最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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バーテックス戦後半です。
どうぞ


その肆

 

 

 

 

 

 

「大丈夫?翔助君?」

 

『あぁ、平気だよ。にしても凄いね、あれを吹っ飛ばすなんて。』

 

おかげで助かったよ。

まぁ、一応抜けようと思えば抜けれたけど

あれはあんまりやりたくないしね。

 

「友奈さん今のパンチ凄いですね!」

 

「あの巨体を良く吹っ飛ばしたわね?」

 

少しの間地面に横になっていたおかげか、二人はもう回復していたようだね。

 

「えへへ、、って回復していってる!?」

 

確かに友奈ちゃんが凄いのは確かだが、相手は神の使いだ。どんどん再生していく。

 

「実はバーテックスはダメージを与えてもすぐに回復していってしまうの。あいつらを倒すには『封印の儀式』っていう特別な手順を踏まないと倒せないのよ、、」

 

へえーまさか神の加護があるとはいえ、ただの人間ごときに『頂点』を倒すことができるようになってるとはね。

バリアといい、強化されたな~勇者システムも。

 

「戦いながら手順を話すから頑張って避けながら良く聞いてね。」

 

忙しすぎない?避けて、聞いて、頑張って

こんなの繰り返してたらすぐに髪の毛白髪まみれになりそうだよ。

 

 

そんなこんなでバーテックスの爆弾を僕がハンマーで無理やり打ち返しつつバーテックスを四人で囲んだ。

封印の儀式の手順の1つ目は、こうして対象を囲むこと。そして次は、敵を押さえ込む為の祝詞(のりと)を唱えるらしい。

 

『んー?なになに、、長いなぁ。かくりよのおおかみ、あわれみたまい』

 

「えっと、、めぐみたまい、さきみたま、くしみたま」

 

「まもりたまい、さきはえ・・」

 

言っていいかい?・・めんどくさ!

でももうそろそろ終わる、という時に。

 

「大人しくしろやこのぉぉぉぉー!」

 

風先輩が思いっきり、大きくした大剣をバーテックスに向かって叩きつけた。

 

「「それでいいの!?」」

 

「魂をこめれば言葉は問わないのよ!」

 

いや、「大人しくしろやこのぉぉー!」は明らかに祝詞って感じじゃなくない?

それとそういうことはもっと先に言ってよ

 

 

その後バーテックスの頭部から逆三角錐の大きな『御霊』と呼ばれるものが出てきた

それはタイムミリットもあり、時間が経つにつれて神樹が枯れていき、その神樹が枯れると現実世界に悪い影響が起きていってしまうらしい。

 

ならとっとと破壊せぇや!という話なのだが、、、

 

「そぉい!って痛った~!硬すぎるよこれ~!」

 

いかんせん硬いらしい。

 

「ならばあたしが!せぇりゃー!痛った!

何よこれ?硬すぎよ!」

 

風先輩の大剣でも、友奈ちゃんの拳でも駄目なら、僕がやるか。

 

『あーじゃあ、僕がやるよ。』

 

「大丈夫ですか?翔助先輩?」

 

「めちゃ硬いわよ?これ。」

 

僕の勇者としての武器は4つある。

槍・槌・短剣×2・長剣

さて問題です。この中で一番破壊に特化している武器はどれでしょう?正解はー?

 

 

 

 

『やっぱり破壊は槌に限るな』

 

もちろん槌です。

ちなみに4つの武器にそれぞれ属性が違う能力がついている。

槍は水、短剣は風、長剣は火、槌は土。

槌(つち)だけにね!・・・すみません。

 

 

ただでさえ巨大な槌をさらに巨大にして御霊に向かって大きくふりかぶって、振り下ろした。

槌の能力は土、、つまり大地の力。

大地はどっしりとした、力の象徴だが、、

 

ドオォォン

 

轟音が鳴ったのを確認して、槌を一回よけ

て、四人で御霊を見る。すると、御霊が砂になって消えていっていた。

 

その光景を見て力が抜けたのかぐったりした友奈ちゃんをみて、少し言葉を紡ぐ。

 

『やったか?』

 

「ちょっ、翔助君、それフラグだよ!?」

 

『あはは、ごめんごめん。でもちゃんと砂になったところを見ただろ?君の考えてる通り僕達は勝ったんだよ。』

 

「もう、、でも、私達勝てたんだね!」

 

「翔助~友奈~二人ともナイスよ!」

 

『おっと危ない』

 

「ぐえっ!」

 

「お姉ちゃん!友奈さんの首絞まってるよ!?」

 

 

そんなやり取りをしていると世界が再び光に包まれた。

 

 

光が明けるとみんなで屋上にいた。

 

「みんな無事で良かった、、」

 

「東郷さんこそ無事で良かったよー」

 

美森ちゃんが僕達の安否を確認したあとほっとむねをなでおろしていた。

友奈ちゃんも美森ちゃんが問題ないことを確認して安心しているようだった。

 

そんな二人のやり取りを見ていると小学生だった時のことを思い出して、ついつい二人の頭を撫でていた。

 

「「翔助君?」」

 

『みんなのことを気遣うのもいいけど、自分のことも労りなよ?』

 

『みんな』って言うのは一人でもいなかったらそれはもう『みんな』じゃないからね

 

「あ、うん。・・ありがとう翔助君」

 

「・・わかったわ翔助君。」

 

『先輩達もですよ?いくら負い目があるとはいえ、前線ですぎです。』

 

「え、ええごめんなさいね?」

 

「す、すみません」

 

さすがに戦闘経験がほぼない子達が、前線出るのは危なすぎるからね、注意する。

 

 

その後さっきまでのことは誰も気づいていなく、さらには時間が止まっていたので、まだ時間的にはまだ授業中ということを伝えられた。

まぁ、僕は知っていたけど、はじめて知ったように驚いた演技をする。

 

「え!?それじゃあ風先輩私達ってサボりってことになるんじゃ、、」

 

「大丈夫。後で大赦にフォローをお願いしておくわ。」

 

「良かった~」

 

ちゃんとフォローが入ることがわかって、安心した様子の友奈ちゃん。

まぁ、ズル休みなんて言われたらたまったもんじゃないからね。

 

「・・お姉ちゃん、、」

 

「ええ。よく頑張ったわね樹。家に帰ったら好きなもの作ってあげるわよー!はじめての戦いを勝利で飾れたお祝いよー?」

 

「ううっ。お姉ちゃんー!!」

 

本当に仲いいなー樹ちゃんと風先輩。

クラスの友達で兄弟の子何人かいたけど、大体仲悪いみたいだったからね。

 

そんな二人のいい雰囲気をずっと静かに見ていた美森ちゃん。

たぶん、勇者のことについてわからないことだらけだから、風先輩に聞こうと思ってるんだろうね。でもなんやかんやで二人の時間を邪魔しないようにしてることから人の良さがわかるね。

そんな美森ちゃんに話しかける。

 

『聞きたいことはわかる。僕だってよくわかってないしね。でも多分明日風先輩から説明があると思うから、今はおさえてあげて、ね?』

 

「・・翔助君がそう言うなら、わかったわ」

 

美森ちゃんにそっと耳打ちすると美森ちゃんはそう言いながら静かに頷いてくれた。

・・優しい子だからこそ色々と聞いておきたいのだろう。それか、ずっと見ていただけの自分に怒りがわいているのだろう。

 

そういうところは記憶が消える前と同じなんだよなー本当に。

 

懐かしみながら姉妹のやり取りを優しく見守っていると最後に風先輩から。

 

「明日勇者部の部室に来てくれない?話したいことがあるの。」

 

と言われたので、今後の勇者部のことなど本当に全部話すことを決めたようだ。

風先輩のことだ責任を感じてるんだろう。

 

 

明日は、ほんの少しだけ荒れるような気がした。

 

 

 

 





ちゃんとオリ主の勇者としての力にはとあるカードゲームの元ネタがあります。

「ん?」ってなってくれる人がいてくれたら嬉しいです。

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