原作通りにいかないけど、何とか頑張ってます。   作:ホルイゾ

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はい、特に言う事は無いので初投稿です。

今回はガチガチの戦闘回。

評価バーに色が付いていました!評価してくださった方々、本当にありがとうございます!これからも頑張ります!


追記
主人公のギアに間違った描写があったので訂正しました。



取り敢えず、こいつ潰すか。

 

 ある日、ライブの後処理に追われていた特異災害対策機動部二課、略して『特機部二』にアラームが鳴った。

 それは、ノイズを知らせる為ではなく、ある聖遺物を知らせる為に設置した特殊なアラームだった。

 アラームによって周りが騒がしくなった。コーヒーを飲んで一息ついていた二課の司令、弦十朗は急いでモニターを見ると、そこには『unknown』の文字が。

 

「状況は⁉︎」

 

「ノイズは出現しておらず、聖遺物の反応のみ............いや!聖遺物以外のエネルギー反応あり!」

 

 弦十郎の問いにオペレーターの一人、『藤尭 朔也』が答える。そして、もう一人のオペレーター、『友里 あおい』がキーボードを叩きながら叫んだ。

 

「映像、出ます‼︎」

 

 そして映し出されたのは    

 

 

 

    黒い騎士、だとぉッ⁉︎」

 

 そう、了子の報告にあった例の山で見かけたと言われている黒い騎士。所々の差異はあるものの、大概の情報は間違っていなかった。

 そんな黒い騎士が、鋼の巨体の騎士と戦っていた。この状況に一瞬の思慮を巡らすも、まずは民間人の避難が先だと思い直して指示を飛ばした。

 

「まずは民間人の避難が先だ!それと被害は⁉︎」

 

「殆どが避難していません!遠巻きに見ています!」

 

「被害は拡大しています!周りの建物を巻き込みながら戦闘をしているようで、中には死傷者も増えているようです!」

 

「くっ、一課に避難誘導をさせろ!それとメディア関係者がいたら報道規制を掛けろ!翼‼︎」

 

 ひとまず民間人に対する指示を出すと、二課の装者、『風鳴 翼』に通信を始めた。

 すると、かなり焦った様子で返事が帰ってきた。

 

「はい!現場に急行中です!」

 

「いいか翼!まずは民間人の避難が優先だ!それと例の黒い騎士には注意して接触するんだ!」

 

「はい。」

 

 通信が切れたところで、弦十郎も一旦ため息を吐いた。そして残りのコーヒーを一気に呷ってモニターを見つめた。

 

「最悪、俺が出なければならんかもな.........。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あるショッピングモールにて。

 

 ギャリギャリと音を立てながら金属が擦れ鳴り響く。それぞれの得物を振るう度に火花が散り、周りのコンクリートに傷を付けていった。

 黒い鎧を身に纏った沙樹は、鉄棍を突き出すとタワーシールドで防がれ、そのタワーシールドを持った鋼の騎士が剣を振り下ろすと、沙樹が横っ飛びに回避して避けられる。

 まさに一進一退の状況にあり、決定打が見つからない状況だったが、先に騎士が動いた。

 騎士が横薙ぎに剣を振るい、そこで沙樹は鉄棍で防ぐ。その瞬間だった、沙樹が防いだのを待ってたと言わんばかりに、タワーシールドが突き出され、沙樹はモロに衝撃を受けて吹っ飛んで地面を転がった。

 

「ガッ⁉︎」

 

 それを好機と見た騎士は、その巨体からは見合わないようなスピードで突っ込んでくると剣を突き出した。

 しかし、沙樹も負けてはいない。突き出された剣を上半身を捻って紙一重で躱すと、両手で騎士の腕を掴んで背負うようにして投げた。騎士にとっては、かなり近くまで接近されては盾も構えれず、どうしようも無かった。

 所謂、一本背負いとも呼ばれる技をくらった騎士はタイルを転がりながらも、地面に剣を刺して無理矢理止まった。両方の視線が兜越しに絡み合う。

 そして、その一連の流れを見た野次馬が歓声を上げながらてんやわんやと騒いでいた。

 

「(クソ、どうしてこうなった?)」

 

 それは少しだけ時を遡ること十数分前。一回響の家の前で戦っていたが、これでは響の家にも被害が及びかねないと沙樹は判断して、遠ざけるように誘導しながら戦っていた時のこと。

 あろうことか、沙樹は騎士の攻撃を受けてショッピングモールの窓ガラスに激突してしまい、追いかけてきた騎士もモール内に入ってきた為、そこで戦闘をせざるを得ない状況になった。

 さらに一部の客がドラマの撮影だのなんだのと騒ぎ立てたせいで他の客もそれを信じてしまっている。

 

「(正直、客なんざどうでもいいけど派手に暴れて死人が出ると厄介なことになる。)」

 

 こんなところで大量の死傷者を出したら、二課や政府に目をつけられて大変な事になりかねない。かと言って、場所を変えようにも野次馬に囲まれているせいで、無理矢理にも場所を変えようとすると巻き込まれる人は出るだろう。

 

チッ

 

 小さな声で舌打ちをしながら鉄棍を構えて駆け出す。今度は片手で構えて力を込める。すると、握った部分を中心に赤い筋が増えた。

 今度は沙樹の方から動き始めた。騎士に一瞬で肉薄すると、鉄棍を振り回し、突いて次々と攻撃する。これには、騎士も攻撃する暇も無くただタワーシールドでその連撃を防いでいた。

 沙樹はタワーシールドに眼前まで近づくと、タワーシールド上部の縁に左手を掛けて思いっきり跳び上がった。

 これには騎士も呆気に取られたが直ぐに剣で防ごうとした。しかしもう遅い。沙樹は手に持った鉄棍に、より一層力を込めて騎士の兜に振り下ろした。

 

死ねオラァッ!

 

 紅の残像を描きながら叩きつけた鉄棍は、兜にクリーンヒット。

 この一撃に騎士も兜も耐えられなかったのか、兜は少しへこんで、騎士は片膝をついて顔を俯かせた。

 騎士に膝をつかせた事で、野次馬も大盛り上がりしていた。

 

「ハァ.............ふぅ。」

 

 中々強かったなぁ、と思いながら沙樹は息を落ち着かせた。正直、疲れもあってその場で座り込みたかったが、せめてこの中から逃げてから一息つこうか。なんて考えてた時だった。

 

「皆さん!避難してください!」

 

 男の大きな掛け声と共に武装した男達が次々と入り込んで来た。あれはたしか、自衛隊、もしくは特異災害対策機動部の一課だった筈。なんか見たことあるなと思ったらそういう事か。

 

「ここは危険です!それにこれは撮影などではありません!避難してください!」

 

 本物の隊員の言葉に、流石にこれが本物の殺し合いだと分かったのか皆逃げるように避難していった。

 そして、黒服にサングラスを掛けた人達もやって来て、沙樹と騎士から少し離れたところから無線機を片手に何処かへと通信を始めた。おおよそ二課にでも連絡してるのかな、などと、ぼーっとしていたその時だった    

 

 

 

 

    歌が、聞こえた。風が切れそうな程鋭い歌が。

 

 

 

 

    Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

 

 

 

 次いで聞こえたのはモーター音。慌てて後ろを向くと、そこには無人のままこっちに向かってくるバイクと、高く飛んだ一流アーティストの片割れだった。

 

「ハァッ!」

 

「ッ‼︎」

 

 そのまま飛んだアーティスト、風鳴翼は刀のアームドギアを落下しながら振り下ろしてきた。そして、沙樹は鉄棍を両手に防ぐと薙ぐようにして翼を追い払った。

 

「いきなり切りかかってくるとは、一流アーティスト様も恐ろしいことするね。」

 

「黙れ。何故今になって出て来た!アンノウン!」

 

 いきなり切りかかられて黙れと言われた沙樹は首を傾げた。それに出てくるアンノウンという言葉も聞いた事が無く、頭上にクエスチョンマークを浮かべた。

 

「は?アンノウン?何だそれ。てか今になって出てきたって、どういう事だ?」

 

「........っ!その力だ!その力がありながら何故あのライブの時に来てくれなかったんだ!もしかしたら、奏は!死ななかったかも知れないのに!」

 

 キッと鋭い目つきで睨んでくる翼を見て、何となく言わんとしてることが分かった。アンノウンとは恐らく俺に付けられた仮称で、もう一方は詰まるところ、『お前来たら奏助けられたんだぞ』とそういうことだろう。

 沙樹はどう答えたもんかと兜の中で眉に皺を寄せた。正直に、踏まれてそれどころじゃ無かったと喋ってもよかったのだが、言ったとしても翼に言い訳無用と切り捨てられる事だろう。

 さらに、多分この会話すらも聞いてるであろう二課に、ライブで怪我して入院した者のリストを調べられて、俺の特定にも繋がるかも知れない。

 ならばもう色々とぼかしながら言おうか、と沙樹は口を開いた。

 

「俺にも色々あったんだ。」

 

「何ッ?」

 

「俺も、それどころじゃ無かった。出来なかったんだ。」

 

「そんな!言い訳が通ると思ったのかッ!」

 

 翼は刀を構えると刀は巨大化し、そのまま巨大な斬撃波を繰り出した。その動作を見て沙樹は翼から距離を取って、横っ飛びに回避した。

 斬撃波はコンクリートの柱に亀裂を生じさせたのを見て、沙樹は内心で震え上がった。こんなの食らったら死ぬ、そう思わせた。

 

「ハアアアアッ‼︎」

 

 そして、追撃してきた翼に鉄棍で応戦する。取り敢えず落ち着いてもらう為に気絶でもさせるか、と考えながら翼から繰り出される攻撃を受け止める。その時だった。

 一瞬、それにすら満たないぐらいところで金属音がした。()()()()()()()()()、それを聞いた沙樹は血相を変えて翼に話しかけた。

 

「おい、翼。」

 

「黙れッ!貴様の言い訳など聞きたくない!」

 

 駄目だこれ、この剣完全に我を見失ってる。ここで退避してもいいのだが騎士と翼の間に沙樹がいる以上、ここで避ければ翼が斬られるかも知れない。ならばダメージ覚悟と言わんばかりに沙樹は翼に背を向けると、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そして    

 

「なっ⁉︎」

 

「やっぱりだよクソが!」

 

 ガシャンッ、と大きな音を立てて騎士が飛び掛かってきた。それもこれ以上ない程大きく剣を振り上げて。

 

「っづぅぉおおお‼︎」

 

 翼の攻撃を受けてる最中に、いきなり背中を向けたことで刀傷が出来るが、気合いで耐えると騎士の剣を鉄棍で防いだ。

 しかし、いくらアームドギアと言っても所詮は鉄の棒。硬い鋼の鎧を叩いたことや、何度も騎士や翼の剣を防いだことから、鉄棍には限界が来ていた。

 

     詰まるところ鉄棍は耐えられなかったのだ。騎士の一撃は鉄棍を叩き斬ると、そのままの勢いで沙樹の体を切り裂いた。

 どぱっ、と鮮血が溢れ出る。騎士の剣はギアインナーすら切っており、肩から血が溢れ、そこから脇腹にかけてかけて深く大きな傷が出来ていた。

 

「っぐううううぁああああああ‼︎」

 

 沙樹は半ばヤケクソで両手の鉄棍を騎士に投げるように叩き込んだ。しかしタワーシールドで防がれ、そのままシールドバッシュをくらってたたらを踏んだ。その上、騎士は剣を突き出そうとするが、沙樹は両手で剣の先端を掴んで無理矢理止めた。

 そのまま膠着状態が数秒続いた後に、騎士は沙樹が掴んだままの剣を乱雑に振り回し始めた。手に力を入れていた沙樹はそれに対応出来ず、騎士から見て左の方向へと投げられてしまった。

 投げられた沙樹は店のショーウィンドウに突っ込んで、ガラスを散らしながら赤い水溜りを作った。

 

「いってぇ...........。」

 

 ググッと上半身だけ起こすと、自然と口からそんな言葉が溢れた。前のあの山で戦った黒い騎士と比べたら、まだまだ痛みなどは無いが結構な血が出ているようで、目がチカチカした。

 視線の先では騎士と翼が戦っていた。正直、翼が押され気味で殆ど受けにまわっていたから、何となく負けそうだなと思いながら見ていたら、目の前に黒服の男と隊員が駆け寄って来た。

 しかし、どうやら心配して来てくれた訳ではないらしい。その証拠に黒服も隊員も銃口をこっちに向けていた。

 

「手をあげて大人しくしろ‼︎」

 

「何?なんで?」

 

「おい、あまり無駄口を叩くな‼︎お前は特異災害機動部二課より捕縛命令が出されている。着いてこい。」

 

 こいつまじか、今それ言う状況か。とは口に出さなかったが兜の中であんぐりと口を開けてしまった。戦闘放棄してついて来いと?正直あの騎士をここで放置するのはまずい。ここで退いてしまったら騎士は追いかけてくるだろう、それも周りに被害を出しながら。

 

「断る。」

 

「何だと?」

 

「断るっつってんだよ。アレは多分どこまでも追いかけてくるタイプの敵だぜ?だったら、ここでぶっ潰すしかねぇだろ。」

 

「政府からの命令に逆らうと言うのか?」

 

「あーはいはい。御託はいいからさっさとどいてくれや。」

 

 沙樹が立ち上がって、シッシッと追い払うようなジェスチャーをすると、隊員はこめかみに青筋を立てながら震える声で言った。

 

「フン、わざわざ貴様なんぞが出なくても装者さえいれば十分だ。」

 

 そう言った刹那、青い何かが店の中へ激突して盛大に商品棚が倒れていった。そして出来上がった商品棚の山の下には、翼が頭から血を流しながら動かなくなっていた。

 翼がやられたのを見てから、隊員の顔を見ると翼の髪の色に引けを取らないほど顔を青くしていた。

 

「................んで、装者がなんだって?」

 

「馬鹿な、そんな...........。」

 

 沙樹は、口をパクパクさせながら呆然としている隊員の横を通り過ぎたところで、足に何か当たる感触がした。下を向くと、そこにはアサルトライフルが落ちており、それを緩慢な動きで拾うと、黒い銃身に赤い筋が入った。

 ゆったりとした動作で歩いていく。正直、騎士の一撃を受けた時点でかなりの血が出ており、今は何とか気力と脳内麻薬で動けているような状況だった。

 

「(こっからは、時間との勝負だ。)」

 

 アサルトライフルを腰だめに構えて引き金を引くと、弾が幾つもばら撒かれていく。それを見た騎士は、咄嗟にタワーシールドを構えた。

 普通ならば、弾丸はタワーシールドにかすり傷をつけてどこかへ飛んでいくだろう。しかし、彼女の手にしたアサルトライフルは既に『騎士は徒手にて死せず』によって強化されていた。

 そして、強化されたアサルトライフルによって発射された弾丸は    

 

 

    ()()()()()()()()()()()()()

 

 

 タワーシールドに次々と穴が開き、その後ろにいた騎士の鎧、肉体も貫通した。

 やがて数秒ほど撃ち続けて、弾切れになった所で沙樹はアサルトライフルを後方に投げ捨てた。その際に、さっきの隊員の情けない声が聞こえた気がするが、彼女にとってはどうでもいいこと。

 騎士は、水玉模様の穴が開いたタワーシールドはもう使い物にならないと判断したのかその場に落とすと、剣を右手で構えた。タワーシールドを持っていた左手は、アサルトライフルの影響か穴だらけになっており、素人目で見ても使い物にならなくなっていた。

 

「いいぜ、お互い本気で行こうや。」

 

 沙樹がそう呟くと、右手には光が集まって無骨な大剣が生成されていた。それを両手で構えると、騎士と沙樹はほぼ同じタイミングで駆け出した。

 

 勝負は一瞬。二人はこの一撃に賭けていた。両方とも体力は限界で極限な状態。だからこそ己の最高の一撃を繰り出さんとしていた。

 

 騎士が剣を突き出した。今まで放ったどの突きよりも速く、全体重を掛けた前傾姿勢の正に本気の一撃。それは的確に沙樹の頭部を狙っていた。

 沙樹は騎士が突くと同時に思いっきり踏み込み、大剣を左下に持って来ると右上へと振り上げた。そしてダメ押しで失血で眩みそうになる意識に気合を入れて全身に力込めて叫んだ。

 

    破ッ!!

 

 そして、互いの剣が鎧に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翼が戦闘不能になった事で、現場に急行した風鳴弦十郎はそれに目を奪われた。

 鋼の騎士と黒い騎士が全力で斬り合っていた。いや、斬りあったというよりはある一種の試合をしているようにも見えた。

 鋼の騎士による突きを、黒い騎士は()()()()()()()()事で兜に掠らせて、カウンターのように大剣を振り上げて鋼の騎士の腕を切り飛ばした。

 鎧ごと斬り飛ばした、なんて信じられない光景だったが、目の前の床に刺さった鋼の手甲に握られたままの剣が、それを現実だと思い知らせていた。

 

「彼女は...........一体................?」

 

 鋼の騎士にトドメの大剣を振り下ろした黒い騎士に、弦十郎はそう言葉を漏らした。

 

 やがて、こっちに気づいた黒い騎士の兜の中から、紅の光が見えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、戦闘と周りの方がちょっとやらかす回でした。

まぁまだ奏が死んだばっかりなので翼はメンタルボロボロで仕方ないです。
一課に関しては、沙樹を敵じゃないかとか腫れ物扱いしてるのでちょっと厳しめの対応してます。

ところでキャラの口調とか合ってるのだろうか.......?大丈夫かな?

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