最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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何回も聞きますが、『~は勇者である』の性格口調は大丈夫ですかね?
違えばお気軽に言っていただけるとうれしいです。


その十四

 

遠足の前日---

 

やあ、みんなおはよう。

明日は遠足ということでみんながそれぞれ浮かれている。

僕らの中だと特に銀ちゃんが浮かれている

あと園子ちゃんも銀ちゃん程とはいかないけれど、けっこうワクワクしてるみたいだ

まぁでも。

 

「zzz~むにゃむにゃ~」

 

園子ちゃんはいつも通り朝は寝るようだ。

それでも園子ちゃんはテストの点数はほぼ満点ばかりなので、天才型なのだろう。

そんなことを園子ちゃんを撫でながら考えていると、須美ちゃんが登校してきた。

 

『お。須美ちゃんおはよう、、?』

 

「えぇ。おはよう」

 

明らかに元気がない。昨日寝れなかった顔してるけど、楽しみなのか?遠足。

・・なわけないな。あの時も銀ちゃんの手をつかもうとしたところを見るに絶対に、

何かあるはず。

ごめんね、園子ちゃん。また後で

須美ちゃんの方に行ってくるよ。

 

 

『須美ちゃん?どうしたの、昨日寝れなかった?』

 

「い、いえそんなことないわよ?」

 

図星かよ。あの言葉をだしてみようか。

 

『悩んだら相談。だぜ?須美ちゃん?』

 

「翔助君、、えぇ。わかったわでも、、」

 

『ん、ここじゃなんだし、廊下行こうか』

 

 

 

 

廊下にて

 

『で。何かあったんだろ?おおよそ、怖い夢でも見たのかな?』

 

「!えぇそうなの。よく分かったわね?」

 

『少しだけど目に隈ができてるからね』

 

本当によくみないとわからないけどね。

それほど須美ちゃんの顔じろじろ見てんのかよ。って?

前も言っただろう?人の雰囲気だとか空気だとかを読むのとか大得意って。

 

「・・夢の中でね赤黒い勇者服を着た首がない子がいたの。身動き一つとらないでずっとその場をとどまっていて、、怖くて飛び起きちゃって。そのあとも寝れなくて」

 

なるほど、そりゃあ寝れないわな。

赤黒いのは首が吹っ飛んだときの血かな?

勇者服ということは僕達のだれか、、というかそれ銀ちゃんじゃないかな?

あの時手をつかもうとしたのも銀ちゃんが死ぬ未来を須美ちゃんの脳が予知したからかな?ということは。

 

『・・なるほどね。予知夢ってやつかな?それって。』

 

「・・たぶん、、。夢だっていうのはわかってるんだけど、わたしには巫女の力もあるらしいの。」

 

『巫女?』

 

「神樹様の言葉を聞いて神託を行ったり、

未来を予知したりするらしいのよ、、」

 

へぇーまじでファンタジーだなこの世界。

・・こんなファンタジーうれしくないが。

 

「怖いの、、誰かがいなくなるなんて。

この前銀を引き止めようにしたのは銀がどっかに行っちゃうような気がして、、」

 

本当にその巫女とやらの力を持ってるのは

本当らしいね。

無意識のうちに予知したのか、すごいな。

 

そんなことよりも今は須美ちゃんだ。

小学生に死体は刺激が強いというレベルじゃない。鬱になってもおかしくない。

 

『・・辛かったよね。』

 

「あっ。翔助君、、」

 

『大丈夫。簡単さ、未来を変えればいい』

 

「未来を?」

 

『誰も死なせはしないさ、必ず。約束するだから今は安心して任せてくれればいいよ。』

 

そう言って園子ちゃんみたいに頭を撫でる

 

「翔助君、、ありがとう、、」

 

須美ちゃんが抱きしめてくる。

まぁ、人通りの少ないところを選んだし、

今はゆっくりさせてあげよう。

 

『よしよし。』

 

 

 

 

 

次の日遠足当日

 

「今日はいい天気だよなー!」

 

「見事に晴れたよね~」

 

二人が言った通り今日はいい天気だ。

クラスの子達含めのみんなの日頃の行いがいいからかね?

 

「さて、どこ行きましょうか?」

 

「やっぱり勇者なんだからアスレチック一択だろー!」

 

「いや、なんでよ?」

 

ちなみに僕達がいるのは国内最大級の観光地であるらしく、みんなは最初にアスレチックコースにいくようだ。

 

『じゃあ、僕は日向ぼっこでもしてるよ』

 

「えー翔助も行こうぜ?運動苦手でもいいからさー」

 

「そうだよ。にっしーも行こうよ~」

 

『あはは。実は昨日よく眠れなくてね、ベンチがあるから寝ようかとね』

 

「意外ね。翔助君が寝られないなんて。ならわたし達で遊んでましょう。」

 

「え~ならわたしにっしーと寝たい~」

 

「仕方ないなーいいから行くぞ~園子」

 

「あーにっし~」

 

 

・・・行ったか。

ちょっと色々と考えたいことがあるから皆とは行かないで一人でいることにした。

内容は簡単だ。

僕の能力についてだ

転生するにあたって『大嘘憑き』と僕だけのオリジナル能力を要求したのだが。

 

『それがいまだにわからないんだよなー』

 

出し方とかも神様から聞いてないし。

・・出し方について神様と話しをしておけば良かったなーと後悔しております。

でも休みの日に色々と試してわかったことがある。

 

『却本作り』【ブックメーカー】

 

そう呟くと、持っていたネジが長く伸びる

『却本作り』相手を自分と同じステータスにできる。あの球磨川先輩の始まりの能力

(過負荷)である。

 

何で使えるんだ?これは本来厳重に封印されている位の強い力を秘めている能力だ。

しかも『大嘘憑き』と併用して使える。

・・というか、過負荷の中の過負荷の能力を二つとも使えるって、どんだけヤバいんだよ僕。しかも一度に二つも。

あの球磨川先輩だって大嘘憑きと却本作りどっちか片方しか一度に使えなかったんだぜ?・・いらない才能だな。

 

その後色々考えたがやはりわからなかった

 

 

お昼---

 

遠足といえば弁当持参だと思うだろ?

神樹館だとバーベキュー用の鉄板で焼きそばを作っています。

最近の小学校ってこんな感じなん?

 

「美味そうだなー!」

 

『銀ちゃん、よだれよだれ。』

 

「銀、、」

 

「あはは~楽しいねー」

 

焼きそばを作っていると銀ちゃんがよだれを垂らし須美ちゃんが呆れる。

園子ちゃんはテンションがあがっている。

 

「、、ハァー」

 

と思ったら下がった。

・・上がり下がりが激しいな園子ちゃん。

 

『どうしたね?そのちゃん?』

 

「だってみんな料理できるのに、わたしだけできないんよー」

 

「焼きそばくらいなら簡単に作れるわよ」

 

「う~、、なら今度わっしーの家でみのさんとわっしーに料理教えてもらう!」

 

「え?わたしの家!?別にいいけど、、」

 

『何で僕だけはぶられてるんだい?』

 

「にっしーにはわたしの作った、おいしいやきそばを最初に食べてみてほしいんよ~!」

 

「というかアタシも教えるのね、、でもやるからには全力で伝授してしんぜよう!」

 

なるほど。そりゃあありがたいね。

でも、、

 

『初めてが僕でいいのかい?』

 

銀ちゃんとかのがいいのでは?

 

「にっしーに食べてもらいたいんよ~!」

 

うれしいこと言ってくれるねー。

じゃあ

 

『楽しみに待ってるよ。そのちゃん。』

 

その後キャンプ地の近くにある高台に登り三人で風景を眺めて雑談をしたりした。

前よりもまた距離が縮まったような気がした。

 

 

 

 

遠足から帰っている途中に四度目のバーテックスの襲撃がきた。

 

勇者へと変身した後須美ちゃんの方を見ると赤い衣装をした銀ちゃんのことを見てた

銀ちゃんは無茶を平然とするタイプの人だからな、要注意だ。

 

バーテックスのもとにいくといつもと違う部分があった。それは、、数だ

 

「な、、二体!?・・そーきたか。」

 

いつもは単体でくるのだが、今回は複数で来ていた。

一匹は赤色でさそりみたいな鋭い針を持っており、

もう一匹は黄色で巨大なハサミと周囲に6枚、両刃の剣先にも見える五角形の巨大な板があった。

・・銀ちゃんは二体と言っていたが、気配をたどると二体の奥にもう一匹いる。

 

『いや、よく見るともう一匹奥にいる』

 

「え?・・見えないけれど、、」

 

「とりあえずみのさんは赤色!わたしとにっしーは黄色!わっしーは援護でお願い!」

 

「「了解!」」 『・・了解』

 

どうにも嫌な予感がした。

 

 

 

僕の嫌な予感は見事にあたった。いや、あたってしまったと言ったほうがいいか。

途中で青い体のバーテックスとさそり達の連携攻撃をみんなでもろに受けてしまい、須美ちゃんは痛み呻き動けず、園子ちゃんは頭から出血をしてしまい気絶

銀ちゃんは防げはしたものの口や足を少し切ってしまっていた。

僕?両足が骨折してるね。右腕も骨折だ。

 

「くっ、、がはっ!」

 

須美ちゃんは頑張って動こうとしてるけど

駄目らしく、あげくには吐血している。

 

「翔助、あれか?三体目は、、?」

 

『あぁ、らしいね。』

 

三体目の青いバーテックスのせいで態勢が崩れ、形勢逆転してしまった。

しかしバーテックスはそんな好機を見逃す

はずがなく、赤と黄の二体が攻撃してくる

 

「須美!園子!」

 

『よっと!危ねぇ~』

 

銀ちゃんが須美ちゃんを抱いて回避して、

園子ちゃんは僕が抱いて回避する。

 

「ごめん!ナイス翔助!」

 

『大丈夫。さて、どうしようか。』

 

正直いうと状況は最悪だ。

四人のうち二人が戦闘不能。

残り二人も負傷あり。

うん、やばい。

・・・仕方ない、かな。

 

『銀ちゃん。二人を安全なところに避難させるの頼んでもいいかな?』

 

「・・は?何言ってんだ!お前あの三匹を一人で相手する気か!?」

 

『だからといってここで四人全員死ぬわけにもいかないだろ?結局は誰かがやらないといけないからね。』

 

「・・・・・」

 

『大丈夫だよ。僕が死ぬと思うのかい?

強化合宿の時見ただろ?避けるのは得意なんだからさ。大丈夫だ、僕を信じてくれ』

 

「・・わかった。二人を避難させたらすぐもどる。ちゃんと、生きて待っててくれよ!」

 

『あぁ。約束するよ』

 

 

・・・行ったか。

目の前には三匹の『頂点』。

こちらは一人の『最底辺』。

とりあえず負傷したままだと話にならない

 

『大嘘憑き』

 

『僕のけがを【なかったこと】にする』

 

よし。これで全快だ。

みんなの傷も出来れば治してあげたいのだが、もし治ったことが大赦にバレでもしたら記憶を消すのも数が多すぎて骨が折れるので下手にできないんだよな。

なんかホントに最初から【なかったこと】になってるから感覚に違和感がある。

 

そんな感想を抱いていると黄色の一撃がとんでくる。

 

『あぶな。』

 

避けた先に赤いバーテックスの板が。

 

『よっと』

 

しかし赤の板を巧みに相手が利用し、青の

槍のような矢が何回も反射を繰り返し軌道が変わる。

 

『これは避けられないから、、よっと!』

 

さすがにあんな変態的な挙動を僕の運動神経でかわすのは無理、、なので『大嘘憑き』で【青色との距離をなかったこと】にして避ける。というか誰だって無理だろ。

 

『まずは、、君だ。』

 

言葉と同時にネジを青に約20本突き刺す。

しっかりと当たったことを確認して地面に降りる。

 

『ん?再生しないのが不思議かい?簡単さ

君の【再生力をなかったことにした】からね。』

 

本来なら再生をすぐさま行うはずが一切しないで地に倒れ伏している仲間を不思議がったのか二匹が青に振りかえる。

そんな二匹に自分が行ったことを言う。

 

『怖いかい?気持ち悪いかい?上等だよ頂点ども。』

 

 

『最底辺の意地ってのを見せてやるよ。』

 

須美ちゃん、銀ちゃん。

約束はちゃんと果たすぜ。

 

 

 

 

 

 

あたしこと三ノ輪銀は急いでいた。

 

『大丈夫だ、僕を信じてくれ』

 

あいつを信じてないわけじゃない。

でも何故かいつもの優しげな笑顔が、、

あの時、すごく危うく感じたんだ。

 

だから、急がなきゃ。さっきからあいつのいるところからすごいデカイ音が何回も鳴り響いているのが聞こえている。

 

「銀!、、止まって!!」

須美が焦ったような声であたしを止める。

 

「どうした!何かあったのか?」

 

「そういえば思いだしたの、、あの時血まみれだったのは、、男用の服だったの!」

 

血まみれ?男用の服?須美は何を、、?

 

「な、何だよそれ?血まみれって一体?」

 

「とりあえず戻って!!間に合わなくなる前に!早く!!」

「・・・わかった。後でしっかり聞くからな!!」

 

間に合ってくれよ、、翔助!!

 

 

 

 

あたしがついた時辺りは異様な光景だった

三体のバーテックスが二匹になっており。

その二匹はネジで地面に固定されて痙攣している。

だが、その後に見回して一つのことに気づいて自分の血の気がひいていくのを理解する。血がべっとりとついているからだ。

それも少しじゃない。大量にだ。

 

翔助はどこだ。

冗談じゃない、ここでお別れなんてしゃれにならないし、笑えない。

全然見つからず自然と涙目になる。

 

「どこだよ!翔助ー!、、約束破るなよー!?・・大丈夫だって言ったじゃん、、」

 

自分でも涙声になってるのを理解しつつも辺りに呼び掛ける。

・・約束するって言ったじゃん、、

しかしその後いつもの声が聞こえた。

 

 

 

 

『あぁ。銀ちゃん、、平気かい?』

 

「っ!翔助!!」

 

『うおっと、どうしたんだい?』

 

「馬鹿野郎、、心配させやがって!!」

 

『あはは。ちょっと無茶しちゃってね?』

 

 

何か急に怒られている僕です。

僕は嘘はつかない、嘘に憑かれてるだけで

・・・まぁ無茶はしたけどね。

 

あんなに格好つけておきながらあの後実は

バーテックスに一回殺されてしまった。

死に方は須美ちゃんが言ってたみたいに、

首を吹っ飛ばされた、ポーンってね。

だから地面が血まみれになっていた。

 

・・あ、それを見て心配したのか。

 

銀ちゃんに気付かれないように、指をパチンと鳴らす。すると同時に桜の花弁が舞う

え?何で追い払えたのかって?

ネジをギリギリで止めておいて指を少し鳴らしたら進むように作ったからね。

 

とどめをささなかったのは一回休憩したかったからだ。

 

 

その後僕を含めみんな病院へと搬送された

 

 

 

 

 





はい。勇者の力ではなく、過負荷の力を使っての戦闘です。
やっぱり戦闘描写難しいですね。

キャラ崩壊とかないですよね、、?

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