魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【異世界編】

「魔法!?」

 

俺はアリシアちゃんの話を聞いて、思わず驚愕の声を上げた。

 

お互いの自己紹介を済ませた後、病室にお医者さんがやって来て、意識が戻ったならすぐにでも退院して良いと言っていたので、俺はすぐに退院手続きに同意した。

 

治療費等は如何しようかと思ったのだが、お医者さんは、困惑する俺に対して次元漂流者から代金請求なんかしないよと、笑いながら言って、病院から出る俺達を見送ってくれた。

 

俺の事を見て、【次元漂流者】と呼んでいたが、一体如何いう意味なのだろうか?

 

お医者さんの言葉に疑問を覚えながら、アリシアちゃんと共に、病院を出た俺だが、この言葉は俺をこれから幾度も驚愕させる氷山の一角にしか過ぎなかった。

 

病院の外に出た俺の視界に飛び込んだ光景は、何処の未来都市だここは?というとんでも映像の連発だったのだ。

 

人が空を飛んでいらっしゃる……

 

しかも一人じゃない。

 

一人の男性が、上空を滑空し、その後ろを何かの制服であろうか、同じ格好をした二人組みが追いかけている。

 

それ以外にも、街全体が、何処か未来チックで、ここが実は近未来を模した、アミューズメントパークなのではないかと、疑ってしまう程だ。

 

俺は隣で空を飛ぶ人達を見ながら、最近マナーの守れない人が多いわねと、のんきに言っているアリシアちゃんに説明を求めた。

 

それじゃあ落ち着ける場所で話をしようという事になり、近くにある公園のベンチで腰を落ち着けてから俺は、アリシアちゃんの説明を受けたのである。

 

冒頭の台詞は、この時の説明に驚愕した為だ。

 

「……という訳よ。分かった?純お兄ちゃん」

 

大体の説明を終えたアリシアちゃんが、最後に俺に今の話を理解出来たのか、確認を取る。

 

「はあ……」

 

何とか俺が言葉として発する事が出来たのは、そこまでが限界だった。

 

俺は頭の中で、アリシアちゃんが話してくれた内容を、何とか咀嚼して、理解しようと思い、初めから思い返してみる。

 

アリシアちゃんが言うには、この世界はミッドチルダというらしい。

 

科学的に、魔法という存在が確立された世界らしく、この世界では様々な分野で用いられているのだそうだ。

 

魔法というと、ゲーム等から連想してしまう俺は、何でも出来る万能な力に思えてしまうが、アリシアちゃんが言うには制約も多いらしい。

 

まず魔法を使うには、先天的な素質が必要で、身体の中にリンカーコアと呼ばれる魔法を使う為の器官が存在していないと、どんなに練習しても、魔法は使えない。

 

更にそのリンカーコアを持っている人の中でも、ランクが存在し、その中でも細かく分類される部分があって、個人の資質によって、同じ位の力を有したリンカーコアを持っていたとしても、出来る事が違ってくるらしいのだ。

 

たとえば、俺達が病院を出た矢先に目撃した空を飛んでいた男も、魔法を使って飛んでいたそうなのだが、これも個人の資質で、仮にその男の倍以上の力を持つリンカーコアがあったとしても、適性が無ければ、浮くだけでも困難なのだと、アリシアちゃんは言っている。

 

ちなみに街の中では、許可無く空を飛ぶのは違法で、先頭を飛んでいた男はこれを破った為に、俺の知っている所の警察の様な役割を持つ人達に追われていたのだそうだ。

 

更に言うならば、このリンカーコアを持つ人も、全体の割合から見れば、かなり少ないそうで、少しでも資質があるだけで、かなり珍しい部類に入るらしい。

 

そして資質を持つ殆どの人は、少ない資質しか持たず、自力で使えるのは、念話と呼ばれるテレパシーの様なものを使うのが限界らしいのだが(俺としてはそんな事が出来るだけでもかなり凄いと思う)、それを補助してくれる機械があるそうなのだ。

 

名称をデバイスと呼ばれているそれは、様々なタイプがあるらしい。

 

アリシアちゃん自身は、魔法を使う素質が無いそうなので、どれだけの種類があるのか、分からないそうなのだが、アリシアちゃんのお母さんが、かなりの凄腕らしく、今度聞いてくれると言っていた。

 

この世界では、魔法という物が、日常的に存在している事は理解した。

 

次に病院で、お医者さんが俺の事を、次元漂流者と呼んでいた件についてなのだが、如何やら言葉の意味そのままらしい。

 

アリシアちゃんの話を信じるのであれば、世界は無数に存在しており、この世界の人々は魔法の力と科学を結集させた乗り物で、別の世界を行き来する事が可能なのだそうだ。

 

何やら話を聞けば聞く程に、話が壮大なSFになってきたな……

 

話を続けるが、やはりその乗り物でも行ける世界には制限があるそうで、本当にどれだけの数の世界が存在しているのかは、分かっていないらしい。

 

行く事が出来る世界でも、文明レベルは様々で、下手に干渉が出来ない世界や、そもそも人類が存在していないという世界も少なくは無いのだそうだ。

 

その上、所謂怪獣の様な生物まで、存在するのだというのだから、もはや何でもありに思えてくる。

 

さてと……話を戻すのだが、多くの次元移動では、その乗り物によって移動するのが、一般的なのだが、例外も幾つかあるらしい。

 

一つは魔法だ。

 

数ある魔法の中で、移動魔法と言われる部類が存在していて、その素質と魔力量が天才的な人は、高性能なデバイスの補助を受ける事によって、次元世界ごと移動出来るらしい。

 

概念的な部分は理解しにくいが、移動する世界同士が近ければ、ある程度の高ランクの力を持っている人は、デバイスの補助により、如何にか移動する事も出来るそうなのだが、大抵は専用の装置を使って、擬似的に再現するのだそうだ。

 

移動する世界によっても、移動は困難になったりと、この部類の魔法は、個人での運用はかなり難しそうである。

 

そしてもう一つは、突発的な事故が多いとの事だ。

 

この辺りは、個人のケースによってかなり細かく分類されるそうなので、話半分にしか聞かなかったのだが、自然に発生した歪みに巻き込まれたり、何かの高エネルギーを扱う作業の近くに居たりと、次元を遮る壁は、俺達人類の考え及びもしない状況で、取り払われる場合があるらしいのだ。

 

そういった事情で、世界の壁を越えて、別の世界に迷い込んだ人々を、このミッドチルダでは、次元漂流者と呼ぶらしい。

 

恐らく病院で俺を診てくれたお医者さんは、俺の反応等を見て、次元漂流者だと判断したのだろう。

 

確かに俺も、デンライナーに乗って、この場所に行き着いた訳だから、あながち間違いではないが、時間まで飛び越えてしまっている為に、今居る場所が、本当に異世界なのか、それとも気の遠くなる様な、未来の地球なのかすら判断しようが無いのである。

 

もしかしたらタッチノートの通信機能を使えば、メカ犬との連絡が取れるかも知れないと思い、試してみたのだが、一向に繋がる気配は無かった。

 

同時にチェイサーさんも呼び出してみたのだが、これも駄目だった。

 

チェイサーさんならば、たとえ別の次元に居ても、普通に出て来そうなイメージがあったので、期待していたのだが、世の中はそんなに甘くは無い。

 

今の所、俺だけが別の世界に迷い込んでしまったのか、ただ単にタッチノートで連絡が取れる範囲外にメカ犬達が居るだけなのか、判断しようにも、その判断材料が少なすぎるのだ。

 

だが、もしもこの世界に、最後の封印の鍵があるとするならば、必ずネガタロスが、何らかの騒ぎを引き起こす筈である。

 

その場所には、きっとメカ犬と良太郎君達が居る筈だ。

 

騒動が起こる事を望むのは、如何かと思うが、今はそれに賭けるしか無さそうなので、しょうがないだろう。

 

「ねえ、純お兄ちゃん」

 

俺が頭の中で今後の方針を纏めていると、アリシアちゃんが話し掛けてきた。

 

「次元漂流者なら、帰る場所を探してくれる場所があるから、そこに行ってみる?」

 

心配そうな表情で、俺に助言をしてくれるアリシアちゃん。

 

恐らく考え込んでいる俺を見て、現状に不安を感じていると予想したのだろう。

 

「うん。それが一番良いのかも知れないけど、もしかしたら俺の仲間も、ここに来てる可能性があるんだ。だからせめて、この世界に居るかどうかだけでも、確認してからにしたいかな」

 

本来ならば、その場所に行って捜索も頼むのが、手っ取り早いのだろうが、デンライナーで来た彼らを、その人達が見つけられるとは到底思えない。

 

ならば何も制限の受けない今の状態で、ネガタロスが関係していそうな事件を追った方が、遭遇出来る確率は高い気がする。

 

アリシアちゃんが、行く事を進めてくれた場所に行くのは、自分自身では捜索は不可能だと判断した後の方が得策だろう。

 

「……そっか、それじゃあ純お兄ちゃんは、暫くミッドに居るんだね?」

 

俺の言葉を聞いたアリシアちゃんが、再度確認する様に、聞いてくる。

 

何故かその顔は頗る笑顔だ。

 

「うん。まあ、そういう事になるかな」

 

「だったら私のお家に来なよ。探すって言っても、今の所は何の手がかりも無いんでしょ?」

 

俺の返事を聞いたアリシアちゃんは、これは名案だとばかりに、提案してきた。

 

「それは嬉しい話なんだけど、お家の人に迷惑じゃないかな?」

 

アリシアちゃんの提案は素直に嬉しいし、此方としても助かるのだが、早々世話になる訳にも行かないので、まずはその辺りを聞いてみる。

 

「大丈夫だよ。お家には私とお母さんとリニスしか居ないけど、お母さんは最近仕事が忙しくって、お家に帰って来ないし、リニスはとっても良い子だもん」

 

予想外の返答を返してくるアリシアちゃんだが、俺はこの時のアリシアちゃんの言葉に、一つだけ聞きなれない単語を聞き取った。

 

「アリシアちゃん。そのリニスって誰なの?」

 

アリシアちゃんのお母さんの話題は、何度か出たので、分かるのだが、このリニスというのは、一体何者なのだろうか?

 

「純お兄ちゃんがお家に来てくれたら、直接会わせてあげるよ!」

 

そう言ってベンチから飛び上がると、一目散に公園の出口に、走り出すアリシアちゃん。

 

これはもう追いかけるしか選択肢が無いと思うのは俺だけなのだろうか……

 

俺はしょうがないなと溜息混じりに言葉を吐きながら、重い腰を上げて、既に公園の出口付近にまで到達していたアリシアちゃんを追いかけて、走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

 

鍵を外してから扉を開けたアリシアちゃんは、そう言って玄関先に進んで行った。

 

あの様な、未来チックな建物を見た後に、何故俺の世界にもある様な手動式の扉が使われているのか、不思議に思ったが、案外その答えは簡単に出た。

 

今でも大抵の家庭では、自動的なものではなく、手動式を用いるらしい。

 

コスト面等の問題も当然あるが、一番の問題は、停電等の電気トラブルが起きた際に、対応が出来なくなってしまうからなのだそうな……

 

言われてみれば、公共施設ならば、その際の対応も出来るかもしれないが、一般家庭の殆どは出入り口を幾つも設けて、更に様々なタイプにするというのは、あまり現実的では無い。

 

仮に出入り口が一つしかない状態で、停電が起こった時に、それが自動式ならば、完全に締め出しを喰らう事となる。

 

それだけならばまだ良いが、下手をすれば中に閉じ込められて、何時間後に開放されるのか、分かったものじゃない。

 

窓から脱出出来れば良いが、それすらも出来ない状況だったとしたら、目も当てられないだろう。

 

俺が扉の重要性と利便性について、熟考していると、アリシアちゃんが、後ろ手に何かを持って、俺の目の前にやって来た。

 

「えへへ。純お兄ちゃん。私の後ろに居るのは誰でしょうか?」

 

突如問題を出題してくるアリシアちゃん。

 

というか、その誰かと思われる長い尻尾が脇から飛び出て丸見えになっている。

 

「正解はこの子です!」

 

別に俺の答えは待っていなかった様で、アリシアちゃんは、間髪入れずに、俺に正解を見せてきた。

 

俺の前に差し出されたのは、猫である。

 

しかもただの猫じゃない。

 

種類によっても固体差というものがあるが、今俺の目の前に居る猫は、それを抜きにしても、従来の猫よりデカイのだ。

 

しかも別に太っているという訳ではない。

 

元々が大きい種類なのだろう。

 

ここは別世界の可能性が極めて高いので、違う可能性もあるが、俺が知る限りこの猫の種類は一つしか思い浮かばない。

 

「もしかして、山猫?」

 

俺はその猫の種類と思われる単語を口にしてみる。

 

「正解です!山猫のリニスだよ!よろしくね。純お兄ちゃん」

 

如何やら山猫で正解だったらしい。

 

アリシアちゃんは、リニスを持ったまま、何度も嬉しそうに飛び跳ねる。

 

されるがままになっているリニスだが、特に嫌がっている様子も無く、偶にアリシアちゃんの言葉に、合いの手をするかの様に鳴くだけだ。

 

かなりおおらかな猫なんだなと思い、暫く眺めていると、リニスの首元で何かが揺れているを見つけた。

 

リニスは首輪をしているのだが、大抵は鈴等をつける場所に、宝石の様な物が取り付けられているのだ。

 

それはエメラルド色の半透明で、球状な形をしており、中にははっきりと見えないが、何かが入ってる様に見える。

 

「ねえ、アリシアちゃん。リニスの首輪につけてある宝石みたいなのって何なのかな?」

 

何となくそれが気になった俺は、未だ喜びを身体全体で表現しているアリシアちゃんに聞いてみた。

 

「うん?これはね、お母さんがお仕事先で、お土産に貰ってきたんだよ。良く分からないけど、珍しい琥珀なんだって」

 

「へえ……」

 

俺はアリシアちゃんの説明を聞きながら、改めてその琥珀を観察してみる。

 

琥珀というのは、大昔の植物の樹液等が、硬質化していき、現代に残った物であるが、中には、当時の昆虫や、植物等を、取り込んだまま琥珀となり、考古学の研究でも重要視される事がある物だ。

 

良く見えないが、この琥珀の中にも何かがある様で、薄っすらとだが、棒状の何かが見える。

 

更に俺が観察を続けようとした時、何やら近くで、グ~という音が聞こえてきた。

 

「ねえ純お兄ちゃん……お腹空かない?」

 

その音の発生源と思われるアリシアちゃんが、照れながらそんな事を言ってきた。

 

そのあまりのタイミングと、華麗なまでに決まった例の音に、俺が笑ってしまった事は、致し方ないだろう。

 

暫く笑ってから、溜飲を下げた俺は、アリシアちゃんに文句を言われながらも、一緒に台所へと移動を開始する事にした。

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