最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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はい。今回は主に夏凜ちゃんとの絡み回となっております。
どうぞ。


その玖

 

 

約束の日---

 

「わ、悪いわね。少し遅れちゃって」

 

『いやいや気にしてないよ。僕も今来たところだからね。』

 

「そうなの?なら良かったわ。」

 

まぁ、本当はちゃんと時間より五分前に着いていたのだが、黙っておく。

 

・・というか何かこのやり取り、、

 

『恋人達のデートみたいだね?これ』

 

「で、で、デート!?」

 

あらら、あっという間に茹で蛸みたいに真っ赤になっちゃったよ。

とは言ってみるものの、正直そんな夏凜ちゃんが見てみたくてからかったのだが

 

『あはは。冗談だよ?』

 

「・・あんたねぇ~?」

 

『ごめんって。とりあえず時間は有限だからとっとと行こうじゃないか。』

 

「誰のせいだと思ってるのよ、、」

 

そんな愚痴を言いながら、しっかりと着いてきてくれるあたり、やっぱり根はいいこなんだろう。

少し気持ちを伝えるのが不器用なタイプなんだろうね、夏凜ちゃんは。

簡単に言うならツンデレ?ってやつだ

 

「あんた今何か失礼なこと考えなかったかしらー?」

 

おや、さすが完成型勇者は勘も鋭いみたいだね。まぁとりあえず誤魔化すか。

 

『いや?ちょっとしか考えてないよ』

 

「ならいいわ、、って、やっぱり考えてたんじゃない!?」

 

おや、口が滑ってしまった。

 

そんな風にふざけながら歩いていると目的地『かめや』についた。

 

『とりあえず中に入って注文をとろうか?ささ、入って入って、夏凜ちゃん。』

 

「急かさないでよ、わかったから」

 

ガラガラ

 

「おや、いらっしゃいって、翔助君じゃないか。ん?・・隣の子は誰だい?見ない子だけど、、新しい友達かい?」

 

『はい。少し前に転校してきたんですが、意気投合しまして。同じ部活にも入ってるぐらいでして。』

 

「なるほどねぇ。お嬢ちゃん、お名前はなんて言うんだい?」

 

オーナーさん、あなたがいい人なのはわかってますけど、初対面の子にいきなり名前という個人情報を聞くのはどうかと。

 

「え、えっと。三好夏凜って言います」

 

「夏凜ちゃんね。いい名前だねー。名付けてくれた親にちゃんと感謝しなよ?」

 

「は、はぁ。」

 

オーナーさんはいい人なんだけど、一回話しだすと長いため、悪いとは思いつつストップをかける。

 

『ストップです。ずっとこうやって立ってるのも彼女に悪いですし、座ってもいいですかね?』

 

「ありゃ、ごめんね夏凜ちゃん。それじゃあ俺は出前行ってくるから、またなー」

 

『はーい、、よし座って注文しようか』

 

「え、えぇ。・・助かったわ。」

 

『ごめんね。オーナーさんに悪気はないんだよ、だから嫌いになってあげないでおくれよ?』

 

「別に嫌いになったりはしないけど、、少し苦手ね。あの人。」

 

まぁ、あの人はだいぶ初対面の人にも、グイグイ行くからね。

でも、気さくな人だっていう風に良い方向に働いていることが多いので、気にしなくていいだろう。

 

その後二人で頼んだ品がバイトさんが運んできてくれたため。おいしくいただいた

 

「・・あ、、おいしいわね。」

 

『だろ?僕もたまに来るんだよ。といっても風先輩ほど食べはしないけどね。」

 

「え?風ってそんなに食べるの?」

 

『この前勇者部で食べに来た時は4杯も食べてたよ。』

 

「・・えぐいわね。」

 

確かにおいしいのはわかるのだが、僕だと一番量が少ないやつでお腹一杯になるため

風先輩が化け物によく見える。

そんな勇者部の部員の事を話しながら食べているとあっという間に食べ終わったので

店を出て、公園に寄り勇者についての情報交換をしていると、日が落ちはじめていたため、帰路につく。

 

歩いている中、ふと気になったことがあるので、夏凜ちゃんに聞く。

 

『夏凜ちゃんってさ。トレーニングだとか訓練をよくしてるらしいけど、食事とかはどうしてるんだい?』

 

コンビニ弁当とか言いそうだなー

夏凜ちゃんのことだから「訓練のための、一分一秒すらも惜しいのよ!」とかそんなこと言ってきそうだな~?

 

「え?食事?・・私は主にコンビニ弁当だとか、サプリを飲んだりしてるわよ、後はそうね、、これよ。」

 

夏凜ちゃんがカバンをまさぐってある袋を取り出して僕に見せてくる。それは、

 

『・・え?にぼし?』

 

『栄養満点!おいしいにぼし!』と書かれた煮干しの袋だった。

 

え?何でにぼし?

コンビニ弁当や、サプリメントはわかるけれどさ、、にぼし?

僕が予想してたのは冷凍食品だとか、レトルト食品といった、直ぐに作れて味も悪くない変わりに、栄養バランスが片寄っているような感じかと思っていたんだけど

 

「何よ?にぼしはビタミン、ミネラル、カルシウム等々、様々な栄養をとれる完全食なのよ?なんなら一つ食べる?はい。」

 

あーうん。僕が言いたいことはそういうことじゃないんだ。栄養が豊富なのは僕だってよく知ってるよ?そういう問題じゃないんだよな~。

・・仕方ない。多少強引だけど、、

 

『さすがに毎日そんな食生活なのは見過ごせないよ。夏凜ちゃん?』

 

「な、何よ。どうかしたの?」

 

少し咎めるように言うと、夏凜ちゃんは何が駄目なのかわかっていないようだ。

そんな夏凜ちゃんに一言話す。

 

 

『今日僕ん家で晩御飯食べていきなよ』

 

 

 

 

私こと三好夏凜は戸惑っている。

理由はたった一つだ、、

翔助の家にいるからだ。

 

翔助にいつも食事はどうしているのか聞かれて、いつも通りのことを話した結果、可哀想な物を見る目で、

 

『今日僕ん家で晩御飯食べていきなよ』

 

 

と言われて今に至る。

最初に会った時に話したことと、今日1日一緒に過ごしてみて、悪い奴ではないというのはわかっていたのだが、それでも緊張するものはするのよ、、。

 

チラッと台所を見てみると、野菜を鮮やかな手さばきで切っていたのが見えた。

料理慣れしてるのかしら?同年齢で料理ができる男など聞いたことがないけど、、

 

 

 

数分後----

 

『できたよー。夏凜ちゃん。』

 

数分後に翔助が鍋を持ってきて、喋りながら蓋を開けて見せてくれた。

どうやらシチューらしいけど、少し量が多いような気がする。

 

その事について聞いてみると、どうやら翔助のお母さんの分もあるらしい。

やはり翔助は悪い奴ではなさそうだ。

 

その日私は昼といい、翔助と話しをしながら食事をとった。

・・いつもは直ぐに終えてしまっていた食事の時間は長くなり、胸が暖かかった。

 

『・・おや、夏凜ちゃん。君もきれいに笑えるじゃないか。』

 

「え?」

 

翔助に言われて自分の顔を触ると、確かに頬が少しつり上がっていた。

 

『どうだい?一人でいるより二人でいたほうが楽しかっただろう?』

 

「・・・・」

 

そう言われて今日を振り返ってみる。

確かに翔助にからかわれたりして、疲れたりはしたが、その疲れは全然嫌じゃなかった。むしろ、、楽しかった。

 

『君は、不器用なんだろうね。今日1日一緒に遊んでみてわかったよ。』

 

そんなことわからない。

自分じゃ、器用なのかそうじゃないのかなんて正直よくわからない。

自分の事で必死で、人と触れあったことなんて大してないから。

 

『わからないって思っただろう?わからなくていいんだよ。』

 

「・・何でわからなくていいのよ。」

 

『人間最初から何をどうすればいいのか、なんてわかる子はいないだろう?それが君の場合は会話だっただけさ。』

 

理にかなってはいる。

しかし、今更言われたところで直せそうにもない。・・どうしろっていうのよ。

 

『夏凜ちゃん。人はそう簡単には変われない。でもさ、心は変えられるぜ?心機一転っていうだろう?』

 

「心を、、?」

 

『君が今すべきことは何かってことだよ。

勇者部の中で君のことを歓迎してない人がいるんだけど、、わかるかな?』

 

「風よね?」

 

『正解。そんな彼女に、、いや、彼女達にしなきゃいけないことがあるんじゃないかな?夏凜ちゃん?』

 

・・えぇ。そうね。

 

「謝らなくちゃあね。勇者部に、、何かしゃくだけど。」

 

『あはは。君からその考えが出てくるなんてね~?』

 

「えぇい!やかましいわ!」

 

さっきの緊迫した空気は消え、おどけた雰囲気となった。

なぜか今日はいい気分だ

訓練も捗りそうだ。そして、、

少しだけ、何かをつかめた気がする。

 

『そろそろお帰りの時間だね。』

 

そんな声が聞こえたので身支度を済ませて玄関へと向かう。

 

『家まで送ろうか?』

 

「いや、いいわよ。」

 

翔助の申し出を拒否し、ドアを開ける。

 

そして家をでようとしたところでボソッっと喋る。

 

「・・今日は、、ありがと。」

 

ドアを閉めた時に一瞬見えた翔助の表情は、いつもよりも優しく微笑んでいた。

 

 

家へと帰る道中、やけに顔が熱かった。

 

 





はい。深夜です。
どうですかね?
夏凜ちゃんのキャラ大丈夫ですかね?
あと、誤字も不安です。
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