以外と早く書けました。
主人公はイカれています。色んな意味で。
あと、時系列的に少しおかしいところがあるかもしれませんが、許してくだせぇ...........なんでもしやすから(なんでもするとは言ってない)
やはりこの世界はクソッタレ。そう言わざるを得ない。
「まさか、クラスメイトの半分が死ぬとは...........。」
あのボランティアの一件で様々な人が亡くなった。その中には、泰永もその内の一名となっていた。
「そして俺は病院送り..........かぁ。前は入院したことも無かったけどなぁ............ハァ。」
あの騎士との戦闘で、どうやら脇腹をザックリされたらしく、後遺症は残らないものの傷痕は出来たらしい。それもそこそこ大きめの奴だった。まぁ沙樹にとっては生きてりゃOKぐらいの考えだったので、あまり気にも留めなかった。
「そういえば、あのシンフォギアっぽいのってあれバサスロットの奴だよな?」
FGO。前世のスマホゲームで、一言で表すと偉人や英雄と共に世界を救う話だった。あの時、自分はその中のキャラクターの一人によく似ていた。
その名がランスロット、もしくはバサスロット。騎士なのに銃や戦闘機を操り、狂った声を上げる姿はまさしく
バサスロットには能力があった。それが何でも武器として扱える能力、「騎士は徒手にて死せず」。文字通り、棒切れだろうが石ころだろうが十全に扱えるようになるもの。
もし仮にそれが自分の物になっていたのだとしたら、木の棒がノイズに通用したのも納得がいく。
しかし、引っかかることが幾つかあった。それが自分の剣とあの黒い騎士だった。
「あの騎士...........見たことが無いんだよなあ。あんなのFGOにいたっけ?」
そう、あの騎士、まるで見たことが無かった。というか、まるで雰囲気が違う。ありふれた表現をするなら、まるで本から飛び出してきたかのような感じだった。
「うぅむ。これはやっぱり分からん。というかあの時必死で気にして無かったけど、あのアームドギアって
ゲームで見たのとは全然違う。向こうが装飾が施された長剣なのに対して、こっちは無骨な大剣だった。
そもそも、シンフォギアにおけるアームドギアは元の武器としての特性と装者の心象により形成される物、だった筈。実際、原作主人公は拳だったから恐らく、あの大剣も自分の心象が影響したのだろうか。
黒い騎士に関しては................駄目だ。情報が少なすぎる。取り敢えず覚えておくのは結構なやり手だった事ぐらいだろう。
色々考えたら眠くなってきた。取り敢えず寝ようかな................そういえばここってなんにもやる事無いし、結構暇だな。今度じいちゃんかばあちゃんに本でも買ってもらおうかな。
少し大きめの欠伸をすると、意識が段々と薄れてきて、遂には暗闇へと沈み込んだ。
それから数日後。
「はぁい、私が今日からアナタのカウンセリングすることになった、『櫻井了子』よ。よろしくね♪」
ふざけんな。死ねクソババア。
ある日、対ノイズ機関である『特異災害対策機動部』に一つの報告があった。
それが、ある山にノイズの反応とアウフヴァッヘン波形の反応があった事だ。通常、アウフヴァッヘン波形は聖遺物もしくはシンフォギアが起動した時の波形である事だ。
つまり、あの場に何かしらの聖遺物が起動したということを証明していた。
しかし、実際に山へ赴くとあるのは人の塵と怪我した子供達だけだった。この現状に、司令官である『風鳴 弦十朗』はため息をついた。
「はぁ、どうしたものか...........。」
そこへ、シンフォギア開発を手掛けてきた了子が司令室に入ってきた。
「どうかしたの、弦十朗君?」
「あぁ、了子くんか。この未知のアウフヴァッヘン波形について考えていたんだが、結局なにか分からなくってな。そっちでは何か分かったか?」
「こっちも全然よ。こっちに保管してある聖遺物との情報も全く一致しなかったわ。」
「そうか、ならば仕方ない。もう少し調査をしても分からなかったら、これを未確認聖遺物、『unknown』として正式な保護対象としよう。それと、この聖遺物を所持している人の保護も早急にしなくてはな。」
「ええ、そうね。正体不明の聖遺物なんて何があるか分からないものね。」
二人で頷きあっていると、ふと、弦十朗は思い出したように言った。
「そういえば了子くん。」
「何かしら?」
「カウンセリングの経験はあるか?」
「いえ、無いけど.......まさか、私に子供達のカウンセリングを?」
「あぁ。話が早くて助かる。病院のカウンセラーが人手不足でな。子供達と他愛の無い話でもいいから、面倒を見てほしいそうだ。」
「うーん...........。まぁやるだけやってみましょう。ついでに聞いてみましょうか。もしかしたら、あの現場で聖遺物を見た子供もいるかもしれないわね。」
「そうだな。だがあくまでも子供達の心の傷を和らげるのが最優先だ。無理に聞こうとするんじゃないぞ?」
「勿論よ。そこら辺の配慮は忘れないわ。」
そして後日。
「あっ、こんにちは。沙樹です。よろしくお願いします。」
そこに居たのは、
「じゃあ始めるわね。まずは 」
あー、死ね。本ッ当にふざけんな。何だってこのクソアマがカウンセリングなんかしてるんだ?お前は考古学者兼黒幕ダルォ⁉︎
「 聞いてる?」
「アッハイ、聞いてます。」
「無理しなくていいのよ?貴方だって辛かったでしょう?」
「えぇ、まあ。ハイ。でも、怪我も治ってきてるし、そんなにキツくも無いです。」
まあ片腹に剣をぶち込まれるのはキツかったかな!などという言葉は心の中に留めると、沙樹は話を聞くフリをしながら思考を巡らせた。
櫻井了子、彼女は一期のラスボスであり、恋する乙女。システムによる輪廻転生を繰り返し、世界を巻き込んででも最愛の人に会おうとした傍迷惑な女。それぐらいの認識だろうか。あとは並行世界では味方だったりもっとやばい奴だったり.............まぁ、一言で言うと『暴走乙女』とでも呼ぶべきか。
というか、なんでそんな女がここにいるんだよ。帰れよ、二課に。なんなら土に還れ。詫びいれてカディンギル解体しろよ。
などと心の中で呪詛を吐きまくりつつ、了子の話をはいはいと聞き流していると、不意に山で起こったことについて話し始めた。
「ところで、貴方はあの現場にいたようだけど何が変なものを見なかった?」
「変な物、ですか?」
「そうね、例えば何かしらの光を放ってたりだとか、ノイズじゃない物を見たりしなかったかしら?」
まずい、沙樹は内心舌打ちをするとどう説明したものかと考えた。実際、見たというか多分それ俺です。なんてラスボスに言える訳ない、拉致されて実験されるのがオチだ。かと言ってここで変に否定すれば何か目をつけられるのでは。
などと、ああでもないこうでもないと考えていると、いいアイデアが浮かんだ。いや、アイデアというよりは思いつきの方が正しかったかもしれない。
ここで、沙樹は少し考えるような素振りをすると思い出したように、あっと声を上げた。すると了子は目をかっ開いて身を乗り出した。
「何か見たの⁉︎」
「はい、あれもノイズか何かの一種だったのかわかりませんけども............」
「それでもいいわ!教えてちょうだい!」
「は、はい!えっと、こう、真っ黒な騎士のようでした。」
「騎士?」
「はい。」
そう、沙樹が思い付いたのはあの黒い騎士に丸投げ、というかスケープゴートであった。これも脇腹にくらった剣の仕返しでもあったりする。
「それ以外に特徴は?」
「ええと、大きな剣を持ってて、あと、盾も持ってました。それと、大きかったです。」
「ふむ、成程........これは調べる価値があるな。」
おい聞こえてんぞ。というかやっぱり正直に言ってたら何かしらの行為はするつもりだったんだろう。言わなくてよかった。
それから、少しのカウンセリングという名の尋問を受けてから了子は帰っていった。途中、小声でブツブツと何か言ってた事は聞こえなかったふりをした。
因みに、この責任転嫁を後悔することになるのは少し先の話。
草木も眠る頃。沙樹は一人で月を眺めていた。
なんというか、眠れなかったのだ。色々と身にありすぎて最近は不眠症になりつつある。謎の黒い騎士との戦闘、ラスボスの襲来にクラスメイトが亡くなったなんて、この数週間で起こった事とはとても思えない程濃密だった。
「ハァ.........ったく、どうしたもんかね。」
月明かりが差し込む病室に暗い声が木霊した。
正直なところ、シンフォギアを手に入れた事によって、パラドックスのようなものが起きてるんだろう。じゃないとあの黒い騎士についてなんの説明もつかない。なんなら、了子の反応からして恐らく計画になかった物だろう。
大いなる力には大いなる責任が伴う。前世で好きだった映画のセリフが、こんなにも実感させられる日が来るとは思っても無かった。また似たような敵が来るのなら俺が殺さないといけないだろう。仮に放置して原作崩壊なんてことになれば目も当てられない。
だからこそ、自分なりに身の振り方を考えた。それが
主人公達や、敵にも極力関わらず原作に居ないような敵を倒す、『第三勢力』になる事だ。
別にどの陣営からなんと言われようが大した事無い。原作は原作通りにあるべきで、それを一つでも流れを変えてしまうとまたそこから次々と流れが変わっていく。そして終いにはバッドエンドとかなったら俺は自害する。
いつしか読んだ、主人公が異世界に行って無双するような小説と違ってここは現実だ。転生特典みたいなのはあれども、無双なんて出来なかったのが黒い騎士との一戦で証明されていた。
「もっと、強くならなきゃな。」
そうこう考えている内に眠くなってきた。いそいそとベッドに潜って今にも寝ようとしたところで、窓の向こう側と目が合ったような気がした。
沙樹「なんだこいつ」
了子「なんだこいつ」
そんな話とこれからについて考える話でした。
ここからは多分ダイジェストになるかも。