感想もお待ちしてます。
~さやかはこのところ前の部活で知り合った先輩の川崎さんの所へしょっちゅう通っていた。また川崎さんも、かわいい妹が出来たような気分で温かく迎えていた。そんな生活がしばらく続き、さやかはすっかり川崎さんを信用し、懐いていた。~
川崎さんver~
彼は今も楽しそうに話すさやかを見て微笑ましく思っていた。そして、ふとさやかに聞いた。
「友達にはどんな子がいるの?」と。深い考えは無かった。ただ、ふと聞いたこと無いなと思っただけだったのだ。きっと、
「あんな子がいる。こんな子がいる。」と楽しい話を聞かせてくれるだろうと。しかし、彼の予想に反してさやかは一瞬表情を曇らせた。時間にして一秒足らずだったが、それは余りにもあからさまで、見逃しようも無かった。何かあると彼は気が付いたが、いつもの表情に戻って保健室で知り合ったという先輩や、同級生の話をする彼女に切り出す気にはなれなかった。まぁ、ぼちぼち聞いてみればいい。そう考えて、問題を先送りにしたのだった。
彼は一人いつもの通学路を歩いていた。いつもは何とも思わない静けさも、つい数分前まで賑やかだったぶん寂しくかんじられた。その時、後方から声が聞こえた。
「ちょっ、ちょっと待ってください!」さやかが転げんばかりになって走りながら叫んでていた。彼はそれを見て悩むのが馬鹿らしくなった。
「はいはい待ってるからゆっくり降りておいで」それを聞きさやかは安心したようでスピードを落として降りた。だがまぁそれでも、電柱にぶつかりそうになるは、こけそうになるは、危なっかしくはあったのだが。やっとのことで追いついたさやかは貯めていた物を吐き出すように言った。
「あの、このあと少し話しませんか?」
さやかver~
川崎さんと楽しく話しつつもあやかには気がかりな事があった。友達はいるのかと、クラスで上手くやれているのかと川崎さんが自分に問う日が来るのが怖かった。どう答えればいいのかいくら考えてもいい考えは思いつかなかった。その時谷本さんが言った。
「お友達にはどんな子がいるの?」と。形は少し思っていたものとは違ったが恐れていた事が起きた。一瞬戸惑ったが、保健室で出会った先輩や友人について話した。その間ずっと谷本さんは、何か思案するような疑うような表情をしていたのだが、さやかは気づかなかった。それもいつもならあり得ない事だった。気を使ったのか川崎さんが言った。
「別に、無理して答えなくても良いんだよ?今日はもう帰ろっか?」二人で用意をし、連れ立って帰ろうとしたのだが、途中でさやかが先生に呼び止められてしまった。仕方なく少し話した後一人で帰ると、いやに風が冷たく感じられた。100m先位に川崎さんの姿が見えた。とっさにさやかは声をあげた。
「ちょっ、ちょっと待ってください!」言ってしまってからさやかは焦った。咄嗟に呼び止めてしまったがなにを話すかなど考えていなかったのだ。だからこそ、
「はいはい、まってるからゆっくり降りておいで。」という川崎さんの言葉には救われた。おかげで、降りていきながら第一声だけは考える事が出来たのだ。だがまぁ、考えながら歩くというのは難儀なもので、途中電柱にぶつかりそうになるは、つまづいて転びそうになるは散々だった。なんとか川崎さんの居るところまで追いつき、先ほどから考えていた言葉を出した。
「あの、この後少し話しませんか?」