学校が始まってから生活リズムを治すのがつらいんじゃ。あとレポートめんどい。
さて、今回から原作開始です。なんとなく自分の中で無印のOPはP4より、『Pursuing My True Self』だと思ってます。
原作って、何日に始まるっけ?
やべえ、何日だっけ。と思う今日このごろ。
「ッスー、いつだっけなぁ..........。」
どうすっかな、と頭をポリポリ掻きながら呟くと窓の外を眺めるのは、装者擬きの少女こと、方波見沙樹。
「(最近、ノイズも増えてきたけどなぁ、これも原作が近づいてるって事なのかな?)」
そのまま、くあっと小さな欠伸をするとシャーペンをクルクルと回し始めた。
4月、それは出会いと別れの季節。今年にリディアン女学院に入学した響と沙樹は、晴れてリディアンの生徒として青春を謳歌する権利を得たのだった。
正直、沙樹は最初に響が仲良くなれるか不安だったが、今では原作通りの友達とも仲良くなれていたみたいで、よかったと胸を撫で下ろしたのがつい最近のこと。
ただなぁ...........。
「響、遅いな...........もう二時限目だぞ...............?」
彼女、想像以上に人助けの癖がすごい。原作通りのペースで人助けしてるのだろう。それにしては些か多すぎやしないだろうか。最低でも一週間に一回は遅刻する。理由は勿論、人助け。
「やっぱ多いよな.........。」
「何が多いのですか?」
「あぁいや、響ってなんで遅刻が、おお、い.......。」
沙樹は、窓の外を眺めながら物思いに耽っていたせいか、目の前に先生が来ていた事に気が付かなかった。
先生はいかにも怒ってないような顔をしているが、目が笑ってなかった。よく見たら目がピクピク動いてるし多分かなりキレてるなこれ。
額にうっすらと汗が出るが、何とか笑顔を取り繕いながら先生の方へ顔を向けた。そして、弁明の為に口を開いた。
「ハハハ.......えーと、そんな怖そうな顔しないでください..........ホラ、婚期、逃す.....」
「方波見さんッ!」
「すいませんでしたッ‼︎」
速攻で腰を90度直角に折った。やっぱりアニメよりも実物で見ると迫力が違う。この人もOTONAの一種なのだろうか。
「まったく、まあまだ入学した直後でしょう、そうやって考え事するのはわかります。ですが!その減らず口は治しなさい!」
「はぃっ!分かりました!」
クラスメイトは、腰を直角に曲げたまま謝る沙樹を見て、クスクスと笑っていた。中には少し心配してるような声もあったが、あんまり気にしない................おい待て板場ァ!『確かに』じゃねえぞお前!そんな減らず口言わねぇんだよ俺は!
先生が教壇に戻り黒板に向いてチョークを手に持った瞬間、教室のドアが音を立てずに開いた。
「よーし、バレてないバレてない...........。」
そしてひょっこりと茶色のショートヘアーを揺らしながら響が入ってきた。
「やっと来たの?ほら早くこっちに。」
「いやー、また人助けしてたら遅くなっちゃってさ。」
手招きして響に早く座らせようとすると、響は困ったように笑いながらそそくさと音を立てずに隣に座った。響はどこで被ったのか制服に木の葉と少しの泥がついていた。
因みに、座席の位置は原作とほぼ同じで沙樹は未来の場所に座っている。
沙樹はコソコソと小さな声で響に話しかけた。
「また人助け?その精神はいいんだけど程々にしないと痛い目見るよ?」
「そうなんだけど........その、勝手に体が動いて................えへへへ。」
「まったく................ん?」
ふと響のスクールバッグを見ると少しだけうねっているように見えた。というかなんかすごいベコベコとうねってる。しかもバッグもなんかガタガタ動いてないかアレ。
「響、そのバッグは?」
「え、いや〜その、ちょっと訳がありまして.........。」
頬を掻きながら視線を泳がせる響。
これ絶対なんか入ってるって、ほらもう動きがさっきよりもドタバタいってるんだけど。
「正直に言って、響。あの中身なに?」
「えーと、その..........それは」
「ニャ-ン」
「え?」
「あっ」
突如可愛らしい鳴き声がして教室が一瞬で静まり返った。沙樹は速攻で俯いて教科書を読むふりをして、関係ないアピールをし始めた。響は大量の脂汗をかき、目は平泳ぎを始めた。
そして、ゆっくりとチョークを置いて振り向いた先生は、仏のような笑みを浮かべながらもその瞳の奥に鬼を宿していた。
「立花さん?こんにちは、いつ来たのですか?」
「こ、こんにちは!えーっと、さっき来ました!あはは.........。」
「それで、今の鳴き声はなんでしょうか?」
「なんのことか、ちょっと........」
「分かりました。ではその激しく動いてるバッグはなんでしょうか?」
「................。」
響は、そっとバッグを机の上に置くとゆっくりとジッパーを開いた。すると中から子猫が顔を出して、そのまま体も出して机の上に移動すると、毛繕いを始めた。
『................................。』
その様子に教室全体が無言になる。先生は鬼から阿修羅へ進化しており、響は顔を真っ青にして脂汗の量を増やした。沙樹は全力で影を薄くした。
やがて、先生が口を開いた。
「立花さん?」
「ハッハイ!」
「何か言うことは?」
「あああの、この猫が木の上で降りれなさそうにしてて!」
「................それで?」
「お腹を空かせてるんじゃないかと................。」
「ああもう立花さんッ!猫は用務員さんに預けてきますからあなたは席に座ってなさいッ!」
「す、すみませ〜んッ!」
沙樹は俯いたまま、ため息を溢してもう一度窓の外を見た。
今日はよく晴れた快晴だ。
夕焼けが部屋に影を作る頃。響と同室の沙樹はゆったりと寛いでおり、スマホで記事を読む沙樹の肩に響がもたれかかってきた。
「いやー、今日は色々ありすぎてクライマックスが100連発気分だよ〜。私って呪われてるかも〜。」
「響のドジと人助け、今日も凄かったね。まあ、先生に怒られたのは自業自得だね。」
「まあね!人助けは私の趣味だからね!」
「なんでそんな誇らしそうなのさ..........大体ね、同じクラスメイトに教科書貸す?度が過ぎてないかい?」
「私は沙樹から見せてもらうからいいんだよ。同じ病院で会った仲なんだしさ〜。」
「ハァ......まったく。」
なんだか呆れてきて、またスマホに目を向けるとあるニュースの見出しが大きく映った。
『風鳴翼、ニューアルバム発売!』
何処かぎこちない笑みを浮かべながら、煌びやかな衣装を身に纏った翼の写真と共にCDの曲のリストが書かれていた。
最近、翼の写真などを見るとちょっと億劫な気持ちになってきた。理由としては、会うたびに二課に来いと言われ、拒否したら斬りかかってくる。
まあ実際それが義務だろうし、拒否したら無理にでも連れてこようとするのはまだ分かるのだが、最近だと捕まえる前に殺しに来てる。この間はノイズを一掃した後に横からいきなり斬ろうとして来た。因みにその時は鉄棍で殴り飛ばした。
そんな事もあり、どうも苦手なのだ。下手すれば今度見つけられたら背中から斬られるかもしれない。そう考えたら身震いがした。
記事に顔を顰めていると、響が身を乗り出して沙樹のスマホを覗いた。
「あっ、それ翼さんのCD発売の⁉︎格好いいなぁ〜、しかも特典付き⁉︎って沙樹、すごい顔してるよ?」
「ん、ああ。いや、ちょっと思い出し恐怖をね..........。」
「なにそれ⁉︎翼さんと何かあったの⁉︎」
「別に無いよ?ただ背中から刺される位には恨みがあるだけで.........。」
「本当に何があったの⁉︎」
「まあそれはともかく。」
「ともかくじゃ無いよ⁉︎」
「響もすごいよね、翼さんのことすごい好きじゃん。てか翼さん目当てでリディアンに進学するって言ってたよね。」
「でもまだ一度も会えて無いんだよね〜。トップアーティストだし簡単に会えるとは思ってないけどさ。」
「その内会えるんじゃない?チャンスはあるさ。」
「ありがとう、沙樹。あ〜早く会ってみたいなぁ。」
「会えるといいねぇ............ッと、やばい、そろそろバイトだ。行ってくるよ。」
「あ、そろそろ?いってらっしゃい!沙樹!」
「うん、行ってきます。響。あ、夜は向こうで賄い食べてくるからそっちで食べててね。」
「は〜い!」
そう言って沙樹はドアを開けるとバイト先へと駆け出して行った。ごく僅かに、沙樹の体からは黒い霧がうっすらと出ていた。
月が登った頃。木に囲まれた所で大量の弾丸が飛び交っていた。
「撃てッ!」
「弾が当たらないッ⁉︎これも位相差障壁とでもいうのかッ⁉︎」
自衛隊員がアサルトライフルを構え弾を放つが、ノイズからすればゴミですらない。ノイズに当たった弾はすり抜け、何処かへと飛んでいく。このままではやられる。そう思った時、ダンッ、と後ろから音がした。
各隊員も驚いて、銃撃をやめて後ろを振り向いた。するとそこには、『何重にもブレた黒いナニカ』が装甲車の上に立っていた。
「あ、あれは」
「ノイズか⁉︎」
「いや、違う!『アンノウン』だッ‼︎銃を向けるな‼︎」
比較的新しい隊員は銃を構え、以前から『アンノウン』を知る隊員は銃を下げるように指示した。
「aaaaaarrrrrrrrrrrrrr!!!」
突如、アンノウンが吼えるとうなじの辺りからコードが生えてきて、近くの隊員のアサルトライフルや装甲車などに突き刺した。さらに、近くにあった装甲車のミサイルポッドを
「なにを⁉︎」
そして、奪ったアサルトライフルのストックを脇に挟み、ミサイルポッドを肩に担いでノイズの前に仁王立ちになると、叫んだ。
「ssssiiiiiiinnnnnneeeeee!!!」
それは合図。ノイズの処刑と一斉掃射を示した獣のような咆哮だった。
アンノウンの手にした火器はさっきとはまるで違い、ノイズを瞬く間に塵へと変えていく。中には恐怖のせいか足を止めるのも居たが、アンノウンには知ったこっちゃない。皆殺しあるのみだ。
やがて、全弾撃ち尽くすとその場に火器を乱雑に置いてアンノウンは近くの雑木林に駆け込んだ。
そして入れ替わるようにバイクの音と共に青髪の少女が飛び込んで来た。
「状況は⁉︎」
「........あ、ああ、さっきアンノウンが来てくれて殆どのノイズを倒したんだが...........まだ生き残りがいる!」
「了解。直ちに倒しますッ!」
そして青髪の装者こと、翼はアームドギアの刀を握りながら駆け出すと同時に、アンノウンに思い馳せた。
「(やはり、アンノウン................次こそは‼︎)」
翌日の昼下がり、食堂にて沙樹と響は一緒に昼食を食べていた。するとスマホを見ていた響が驚いたように小さな声を上げた。
「あ、沙樹、昨日この近くでノイズが出たんだって!それで『黒騎士』が助けたらしいよ!」
「本当?なら気をつけないとね。」
まぁ俺なんだけどな!という言葉は胸の内に押し留めておく。やっぱり昨日の事はニュースになっており、そこで大々的に『黒騎士』ことギアを纏った俺が映っていた。
ここまで知れ渡ったのはあの鋼の騎士との一件のせいだった。あのショッピングモールで暴れたのが知名度を上げる原因となった。
さらに、他の騎士を探しがてらノイズを倒していたら知らないところで助けられていた一般市民が『真っ黒な騎士が助けてくれた。』と答えたことにより、ノイズに対抗しうる謎の人物としてかなり有名になった。
だが、ここから予想外だったのは何処か途中で二課が情報統制でもするのかと思ったら、なんと派手に脚色しながら俺の存在を広めたのだ。さらに政府も『黒騎士くん政府に出頭して?』みたいな声明を出しやがった。誰が出頭するかボケ。
これからはちょっと出張るの控えようかなぁ、と考えながら米を口へ運ぶと、ふと気になった事を聞いてみた。
「そういえば響?」
「なに?」
「昨日言ってた翼さんのCD特典って何が入ってるの?」
「特典?確か、本人のサインとブロマイドだったかなぁ。」
「サインにブロマイドか。それはいいねぇ、売ったら高く売れそう。」
「て、転売⁉︎駄目だよ⁉︎」
「ハハ、冗談冗談。サキハウソツカナイ。」
「思いっきり嘘つきそうな声だったよ⁉︎」
二人で冗談を言い合っていると、食堂がザワついてきた。少し大声で喋り過ぎたかと思ったが違うようだ。じゃあ一体、と周りを見渡すと見覚えのある青い髪が視界に映った。
「みて.....風鳴翼よ.......。」
「本物だ!」
「芸能人オーラ出まくりで近寄りがたくて.........。」
「孤高の歌姫ね................。」
周りの生徒が口々にやんやと騒ぎ立てるが、当の本人は一切気にする様子もなく、歩いていた。
やっぱりこの時期はツンケンしてるなぁ、と思っていたらいきなり響が席を離れて翼に駆け寄って行った。しかも口に米粒を付けたまま。
あいつよくあんな格好で行くよなぁ。と考えながら見ていたらふと、既視感を覚えた。
そういえば
「 あれ、これ原作一話の流れじゃね?」
思わず口に出してしまったが、近くに誰も座ってないようで誰かに聞かれてなくてよかったと一息ついた。
そして、案の定翼に注意された響はすごすごとこっちに戻ってきた。
「うぅ〜、絶対翼さんに変な子だと思われたよ〜。」
「まぁ間違ってないしいいんじゃない?................プフッ」
「笑わないでよ〜!あー!私やっぱり呪われてる〜‼︎」
沙樹は響のいつもの口癖に軽く笑いながら、薄く目を細めた。
そして同時期。
ヒュルリ、と季節外れの枯れ葉が目の前を通り過ぎた。その様子を廃ビルの屋上で見つめる者が居た。
金属の擦れる音を青空の下に響かせながら、縁のギリギリのところに立ち町行く人々を見据えた。それは、女、少年、大男、老人、様々な人間を品定めするように。
ふと足元に違和感を感じ、見てみるとそこには干からびた人間のようなものが、縋るように足首を掴んでいた。
「................。」
ソレは、無言で剣を抜くと干からびた人間に突き刺した。すると刺された人間は小さく悲鳴を漏らすと、粒子のように溶けていき消え去った。
そして、もう一度ソレは町行く人々を一瞥すると屋上の中心まで歩き、そこに立ち尽くした。
どれくらいか経った頃、逆光になって飛翔してくる物体があった。ソレは物体を確認すると静かに目を閉じて、その時を待った。
目を閉じた刹那、体に浮遊感が襲いかかり上に引っ張られる感覚がした。改めて、目を開いて自身を持ち上げた物体を確認すると、そこにいたのは
鴉はソレの肩に爪を食い込ませながら運んでおり、鴉もソレもいつもの事だと慣れていた。
運ばれている最中、ソレはあるものを見つけた。
茶髪の女子と仲良く話している、黒髪の少女。彼女こそ同胞を二度も退けた新たな強者。或いは、濁流に逆らわんとする異端者。
「 髱「逋ス縺昴≧縺倥c縺ェ縺?°縲」
ソレはフッとまた目を閉じて、揺られる感覚に身を任せた。
次は戦闘にする予定。