このすば戦記   作:Tver

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ぼっち少女はやっぱりぼっち

□□□ライン戦線・後方基地□□□

 

 

現在、ライン戦線後方基地は、異様な緊張感に包まれていた。

もちろん、この後方基地は、前線及び、本国と連絡を取り合い、後方支援を行っているため、常日頃からある程度の緊張感は、張り詰めているが、それでもこの日の緊張感は異様なものであった。

それも、上官から即応体制を整えろといった、命令も何もなかったにも関わらずである。

そうだと言うのに、後方基地に詰めている、兵士の一人一人が、自身の持ちうる限りの緊張感をもって、仕事に取り組んでいた。

 

このような事態の原因は、ある一人の兵士が、同僚にあることを伝えたからであった。

その兵士曰く、『帰還したばかりの魔導部隊の様子が、慌ただしい。もしかしたから何かあるのかもしれない』と。

この話は、閉鎖環境である後方基地では瞬く間に広まったのだ。

もし慌てていたのが、ただの歩兵部隊の兵士であったり、他の魔導部隊であったならば、話はここまで大きくならなかったかもしれない。

ただ、今回慌てていたのが、あの第二〇三航空魔導大隊の魔導師であったのが、話が大きくなってしまった原因でもあった。

かの部隊は、南、北、そしてこのライン戦線でも、その実力を発揮している精鋭中の精鋭なのだ。

しかるに、話はあっという間に広まった。

話を聞いた者は、有事に備え、聞いていない者でさえ、周りの空気に触発され、緊張感を高めた。

かくして、この後方基地での、異様な緊張感は生まれたのであった。

 

そして、後方基地の緊張感が異様な高まりをみせていた、丁度その頃、共和国軍の魔導部隊が、ライン戦線後方に空挺降下を決行。

その部隊は、副次的目標である、その後方基地を目指していた。

しかし、視認できる距離まで接近したところで、基地の警戒度の高さに作戦を断念。

主目的に即時作戦を移行したことは、共和国軍の一部のものしか知らないことであった。

 

 

 

□□□アクセル・ギルド□□□

 

 

ギルド。

それは、冒険者のための施設であり、ここでは、クエストを受けたり、報酬を受け取ったり、はたまた、仲間を集めたりと、冒険者達にとって、活動の中心となる場所である。

併設されている酒場では、冒険者達が、その日の報酬を片手に、仲間達と飲み食いをしている。

今日も今日とて、冒険者達が酒を飲み、騒いでいるが、それを横目に見ながら、めぐみんとゆんゆんは、ギルドの受付へと向かっていた。

 

「ねぇ、めぐみん?あの女の子どこから来たんだと思う?」

 

「そんなこと私に聞かれても、分かるわけないじゃないですか」

 

「あんたねー、もう少し真剣に考えなさいよ」

 

ゆんゆんの問いに、テキトウに答えていためぐみんだったが、頭の中では、色々と考えを巡らせていた。

あの女の子、ターニャと名乗るその子は、突然現れた。

それは、もはや見慣れてしまった、カズマを蘇生する時のこと。

アクアが蘇生魔法をかけ、カズマに声をかける。

ここまではいつも通りだったのだが、その後、いつもとは違い、カズマの身体が光を放ち始めたのだ。

一瞬目の前が真っ白になったかと思うと、次の瞬間には、カズマの隣に、ターニャが横たわっていたのだ。

整った顔立ちに、見慣れない服装、年齢は自分より少し幼いぐらいであろう。

そんな少女が現れた時、一番最初に口を開いたのはアクアだった。

 

『カズマさんが、天界で幼女を誘拐してきちゃった』

 

その言葉を皮切りに、どうすればいいのか、皆がみんな慌てふためいてしまい、その騒ぎはカズマの目が覚めるまで続いてしまった。

カズマ曰く、『天界でエリス様から預かった』だそうなのだが、あのターニャという少女は、一体何者なのだろうか。

 

「─────だと私は思ってるんだけど………、ってあんた人の話聞いてないでしょ!」

 

「はい?何か話していたのですか?てっきり私は独り言かと。それよりもどうして私についてくるのですか?ギルドに用事があるのでしょう?そちらを済ませてはどうですか?私は受付に行きますので。まぁさしずめ、ギルドでの用事というのは、いつも通りギルドの隅で独り、食事をしながら、周りの冒険者の観察をすることだと思いますが」

 

目の前の涙目になっている彼女、ゆんゆんは私と同じく紅魔族なのだが、変わった性格をしており、常にぼっちだったせいか、今でもそれをこじらせている。

恐らく、私についてきたのも、ターニャの歓迎会に誘って欲しいからだろう。

まったく、来たいなら来たいと、自分から言えばいいものを。

まぁ今回は同級生のよしみで、特別に誘ってあげようか、とめぐみんが声をかけようとしたその時には、

 

「よ、用事は終わったから、私はもう宿に帰るからぁぁ!!」

 

と叫びながら、ゆんゆんは、ギルドを後にしていた。

 

 

 

 

 

 




前半部分の最後、主目的というのは、アレーヌのことですよね
まぁ無理があるかなと思いつつ、書きたかったので書きました
後悔はしてません
なので、無理があるだろと思っても、大目に見てください…
あ、アレーヌまで話は展開していきませんので、悪しからず


※3話の最後と、4話の一部を変更しました。大きな変更ではないので、特に物語に影響はありません。
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