最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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視点はオリ主視点に戻ります。

どうぞ


--結城友奈は勇者である--
その壱


 

 

・・ハァー、、ん?

やぁみんな僕だよー久しぶりになるかな?

 

 

少し休憩してたらいつの間にかすごい話が進んでたので僕の頭は困惑してる。

 

 

あの日三匹のバーテックスとの戦いが終わった後に神様に呼ばれて、

 

「お主は頑張りすぎじゃ。だからわしが魂だけを呼びもどした。一定の時間になるまでは出られないぞこの空間は、だからその間休憩していけ。」

 

と言わたれたから寝てたんだが、その間に三人は酷いことになっていたので僕が休めていても三人が駄目なら意味ないじゃんと思った。それに僕なら『大嘘憑き』でなかったことにできるからいいと思うんだが?

 

それにみんなにはあまり傷ついてほしくないしね。

・・もし死んだりなんかしたら、どんなに仲良くてもただの他人になるから余計にだ

まぁ、仲良くない人であろうと誰かが傷つく姿は見たくない。この気持ちは前世でも共通だ。前世では『大嘘憑き』はなかったけど、怪我は治りやすかったからね。

ちなみに今世でも怪我の再生力は前世と同じなのでありがたい。

だから

 

 

 

『傷つくのは僕だけで十分だ。『他人』であろうとなかろうと関係ない。』

 

 

 

 

 

そして今にいたる。

記憶が消えた須美ちゃん、、いや今は確か『東郷美森』ちゃんだっけ?

そして『満開』という、新システムの代償として体の一部を奪われ病室に閉じ込められている園子ちゃんと銀ちゃん。

 

 

簡単に今の僕の状況を言うならば、全て最初にリセットされたって感じかな。

・・ちなみに僕の元両親の西村さん達は、亡くなったと新倉さんから聞いた。

やっぱり大して何かは感じなかった。

お気の毒にとは思ったが、そこまでだ

いい人だった。だが死んだらそこまでだ

 

ごめんね、この世界の西村さん達。

墓参りはちゃんとするから、こんな僕をどうか許してくれ。

 

 

中学校は『市立讃州中学校』にした。

理由は勇者の適正が高い子がいるからだ。

中には適正値の高さが過去最高の子もいるらしい。

それになにより美森ちゃんもいるしね。

 

中学校に通う際に僕は引っ越しをした。

といっても新倉家が引っ越すわけではなく

僕が作られた家に移る、簡単に言うと一人暮らし開幕!ということである。

 

・・といっても前世で何年もしてたし、寂しさはまったくないし、自炊もできるから不安要素は無いのだが。

今は荷物をほどき、並べ終わったところだ

まぁ、生活に必要な物しかないから直ぐに終わって今は横になっているのだが。

少したったらご近所さんにお近づきの粗品を渡しに行く予定だ。

挨拶は大事だからね、当然のことだ。

 

ピンポーン

 

ん?誰か来た?

誰だ?・・あ、もしかしてお隣さんから挨拶しに来てくれたのかな?ありがたい。

 

『はーい今行きますよー』

 

ガチャ

 

「こんにちは!わたしは隣に住んでいる

『結城 友奈』って言います!よろしくお願いします!」

 

おーこれは驚いた。まさか僕と同い年の子が挨拶に来るなんてね?しっかりしてる子だなー。

 

『あはは。見たかんじ同い年だから敬語は外してくれていいよ。僕の名前は新倉翔助って言います、よろしくね?』

 

「うん!よろしくね!、、東郷さん、ほらいい人だから大丈夫だよ。」

 

・・え?東郷さん?

よく見ると友奈ちゃんの隣に車椅子の子が隠れていたようだ、気づかなかったよ。

 

「え、ええ。・・はじめましてご近所にすませてもらっている、東郷美森と言います。よろしくお願いします。」

 

記憶が無くても堅いのは相変わらずか。

ハハッ、懐かしいな最初の頃の須美ちゃんを思い出すなー

 

『堅いな~君も。まぁ、確かに異性だから警戒もするか』

 

「え?あ、、その、、」

 

『いやいや気にしなくていいよ。警戒心が高いのはいいことだからね。』

 

「もう、東郷さんってば、、」

 

その後とりあえず粗品を渡し、

次の日----

 

「今日は皆さんに転校生を紹介します。」

 

まさか僕が転校生の気分を味わうなんてね

人間関係は最初が肝心だからね。しっかり自己紹介しようか。

 

「先生ー転校生の子は男の子ですか?女の子ですかー?」

 

「男の子です!」

 

そう先生が言うと「ちぇー」という声と、

「キャー」という声が聞こえてくる。

前者が男子で後者が男子だろうな

 

「まぁ、どんな子かは自分で見たり聞いたりしてみてちょうだい。入ってきていいわよー」

 

お、出番だ、それじゃあ行きますかね。

 

『失礼します。』

 

「それでは自己紹介をどうぞー!」

 

『どうも!週刊少年ジャンプから転校して来ました、西村翔助って言います!』

 

「「「「アハハハ」」」」

 

・・いや、さすがにネジは投げないよ?

 

『まぁというのは冗談で、両親の仕事の都合で転校して来ました。西村翔助です。皆さん仲良くしてくれるとうれしいです。』

 

パチパチと笑顔で拍手をしてくれた。

自己紹介は大成功だね。

 

 

 

 

放課後----

 

ああ、疲れたな。

あの自己紹介の後、授業の度に話しかけられて質問されたので、一つ一つ答えていたらすっかり疲れたよ。

さっさと帰ろう。

 

帰り道の一つである橋を通ろうとすると、

川辺のところでゴミ拾いをしている子達がいた。

 

『へぇー良い子達だな。・・どうせ暇だし手伝いに行ってこようかな。』

 

何かおじさん臭いなこの発言。

 

『すみません。手伝わせてもらってもいいですかね?』

 

「え?、、誰?というか何で?」

 

「あ!翔助君!」

 

「あら、本当ね。」

 

「え?知り合いなの?友奈、東郷?」

 

『おや、二人共いたのかい。あぁ僕と彼女達はこの前ご近所ということで少し交流がございましてね。』

 

二人ともいたのか、しかし四人でボランティア活動とは素晴らしいな。

 

「へぇー。でもどうして手伝うなんて言ってきたの?あなた?」

『人手が多いほうが早く終わるでしょう?

それに目の前で頑張ってる人達を見て素通りなんてできないでしょう?』

 

「、、わかったわよ。じゃあお願いするわね?少年君。」

 

『僕は西村翔助って言います。少年君はやめていただけるとうれしいです。』

 

「・・うちの姉がすみません。」

 

「ちょ、ちょっと樹!しょうがないじゃない!名前わからなかったんだから!」

 

「だからって少年君はないよお姉ちゃん」

 

『まぁまぁ。気にしてませんから、それよりお名前を聞いてもいいですかね?』

 

「あ、すみません、、私はえっと、、」

 

『ゆっくりでいいですよ。男が相手なんですからうまく話せなくても仕方ないですよ』

 

男の人と話すのが得意じゃないんだろうね

お姉さんと話してるときは普通だったし。

 

「ありがとうございます、、私は犬吠埼樹って言います。よろしくお願いします。」

 

「それじゃあ次はあたしね。あたしは犬吠埼風。そこの樹の姉よ。」

 

なるほど。

『犬吠埼 樹』(いぬぼうざき いつき)と

『犬吠埼 風』(いぬぼうざき ふう)ちゃんねー。やっぱり風さんは先輩だったか。

 

『よろしくお願いしますね。それじゃあさっさと拾いましょうか。』

 

色々と雑談しながら空き缶やらレジ袋やらを拾った。

どうやらこのボランティア活動は『勇者部』という部活の活動なんだとか。

勇者部って何なんですか?と聞いたところ

誰かが出来ない。もしくは、誰かが困ってる。そういう誰かの為になることを『勇んで』、進んでやる者達のクラブらしい。

 

・・嘘は言ってないけど確実に裏があると考えるのが妥当だろう。

なるほど適正値が高い子達がこの部活に集まってるということか。

雰囲気で見ると、、友奈ちゃんかな?一番適正値が高かったっていうのは。

美森ちゃんは前もやってたし、満開も二回程やってたようだし、記憶がなかったことをいいことに使ったんだろう。

風先輩も樹ちゃんも確かに高いだろうね。

 

 

その後うどん屋に連れていかれたのだが、

 

「もう一杯おかわり!」

 

何杯食うんだ?この人?

三杯目だろあれ。

 

『樹ちゃん。風先輩ってあんなに普段から食べるのかい?』

 

「はい。特にうどんとなると、なおさら」

 

えー?普通女の子っていうのは体重など、自分の体のことに気を使うはずでは?

 

「む!こら翔助!うどんは女子力をあげるから大丈夫なのよー!」

 

『何なんですか?その理論。』

 

何故うどんで女子力が上がるんだ?

小学生でも言わなさそうな理論だが。

友奈ちゃんも食べる方だとは思うが風先輩と比べるとさすがに見劣りする。

樹ちゃんと美森ちゃんは普通だった

 

「あれ、翔助くん食べるのゆっくりだね」

 

『ん?あぁ、僕は食事が遅くてね。それに少食だしね。』

 

「意外ね、、男の子といえば結構食べるイメージがあったのだけれど。」

 

『僕が珍しいだけさ、他の子はみんな結構食べてたぜ。』

 

不思議そうに見る友奈ちゃんと美森ちゃんに補足を添える。

実際に僕ぐらいの年の男の子はよく動きよく食べるのが普通だ。

やっと食べ終わったよ。

 

『ごちそうさまでした。ここのうどん美味しいですね、また来てみたいって思いましたよ。』

 

「おー!さすが翔助!この店の良さに一回来ただけで気づくとは、見込みあるな~」

 

そんなことで見込まれても、、

 

 

 

 

その後は解散して各自家に帰って行った。

 

『しかしまぁ、勇者部ねー』

 

今日1日の濃い思い出の中でも濃い思い出を脳裏に浮かべる。

 

また、バーテックスは襲撃してくるだろう

あの様子から察するに勇者については話していないだろう。

まぁその時はその時で、カバーしようか

多分不安にさせたくないのだろう部員を、

それに勇者候補の子はいくつかいるから未確定要素も含めて話してないんだろうねー

話しをしてみてわかったが、風先輩は優しい人なのだろう。

 

 

また戦いが始まる。

いつ起きるかはわからないが関係ない。

 

『その時はその時でまた戦うだけさ』

 

壁の外を見た。

真っ赤な火の海だったあれは死の世界とでも言うのだろうか?あの光景は。

倒した筈のバーテックスが何匹もいてそれぞれ活動していた。

やはり天の神を倒さない限り、バーテックスとの戦いはずっと続くだろう。

 

そうであろうと、、

 

『僕は僕なりに戦うだけさ。』

 

そう言って僕は口を三日月状に変えてゆらりと笑った。

 

 

 




どうですかね?
何か気になる点などありましたらお気軽に感想にてお申しつけください。
普通の感想でもありがたいです。

・・何回目ですかね、これ。

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