afnすとーりー:キツネノボタンとの日々   作:hiden456

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雪の日

「おー! 団長、雪、積もってる! すごい!」

そうはしゃぎながら駆け回るキツネノボタン。今日は朝から冷えると思っていたがこのせいだったのか。

幸い石造りで頑丈な城の構造上、城壁以外は特に雪かきの必要は無い。その上ブロッサムヒルでは雪が積もると言ってもそこまで大量に積もる事はあまり無いため、雪かきの文化自体もあまり無いのだが。

そんなこんなで、珍しく膝まで埋まる程度に雪が積もったブロッサムヒルの騎士団拠点、その中庭をキツネノボタンと歩いていた。

 

「団長団長、わたしもゆきだるま、作ってみたい。前はワルナスビさんの壊しちゃったから、今度はわたしが作ってみたい」

こうしてキツネノボタンと過ごす冬も二回目だ。一度目の冬は初めての雪に興奮したり、、ワルナスビの雪像を壊したりとなかなか愉快な冬だったが、今回も飽きたりはしていないらしい。

「後、雪合戦。花騎士さんを集めて、訓練の一環とかで、やってみたい」

ビバーナムが喜びそうだ。彼女以外にも、多国籍なうちの騎士団において、ウィンターローズ出身者はそういう競技は他より強いのだろうか。そのうち予定に組んでみても良いかも知れない。

 

「そこ、団長、何か居る!」

そう言ってこっちに駆け寄るキツネノボタン。

立ち止まり、何が見えているのか雪の下を凝視する。

「…ここ!」

そのまま彼女は勢いよく跳ねて、頭から雪に突っ込んだ。

…肩まで埋まった上に尻尾がもそもそと揺れているが、大丈夫なのだろうか。

「ぷは。団長、これ何だろ」

そう言ってキツネノボタンが雪の下から掘り出したのは、ピンク色の体毛のリスだった。

…これはクルミのオトモではないのか? しかしこの様子では他にもコルチカムやエピデンドラムのオトモもどこかで望まぬ冬眠をしているかも知れない。

とりあえず、その子は後で返してこよう。

「そうする。…うう、寒い、寒い」

首を縮こまらせながらこちらを見上げるキツネノボタン。

そりゃ雪の中に突っ込んだのだから当然だろう。

髪の毛や耳、服についた雪を払って、赤くなったほっぺたに手を添える。

「おー、感謝感謝。団長の手、温かい」

どういたしまして。

鼻の頭も赤いのはしもやけのせいだけでも無いらしく、

「ご褒美に、ちゅー、させてあげる」

そう言って目を閉じたキツネノボタン。

ご褒美ならキツネノボタンからして欲しいのだが。

「わたしがされたいの。団長、早くしなさい」

いつもと変わらない彼女の傲慢なおねだりに苦笑しながら口づけをするのだった。

 

後に、オトモが行方不明になった花騎士たちに頼まれ、キツネノボタンがもっと雪に刺さって探す事になったのは別のお話。

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