魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【捜査編】

電王メンバーの話を聞いて分かった事なのだが、如何やら彼らは時系列的に、俺が前世で観た映画、エピソードイエローの約三ヶ月後の世界から、やって来た様だ。

 

俺にとっては、その映画を観たのは何年も前の筈なのに、彼らにとっては、一年の半分にすら至らない。

 

改めて考えてみると、時間を超えるというのは、とても不思議なものである。

 

俺は少し哲学的な考えをしながら、海鳴市の住宅街の裏街道を歩いて行く。

 

「あの~、何処に向かってるんだい?」

 

俺の右横を歩く新米刑事の長谷川さんが聞いてきた。

 

そのすぐ後ろには、ゾウの着ぐるみと、ペンギンの着ぐるみがついて来る。

 

『今ワタシ達が向かっているのは、この街で一番の情報屋が居る場所だ』

 

長谷川さんの質問に、俺達の少し先を歩くメカ犬が、答えた。

 

現在俺達はデンライナー署を出て、聞き込み捜査を開始した所なのだ。

 

まず俺達は、捜査を効率的に進める為に、二手に分かれる事にした。

 

捜査をするだけならば、更に細かく分散させた方が良いかも知れないが、場合によっては突発的に戦う事になるかも知れない。

 

中には戦いに向かない人も混ざっているし、出来るだけ人数が居た方が安全だと考えて、捜査班を二つのチームに分ける事にしたのである。

 

最初に違う班になる事が決まったのは、俺と良太郎君だった。

 

俺と良太郎君はこのメンバーの中では、唯一の変身が可能な人材なので、戦闘になる時に備えて、分ける事にしたのだ。

 

すると自動的にメカ犬は俺と同じに、そしてモモさんとリュウ君に、コハナさんが、良太郎君と同じ班に、残りのウラさんとキンさん、最後に長谷川さんが、俺と同行する事に決定したのである。

 

そして今俺達の、後ろをついて来るのが、何を隠そうゾウがキンさんで、ペンギンがウラさんなのだ。

 

二人が何故着ぐるみを着ているのかというと、元の格好で外に出れば、騒ぎになるという事もあるが、これから街で暴れていたホルダー達の目撃情報を集めるのに、普段の格好したモモさん達を見た人達が、デンライナーのイマジンの皆とホルダー達を混合させて、意味の無い情報が発生するのを事前に防ぐ為でもある。

 

「街一番の情報屋ですか……」

 

メカ犬の言葉を聴いた長谷川さんは、そんな存在がこの街に居たのかと、何度も感心した素振《そぶり》を見せた。

 

『さあ、着いたぞ』

 

暫く歩いた後、立ち止まったメカ犬が俺達に宣言した。

 

辿り着いた場所は、俺の何度か着た事のある、裏路地の空き地。

 

周りを見渡す三人をよそに、メカ犬が情報屋である、奴の名を高らかに呼ぶ。

 

『出て来てくれジャック!』

 

するとメカ犬の呼び声に答える様に、路地の裏側から、一匹の獣がその姿を現した。

 

「きゃんきゃん」

 

舌を出し、短めの尻尾を振りながら、ジャックが一鳴きする。

 

「「「チワワ?」」」

 

ウラさんとキンさんに長谷川さんが、声を揃えて言う。

 

その気持ちは良く分かる。

 

俺も最初はそうだった。

 

誰がチワワを情報屋だと思うだろうか?

 

しかし現実は意外と何でもありな物かも知れないと、俺は最近思うようになって来た。

 

メカ犬との出会いに、始まり色々あったからな……

 

驚愕する三人と、思い出を振り返る俺を無視して、メカ犬によるジャックとの会話は、順調に進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジャックの情報だと、この近くの筈なのだがな』

 

無事にジャックから情報を聞き出した俺達は、メカ犬の指示に従い、ホルダー達が目撃された地点に向かっていた。

 

「しっかし、この辺りにほんまに、鍵なんかあるんかいな?」

 

キンさんが顎に手を当てながら、疑問を口にする。

 

確かに今俺達が居るのは、商店街のど真ん中。

 

ホルダー達の姿は何処にも見えないし、この先には海鳴図書館位しか無い筈だ。

 

ジャックの話では、この近くで多くの動物達が目撃したそうなのだが、変な話である。

 

「もしかしたらこの近くの何処かに、潜伏してるかも知れないから、試しにあの子達に聞いてみようよ」

 

ウラさんがペンギンのフリッパー(ペンギンの羽の部分)を指し示した先には、俺の良く知る人物達。

 

通称仲良し美少女四人組が居た。

 

「なのはちゃん達!?」

 

俺がなのはちゃん達との、突然の邂逅に驚いていると、ウラさんが、俺の肩をフリッパーで軽く叩いてきた。

 

「それじゃあ僕が聞いてくるから、ちょっと身体を借りるよ」

 

あまりにも軽いノリで言われたので、つい良いよと返事をしてしまいそうになるが、とんでもない発言をしてくるウラさん。

 

「な!?ちょっとま」

 

俺が待ったの言葉を口にする前に、半透明になったウラさんが、ペンギンの着ぐるみから抜け出ると、俺の身体に吸い込まれる様に入り込んでくる。

 

「……中々良い感じだね。君の身体」

 

ウラさんが俺の意思を無視して、勝手に俺の口を動かして喋る。

 

『マスター!?』

 

その様子を見て、何事かと動転するメカ犬。

 

「またかいな……」

 

何処か諦めを含んだ溜息を漏らすキンさん。

 

「……」

 

ちなみに長谷川さんは先程の光景を見た直後に気絶している。

 

「所であの子達の名前は何なのかな?」

 

俺の口が勝手に動いてそんな言葉を吐く。

 

これは恐らく俺に聞いているのだろう。

 

こうなっては仕方ないので、俺はウラさんになのはちゃん達の名前を教える事にした。

 

今の俺に出来る事は、なるべく早く目的を達成して貰って、早急に身体から出て行ってもらう事を、願うばかりである。

 

「あ!純く…ん…だよね?」

 

俺の姿を見つけたなのはちゃんが、手を振りながら近づいてくるのだが、近くに来た所で、普段の俺と何処か違う事に気づいた様で、疑問系になってしまった。

 

「何か普段と雰囲気が違うね」

 

俺の様子を観察しながら、感想を述べるすずかちゃん。

 

「何でメガネなんてしてるのよ?」

 

アリサちゃんが続いて指摘してくる。

 

というか今の俺って、やっぱりメガネしてるんだ。

 

この分だと、髪にも青いメッシュが入っていたりするんだろうな。

 

「何やイメチェンか、純君。中々似合ってるやないか!」

 

ウラさんに憑かれてる状態の俺を、イメチェンと判断したはやてちゃんが、賞賛の言葉を俺に送ってくる。

 

「それにしても、皆可愛いね」

 

またしても俺の口が勝手に動き、ウラさんはなのはちゃんの手を優しく握りこむ。

 

「にゃあ!?」

 

突然のスキンシップにより、なのはちゃんが猫の様な声を上げる。

 

それを見ていた三人は鳩が豆鉄砲を喰らわされて、ロケット花火の追撃をお見舞いされた様な顔をしていた。

 

このまま放置すれば、何事かと、いずれ思考回路を復活させた皆に攻め立てられる事が、目に見えているだろうが、そこは百戦錬磨のウラさんである。

 

女性の扱いに関して、彼に抜け目は無い。

 

「勿論君達もだよ!」

 

到底俺には不可能であろう、女性限定キラースマイルとウインクを全員に発射した。

 

ちゃんとなのはちゃんにもやる所が、ウラさんの凄さを実感させる。

 

その一撃を受けたなのはちゃん達四人は、一斉に胸を押さえて、頬をこれでもかと赤く染めていく。

 

何故か俺の耳に四発の銃弾が発射される幻聴が聞こえたが、それはあながちただの幻聴では無い様な気がするのが、電王ワールドの恐ろしさだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……酷い目に遭った」

 

なのはちゃん達から、何とか無事に情報を引き出し、別れた後、俺はやっとウラさんから解放され、両肩の力を脱力させながら、呟いた。

 

別れ際にウラさんが、勝手に決めたデートの約束を、如何したら良いのか、俺を無駄に悩ませるが、今はそれ所ではない。

 

重要なのは、なのはちゃん達から聞き出した情報だ。

 

四人の話では、如何も図書館の敷地内で妙な連中を目撃したという噂が流れていたらしい。

 

場所としてもジャックの言っていた場所に近い事から、その連中が博物館に居たホルダー達と同種の可能性は極めて高いのである。

 

俺達は気絶している長谷川さんを、キンさんのビンタで無理やり叩き起こすと、急いで図書館を目指した。

 

「純君!」

 

図書館に辿り着くと、一足先に良太郎君達の班が現場に到着していた。

 

「遅せえぞ!お前ら!!!」

 

俺達の到着にモモさんが怒鳴り声を上げる。

 

しかしコハナさんの背中の後ろから言っているあたり、やはりメカ犬を警戒している様だ。

 

「うっとうしいのよ馬鹿モモ!!!」

 

背中に纏わりつかれたのが、不快だったらしく、コハナさんの鋭い右ストレートが、モモさんの脇腹にクリーンヒットする。

 

「がっ!?それは…反則だって……」

 

見事なまでにその攻撃を受けたモモさんは、尚も文句を言いながら、地面に崩れ落ちた。

 

「如何やらここで当たりみたいやな」

 

「そうだね」

 

もはや彼等にとっては、何時も通りの流れなのか、何事も無かった様に話を進めて行く、電王メンバーの皆さん。

 

唯一リュウ君が、その辺に落ちていた小枝で、倒れたモモさんをつっついているのが、余計に哀愁を誘う。

 

俺も例に習い、ウラさん達の見ている先を確認すると、そこには博物館でも暴れていたホルダー達の姿があった。

 

「兎に角今は、奴等を止めよう」

 

良太郎君が電王ベルトを巻きつけながら、俺に言う。

 

「はい!」

 

俺は良太郎君に返事を返しながら、タッチノートを取り出すが、ここで事態は急転する。

 

突如周囲に、デンライナーの汽笛に近い音が流れてきたのだ。

 

俺にはその音に聞き覚えがあった。

 

まさかと思い、上を見上げると、そのまさかは俺の予想を飛び越え、現実のものとなってしまったのである。

 

『一体何だと言うのだ?』

 

メカ犬が呟く。

 

それ以外の人は、声すらも出ない。

 

ちなみに気絶から復活したばかりの長谷川さんは、その光景を見て、再び気絶してしまった。

 

俺は当然の事ながら、電王メンバーは一度直接戦っているのだから、誰もがその正体を知っていた。

 

だがそれを認識出来たとしても、何故それがこの場所にあるのか?

 

その答えが分からない。

 

「何でネガデンライナーがこんな場所に……」

 

デンライナーに良く似た時の列車。

 

かつて電王と激しい戦いを繰り広げた、奴が操っていた筈だが、俺の知る限りこのネガデンライナーはその時に、完全に消滅した筈である。

 

あまりにも突然な、予想外の登場に俺達が呆けていると、ネガデンライナーの側面が開き、一号車の砲門が顔を出す。

 

「皆逃げてえええええ!!!!!」

 

それを見たコハナさんが、逸早く皆に叫び注意を促した。

 

俺達はその言葉を聞き、急いでこの場から走って距離を稼ぐ中、無常にも砲門がその猛威を振るう。

 

背後から襲い来る爆風に煽られて、俺達は悲鳴を上げながら、吹き飛ぶ。

 

全身に痛みを覚えながらも、俺は何とか自分が五体満足な事を、確認してから、周囲を見回す。

 

全員吹き飛ばされて倒れてはいるものの、誰も砲撃に直撃した者は居なかった様だ。

 

気絶していた長谷川さんと、コハナさんの一撃で倒れていたモモさんも、キンさんが背負って逃げてくれていた様なので無事みたいである。

 

俺は全員の安否を簡単に確認した後、この状況を作り出した元凶をその視界に捉えるべく、前を見据えた。

 

「な!?」

 

目の前にはまるで隕石でも衝突したかのような大きなクレーター。

 

もしも今の直撃を喰らっていたとしたら、塵の一つも残らなかったのではないかと、俺の心を恐怖に染め上げる。

 

俺がクレーターを見て、戦々恐々としていると、またしても聞こえてくる先程とは違うメロディー。

 

空を見上げて俺の視界に映ったものは、デンライナーと同じく、俺が前世で何度も画面越しに見ていた時の列車。

 

緑と黒のカラーリングを基調としたゼロライナーが、俺達のすぐ近くに停車した。

 

そして自動式の扉が開かれると、そこから出て来たのは、一人の青年と、黒い神父服を着た様な姿のイマジン。

 

「……侑斗」

 

良太郎君がその青年の名前を呼ぶ。

 

そう。

 

ゼロライナーから出てきた青年の名前は、桜井侑斗。

 

仮面ライダーゼロノスに変身するのは、ライダーファンであれば、誰もが知る所であり、TVシリーズでは様々な場面でのキーパーソンでもあったのは、あまりにも有名な話だ。

 

「大丈夫か~!野上~!」

 

侑斗さんの脇をすり抜けて走ってきたイマジンが倒れている良太郎君を抱き上げる。

 

「だ、大丈夫だから心配しないで……」

 

苦笑いを浮かべながら、何とか律儀に答えを返す良太郎君。

 

この心配性なイマジンの名前はデネブ。

 

元々は、今目の前に居る侑斗さんよりも更に未来の侑斗さんと契約したイマジンだったのだが、その契約内容により、過去に飛び、今の侑斗さんと共に戦う事を決めた心優しいイマジンである。

 

「ちっ遅かったか」

 

デネブさんに続いてゼロライナーを降りてきた侑斗さんが、正面を見据えながら、苦虫を噛み潰した様な顔をした。

 

「あれって!?」

 

俺も正面を見てみると、そこにはネガデンライナーが空けたクレーターの中から、黄色い鍵が浮かんで来ていたのだ。

 

この時俺は気づいてしまった。

 

先程の砲撃は別に俺達を狙ったものでは無かったのである。

 

最初から目的は、ただこの場所を掘り起こす事。

 

二つ目の封印の鍵は、この図書館の敷地内の地中深くに、封印されていたのだ。

 

どんどんと高度を増して、浮かんで行く封印の鍵。

 

その時、俺達の見るその先に鎮座する、ネガデンライナーの扉が開かれた。

 

中から出てきたのは全身を黒いフードで覆われた謎の人物。

 

その特徴から、幸太郎君からターミナルに保管されていた鍵を横取りして盗んで行ったという人物は、奴で間違い無いだろう。

 

奴は封印の鍵を悠々とその手に収める。

 

「残る鍵は後一つ……」

 

そんな呟きが聞こえた次の瞬間、奴を包んでいた黒いローブが風に流されて、俺達の視界に奴の全貌が晒される。

 

ネガデンライナーが現れた時点で、もしかしたらと頭の中で、予想はしていたが、如何やら俺の予想は当たってしまったらしい。

 

「……ネガタロス」

 

奴の姿を見て誰かがそう口にした。

 

その名が封印の鍵を手にする奴の正体。

 

かつて自分の悪の組織を結成しようとして、夢半ばに散っていったイマジンである。

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