『ライトニング・リンク・チャージ』

 

音声が鳴り響くと同時に、アクセスの足下に光が集約し、稲妻が共に足に纏われる。

 

あれは、どう考えても必殺の一撃に違いない。

 

今のアクセスの力は未知数だ。

 

其処で下手に防御に回れば、手痛い目に合うのはこっちかも知れない。

 

「……それなら、こっちも正面から迎え撃つ!」

 

俺は、右腕のブレスのレバーを、思い切り引いた。

 

『ガイアチャージ』

 

アクセスに続き、こちらも音声が響くと同時に、右足に光が集約する。

 

俺とアクセスは、互いに構えを取り、ほぼ時を同じくして跳躍して、輝く右足を突き出す。

 

「マスターガイアスマッシュ!」

 

「電光ライダーキック!」

 

互いの必殺の一撃がぶつかり、先程の拳を交わした際に発生された余波とは、比べものにならないエネルギーが、衝撃波となって周囲に広がっていく。

 

「はあああああああああああああああっ!」

 

「うをおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

力の限りを尽くした一撃だったが、拮抗した力は、最後までどちらかに傾くという事は無かった。

 

「おわっ!?」

 

「ぐっ!?」

 

そして最後には、その反動で互いに吹き飛ばされてしまう。

 

『大丈夫か? マスター』

 

「……ああ、なんとかな。それよりも、鳥羽さんの動きに注意してくれ」

 

吹き飛ばされながらも、何とか受け身を取ったので、勢い良く吹き飛ばされた割には、大したダメージにはならず、俺は立ち上がりつつ、メカ犬にアクセスの動きを注意する様に呼び掛ける。

 

俺の出した指示は間違っていなかったらしく、は相手も既に体勢を整えていた。

 

それにしてもマスターフォルムによる一撃と、同等の力を発揮したと言う事にも驚きはするが、あの凄まじい攻撃を放った直後だというのに、大したダメージを受けていないという点は驚愕に値する。

 

まあ、こっちも吹き飛ばされただけで、大きなダメージを受けていないのは同じではあるけど、それはマスターフォルムという強力な力によるところが大きい。

 

つまり、あの姿のアクセスの力は、少なくともマスターフォルムで戦う俺と同等の能力を有しているという事になる。

 

その分析が正しいとするならば、かなり厳しい戦いになると、予想出来るが……。

 

「純の旦那!」

 

「板橋君!」

 

距離を開けたまま、互いを見据えていた俺に、プロトアクセスとE2Bが駆け寄って来る。

 

……そう、俺とアクセスとの違いは、仲間が居るという事だ。

 

一対一での戦いだとしたら、どちらに軍配が挙がるのか、定かでは無いがプロトアクセスとE2Bの協力があれば、簡単に負ける事は無いだろう。

 

まだ、何かしら、俺達の知らない、奥の手をアクセスが隠し持っているという可能性もあるので、楽観視する事は出来ないが、それでもこのまま戦い続ければ、何とか無力化する事は可能だと思える。

 

そうすれば、森沢教授の所在を聞き出す事も出来る筈だ。

 

俺達は、再び身構えてもう一度、駆け出そうとしたその時。

 

「それ以上は動かない方が良いですよ!」

 

この戦場に、俺達ライダーとは別の声が響く。

 

声のした方を向くと、見覚えのある、コウモリの特徴を持つ、一体のホルダーが其処には居た。

 

この場に居る全員が、戦った経験があるので、そのホルダーの正体にはすぐに気付く。

 

あのホルダーは、間違い無く、加山が変化した個体だという事に。

 

俺達は、その声に大人しく従い、その場で動きを止める。

 

いや、従うしかなかったのだ。

 

何故ならば、ホルダーの胸の中には、気を失った姫路ちゃんが囚われていたのだから。

 

しかも囚われていたのは、姫路ちゃんだけでは無い。

 

一緒にこの場を離れた友達である、芽衣ちゃんと絵馬ちゃんの二人も、同時に囚われていたのである。

 

二人は直接、抱きかかえられている姫路ちゃんとは違い、紐で縛られた状態で寝転んだ状態ではあるのだが、ホルダーの足下に居るので、下手に近付けば、すぐに危害を加えられかねない。

 

しかも、姫路ちゃんとは違い、加山にとって二人は利用価値など、無いに等しい筈だ。

 

だとしたら、下手に動けばそれだけで二人の身に危険が及ぶ可能性は高くなってしまう。

 

「どういうつもりだ? そのお嬢ちゃんを連れて行くのは、俺の役目だった筈だけどな」

 

ここで予想外の言葉を発したのは、同じく動きを止めたアクセスだった。

 

確か、この二人は共に森沢教授に加担していた協力者だった筈である。

 

それなのに、何故か怪訝な態度を取っているのだ。

 

普通ならば、良くやったとでも言いそうなものなのに、これはどういう事なのだろうか?

 

「内緒話から私を除け者にしたつもりなのでしょうけれど、貴方には不向きなお仕事だと思いましてね。勝手ながら、手助けさせて貰いましたよ」

 

「……そうか。なら、お嬢ちゃんは俺が連れて行くぜ。だからこっちにお嬢ちゃんを」

 

おそらくは、渡せと続く筈だったのだろう。

 

だろうというのは、実際にその先をアクセスが言葉にしなかったからだ。

 

いや、続きを言う事が出来なかったからと言うべきだろうか。

 

ホルダーは、アクセスが一歩近付こうとした瞬間に、抱えている姫路ちゃんの首筋に、手を添えたのである。

 

その行動は、誰が見てもこれ以上近付けば、姫路ちゃんに危害を加えると宣言している様なものだ。

 

「どういうつもりだ?」

 

「最初は手助けをと思いましたが、このままお渡しする訳にはいかないんですよね」

 

俺達と同様に、その場から動く訳にはいかなくなったアクセスが問い質すが、ホルダーはまるで他人事かの様に答え、二人の会話からは、仲間とは思えない刺々しさを感じる。

 

「な、何が起こってるんですか純の旦那? 何だか鳥羽さんも様子がおかしいですし……」

 

「もしかして、仲間割れ?」

 

その異様な雰囲気を醸し出す二人に対して、プロトアクセスと、E2Bが怪訝に声を重ねてくる。

 

どうして、仲間内でこんな睨み合いが発生しているのかは知らないが、これはある意味チャンスだ。

 

「……メカ犬」

 

『うむ、どうしたマスター?』

 

俺はホルダーとアクセスの注意がこちらから逸れている間に、気付かれない様に小声でベルトとなっているメカ犬に呼び掛けた。

 

「今から俺が分身体を出すから、メカ犬は、瓦礫の陰に隠れつつ加山に近付いて、姫路ちゃん達を助け出してくれ」

 

『任せろマスター』

 

メカ犬の承諾を聞き、俺は更にプロトアクセスとE2Bにも続けて声を掛ける。

 

「そういう訳だからヤス、それに長谷川さんも、俺の前に来て、なるべく加山の視界から俺の姿を隠してください。その隙に分身体を出すんで」

 

「了解です」

 

「分かったよ、板橋君」

 

俺の提案に二人は頷くと、なるべく静かに、俺の前に陣取って上手い具合に俺の姿を隠してくれた。

 

「まさか教授を、裏切るつもりか?」

 

「裏切る? 何を持って裏切るというのか、理解に苦しみますが、クライアントが仕事に必要な情報を秘匿するならば、雇われた身としては、その情報の開示を求める事は、当然の権利だと思いますがね」

 

「雇い主の意向に反した時点で、契約違反って奴じゃないのか?」

 

「まあ、私の主張する事が、この雇用契約に沿わないというのであれば、裏切ったとみなされても、仕方が無いのかも知れませんが、だとしたら元同僚である貴方はどうする気なのかは……何となく察しはつきますが」

 

「そんなのは、力づくで黙らせるに決まってるだろう?」

 

「ふふふ、怖いですね。確かに貴方が教授から授かった新たな力は、脅威に値します。ですがこっちには人質がいるんですよ。貴方の様な野蛮な方が近付いてしまうと、私にその気が無くても、うっかりと可哀そうな事になってしまうかも知れませんね」

 

ホルダーとアクセスが会話をしているその隙に、俺は分身体を生成して、瓦礫の陰に潜ませる。

 

それは別として、どうもこの二人の会話を聞く限り、ホルダーは教授を裏切って独自に動いている様だ。

 

しかし解せないのは、ホルダーが独自に動いているとしたら、わざわざ俺達の前に現れずに、そのまま姫路ちゃんを連れ去ってしまえば良い筈なのに、人質というアドバンテージはあるものの、リスクを冒してまで、こうして俺達の前に現れた事である。

 

あのホルダーは、狡猾で残忍な加山の人格を保ち続けているのだから、何も考えずにそんな危ない橋を渡るとは考え辛い。

 

唯一の可能性を考えるならば、仲間であるアクセスを助ける為というのが、自然な流れなのだが、その可能性は二人の会話を聞く限り、有り得ない話だ。

 

ならば、他にも狙いがある筈だとは思うのだが……流石にまだ分からない事が多過ぎる現状では、これ以上は根拠の無い机上の空論でしかない。

 

「ん?」

 

分身体を操るメカ犬が、静かに瓦礫の陰を移動しながら、ホルダーの後ろに回り込もうとしている最中、プロトアクセスが、何を疑問に思ったのか、足元に視線を向けた。

 

「どうしたんだ? ヤス」

 

「あ、いえ、何か地面が変なんですよ」

 

俺の問い掛けに、プロトアクセスがそう言いつつも、視線は足元を見続けている。

 

その答えが要領を得ず、俺もE2Bと一緒に、プロトアクセスの足元を覗き込んでみたのだが、実際に目にした事で、その地面が変だと言う理由を理解する事が出来た。

 

何と、足元の小さな瓦礫の破片が、少しずつではあるのだが、生き物の様に動いていたのである。

 

しかもそれは、まるで自らの意思を持つかの様に、並び意味のある形……そう、文字を形成したのだ。

 

この現象に驚くなというのは、無理な話である。

 

当然だが、今は地震等が発生している訳でもなければ、小石程度ならば転がる程の強風が吹き荒れているという訳では無い。

 

つまり、ただの自然現象でこれらの破片が動き出す可能性は、ゼロなのだ。

 

ましてや、例えそういった自然の状況が、この場で整っていたとしても、意味のある文字になる等、天文学的な確率である。

 

ならば、これは誰かが人為的に起こした現象に他ならない。

 

だが、こんな芸当が出来る人間など、早々に居る筈も無く、こんな状況でやる意味も無い筈だ……あの人を除いては。

 

地面に描かれた文面はこうだ。

 

【俺が隙を作る その間に人質を助けろ】

 

俺は敵になったとしても、性格はそのままだなと、内心で溜息をつきながらも、一人のライダーを視界に映した。

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