魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【理解編】

時の狭間にターミナルが出来る以前……

 

時の狭間に迷い込んだ人々は、過去・現在・未来、全ての時間、全ての時空の英知を結集させ、一つの街を作り上げた。

 

その街の技術力を持ってすれば、望む全てが手に入る。

 

まさに理想、ユートピアと呼ぶに相応しい街だった。

 

しかしそれは、人が手にするには、あまりにも大きすぎる力だったのである。

 

その力が万が一にでも、悪用される事があれば、全ての時間、全ての世界に止まらず、全宇宙すらも巻き込む災いを招く事になるであろう。

 

その事態を恐れた時の狭間の賢人達は、その街を永久に封印する事を決定した。

 

時の狭間の奥深くに街を封印した後、賢人達はその封印が二度と破られぬ様に、封印する為に使用した道具を三つの鍵に変え、その内の二つは別の時空へ、残りの一つは時の狭間に取り残した。

 

この事態が何時頃起こったのか、それは誰にも分からない。

 

何故なら時の狭間は同時に過去であり、未来であり、現在であり、そしてそのどれかですら無いのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういう事情があったんですか」

 

「うん」

 

「そうなのよ」

 

事情を聞きながら言った俺の言葉に、頷き答える、良太郎君と、コハナさん。

 

「えっと……話が壮大過ぎて、事態が飲み込めないんですが、兎に角凄そうなお話ですね」

 

俺達の会話を聞いて、海鳴警察署に勤める新米刑事の、長谷川啓太《はせがわけいた》さんが呟く。

 

何で俺達の会話に突如、海鳴警察署に勤める刑事さんが混ざってくるのか、それには理由がある。

 

俺達が博物館での戦いを終わらせた後、落ち着ける場所で互いの事を話し合おうという話になり、連れて来られた場所がここ、海鳴警察署の一室である。

 

その一室の扉の上に設置されているプレートにはこう記載されていた。

 

デンライナー署と……

 

前世の頃に観た映画のクライマックス刑事でも、似たような事をやってはいたが、この人達は何か警察に大きなコネでも持っているのだろうか?

 

最初にここを訪れたときに、デンライナーのオーナーさんと挨拶を交わした際に聞いてはみたのだが。

 

「本当に聞きたいのですか?」

 

と物凄い含みを入れた笑顔で言われ、俺は自身の言及を速やかに、無かった事にした。

 

世の中には知らなくて良い事というものもある。

 

これはまさにそういう部類のものだ。

 

まあ、そういった経緯があるので、この場に長谷川さんが居たとしても、何もおかしい事は無い。

 

寧ろ、漸く刑事になれたと思ったら、この様な超常現象対策委員会の様な部署に配属された事があまりに不憫に思う。

 

全面的に協力をする事を、受け入れた俺も人の事は言えないが、あんな話を聞いたら放っても置けない。

 

さて、話がずれてしまったので、本題に戻すが、俺は話を聞いてみて、様々な事に驚愕しっぱなしである。

 

なので、順を追って話して行こうと思う。

 

まず第一に聞いたのは、何故電王メンバーがここに居るのかだ。

 

始まりは、ターミナルで起こった一つの事件。

 

ターミナルで保管されていた封印の鍵と呼ばれる物が、侵入してきたはぐれイマジンに盗まれて、それを幸太郎君が追っていたそうなのだが、鍵を盗んだイマジンを倒した直後、何者かに横取りされたのだそうだ。

 

この報告を受けて、事態を重く見たターミナルは、デンライナーの皆にも協力を要請した。

 

封印の鍵の残りは二つ。

 

しかしその鍵は、其々に別の時代の異なる場所に封印されている。

 

本来ならば探しようも無い筈なのだが、それを探す方法が、今出来る手段で二つだけ残されていた。

 

一つは封印の鍵を使う事。

 

元々一つだった鍵は、他の鍵と共鳴を起こし、その在り処を探知出来るのだそうだ。

 

鍵を奪った謎の人物はその方法で、他の鍵の封印された場所に、行こうとしているらしい。

 

そしてもう一つの方法。

 

実はターミナルには、封印の鍵と共に、二枚の特別なチケットが保管されていたのである。

 

それは封印の鍵に辿り着く為のチケットだった。

 

時の賢人達は、様々な場合を考慮し、もしも悪意ある者に封印の鍵が渡った時、他の鍵を奪われない様にする為に、封印の鍵に辿り着く道しるべを残していた。

 

デンライナーはそのチケットの一枚を使い、ここにやって来たのだそうだ。

 

つまり封印の鍵は、俺が居るこの世界の、しかもすぐ近くにある可能性が極めて高い。

 

博物館が襲われたのも、近くで封印の鍵の反応を探知したからなのである。

 

しかし未だこの時代の何処かにある筈の、封印の鍵は発見出来ていない。

 

取り敢えずデンライナーの皆が、ここに居る理由は分かった。

 

だが、分からない事も多々ある。

 

封印の鍵の在り処は、勿論の事なのだが、それとは別に、博物館で暴れていたホルダー達だ。

 

しかも、倒した奴等からは、大量の砂……

 

俺の知らない所で、何かが起こっている事は、間違い無さそうである。

 

「お話は喉が渇くでしょうし、コーヒーをどうぞ」

 

俺が脳内でここまでの話をまとめていると、横からそんな声が聞こえてきて、目の前にかなり個性的なコーヒーを置かれた。

 

容器は普通なのだが、問題はその中身である。

 

何かピンクや青の原色系なフレーバーが、所狭しと散りばめられており、これを見ただけで、コーヒーと判断するのは、些か難しいであろう事は、容易に想像できる代物だった。

 

この様なコーヒーを持ってくる人物は、俺の知る限り一人しか居ない。

 

一瞬何処かのレースクイーンの衣装を着ているのではと、思える奇抜な格好のお姉さん。

 

その正体は、電王でもお馴染みな、デンライナーの食堂車両を預かる。

 

「ありがとうナオミさん」

 

良太郎君に先に言われてしまったが、あのナオミさんだ。

 

俺が視線をナオミさんに、そして更にその先に向けると、俺達よりも先にコーヒーを運んで貰っていたのか、イマジン達は既に、コーヒーを美味しそうに飲んでいた。

 

いや、正確には、飲んでいたのは、ウラさんとキンさんの二人で、後の二人はと言えば……

 

「何かピカピカしてるね。この犬さん」

 

メカ犬の頭を撫でながら、リュウ君がご機嫌な声を上げる。

 

「おい!鼻タレ小僧!!!その犬をぜってえええに、こっちに近づけるんじゃねえぞ!?」

 

逆に室内の隅で、怒鳴りながらも小刻みに恐怖に震えているモモさん。

 

先程から俺のこの呼び方なのだが、今目の前に居るこの人達は、俺が知るフィクションの登場人物では無く、現実に存在する本物だと認識したので、呼び捨ては失礼かと思い、勝手ながら俺なりの呼び方にしてみたのだ。

 

基本は君かさん付けなのだが、イマジン組みは、名前が微妙に長いので、頭の二文字を取った訳である。

 

モモタロスはモモさん。

 

ウラタロスはウラさん。

 

キンタロスはキンさん。

 

リュウタロスは他の三人に比べて、精神年齢が低そうなので、リュウ君と、君付けにしてみた。

 

『マスター』

 

署内の様子を見ていた俺に、未だにリュウ君に頭を撫で続けられているメカ犬が話し掛けてきた。

 

「如何した。メカ犬」

 

『この者達は結局の所何者なのだ?それに先程の博物館での戦闘は、何処かマスターの戦い方に近いものを感じたのだが……』

 

まあ、メカ犬の疑問も当然の事であろう。

 

前世の記憶で、この人達を知っている俺は良いが、何も知らない人達が見れば、未知との遭遇な訳だしな。

 

それを言ったらこの質問をしてきたメカ犬自身も、そのカテゴリーに入ると俺は思うがそれは野暮ってものだろう。

 

それと戦い方が近いと感じるのは当然の事だろう。

 

何せ俺が仮面ライダーとして戦う時の戦法は、多かれ少なかれ、俺が前世で画面越しに観ていたライダー達を参考にしているのだから。

 

その中には、勿論電王も入っている。

 

「兎に角この人達は味方だ。それは間違いないから心配するな」

 

何も知らない人に全てを説明するのは、かなり面倒なので、俺は取り敢えずメカ犬にそう言って、話を続ける事にした。

 

「それで何処まで話しましたっけ?」

 

イマジン達から視線を戻し、俺は良太郎君とコハナさんに意見を求める。

 

「えっと、確か封印の鍵が、きっとこの海鳴市の何処かにあるって話までだったかな」

 

良太郎君が思い出そうと、首を捻りながら答えてくれる。

 

「そうよ。チケットを使ってこの近くに来た訳だし、そんなに遠くにある事は無い筈だから、封印の鍵はきっとこの近くにあるわ」

 

俺と良太郎君の話にコハナさんも混ざって来た。

 

「はあ、そんな物なんですぶうううううううう!?」

 

俺達の会話を聞きながら、ナオミさんの淹れたコーヒーを口に含んだ長谷川さんが思い切り噴出してしまう。

 

その様子に署内の中に居た全員が一斉に注目する。

 

「あ~あ、やっちゃったね」

 

やれやれという感じで、両肩を軽く上下させるウラさん。

 

「ガーゴー……」

 

自分のコーヒーを飲み終わった直後から、居眠りを始めていたキンさんは、一瞬だけ長谷川さんを見るが、またすぐに、夢の世界へと旅立って行った。

 

「あははははは!噴いた!噴いた!」

 

それを見てリュウ君は何故か大喜び。

 

「飲めねえなら飲むんじゃねえよ!」

 

それを見て怒鳴るモモさん。

 

メカ犬を警戒しつつ、部屋の隅で震えながらではあるが。

 

「す、すいま、せん……」

 

咽ながらも何とか謝罪の言葉を口にする長谷川さんだが、その様子を見るに、かなりのダメージがあったのだろう。

 

現在も喉に残る、コーヒーに悪戦苦闘している。

 

そう言えば、TVシリーズでも、映画でもこのコーヒーは見た目だけでなく、その味も個性的だと言われてきたが、はたしてどの様な味なのだろうか?

 

俺は己の目の前に置かれているコーヒーを見詰め、おもむろにカップを持ち上げると、好奇心の赴くままに、自身の口へと、先程の長谷川さんの悲劇を巻き起こした物と同種の液体を飲んでみた。

 

俺がカップの中身の三分の一程を飲み終えて、カップを置くと、何故か先程までの騒動はなりを潜め、俺に多くの視線が注がれる。

 

「……大丈夫なの?」

 

この空気を最初に打開してくれたのは、俺の近くに居た良太郎君だった。

 

その隣ではコハナさんが、何度も首を縦に振っている。

 

「はい。とても個性的な味ですね」

 

良太郎君に短く返答を返し、ナオミさんにも簡単に感想を述べておく。

 

確かに個性的な味ではあるが、何も飲めないというほどでは無い。

 

それに俺は……

 

「お隣に住んでいる幼馴染のお姉さんが作る料理と比べれば、身体に影響が無い分、俺にとってはご馳走ですよ」

 

「「は?」」

 

「いえ、此方の話なんで、気にしないで下さい……」

 

つい本音が漏れてしまったので、俺は慌てて訂正した。

 

俺の様子に気遣ってか、良太郎君とコハナさんはこれ以上この話題を話す事は無かった。

 

「それで話を戻すんだけど、まずはこの街で聞き込みをしていきたいと思うのよ」

 

話題を変える為、という部分もあるが、何よりもこの話題は先程まで話していた本題なので、俺は黙ってコハナさんの話に、耳を傾ける。

 

「でも聞き込みって誰に如何いう風に聞き込みをするの?」

 

良太郎君がコハナさんの提案に疑問を唱える。

 

「それについては考えが幾つかあるわ。私達はチケットのお陰でここまでこれたけど、それ以上の情報は何も無い。ここまでは良いかしら?」

 

俺と良太郎君は黙って頷く。

 

「話はここからよ。私達にはこれ以上の鍵の探索は困難だけど、相手はそれが出来るわ。何故なら……」

 

コハナさんの話を聞いて、閃く。

 

「そっか!鍵の共鳴!!!」

 

俺は思わず声を上げる。

 

「そういう事よ」

 

「如何いう事?」

 

俺の反応に頷くコハナさんと、首を傾げる良太郎君。

 

「つまりこういう事だね。ハナさんの話を纏めると、僕達に出来ないなら、他の人達にやって貰えば良いって事だよ」

 

俺達の話を聞いていたウラさんが話を簡潔に纏める。

 

「そうよ。奴等は博物館に現れて、かなり派手に暴れていたから、色んな人に目撃されている筈。だから鍵の在り処じゃなくて、街で暴れている奴等の情報を集めるのよ。そうすれば、いずれ鍵の居場所に辿り着けるわ」

 

「なるほど……」

 

コハナさんの話の概要を聞いた良太郎君は、感心した様で、何度も頷く。

 

「ほら!モモタロスも触ってみなよ!可愛いからさ!」

 

これからの行動基準が見えた所で、俺の耳にリュウ君の声が聞こえてきた。

 

何かと思い、見てみると、メカ犬を抱き上げたリュウ君が、モモさんににじり寄っていた。

 

「ぎゃあああああ!?い、い、犬を俺に近づけるなあああああ!?」

 

メカ犬を突きつけられたモモさんは、今にも発狂しそうである。

 

『まあ、そう怖がらなくても良いではないか。赤い者よ。それに私は犬では無く、オモチャ会社の(以下略)』

 

この様な状況でもナチュラルトークを展開する、メカ犬に俺は最近敬意すら覚える様になってきた。

 

「ほ、本当か?」

 

メカ犬のトークにより、僅かながらに恐怖が薄れたのか、モモさんが尋ねてくる。

 

『うむ』

 

「だから触ってみなよ?」

 

その質問にメカ犬が頷き、リュウ君が再び、触るように勧める。

 

「そ、それなら少しだけ……」

 

モモさんは意を決したのか、恐る恐るメカ犬の頭に、己の手を近づけて行く。

 

『……わん』

 

メカ犬が一鳴き吠えた。

 

「ぎっやあああああああ!!!!!嘘つきいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

 

「あははははははははははははははははは!!!!!!引っかかった!!!!」

 

モモさんは今度こそ発狂し、リュウ君はそれを見て、大笑いする。

 

本当に何やってるんだろうか。

 

暫くして場が落ち着いた所で、俺達はコハナさんの提案を実行する事に決定し、早速行動に移す事にした。

 

「ちょっと待って下さい!」

 

デンライナー署を出ようとした所で、俺はある事を思い出し、叫び声を上げる。

 

その声に立ち止まる一同に俺は、一つのお願いをした。

 

「あの、サインを貰って良いですか?」

 

ライダーファンとして、本物の仮面ライダーに出会ったのだから、サインを頼むのはもはや義務であろう。

 

無事に全員のサインをGETして、俺達は今度こそ、聞き込み捜査を行う為に、デンライナー署を後にした。

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