最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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再び戦闘回です。
どうぞ。


その陸

 

 

 

光が晴れるとなぜか周りにみんなはいなくて、一人だけ離れてテレポートしたらしい

位置情報を見るに、そう判断した僕はとりあえずバーテックスのもとに向かう。

 

『今回のバーテックスは・・また、君たち三体か。』

 

目視で確認できるところまでくると、相手のバーテックスの見た目と数をみて昔を思いだす。

 

あの時あそこに僕がいなかったら、夢の通りになって、銀ちゃんはきっともうこの世にはいなかっただろうね。あの子平気で無茶をするお人好しだからね。

 

そう懐かしく思っているとバーテックス達が僕に向かって行進してくる。

あれ?神樹様は僕がいる方向じゃないぜ?

 

・・バーテックスって恨みとか持つのかな

そう思えるぐらいに神樹様ガン無視でこちらに向かって矢を放ってくる。

 

『一回戦ったことあるんだからさ、そう簡単にあたると思うなよ~?』

 

無駄なエネルギーを使わないように、少しだけ体をずらして回避する。

次に一匹の頑丈な板で逃げ道をつぶしつつ

もう一回、今度は槍のような大きく、早い矢を飛ばしてきて、最後の一匹が鋭い針をぶつけてくるが、全てかわす。

相変わらず、すごい連携だな。

いや、僕という憎悪の対象がいるからかな

なぜかあの時よりも連携力が上がっているし、一発の攻撃がかなり殺意をもっているような気がする。

今回は精霊バリアがあるとはいえ、一発でも食らって地面に膝でもついたら、確実にボコボコにされるであろうな。

 

昔のバーテックス戦少しやり過ぎたかなぁと思いつつ、後ろに後退して、三匹が神樹に近寄らないよう距離をとらせる。

 

一回背を向けて走って逃げてみたのだが、後ろから三匹が全力で追いかけてきた時はさすがに少し怖かった。

もしバーテックス達がしゃべるんだったら

「逃がさんぞぉぉぉー!!」って感じだ。

 

とりあえず避けてばっかりだと勝てないので、短剣を二本だして風を纏う。

体が少し軽くなったので、三匹の攻撃後の隙を狙って体を捻り、素早く回転しながら

蠍座を切り刻む。

技名をつけるなら『風車』かな。

最後にネジを投げて再生力を【なかったことにする】。

 

本当なら三匹全員そのものをなかったことにしてやりたいけど、それは大嘘憑きじゃできないので、せめて再生力ぐらいは奪ってやんよー?

 

『ヘイヘイ~。そんなもんかー?これじゃあ『頂点』じゃなくて、『底辺』だな?』

 

一応僕をもっと狙ってくるよう挑発を入れておく。バーテックスに挑発が効くのか、わからないけど、、。

 

 

そんなこんなで援軍を待っているとついに仲間が到着したようだ。

 

 

「ごめん翔助!どんな感じ?今。」

 

『青いやつが二種類の矢を。赤いやつが頑丈な板を。最後に黄色いやったは鋭い針を使ってきますね。プラスするなら連携力が高いですね。』

 

「連携、、ですか?」

 

『そう。例をあげるなら赤の板で青の矢の軌道をずらして、当たったりして動きが鈍くなったところを黄の針が飛んできたりしました。』

 

「ええ!?バーテックスってそんなにちゃんと連携とれるの!?」

 

・・言えない。三匹の恨みを僕が買ってるからなんて言えない。

 

「とりあえず分担しましょう。私達が蟹座をやるから、友奈は蠍座。翔助が射手座ね

OK?」

 

「「「了解!」」」

 

分担して戦うのは良いことだけど、、こう言っちゃなんだが、訓練もろくにしてないのに三人は大丈夫なのだろうか?

一度戦った身としては、一匹一匹が十分な力をもっていることを良く知っているので

どうしても不安が残るんだよなぁ。

どうしても気になり、みんなの方に目をやるとやはり予想通りバーテックス達にみな翻弄されていた。

 

風先輩じゃあ、力と防御力はあるが、いかんせん速度がたりない。

逆に樹ちゃんは汎用性には長けるが、力がいかんせんたりない。どちらかというとサポート向けだしな、あのワイヤーは。

 

友奈ちゃんは、パワーにスピードどちらもあるが、それは相手も同じであり、加えて蠍座は装甲もまぁまぁ硬いので、てこずっている様子だ。

 

「きゃあ!」

 

そうこうしていると射手座が友奈ちゃんへと構えていたので見てみると、友奈ちゃんが蠍座に吹き飛ばされていた。

マジか、少しの隙すらも目ざとくみつけるとは、こいつ本当にスナイパーだな。

 

『友奈ちゃん!伏せて!』

 

そう叫びながら軽くなった体で素早く駆けつけて、武器を短剣から槌に変える。

そして地面を大きく踏みぬいて大きな岩を出現させ、上からの矢は槌を盾にして防ぐ

 

『重いかもしれないけど、耐えてね?』

 

そう友奈ちゃんに話すと同時に岩が壊されるのと同時に蠍座の攻撃がとんできた。

 

『仕方ない、槌を捨てるか、、』

 

その攻撃を槌を投げることで無力化するがすでに二回目の矢がとんできていた。

 

『っち。仕方ない。』

 

「・・あっ。」

 

武器で一部は弾いたりできるが、全部はさすがに不可能なため、友奈ちゃんを地面に横たわらせて、短剣を防御の形に構え、友奈ちゃんの前に立ち大量の矢に備える。

 

数秒後たくさんの衝撃と共に吹っ飛ばされそうになるが耐える。

しかしその隙を蠍座が見逃してくれるわけがなく・・強く叩きつけられた。

 

『っ!くそ、、危ないなぁ、、』

 

吹っ飛ばし+意識をもっていかれるところだったが耐えれた。

しかし、短剣はなぎはらわれ、槍や長剣もすでに最初の時間稼ぎの時に吹き飛ばされたため、今すぐ使える武器はない。

 

 

そこに無慈悲にも矢がとんでくる。

 

『ハァー。容赦ないな~』

 

ため息をつきながらそう愚痴をこぼしながら友奈ちゃんに覆い被さる。

 

また、たくさんの衝撃がおそってくるが今回は先ほどとは違い、防御手段がないため先ほどより威力が高く感じる。

 

「翔助君やめて!」

 

友奈ちゃんがやめるよう言ってくるがやめない。僕だからこそ、こう慣れて冷静に物事を考えられる位に余裕があるが、友奈ちゃんのような常人だと耐えきれるかどうかわからないからだ。

 

次に蠍座の攻撃がとんでくる。

・・やっぱりもろに食らうときついな。

耐えようとこらえこそしたが、あえなく吹っ飛ばされる。

 

 

どうやら友奈ちゃんの方ではなく純粋な恨みがある僕の方を先に始末したくてたまらないらしい。

 

 

こちらに向かってゆっくりと蠍座が近づいてくて、遠くを見ると射手座もこちらに矢を構えていた。

 

助太刀は期待できないだろう。

風先輩と樹ちゃんは板に苦戦中だ、友奈ちゃんも吹っ飛ばされた時に足でも負傷したのだろう。少し目を潤わせてこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

蠍座に踏まれ鋭い針を突きつけられて、

もはやこれまでかというところである少女の叫びが聞こえた。

 

 

 

「友奈ちゃんを、、翔助君を、、みんなを、、もう、いじめないでぇぇぇ!」

 

ふと声がする方向に目をやると眩しい光に包まれている美森ちゃんが見えた。

 

数秒後光が晴れた時にいた美森ちゃんは覚悟を決めた顔をしていた。

 

 

発砲音が聞こえたのちに、蠍座の針が根元から吹っ飛ばされていた。

 

次に拳銃を消して散弾銃を取り出して、蠍座に何回も当てて仰け反らせていた。

おかげで蠍座の力が弱まっていたので、今のうちに抜け出す。

 

「東郷さん・・凄い・・」

 

・・本当に凄いよ、さすがだ。

でも男として、

 

これは負けてられないよなぁ?

『大嘘憑き』で僕の傷を【なかったこと】

にして、戦闘態勢を整える。

 

『ありがとう。助かったよ美森ちゃん』

 

「無事でよかったわ翔助君。私も戦うわ」

 

『ん?なんでそれを僕に言うんだい?』

 

「え?い、いや何か言わないといけないような気がして、、」

 

まぁ、何だっていいや。

・・何か美森ちゃんが戦ってくれることがうれしいような、悲しいような。

結局この子もお役目縛られるんだな、、

 

『そっか、じゃあよろしくね美森ちゃん』

 

「・・えぇ!任せて!」

 

 

 

さて、反撃の時間だ。




はい。蟹座、射手座、蠍座との再戦です。

ちなみに翔助君の痛みや、精神攻撃への耐性はチート級です。

正直この主人公の一番のチート要素です。

まぁ、あくまで慣れてるってだけなので、運動能力などは勇者になっていなければ、小4の女の子に負けるレベルです。

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