魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【邂逅編】

「ありがとうございましたー!」

 

背中に某黒猫のロゴが入ったジャケットを羽織った、宅急便のお兄さんが俺に元気に挨拶すると、我が家の玄関を出て、急ぎ足で去って行く。

 

「俺宛に荷物って何なんだろ?」

 

宅急便のお兄さんの仕事といえば、それは勿論宅配物を送り先から、送り宛てへと届ける事である。

 

先程まで家に居た宅急便のお兄さんも、当然の事ながら例に漏れる筈も無く、板橋家の誰かに宛てられた荷物を届けに来たわけだ。

 

そして俺の手の中には、板橋純宛てと書かれた用紙の張り付けられた、ティッシュ箱と同程度の大きさの白い箱がある。

 

取り敢えず送り主の名前を確認して見ると、そこには俺の良く知る人物の名前が記されていた。

 

「恵理さんから俺宛に荷物を?それにこの発送元って……」

 

俺は送り主というよりも、この荷物が何処から送られてきたのかという事に驚いた。

 

「何で国外からわざわざ荷物を送ってきたんだ?」

 

発送元には、達筆な英文でロサンゼルスと記載されている。

 

それ以上は俺には達筆過ぎて、読み取る事が出来なかった。

 

何はともあれ、中身が無性に気になるので、早速箱の中身を確認しようとした所で、俺のズボンのポケットから警報が鳴り響く。

 

『キンキュウケイホウキンキュウケイホウキンキュウケイホウ……』

 

その音を発しているのは、俺が普段から持ち歩いているタッチノートである。

 

タッチノートには、ホルダーが近くで出現した時に、それを感知出来る機能があるのだが、この警報こそがまさにそれなのだ。

 

『マスター多数のホルダー反応だ!』

 

家の奥から全身メタリックシルバーのフルメタルドッグ事、メカ犬がやって来た。

 

「多数?ホルダーが複数現れたのか!?」

 

メカ犬の発言に俺は驚きを隠す事が出来ない。

 

通常ホルダーは、その特性から同時に多くても二体以上が出現する事は殆ど無いのである。

 

過去に何度か例外的に出現した事はあるが、それでもやはり早々ある事では無いのだ。

 

『うむ。しかもこの反応は以前戦った模造品の反応に限りなく近いぞ』

 

「それってガルドが作ったシステムって事か!?」

 

ガルドとは、以前戦ったシルバーライト島の大臣で、暴走プログラムを独自に研究改良して、メカ犬が言う模造品を作り出した張本人である。

 

今はTさんの所属する組織に連行されて、悪さを働くなんて出来ない筈だし、シルバーライト島にあるという研究施設もTさんが後始末して、現在はその模造品の現物は何処にも無い筈なのだが……

 

『兎に角急ぐぞマスター!場所は海鳴博物館だ!!!』

 

考え込む俺をメカ犬が急かす。

 

「ああ!分かった!」

 

俺は急ぎメカ犬と共に、玄関を出るとポケットからタッチノートを取り出して、ボタンを押した。

 

『チェイサー』

 

俺達はやって来たチェイサーさんに乗り込み、急いで現場に急行した。

 

チェイサーさんが走り始めた後に気づいたのだが、俺は余程慌てていたらしく、恵理さんから送られてきた宅配物の箱を持ったまま、出て来てしまった様なのである。

 

家に戻しに行く時間は無かったので、俺は仕方なくその箱を現場に持って行く事に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴博物館とは、海鳴の歴史等を展示している海鳴市の市営博物館である。

 

主に展示されている物は、江戸時代中期頃からの物が中心ではあるが、何故か恐竜の化石等も展示されているので、小さなお子様でも中々楽しめる場所だ。

 

しかし今、その海鳴博物館は、ホルダー達の襲撃を受けて悲惨な現状となっていた。

 

そのホルダー達の姿は、確かに以前戦った事のある、骸骨がモチーフとされている姿だった。

 

何故あのホルダー達が、再びこの海鳴で暴れているのかは分からないが、それを放っておく訳にもいかない。

 

俺達は博物館に到着し現状を確認すると、チェイサーさんの座席から飛び降り、暴れているホルダー達を止める為に変身しようとしたのだが、そこで更なる異常が発生する。

 

突如駅で流れる様な、電車の発車音と思われるメロディが、辺りに鳴り響いたのである。

 

しかしこの音楽……昔何処かで聞いた事がある様な、とても懐かしいとさえ思える気がするのは、気のせいだろうか?

 

『マスター!上空から巨大な質量反応を察知したぞ!!!』

 

メカ犬の声に反応して俺は空を見上げる。

 

その瞬間俺は、自らの目を疑う光景を目の当りにした。

 

上空に大きな光が発生したかと思うと、その中から次々と電車のレールが数珠繋ぎに出現して道を作って行く。

 

更にその後から、赤い三角の瞳の様な前面を持つ列車の様な物体が、そのレールの道を走って来たのだ。

 

俺はそれを良く知っている。

 

実物を見た事等、ある筈も無いが、前世の俺は、その列車を画面越しに何度と無く見ていた。

 

「まさか……デンライナーなのか?」

 

俺は思わず呟く。

 

デンライナーは、空中から地上すれすれを走り、博物館の前で数人の人物を外に出すと、再び空に舞い上がり、光の中に消えて行った。

 

デンライナーの中から出て来たのは、全部で六人。

 

俺はその六人も当然の事ながら、良く知っている。

 

その内の二人は、中学生程の、男の子と女の子が一人ずつ。

 

後の四人は成人男性程の体格ではあるが、明らかに人間では無い。

 

赤に青と黄色、そして黒に近い紫色の見た目だけを言えば怪人に見える、彼らが全員横一列に佇んでいた。

 

その人物達を、俺は決して忘れはしない。

 

俺は彼らに何度と無く、画面越しから、勇気を貰って来たのだから。

 

今でも俺は彼らの名前を、即答で答える事が出来る。

 

少年の名前は、野上良太郎。

 

少女の名前は、コハナ。

 

赤い怪人はモモタロス。

 

青い怪人はウラタロス。

 

黄色の怪人はキンタロス。

 

紫の怪人はリュウタロス。

 

彼らを見ながら俺は、もしかしてこれは夢なのかと思い、自らの頬をツネって見るのだが、確かな痛みを感じ、これが夢でない事を、俺に教えてくれる。

 

「俺達!」

 

横一列に並んだ六人の一人、モモタロスが叫ぶ。

 

すると残りの五人も両足を広げ、例のポーズの前準備をする。

 

「「「「「「参上!!!」」」」」」

 

最後に六人で叫ぶと両腕を広げて恒例のポーズを決めた。

 

「それじゃあ行くよ。モモタロス」

 

良太郎が自分の腰にベルトを巻きつけながら、黒い定期入れの様な物、ライダーパスを取り出して、モモタロスに告げる。

 

「おう!久々に暴れてやるぜ!!!」

 

モモタロスの返事に頷きながら良太郎は腰に巻いたベルト、電王ベルトの赤いボタンを押す。

 

『ソードフォーム』

 

凄く聞き覚えのある音声とメロディーが辺りに流れる。

 

「変身」

 

良太郎はお決まりのその言葉を言うと、ライダーパスをベルトにセタッチした。

 

それと同時にモモタロスが半透明に透けて、良太郎の身体の中に飛び込む様に消える。

 

『ソードフォーム』

 

再び音声が流れると、良太郎がプラットフォームと呼ばれる状態に変わり、更にそれの周りを回るかの様に、複数の装甲が出現して、上半身を覆っていき、最後に顔を先程のデンライナーの前面を模した様に見える仮面が、装着された。

 

その姿はまさに俺の知る憧れの仮面ライダーの一人。

 

仮面ライダー電王。

 

そのソードフォームである。

 

「俺、参上!」

 

モモタロスが主人格となるソードフォームに変身した電王は、自分自身を指差した後に両腕を広げてお馴染みの決めポーズを決めた。

 

「先輩。早くしないとあいつ等何処かに逃げちゃうよ」

 

ポーズを決めるソードフォームの電王に、ウラタロスが注意してくる。

 

「言われなくても分かってんだよ亀!」

 

電王はそう言うと、腰に取り付けてある四本の棒状の物体の内、二本を手に取り連結させてから、上空に放り投げる。

 

その間にもう二本を取り出して、落下してくる連結した物を挟み込む様に、連結させると、それは剣の姿に変わった。

 

それは、連結の仕方により、複数の形態になる、電王の専用武器デンガッシャー。

 

先程電王が連結させて完成した剣もその内の一つである。

 

「それじゃあ改めて、行くぜ行くぜ行くぜぇ!!!」

 

デンガッシャーを振り回しながら、博物館で暴れているホルダーに突撃する電王。

 

それに続き他の三人のイマジン達も後に続く様に走り出す。

 

「ちょっと君。ここは危ないから、早く逃げなさい」

 

俺が一連の動向を呆けながら見ていると、その姿を見付けたのであろう、コハナが俺に話しかけてくる。

 

「え、は、はあ……」

 

咄嗟に声を出す事が出来なかった俺は、思わず口篭ってしまう。

 

その様子を心配そうに見るコハナだったが、ここで事態は急変する。

 

電王達が戦っている中から抜け出してきたのか、一体のホルダーが、此方に向かってくる。

 

「危ない!」

 

俺はコハナを突き飛ばし、自らも転がる様にホルダーの突撃を回避した。

 

『マスター!良く現状は理解し難いが、ワタシ達も行くぞ!』

 

俺の隣にやって来たメカ犬が俺に告げる。

 

確かに今も多少混乱気味ではあるが、こんな状態では落ち着いて考える事も出来はしない。

 

「ああ!まずはこのホルダー達を如何にかするぞ!」

 

「君?一体何を……」

 

俺とメカ犬の様子を見たコハナが何かを言おうとしているが、今はそれどころではない。

 

ポケットからタッチノートを取り出した俺は、開いてボタンを押す。

 

『バックルモード』

 

音声が流れると同時に、隣に居たメカ犬が銀色のベルトに変形して、俺の腹部に自動的に巻きつく。

 

「変身」

 

音声キーワードを入力し、俺はタッチノートを素早く、バックルの溝に差し込んだ。

 

『アップロード』

 

音声が流れ白銀の光が俺の全身を包み込んで、その姿を変質させていく。

 

光が飛散しそこに現れたのは、一人の戦士である。

 

メタルブラックのボディーを基調に、銀のラインにV字の角飾りに赤く大きな複眼が特徴的なその姿は、まさに仮面ライダーと言える風体であろう。

 

「その姿って……」

 

俺の変身を見たコハナが、驚愕する。

 

しかし俺がそれに答える前に、再びホルダーが襲い掛かってきた。

 

「はあ!」

 

咄嗟に俺は、ホルダーの攻撃を避けて、電王達が戦っている方向に、蹴りを喰らわせて吹き飛ばす。

 

「話は後で!」

 

俺はコハナにそれだけを告げて、吹き飛ばしたホルダーを追撃する為に、走りだした。

 

俺が到着すると、十体以上のホルダーが電王達と熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

「ん、何やあいつは?」

 

「あ~!何か黒いのが来たあ!」

 

「何なんだろうね本当に……」

 

「ああ?何だありゃ!?」

 

シードに変身した俺の姿を目撃したイマジン達の面々が、口々に言う。

 

取り敢えず俺は、近くに居たホルダーに攻撃を加えながら、全員に聞こえる様に言い放つ。

 

「自己紹介は後にしましょう!今はこいつ等を如何にかするのが先決です!」

 

その言葉を聴いた面々の内、ウラタロスが独り言の様に呟く。

 

「如何にも、敵って訳じゃないみたいだね」

 

その後も混戦状態が続くが、相手のホルダー達も大分と疲弊してきた事が分かった。

 

「よっしゃあああ!!!久々に俺の必殺技を見せてやるぜ!」

 

電王はそう言うと、右手に持っていたデンガッシャーを左手に持ち替えて、ライダーパスをベルトにセタッチさせる。

 

『フルチャージ』

 

機械的な音声が流れると同時にライダーパスを投げ捨てると、再びデンガッシャーを右手に持ち換える。

 

するとデンガッシャーにエネルギーが蓄積されて行き、刃先の部分が分離して空中に舞い上がっていく。

 

『此方も終わらせるぞマスター!」

 

その様子を見ていたメカ犬が俺に告げる。

 

「ああ!」

 

俺はメカ犬の声に頷きながら、バックルに差し込まれたタッチノートを引き抜き、全体図を表示させて、四肢をタッチしてから、再びバックルにタッチノートを差し込む。

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

『ポイントチャージ』

 

音声が流れる度に、俺の四肢に光が集約されていく。

 

「こいつで決めるぜ」

 

俺は目の前のホルダー達目掛けて、走り出す。

 

拳を振るい、蹴りを喰らわせ、何体ものホルダーに必殺の一撃を叩き込んでいった。

 

そして俺が走る方向に居た最後の一体にその拳を抉り込む。

 

「ライダーラッシュ」

 

その時とほぼ同時に、電王も必殺技を大勢のホルダーに喰らわせる。

 

「俺の必殺技パート2!」

 

空中に浮いたデンガッシャーの刃先が、電王の右手に持ったデンガッシャーの動きに合わせて、縦横無尽にホルダー達を捉えていく。

 

右に左にと薙ぎ払い、そして最後は天高く舞い上がると、電王が勢い良く振り被る動きに合わせて最後の一体に一撃を叩き込んだ。

 

俺と電王の必殺技を喰らったホルダー達は、一斉に爆発を引き起こした。

 

「へへ、決まったぜ」

 

その様子を見ながら、電王が鼻のある辺りに手を当てて、鼻の下を擦る様な仕草を見せる。

 

続いて俺は、多数のホルダーが爆発した地点を確認するが、そこには素体となった人は一人も居らず、変わりに砂漠にある様な、サラサラの砂が大量に落ちていた。

 

「一体何が起こってるって言うんだ……」

 

俺は大量の砂を見ながら、誰に言うでもなく、呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして二人の仮面ライダーは本来出会う筈の無い邂逅を果たした。

 

そしてその出会いが新たな物語を紡ぎ、一人の少女の運命を変える事になるとは、この時点では誰も知る由も無かった……

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