魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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超・電王トリロジーアフター・エピソードシルバー 帰ってきたクライマックス刑事!ミッションコードはギャラクシードリームプロジェクト!?【激闘編】

「今日の俺達は、最初から最後まで、クライマックスだぜ!」

 

ソード状態のデンガッシャーで、ホルダー達を薙ぎ払いながら、電王が叫ぶ。

 

別の場所でも、他のイマジン達や、NEW電王にゼロノスが、戦いを繰り広げる。

 

Tさんとコハナさんは、アリシアちゃんを安全な場所へと誘導してくれていた。

 

俺自身も、現在はこの乱戦の中で、戦っている最中である。

 

「来い!デネブ!!!」

 

その中で逸早く動きを見せたのは、アルタイルフォームのゼロノスだった。

 

デネブさんを呼び寄せると同時に、ベルトに差し込んでいたカードを取り出して、裏返す。

 

表側に緑のラインが入っていたのに対し、裏側には黄色のラインが入っていた。

 

自身の背後にデネブさんが来た事を確認したゼロノスは、裏返したカードをそのまま、再びベルトに差し込む。

 

『ベガフォーム』

 

音声が流れると同時に、デネブさんが両腕を交差させて、ゼロノスの肩に乗せる。

 

するとデネブさん本体は、吸い込まれる様にゼロノスの中に吸収され、ゼロノス自身の形状をも変化させていく。

 

肩にはデネブさんの手がそのまま装甲として残り、神父の服を模した黒衣が、背中全体を覆うマントへと変貌を遂げる。

 

更に上半身を覆っていた装甲も、デネブさんの顔をあしらった物に変わり、最後には頭の上からドリルが顔を伝い中程でそれが三つに開かれると、赤い二つの複眼がその姿を現す。

 

この姿こそが、デネブさんの力を借りて変身するゼロノスのもう一つの姿、ベガフォームである。

 

「俺も最初に言っておく」

 

デネブさんの声で話し始めたゼロノスが、周りのホルダー達に宣言し始める。

 

「胸の顔はただのか……ごめん」

 

と思ったら言いかけて謝り出した。

 

恐らく侑斗さんに怒られたのだろう。

 

ゼロノスは、何やら分かったと呟くと、サーベルモードのゼロガッシャーを構えて、ホルダー達に突撃して行った。

 

「そろそろ交代してよ!モモタロス!」

 

先程までの様子を見ていた為なのか、リュウ君が、電王に交代を要求してきた。

 

普段の彼等のやり取りを見ていれば、一つ二つの文句が出た後に、結局交代するのだろうが、ここで予想外の出来事が起こったのである。

 

後方に停車されているデンライナーの扉が突如として開き、中からバスケットボール程度の大きさを持つ光が飛び出てきたのだ。

 

しかも飛び出てきた光は、あろう事か電王に衝突し、良太郎君に憑いていたモモさんを弾き出してしまう。

 

俺は弾き出されるモモさんを見ていて、その直後の電王を見ていなかったのだが、何故かピアノの音が聞こえて来たのだけは分かった。

 

何かと思い目をやると、初めに俺の視界が捉えたのは、舞い散る白い羽だった。

 

その先に居たのは、白と金を基調とした装甲を持つ電王。

 

主に映画版で活躍した電王の特別版、ウイングフォームである。

 

「我……降臨、満を持して!」

 

ウイングフォームとなった電王が、左手を腰の後ろに回し、右手を空に掲げながら、高らかに宣言した。

 

あの台詞、間違い無く鳥な人だ。

 

「ジーク!?」

 

その様子を見たコハナさんが驚愕の声を上げる。

 

「何でテメエがここに居るんだよ手羽先!?」

 

問答無用で弾き出されたのが、余程不満だったのか、モモさんがその元凶であるジークさんに食って掛る。

 

「ふむ。偶には私の顔でも見せておこうと来たのは良いが、何やら皆忙しなかったのでな。奥の部屋を借りて眠っていたのだ」

 

如何やら話を聞くと、外が騒がしくて起きてしまったらしく、外を見ると俺達が戦っているのが見えたので、助太刀しに来てくれた様だ。

 

未だ怒り収まらぬモモさんの言葉を無視して、電王はデンガッシャーを再度連結し直すと、ブーメランとハンドアックスにして、辺りのホルダーに斬りかかる。

 

「もう!僕が行こうと思ってたのに!!!」

 

しかしそれ以上に不満を持ったのはリュウ君だった。

 

そして、その発露は以外な方法によって解消される事となる。

 

「そうだ!君の身体、ちょっと貸してね!」

 

何とリュウ君の標的が俺へとシフトしてしまったのだ。

 

「え!?ちょ、待ってリュ」

 

俺が静止の言葉を言い切る前に、半透明になったリュウ君が、俺の身体の中に入って来る。

 

『サーチフォルム』

 

その上何故かフォルムチェンジが自動で発動してしまい、メタルブラックのボディーがスカイブルーへと染まっていく。

 

「ねえねえ!何か武器って無いの?」

 

勝手に俺の口を使って喋るリュウ君。

 

こうなっては仕方ないので、俺はリュウ君にサーチバレットの呼び出し方を教える事にした。

 

出来るだけ早く満足して、身体から出て行ってもらう以外に、今の俺に出来る事は無い。

 

『サーチバレット』

 

早速俺の説明を実践したリュウ君が、例の言葉を言い放つ。

 

「倒すけど良いよね?答えは聞かないけど!」

 

そしてサーチバレットの光弾を辺りのホルダー達に、独特のダンスステップを披露しながら撃ち始める。

 

やがて満足したのか、俺に一言感謝の言葉を言って、開放してくれたリュウ君だったのだが、これはまだ序章に過ぎなかったのだ。

 

「それじゃあ、リュウタの次は僕だね」

 

そう言うと、リュウ君と入れ替わりに、ウラさんが俺の中に入ってきた。

 

『スピードフォルム』

 

再びフォルムチェンジが、自動で発動する。

 

スカイブルーのボディーが、今度はライトグリーンに変わり、ウラさんもリュウ君のやり方を真似て、武器を呼び出す。

 

『スピードロッド』

 

ロッドを釣竿を抱える様に手にしたウラさんも例の言葉を口にする。

 

「お前達。僕に釣られてみる?」

 

そう言ってから、ロッドの端を持ち、弧を描く様に振り回して、辺りのホルダー達を薙ぎ払うウラさん。

 

「今度は俺の番や!」

 

もうウラさんの時点で予測はしていたのだが、今度はキンさんがそう宣言して、戦闘中のウラさんに割って入る。

 

ウラさんも何か抗議の声を上げようとするが、キンさんは問答無用で俺の中から、ウラさんを出して、入ってきた。

 

『パワーフォルム』

 

三度フォルムチェンジが発動し、俺のボディーはクリムゾンレッドに染まっていく。

 

「ええと確かこうやったな……」

 

キンさんもやはり、武器を呼び出す。

 

『パワーブレード』

 

「何や、斧とちゃうんか!?」

 

呼び出したパワーブレードを見て、不満を口にするキンさん。

 

だがそこに文句を言われても、無い物は無いのだからしょうがない。

 

キンさんはしゃあないなと言いながら、呼び出したパワーブレードを地面に突き刺すと、近くのホルダーに突っ張りを喰らわせた。

 

如何やら武器は諦めて、素手で戦う様だ。

 

「俺の強さは泣けるで!」

 

突っ張りを喰らわせてホルダーを吹き飛ばした直後に、顎に手を当てゴキリと鳴らしながら、決まり文句を口にする。

 

「よっしゃあ!次は俺だ!」

 

そしてお次はモモさんだ。

 

こう何度も入れ替わり立ち代りに交代されると、体力的な面は問題無いのだが、俺の精神的な疲労はかなり溜まってくる。

 

実際に体験してみて、何時もこれをやっている良太郎君を改めて凄いと感じてしまった。

 

『ベーシックフォルム』

 

キンさんとモモさんが、交代した事により、またしても発動するフォルムチェンジ。

 

クリムゾンレッドのボディーは周り回って、メタルブラックのカラーへと帰結する。

 

「俺、再び参上!」

 

自身を親指で指差してから、ポーズを決めたモモさん。

 

如何でも良い事なのだが、これが三回目以降になったら、どんな台詞を言うのだろうか。

 

「さ~てと、俺のは何かな?」

 

もう恒例となってきた武器の呼び出しタイムであるが、俺はこの時ベーシックフォルムだけは、少し特殊な能力だと言う事を伝え忘れていた。

 

『ベーシックファントム』

 

そうとは知らず、モモさんは分身体を呼び出してしまう。

 

「うを!?何故か増えた!?」

 

『これはそういう能力なのだから、仕方無いだろう』

 

驚くモモさんに対し、分身体を操作するメカ犬が、冷静な突っ込みを入れる。

 

折角呼び出したので、メカ犬にはこのまま戦ってもらう事にしたのだが、ここでモモさんが、普段の俺が絶対にやらない様な行動を実行に移す。

 

「何か良い武器は……お!丁度良いのがあるじゃねえか!!!」

 

モモさんがそう言いながら、辺りを見渡して見つけたのは、先程キンさんが地面に突き刺していったパワーブレードである。

 

嬉々として地面からパワーブレードを引き抜いたモモさんは、上機嫌で行くぜ!と叫びながら、ホルダー達に突貫して行く。

 

もはや、やりたい放題だよこの人達……

 

しかしここで戦いの空気は様変わりする事となる。

 

「貴様ら……舐めるのも対外にしろ!!!」

 

ネガ電王は怒りの咆哮を上げると手にしていた琥珀を砕き、中にあった封印の鍵を取り出した。

 

そして三つの鍵が揃ったその時、上空と三つの鍵を結ぶ様に、光の柱が現れて、三つの鍵はその光の柱へと吸い込まれて行く。

 

変化はそれで終わりという事は無かった。

 

いや、始まっても居なかったのだろう。

 

夕方とは言え、まだ太陽が出ている筈なのに、辺り一面に影が生まれる。

 

モモさんが空を見上げる事で、俺の視界にもその光景が飛び込んできた。

 

「何だありゃあ……」

 

思わずそう呟くモモさん。

 

その気持ちは俺にも良く分かる。

 

突如あんなものが、上空に現れれば、誰だって似た様な呟きを漏らしてしまうだろう。

 

上空には巨大な大陸が浮いていたのである。

 

その上部と下部には、巨大なクリスタルが填め込まれており、その周りには何かの建造物が乱立していた。

 

「はははは!!!これだ!!!これこそが俺の夢!!!これさえあれば最強の悪の組織を作れる!!!全世界を……いや、全宇宙を支配する事も可能だ!!!!」

 

封印の鍵によって、呼び出された大陸を見ながら、ネガ電王が歓喜の叫びを上げた。

 

すると突如俺達の頭上に出現した大陸のクリスタルが輝き始める。

 

その輝きは稲妻の様な姿となって、ネガ電王に直撃した。

 

何が起こったのか、最初は分からなかったが、光を受けたネガ電王の姿を見た事で、とんでもない事が起こっているのだという事を、無理やりにでも自覚させられてしまう。

 

ネガ電王のボディーに更なる追加装甲が足されて行く。

 

その装甲は、クライマックスフォームの電王に酷似している。

 

強いて言うのであれば、その姿はクライマックスネガ電王と呼ぶのが、最も相応しいかも知れない。

 

「人の格好を真似てんじゃねえぞ!」

 

「むん!」

 

パワーブレードを構えながら、その姿を変えたネガ電王に突っ込む、俺に憑いているモモさんとウイングフォームの電王。

 

しかし二人の攻撃は、ネガ電王に届く事は無かった。

 

近付く二人の仮面ライダーに対し、その両腕を向けると、その手から稲妻の様な光が発生し、二人に直撃する。

 

その衝撃により吹き飛ばされてしまい、モモさんとジークさんは、半ば強制的に俺と良太郎君の中から、弾き出されてしまった。

 

だがネガ電王の攻撃はそれだけで終わる事無く、未だダメージで立ち上がれない俺達に対し、先程の稲妻を容赦無く放って来る。

 

『危ない!!!』

 

そこに俺達の身の危険を真っ先に感じたのか、分身体を操るメカ犬が割って入り、稲妻の直撃を喰らってしまう。

 

分身体は、そのダメージに耐え切れず消し飛ぶ。

 

「メカ犬!?」

 

『ワタシは大丈夫だマスター。しかし分身体を一撃で吹き飛ばすとは、相当なパワーだぞ』

 

一瞬メカ犬自身がやられてしまったのではと思ったが、ベルトから聞こえて来た事で、分身体を操ってるのは、遠隔操作をしているだけだったという事を思い出す。

 

如何やらメカ犬自身は無事だった様なので、安心したが、現状ピンチなのには変わり無い。

 

「ちょっと良いですか~!!!」

 

「箱が貴方に話があるそうなんですけど~!!!」

 

この状況を如何切り抜けるべきか、必死に考えていたその時、デンライナーの停車している方向から、ナオミさんと長谷川さんが、大きな声で叫びながら、此方に走ってくる。

 

この非常時に何の用事だと思うが、そう言えばナオミさんが、叫びながら箱が俺に用があると言っていたのを思い出す。

 

何故に箱?

 

俺の目の前までやって来た二人は、荒い息を整えてから改めて俺に用件を伝える。

 

「えっとですね。純君から預かっていた箱が、突然動き出したと思ったら、兎に角連れて行けって喋りだしたんですよ!」

 

ナオミさんが、早口にそう告げる。

 

「これです。あの所で、何故男の子の荷物を仮面ライダーさんが?」

 

次に長谷川さんがそう言いながら、俺に箱を差し出してきた。

 

如何やら長谷川さんの中では、板橋純と仮面ライダーが別人と思われている様なのだが、今はそんな事に構っている暇は無い。

 

渡された箱は、ロサンゼルスに居る恵理さんから送られて来た荷物だった。

 

しかも中で何かが動いている様で、箱自体が激しく動いている。

 

しかも二人の言葉を信じるのであれば、この中に入っている何かは言葉を喋るらしい。

 

『兎に角開けてみた方が良いのではないか?マスター』

 

「そうだな」

 

メカ犬の助言を聞き、俺は躊躇いながらも、箱を開封して、中身を確認してみた。

 

『あ!あなたがボクのマスターですね?』

 

中に入っていた物は俺の視線に気付くと、そんな言葉を発した。

 

箱の中に入っていたのは、メカ犬の半分程の大きさで、メタリックレッドが眩しく光る、ティラノザウルス型のオモチャという感じだった。

 

だがこれがオモチャでない事は、良く分かる。

 

それと言うのも……

 

『いや~長旅のせいか、すっかり寝てしまいましてね。ロサンゼルスで恵理さんにお世話になってから、ずっと箱の中で参ってしまいましたよ。あ!良く見たら今のマスターの姿って、例の仮面ライダーって奴ですか!生で見た方がカッコいいですね!バディ先輩……マスターはメカ犬と呼んでいるんでしたね?マスターの世界に送られてくる前から、博士と一緒に良く画像データで見てましたよ!それにですね「ちょっとストップ!!!」はい?』

 

このメカ恐竜は、アリシアちゃん以上のマシンガントークで喋り捲くる。

 

何処かの芸人並に喋るこいつが、ただのオモチャなのだと、誰が思うだろうか?

 

あまりに一方的に喋りまくるので、思わずストップをかけてしまったが、後で聞いておきたい事は山ほどある。

 

『あの……マスター。詳しい話は後にするとして、今は大変ピンチなのではないですか?』

 

箱から飛び出てきたこのメカ恐竜を如何するべきか、俺が思案し始めたその時、再びメタリックレッドの恐竜が話しかけてきた。

 

「分かるのか?」

 

俺は思わずそう返事を返す。

 

『はい!ボクは全シリーズ中でも、高い感知能力を持っていますから!』

 

そう言って、胸を張るメカ恐竜。

 

『ワタシを先輩と呼ぶと言う事は、まさか……』

 

『そうです!ボクは博士に作られました。マスター達を補助する為に送られて来た増援です』

 

メカ犬の言葉に肯定の返事を返したメカ恐竜は、続け様に俺に言う。

 

『だからボクを使って下さいマスター!』

 

「お前を使う?」

 

『そうです!ボクは今までのマスターの戦闘データを元に、強化及び最適化を目的として作られましたから!』

 

詳しい話は現時点で理解し難いが、つまりこのメカ恐竜を使えば、あのデタラメな強さを誇るネガ電王と対等に戦えるって事か?

 

俺は如何するべきか考えながら、一度ネガ電王に視線を移す。

 

現在はゼロノスとNEW電王が、戦ってくれているが、戦況は芳しくない。

 

「……分かった!お前の言葉信じるぞ!!!」

 

『任せてください!!!』

 

俺は覚悟を決めて、メカ恐竜……この言い方だと長くて呼び難いから、メカ竜で良いか。

 

メカ竜に共に戦う決意を伝えた。

 

『それではまずタッチノートを出してください』

 

俺はメカ犬の指示に従い、タッチノートをバックルから引き抜き開く。

 

すると、メカ竜が赤いポインターライトの様な光を口から吐き出して、タッチノートに照射する。

 

何をしているのかと思い、タッチノートの項目を見てみると、画面に見た事の無い項目が追加されていた。

 

「ガイアシステム?」

 

突然現れた項目には、そう書かれていたので俺はその項目を読みあげて見た。

 

『その項目部分を直接タッチして下さい』

 

「ああ」

 

俺は言われるがままに、項目部分をタッチする。

 

『スタンディングモード』

 

タッチノートから音声が流れ、メカ竜の姿が変化していく。

 

手足が収納され、首の部分も斜めに曲がり、丁度手の平に収まるサイズになってしまった。

 

『続いてベルトの左側をスライドさせて下さい』

 

フォルムチェンジの要領で実行してみると、右側がフォルムチェンジのボタンがあるのに対して、此方は何かの差込口の様な穴が開いていた。

 

良く見れば変形したメカ竜の背中部分には、丁度差込口に入りそうな、突起が設けられている。

 

『タッチノートをバックルに差し込んだ後、ボクを左側の穴に差し込んで下さい』

 

メカ竜の言葉で、やはりそうなのかと思い至った俺は、タッチノートをバックルに差込み、変形したメカ竜をベルトの左側に差し込んだ。

 

『ベーシック・ガイア』

 

差し込むと同時に音声が流れて、俺の全身に変化が生じる。

 

メタルブラックのボディーにメタルレッドの追加装甲がされていく。

 

それと同時に、今まで以上に力が漲るのを感じた。

 

「これが強化なのか?」

 

俺は自身の姿を確認しながら呟く。

 

傍で見ていたナオミさんが、手鏡を貸してくれたので、マジマジと見てみると、何処と無くメカ竜の姿が反映されている事が分かった。

 

ちなみに長谷川さんは、俺の変化を見て、またしても気絶していた。

 

何度気絶すれば気が済むのだろうかこの人は?

 

気絶した長谷川さんをナオミさんに任せて、俺はネガ電王を見据える。

 

「それじゃあ行くか!メカ犬!メカ竜!」

 

『うむ!』

 

『はい!』

 

俺はこの土壇場で現れた、新たな仲間と共に、再び戦線に復帰する。

 

「僕達も行くよ皆!!!」

 

漸くダメージが抜け切ったのか、ジークさんが弾き出された事で、プラットフォームに戻ってしまった電王が、赤い携帯電話の様な物、ケータロスを取り出しボタンを押していく。

 

「よっしゃ!」

 

「そうだね」

 

「任しとき!」

 

「イェイ」

 

「私もか?」

 

その言葉を聞き、イマジン達が各々答えを返す。

 

『モモ・ウラ・キン・リュウ・クライマックスフォーム』

 

ケータロスを操作して流れる音声と共に、電王はベルトにケータロスを取り付ける。

 

「てんこ盛りで行くぜぇ!!!」

 

モモさんがそう叫びながら、電王に飛び込み、他のイマジン達も、次々に飛び込んでいく。

 

「何故その道具は、私の名を呼ばないのだ?」

 

若干一名、余分に入った気もするが、あまり気にしない方が良さそうである。

 

顔、両肩、胸に其々のフォームの仮面が装着されて行き、最後には背中にも一際大きな仮面が装着された。

 

この姿こそが、電王が誇る最強の姿。

 

超・クライマックスフォーム!の筈なのだが……

 

「またテメエか鳥!?」

 

「重い……狭い……苦しい」

 

「もう定員一杯やろ!?」

 

「ちょっとキンちゃん、もう少し詰めてくれないかな」

 

「お供達よ。何故あの道具は私の名前だけは呼ばないのだ!?」

 

「皆!真面目に戦おうよ……」

 

このフォームはなる度に、大変そうだな……いや本当に。

 

「兎に角今はこれで行こう!!!」

 

如何やら話が纏まった様で、俺の隣に並び立つ電王。

 

俺達は共に走り出し、ネガ電王に攻撃を仕掛ける。

 

ゼロノスとNEW電王を、退けて俺達に稲妻を浴びせるネガ電王だが、俺達は構わず走り抜けてその拳を叩き込む。

 

数発の拳を叩き込んだ後、俺と電王は、同時に蹴りを叩き込み、ネガ電王を後方に吹き飛ばす。

 

『決めましょうマスター!』

 

「ああ!!!」

 

メカ竜の言葉に俺が返事を返すと、俺の視界にウインドウが表示され、説明文が流れ出す。

 

俺はその指示に従い、行動を開始する。

 

左腰に差し込まれているメカ竜の本体部分の首は、レバーになっており、俺はそのレバーを下に引く。

 

『マックスチャージ』

 

音声が流れると同時に、光が足に集約され、その上四体の分身が生成される。

 

四体の分身体は、俺の後方に一列に並び、一番後ろの分身から、順次高く飛び上がって行く。

 

一番後方の分身体が、前に居る分身体の背中に蹴り込むと、その分身がその蹴りにより加速した状態で、更に前の分身に数珠繋ぎに蹴りを叩き込む。

 

そして最後に、一番前に居た俺の背中に分身の蹴りが叩き込まれる事により、俺は通常では不可能な速度の蹴りを、ネガ電王に喰らわせる。

 

「があ!?」

 

それを受けて、相当のダメージを受けたのは確実だろうが、当然これで終わりな訳が無い。

 

『チャージ&アップ』

 

俺の耳にはその音声が流れ込む。

 

そして、背中からエネルギーで生成した翼をはためかせ、大空に飛び上がった電王が必殺の蹴りで追撃する。

 

「うをおおおおおおおお!!!!」

 

気合の雄叫びと共に繰り出された蹴りを、まともに喰らったネガ電王は、己の野心を叫ぶ。

 

「俺は絶対に負けんぞ!必ず最強の悪の組織をおおおお!!!!!!!!」

 

その叫びを最後に、大きな爆発を起こすネガ電王。

 

跡形も無く吹き飛んだ様を見て、終わったのだと感じたその時、上空で整然としていた、大陸に異常が起きた。

 

突如として大陸の巨大なクリスタルが輝き始めると、付近を稲妻が無差別に襲う。

 

その稲妻は俺達のすぐ近くにも舞い落ち、その衝撃をまともに喰らった俺達は変身が解除されてしまう。

 

俺は何とか立ち上がり、突如起こったこの非常事態に対して、疑問を口にする。

 

「一体何が起こってるんだ!?」

 

「使用者がいなくなった事で、暴走を引き起こしたんだ」

 

その疑問に答えたのは、同じく横で立ち上がった侑斗さんである。

 

「暴走って、一体如何すれば……」

 

続いて立ち上がった良太郎君が、俺がしようとしていた質問を侑斗さんにした。

 

「あれだ」

 

侑斗さんは、上空に浮かぶ大陸の中央に建つクリスタルを指差す。

 

「封印の鍵は、あの街全体にエネルギーを供給する為の、装置を始動させる起動キーでもあるんだ。其処に直接強い衝撃を叩き込めば、この暴走を止められるかもしれない」

 

如何やらその装置が、あのクリスタルの内部にあるらしい。

 

「それじゃあデンライナーで「ああああ!!!俺のバイクが!?」

 

良太郎君の声を遮り聞こえてきたのは、悲痛なモモさんの叫びだった。

 

何事かと思い、視線を向けると、其処にあるのは中破してボロボロとなったデンバード。

 

そう言えば、最初に助けに入った際、ネガ電王に壊されてたんだった。

 

確かデンバードが無いと、デンライナーって動かないんじゃ……

 

『それってアタシじゃ駄目なのかしら?』

 

薄っすらと絶望感が漂うこの場の空気を払拭したのは、今までその存在をすっかり忘れてしまっていた馴染み深い声だった。

 

オッサンボイスな乙女口調の新宿二丁目ライダーバイク……その名も!

 

「チェイサーさん!!!」

 

俺にはこの時のチェイサーさんの声が、オッサンボイスではあるが、天使の囁きの様に聞こえた気がした。

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