魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【家族編】

「お腹空いたよ~純お兄ちゃ~ん」

 

間延びした声を上げたアリシアちゃんが、続けてご飯まだ~?と俺に催促してくる。

 

「もうすぐ出来るから、もうちょっと待っててね」

 

俺は熱したフライパンに、溶き卵を入れながら、返事を返す。

 

この一連の会話で、殆どの人は気付いたかと思うが、現在俺はアリシアちゃんの家の台所を借りて、料理の真っ最中だ。

 

何故俺がアリシアちゃんの家で料理をしているのかというと、俺が普段のアリシアちゃんの食生活を知ってしまった事がそもそもの原因なのである。

 

アリシアちゃんの案内の元、台所にやって来た俺達だったのだが、最初はアリシアちゃんの母親がアリシアちゃんの昼食を作り置きしているのだと、思っていた。

 

しかしアリシアちゃんは、台所に辿り着くと、キッチンに行く様子も無く、近くの棚を開けて、何やら中を漁りだす。

 

「あった~!」

 

そう声を上げて、アリシアちゃんが棚の中から、取り出した物体を見て、俺は心底驚いた。

 

アリシアちゃんが、その手に掴んでいる物体は、如何見ても俺の世界で人気を博す人気お手軽保存食と同じ物だったのだ。

 

メーカーや、種類によって、呼び方等は変わるが、大抵の人はこう呼ぶだろう。

 

「異世界にもあるんだな……カップラーメン」

 

口に出すつもりは無かったのだが、無意識のうちに口からそんな言葉が零れ出てしまう。

 

アリシアちゃんの話では、お母さんが居る時は、ちゃんと料理を作ってくれるそうなのだが、最近は凄く忙しい仕事を任されているらしく、数日家に帰れなくなる時もあるそうなので、その間外食するには十分なお金を貰っているのだそうだ。

 

どんなワーカーホリックだと思う所もあるが、異世界の基準等、今の俺には理解出来ないし、アリシアちゃんも年齢にしては、怖すぎる程にしっかりしているので、大丈夫そうではあるが……

 

話を聞くと、アリシアちゃんは外食するのは、あまり気が進まないらしく、すぐに食べられるレトルトや、先程取り出したカップラーメン等で、殆どの食事を済ませているらしい。

 

はっきり言おう。

 

育ち盛りの子供が、こんな物ばかり食べていたら、将来は生活習慣病になること間違い無しである。

 

俺はアリシアちゃんに冷蔵庫の場所を聞くと、急いで冷蔵庫に向かい、中を確認した。

 

幸いにも中には、十分な食材が入っていたし、野菜類も見た所、痛んでは無さそうだ。

 

恐らくアリシアちゃんのお母さんが、買い足しておいたのだろう。

 

次に確認したのはキッチンだ。

 

もしかしたら俺の世界とは全く違う形なのではと、心配したのだが、我が家の物と差はあれど、俺にも扱えるタイプの物であった。

 

ここまでお膳立てが揃っていれば、俺のする事はただ一つである。

 

「俺が料理を作るから、待ってなさい!」

 

俺はカップラーメンを片手に此方を見ていたアリシアちゃんに、そう宣言した。

 

まるで合いの手をするかの様に、リニスが一鳴きするが、それは俺に対してのエールなのだと、勝手に解釈させてもらう事にした。

 

これが俺が料理をする事になった理由である。

 

アリシアちゃんの催促する声を聞きながら、調理を続けた結果。

 

漸く料理を完成させる事が出来た。

 

「出来たよ。アリシアちゃん」

 

俺は完成させた料理を皿に盛り付けて、アリシアちゃんの待つ食卓へと運んで行く。

 

「おお~」

 

テーブルに置いた皿の中身を見ながら、アリシアちゃんが、何やら感嘆の声を上げた後、俺に視線を移す。

 

「有り合わせで作ったんだけど、如何かな?」

 

俺が作った料理は、本当に簡単な物である。

 

冷蔵庫の野菜の幾つかを使った野菜炒めに、キノコの卵とじや、挽肉があったのでハンバーグを作ってみた。

 

何の肉かは俺も知らない。

 

主食にはフランスパンの様な物が置かれていたので、バターを溶かしたフライパンで焦げ目が着く位に熱して、調味料の一つとして用意されていたので、香草をまぶしてみた。

 

本当は本格的にサラダも作りたかったのだが、俺の良く知る野菜と酷似しているとはいえ、それが生で食べられるのか判断出来なかったので、熱を通した野菜炒めだけに、留めておいたのである。

 

調味料も、香草等分かりやすい物から、何に使うのか不明な物まで、色々だったので、味見をしながらの大冒険であった。

 

同じ人間なので、そんなに違いは無いと思うのだが、(カップラーメンがあった程だし)俺はアリシアちゃんに確認をしてみる。

 

「凄い……凄いよ!純お兄ちゃん!!!」

 

俺を輝く瞳で見つめながら、アリシアちゃんが、早く食べようと言って、俺に早く席に座るよう促す。

 

あまりの勢いだったので、俺は残りの料理が乗った皿を、全て持ってきた後、急ぎ席に着く。

 

ちなみにリニスは、俺が料理をしている間に、アリシアちゃんが専用のペットフードを準備したみたいなので、既に悠々と食事にありついている。

 

生粋の日本人な俺としては、箸で食事をしたい所ではあるが、この家には箸が無い様なので、フォークで食べる事にした。

 

「いただきます」

 

俺は手を合わせて軽く一礼する。

 

「ねえ、純お兄ちゃん」

 

それでは食べようかと、フォークを謎肉なハンバーグに突き刺した所で、アリシアちゃんが話し掛けてきた。

 

「如何したの?」

 

「いただきますって何なの?」

 

不思議そうに質問してくるアリシアちゃん。

 

そういえば、妙に俺の居た世界と共通点が多かったり、何故か日本語で意思疎通が出来るので、意識から離れてしまうが、ここでは食事の時に、いただきますって言わないのか。

 

俺は改めて、食事をする時に何故、いただきますと言うのかを、俺が分かる範囲で説明してあげた。

 

普段からあまり意識して使ってる訳じゃないが、確か感謝を意味していたと何処かで聞きかじった気がする。

 

あまり要領を得ない説明ではあったが、アリシアちゃんは、俺の説明を聞くと、先程俺がやっていた真似をしてから、料理を食べ始めた。

 

個人的には悪くない味に仕上がったと、自負できるが、はたしてアリシアちゃんの口に合うのか、それだけが不安だったのだが、美味しいと言って食べてくれるのを見て、俺も改めてフォークに刺しっぱなしだった謎肉ハンバーグを口に放り込んだ。

 

そういえば最後にまともな食事をしたのは、家で摂った朝食が最後だった気がする。

 

その後は昼前に、恵理さんから、荷物が届いて中身を確認しようとしたら、ホルダー反応がして急いで現場に向かったのだ。

 

そこでいきなりデンライナーがやって来て、一緒に戦う事になって、警察署に行ったら、デンライナー署が設立されていて、確かそこで話し合いをしながら、ナオミさんのコーヒーを飲んだんだっけかな。

 

そう言えばあのコーヒーを最後に飲んでいた時までは、小腹が空いていた筈なのに、今はそんなに空腹感を感じては居ないんだよな。

 

俺がアリシアちゃんに発見されたのは、朝で病院に運ばれてからも、二時間程で目を覚ましたって聞いたから、今は少し遅めの昼食になる。

 

そう考えると、あのコーヒーを最後に飲んだ時を、最後にした食事とカウントしたとしても、結構な時間が経っている筈なのだが、あまり腹が減っていないというのは異常ではないのだろうか?

 

一番に考えられる原因は……あのコーヒーか?

 

考えても答えが出る筈も無いが、気になる物は気になる。

 

「純お兄ちゃん」

 

俺が如何でも良い様な事で悩んでいると、既に料理の半分以上を平らげたアリシアちゃんが、俺に笑顔で話し掛けてきた。

 

「何?」

 

「えへへ。何でも無いよ」

 

俺が返事をすると、アリシアちゃんは笑顔でそう答える。

 

「純お兄ちゃん!」

 

またしても俺に笑顔を浮かべながら、言ってくるアリシアちゃん。

 

「さっきから如何したの?それに何かご機嫌みたいだし」

 

このままでは無限ループに突入しそうなので、アリシアちゃんの真意を確かめる為に、俺は質問を返して見る。

 

「何だか嬉しいんだ……」

 

「え?」

 

「私ね、お母さんに妹が欲しいってお願いした事があるんだ」

 

アリシアちゃんは、笑顔ではあるが、何処か寂しそうに見える瞳を浮かべながら、語り始めた。

 

「最近のお母さんは、お仕事が忙しいみたいで、あんまり一緒に居られないし、普段はリニスが居てくれるけど、お喋りは出来ないからね」

 

そこまで言ったアリシアちゃんは、リニスにおいでと声をかける。

 

リニスはアリシアちゃんの言葉を理解したのか、足早にアリシアちゃんに近づくと、アリシアちゃんの膝上に飛び乗り、軽く一鳴きした。

 

「妹が出来たら、一杯可愛がってあげるんだ。大きくなったら一緒に遊んだり、お買い物に行ったり、お化粧したり、出来る事は全部……でもね」

 

そこまで言った後、アリシアちゃんは膝の上で寛ぐリニスに視線を落とし、一撫でしてから、再び俺を真っ直ぐに見つめる。

 

「もしも私に、本当のお兄ちゃんが出来たのなら、純お兄ちゃんだったら良いなって思ったんだ」

 

アリシアちゃんの瞳からは、寂しさが消え、代わりに嬉しさの感情を宿した様な優しい雰囲気になった。

 

「アリシアちゃん……」

 

「ねえ、純お兄ちゃん。純お兄ちゃんのことを、本当のお兄ちゃんと思っても良いかな?」

 

その言葉に俺は心の中で、如何答えるべきか、考える。

 

アリシアちゃんには、助けてもらった恩があるし、何よりアリシアちゃん自身とても良い子だ。

 

俺がずっとここに居る事が出来るのであれば、二つ返事で答えてあげる事も出来るだろう。

 

しかし俺にはやらなければいけない目的があるし、帰るべき場所がある。

 

頷くのは簡単だが、俺は本当の肉親ではなく、今から遠くない未来に、別れなければいけないただの他人に過ぎないのだ。

 

「ごめんね」

 

俺が如何答えを切り出すべきか、迷っていたその時、アリシアちゃんが一言だけ、呟きを零す。

 

「さっき私が言った事は忘れて良いからね!純お兄ちゃんは、何処かに居るかもしれない、お友達を探さなくちゃならないんだもん!あ、そうだ!ご飯を食べ終わったら、一緒に街に出てみようよ!誰かを探すなら、近くの道位覚えてないと、純お兄ちゃんが迷子になっちゃうからね?」

 

先程までの事を無かった事にするかの様に、早口で喋ったアリシアちゃんは、出かける準備をしてくると言って、食卓から走り去ってしまった。

 

……俺はこの時、如何答えるべきだったのだろうか。

 

この場に取り残された山猫に尋ねてみても、一鳴きするだけで、答えを教えてはくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この先が、買い物モールになってて、他所からここに来た人は、大抵一度は通る筈だよ」

 

大きな通りに差し掛かった所で、アリシアちゃんが、俺に教えてくれた。

 

その隣では、アリシアちゃんに、合いの手をするかの様に、リニスが一鳴きする。

 

あれから暫くして、準備が出来たと、俺とリニスの前に出て来たアリシアちゃんは、もう何時も通りの明るい笑顔を見せる元気な、アリシアちゃんだった。

 

最初は心配したのだが、俺としても如何答えて良いのか、分からなかったので、先程の話題には触れない様に、振る舞い続ける事にした。

 

その後も順調にアリシアちゃんのガイドは進み、今日中に回れそうな施設を回り終えると、最後に帰り道を兼ねた住宅街を進む事に決定した。

 

だがここで、予想外の出来事が起きてしまう。

 

住宅街を歩く最中、突然リニスが走り去ってしまったのである。

 

「リニス!?」

 

それを見たアリシアちゃんが、慌てて追いかけるのだが、予想外の出来事はこれだけでは無かった。

 

『キンキュウケイホウキンキュウケイホウキンキュウケイ……』

 

「な!?」

 

現状では何の意味も成さずにいた筈の、タッチノートが、反応を示したのである。

 

急いで、タッチノートを取り出し、反応場所を確かめると、そこは俺が今居る場所の目と鼻の先だった。

 

「きゃああああああああ!?」

 

その直後聞こえてくる女の子の悲鳴。

 

聞こえた方向は、先程アリシアちゃんが、リニスを追って走り出した方角だった。

 

「まさか!?」

 

俺は急いで悲鳴の聞こえた先を目指して走り出す。

 

目的地に辿り着くには、数十秒とかからなかったが、そこには出来れば今は会いたくない奴等が居たのである。

 

「ちょっと!何なのよあなた達!?リニスを放しなさいよ!」

 

そこにいたのは、博物館や図書館にも現れたホルダー達だった。

 

数は全員で三人。

 

その内の一体が、リニスを捕まえている。

 

アリシアちゃんは、そのホルダーに対して、リニスを放せと訴え続けていた。

 

如何してこんな所にホルダーが、突如現れたのか、分からないが、今俺がすべき事は、何とかして奴等からリニスを助け出して、アリシアちゃんと共に、この場から逃がす事である。

 

俺は何か役に立ちそうな物は無いかと、辺りを見渡す。

 

「これだ!」

 

そして見つけたのは、鉄パイプの束である。

 

置いてあった近くの建物を見てみると、建設中の家があったので、恐らくは外周を囲む為に使う一部なのだろう。

 

人の物を勝手に拝借するのは、如何かと思うが、今は緊急事態なのだから、勘弁願いたい。

 

急いで束ねられていた鉄パイプの内の一本を引き抜くと、俺はその鉄パイプを棒高跳びの選手の様に構えて、ホルダー目掛けて走り出す。

 

「どいてアリシアちゃん!!!」

 

俺は走りながら、アリシアちゃんに注意を促し、俺とホルダーの間を、隔てる物が何も無い事を確認してから、鉄パイプの先端を地面に叩きつけ、自身も跳躍する。

 

そのまま鉄パイプを離した俺は、慣性の法則で得た力を込めた身体で、リニスを掴んでいたホルダーに渾身の体当たりを叩き込む。

 

仮面ライダーに変身した時の力には、遠く及びもしないが、子供が行う不意打ちとしては、相当効いたのだろう。

 

ホルダーはリニスを離してしまい、後方に倒れこむ。

 

俺は考えるよりも早く、立ち上がる事だけを優先させて、立ち上がり様に叫ぶ。

 

「逃げろ!!!」

 

アリシアちゃんは、咄嗟だった俺の声を聞き入れてくれた様で、ホルダーから開放されたリニスを抱きかかえると、その場を走り去る。

 

出来れば俺もこのまま逃げたい所だが、それでは恐らくアリシアちゃんはホルダーに追いつかれてしまう。

 

「何処まで時間稼ぎが出来るかな……」

 

俺は先程使用した鉄パイプを拾い上げて、スピードフォルムの時にやる構えと同様のポーズでホルダー達を威圧する。

 

言っておくがこんなものは、ただの見せ掛けだ。

 

生身の状態の俺でも出来そうな事は、避けるだけで、まともな攻撃なんて、さっきの様な不意打ちでもしなければ、まともに喰らってはくれないだろう。

 

しかし対峙しているホルダー達は、先程の俺の不意打ちで、すっかり臨戦態勢である。

 

そして互いの緊張感が最高潮に達した時、ついにホルダー達が動き出した。

 

鉄パイプを構えてハッタリを続けながら、如何しようと焦りまくり、ホルダーの拳が俺を捉えようとした瞬間。

 

「子供一人に、それは卑怯だろう?」

 

そんな声が聞こえた。

 

次に気付いた時には、目前まで迫って来ていた筈のホルダー達が吹き飛ばされており、俺とホルダーを遮るかのごとく、一人の戦士が佇んでいた。

 

全体的に藍色なボディーに、上半身を覆う列車のレールを模した装甲。

 

背中に背負った銃剣を引き抜きながら、赤いバイザーの様な顔を此方に向ける。

 

「君。大丈夫だった?」

 

俺に心配そうに声をかけてきた。

 

彼の名を俺は知っている。

 

良太郎君の実の孫であり、時の運行を守るために戦う。

 

その名は、仮面ライダーNEW電王。

 

まさに窮地に現れた、新たなヒーローである。

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