今回はちょっとした幕間のお話。もしくは繋ぎ。
・響専用セコム『サキ』
「ひぅっ、やめて!」
「うるさいわね!あんたさえいなければ!」
響の通う中学校の校舎裏にて今日も今日とていじめが行われていた。理由は簡単、ライブで生き残ったから。
お前が生きて何で将来有望な先輩が死んだんだ。お前が先輩を踏んで逃げたんだろ。そんな罵詈雑言という名の勝手な推測によって殴る蹴るや私物に落書きされるなど、そういった行為は日常的だった。
「大体、あんたは何で生き延びてヘラヘラ笑ってんの⁉︎他の死んだ人に申し訳ないと思わないの?」
「ぐぅっ!や、やめて...........」
「このっ...............‼︎」
そして、少女が手を振り上げた時だった、そいつはやって来た。
「ファイナルアタックライドオオオオオ‼︎」
「「⁉︎」」
そいつは綺麗なフォームでダッシュしながら、手を振り上げた女に近づくと思いっきり叫びながらドロップキックをかました。
「ディメンションキィィィック‼︎」
「ごぶぁっ⁉︎」
彼女の名は、方波見沙樹。後の渾名を『響専用セコム』と呼ばれる少女兼装者モドキである。
ぶっ飛ばされてノックアウトされてしまった少女の代わりに、取り巻きの少女が沙樹に吠えた。
「な、何すんのよ!こいつが何やったか分かってんの⁉︎」
「ああ!分かってるとも!そいつはなぁ!ライブで命がけで逃げ延びただけの女だ!それが何か悪いのかァ⁉︎」
「悪いわよ!何でこいつが生き延びて、先輩が死ななくちゃ」
「知るかアアアアアア‼︎バーニングディバイドォォォ‼︎」
「ぐぼぉ!」
取り巻きがうるさかったので、取り敢えずそいつもノックアウトさせると、別の取り巻きに目を向けた。すると恐れを成したのか、青ざめながら逃げていった。
そして沙樹は、一仕事終えたと言わんばかりに汗を拭うと響に向き直って手を差し伸べた。
「大丈夫だった?響。」
「う、うん大丈夫だったけど..............」
「いやー助けに行こうと思ったら変な男共に囲まれちゃって。片っ端から殴ってたら助けるのが遅れちゃった!ごめん!」
「それは、良いんだけど............ちょっと、やりすぎじゃ...........?」
「そうかな?でもね、響。響はもっと堂々としていてもいいと思う。」
「そ、そうなのかなぁ..........。」
「そうだよ!だって響は何も悪くないんだから!だからあんな言い掛かりを真に受けなくたっていいんだよ!」
「それは、でも」
「ほら、ごちゃごちゃ言うよりも、今日はふらわーに行こう!旨い物食べて頭スッキリさせれば何とかなるって!」
「................うんッ!」
そのまま2人は、笑い合いながら学校を後にした。これは、そんな仲のいい少女達のちょっとした日常。
因みに後日、沙樹は先生に叱られたらしい。
・守る為に。
「オオォラァッ!どけェッ!」
大きな声と共に黒い塵が大量に舞っていく。あの鋼の騎士の日以来、沙樹は出てくるノイズを皆殺しにしていた。
理由は簡単、今は亡き装者の奏の代わりと翼のメンタルが安定するまでは、取り敢えず戦力は多いに越した事は無いだろうという考えだった。
まあ実際は、沙樹のギア擬きの研究と対ノイズ戦闘の訓練を兼ねてやる為に来てるというのが本音だが。
「せいッ!だらあああッ!」
そんな彼女は今、右手に鉄棍、そしてもう片方の手には、2m程の曲がりくねったガードレールが握られており、その二双によってノイズは片っ端から消えていっていた。
「ラァストォ!」
そして残り少なくなってきた時、沙樹はガードレールを投げると回転しながらノイズを切り裂き、やがて自販機に刺さって止まった。
「フゥッ........すぅ、はぁ....。」
深く呼吸しながら辺りを見渡すと、塵がそこら中に散らばっており、一部は風に吹かれて何処かへ飛んでいった。
「まだ、原作に出てこない敵が来るかもしれない。ならもっと、強く、ならなくちゃなぁ。」
ポロッと溢れた独り言は、塵と共に虚空へと消えていった。
ちょっと本編にギャグが少なかったので、ふざけるならここしか無いと思いました。因みに私はブレイドが好きです。