最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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こんばんは。
いつも通り思いついたので投稿です。
少し飛ばし飛ばしかもしれませんが、

どうぞ




その拾二

 

円陣後、風先輩が満開のシステムを話した後でバーテックスを退治しはじめた。途中で他のバーテックスが割り込んできたりして、危ない時がいくつかあったが、先代の時の知識を生かして僕が代わりに柔軟に対処したりした。

 

しかし、バーテックス陣営のある行動により戦況が大きく変わる。

 

「このぉ!、、って、え?」

 

『おっとと、危ない危ない。』

 

「ありがと、、って!これお、お姫様抱っこってやつじゃないの!?」

 

すでに何匹か御霊まで追い込むことができており、夏凜ちゃんが止めをさそうとしていたのだが、バーテックスがまるで何かに引っ張られるように移動した。

とりあえず夏凜ちゃんを抱き抱え、どこもぶつけないようにする。

・・お姫様抱っこしてしまったのは謝るから、今は落ち着いてね?

 

どうやら他のバーテックスも同じようで、御霊にした星座が全て一点に吸い寄せられていた。

 

「・・あれ、、合体してるの、、?」

 

『・・らしいね。まさかバーテックス同士で合体できるとは思わなかったよ。見た目もかなり大きくなったね。』

 

吸い寄せられた星座達の、それぞれの特徴

を持っているバーテックスが目の前に現れていた。

・・実はバーテックス達が合体できるのは知っていた。まさかあそこまで大きくなるほどまで合体可能とは知らなかったが

 

「合体?・・こんなの聞いてないわよ」

 

『まぁ、悪くいえば大幅強化だけど、良く言えば一匹ずつ倒す手間が省けたってもんじゃないかな?』

 

「そうだよ!一度に倒せるよ!」

 

「翔助先輩も、友奈さんもすごい前向きですね、、」

 

「間違ってはないんじゃない?二人の言う通り手間が省けるわよ。みんな!まとめて封印してやりましょう!」

 

会話が終わると同時に火球が飛いくつか勇者部に向かって飛んでくる。

みんなそれぞれが、回避、防御、反撃に移るが、合体してるだけあってみんな迎撃しきれず、被弾してしまう。

 

『危ねっ、、みんな無事、、じゃないだろうね。小さめとは言え、人間にとっては十分だしな。』

 

精霊バリアがあるからそこまでは問題じゃないだろうけど、無傷とはいかないだろう

あの見た目でそんな生易し攻撃をするとは考えがたいしね。

 

『レーザーもあるし、追尾可能な火球ねぇ硬さも十分だから、攻守共に優秀だ、、さて、どうするかな?』

 

攻撃は避けられるが、みんなを庇いながらできるかと言われたらもちろんNOだ。

それに、ちょくちょく水球を飛ばしてきたりするので、油断をしたら一気に吹きとばされちゃうかな?

 

うーん、無勢に多勢とはこのことか。

さすがにこのまま一人でやるのは辛いな、

何とかみんなが復帰してくるのを願って耐えてみるしかないか、、

 

『・・轟山。』

 

ふといつの間にか肩に轟山がいた。

いつの間に、、?

少し驚いていると、轟山が小さな口を開いて言葉を発した。

 

《・・しゅじん。ぼくたちのことわすれてない?》

 

・・そう言えばこの子達がいたか。

しかし、精霊の力を扱うのは実は今回が初めてなんだよなー。

それにいくらなんでもあれを倒すのは無理があるんじゃなかろうか?

 

《・・しゅじん。たおすのはたしかにすこしきびしいけれど、、じかんをかせぐくらいなら、よゆうだよ。》

 

『そうなのかい?』

 

それが本当なら嬉しい誤算だ。

初めてということもあり、少々不安が残るが、、みんなのためだ、背に腹は変えられないよな。

 

『いい知らせをありがとうね。よし、やってみますかね~。』

 

轟山は、土の力との相性がいいらしいので槌を取り出す。

 

『轟山。ふつつかものですが、よろしくお願いします。』

 

《・・りょうかい。しゅじんのために、このわたしのちからをぜんりょくで、おかしします。》

 

その轟山の言葉と同時に、力がみなぎってくる。なるほど、こういう感じなんだね精霊の力を借りるってのは。

 

・・よし、やってやりますか。

 

 

『山をも轟く大きな力。土の定めと共に!』

 

そうバーテックス達に吠えて、前よりも大きくなった槌を構える。

 

『こら、そこ。何さりげなく神樹に向かって直進してるんだよ?』

 

颯爽と神樹に向かっていた双子座に向けて槌を投げ飛ばして地面にクレーターを作りつつ、ダウンさせる。

 

武器がなくなった所を合体バーテックスが

火球を飛ばして攻撃してくる。

確かにクールタイムがいつもならあるけれど、残念ながら今の僕には、、

 

『残念でした。そんな大きな隙は晒すつもりはないぜ~?』

 

精霊の力を借りているため、0とはいかないが、クールタイムはほぼないのと等しい

火球を弾きとばしたのち、とっさに上へと大きく飛ぶ。

 

『ひゅ~。危ないね~。』

 

そこに水球がとんできたため、叩き割るのと同時にレーザーもとばしてくる。

危ない危ない、あのままあそこにいたら動きを封じられたのち、あのレーザーで吹きとばされていただろう。

なんて恐ろしいことをするんだ、、

 

そんなことを考えている時も、合体バーテックスは攻撃を繰りだしてくる。

 

・・さすが強化されただけはあるね。視界外からの攻撃をちょくちょく挟んでくるので、自慢じゃないが、僕以外だったら今頃地面に倒れ伏しているだろうね。

空気を読んで、相手の攻撃を避ける。

隙があれば殴るということを淡々と繰り返し行う。

 

倒れているみんなより、僕の方を脅威に思ったのか、僕の方に注意を向けてくれているのは正直ありがたい。

みんなを庇いながら戦うのなんて、きついから助かるよ。

 

しかし、さっきまで遠くにいたバーテックス達が僕の方へ向かってくる。

魚座の邪魔がかなりうざったい。

 

 

そんなバーテックス達を叩きつけていると合体バーテックスの攻撃がとんできていた

ので迎撃に備えようとするが、、

 

『ちょっ、邪魔だよ。』

 

魚座がそうはさせまいと攻撃をしてくる

急いで吹っ飛ばすが、火球は全部弾いたものの、触手までは間に合わない。

防御体制に切り替えて、攻撃を迎えようとするといつの間にか起き上がっていたのか友奈ちゃんが触手を殴りとばしていた

 

助かったよ、そう言おうと思ったが、今度は友奈ちゃんに火球が放たれていたので急いで友奈ちゃんを庇う。

 

『ふぅ。ありがとうね、友奈ちゃん』

 

「だ、大丈夫なの?翔助君?」

 

『ノープロブレムだよ。』

 

「本当に?、、なら良かったよ~」

 

そんな会話をしつつも、僕達はバーテックスへの警戒は怠らない。

いつ、何をされても大丈夫なようにだ

それにしても、人手が増えるのはありがたい。とりあえずの時間稼ぎは成功だ。

 

途中でいくつか案は浮かんだのだが、一人ではできないものばかりだったので実行できずにいたのだ。

ぜひとも実行したいのだが、、二人だと少し危ないかもしれないんだよなぁ。

 

友奈ちゃんが起き上がった所を見るに、他の子達も起き上がってくるかもしれないから、その時に実行するか、、?

 

「・・翔助君。」

 

うーむ。と考えていると、友奈ちゃんが両手で僕の手を包みこんで、優しい声で話かけてきた。

 

『ん?友奈ちゃん?』

 

「勇者部五箇条その四、『悩んだら相談』

だよ?」

 

なるほど、悩んでいる僕を見かねて話しかけてくれたってわけか。

実に友奈ちゃんらしいね~

 

・・さすがにここまで言われて黙り通すのは無理があるよな~。

ちなみに作戦というのは、誰か他の人がバーテックスの気をひいてくれているうちに巨大化させた槌をぶち当てる。という簡単なものなのだが、さっき言った通り、気をひく人が一人だとかなり危ない。

 

心配してくれた友奈ちゃんには悪いけど、やっぱり却下させてもらおう。

笑って友奈ちゃんの頭を撫でながらお礼を言う。

 

『あはは、ありがとうね?友奈ちゃん』

 

「・・あっ。」

 

『気持ちはうれしいけど、やっぱり安全面的にやめておこう。とりあえずみんなが復帰するまで二人で時間を稼いでおこう』

 

「うん。そうだね!」

 

その後の戦闘では、さっきよりはマシになったが、やはり辛いね。

みんながくるまで持つかな?

 

「キャッ!」

 

さすがに限界がきたのか、友奈ちゃんが火球をよけた後、転んでしまっていた。

その隙を狙い、バーテックスの触手がいくつか友奈ちゃんへと伸びる。

 

『そうはいかないぜ?ってマジかよ。』

 

当然急いで庇いにいき、触手をはらうが、いくつかはらいきれず、捕まえられると同時に力を加えられ始める。

 

「翔助君!」

 

友奈ちゃんの叫び声が聞こえた。

恐らく転んだ時に腰でも打ったのだろう、力が入らず立てていないようだ。

 

 

 

 

その時、遠くで懐かしいものを見た。

 

 

「「『満開』!!」」

 

 

そんな声が聞こえた直後、バーテックスの触手が大剣とワイヤーによって切られて、体が解放される。

 

「遅れてごめん!大丈夫?翔助?」

 

「痛いところはないですか?翔助先輩」

 

そう話しかけてくれた犬吠埼姉妹の勇者服は見事に花が咲いたかのように見えた

 

そうか・・しちゃったか、遂に。

 

『大丈夫だよ。にしても本当にヒーローは遅れてやって来るんですね~?』

 

「うん、そんな軽口を聞けるぐらいなら大丈夫そうね、とりあえず一安心よ。」

 

『言っておきますけど、それは僕のセリフでもありますからね?』

 

「そんなことよりも、次来たわよ」

 

風先輩の言うとおり、もはや見慣れたバーテックスの火球が飛んでくるが、さっきまでのやつより少しだけ大きい。

 

しかし、その火球は発泡音と、共に全て消えさっていた。

ふと後ろを見ると、戦艦のようなものに乗っている美森ちゃんがいた。

 

『ナイスカバーだよ、美森ちゃん。』

 

「ふふふ、ありがとうね。」

 

 

・・なるべく皆が満開しないようにしたかったけど、やっぱりそう甘くないか。

 

仕方ない、、こうなったら、とことんやってやるしかないよな。

 

『じゃあ、やりますか。』

 

『満開!』

 

その言葉と共に白と黒の服だけでなく、白と黒色の、能面が顔につく。

力がまた増えるのを感じた。

 

『轟山、いくよ。』

 

そう呟きながら槌を巨大化させ、一度高く天へと掲げたのち、大きく、素早く、天秤座以上に回転し、巨大な台風を作りながら

合体バーテックスに近づいていく。

途中、水球や触手などを行ってきたが、全て台風の風によって吹っ飛ばす。

 

『ガイアブレイカー』

 

これが、槌で出せる現在の時点での恐らく最大火力なんだけど、どうだろうか?

 

しっかりとバーテックスにぶち当てたのを確認して、回転をやめる。

台風が去った後バーテックスを見ると、御霊を放出していたのだが、いかんせんデカく、高度が高いのだ。

 

「ナイス翔助!でもどうする?あれ?」

 

「わたしが、、って届かないなぁ」

 

「・・風先輩。今のわたしならあそこまでいけます、、友奈ちゃん乗って。」

 

どうやら美森ちゃんの戦艦に乗って、友奈ちゃんが御霊に向かっていくようだ。

 

『なら、僕も、、』

 

「翔助君は休憩してて?ここはとりあえずわたしがいくからさ?」

 

この状態になった友奈ちゃんは、何を言っても聞いてくれないだろう。

みんな優しい子だからねー。

 

『・・わかったよ。気をつけてね?』

 

「えぇ。もちろんよ。」

 

「任せて!」

 

 

その後高く飛び行く二人を見送ったのだが

やはり苦戦しているらしく、中々終わらない模様。

 

えっと、僕の満開時間は、、大丈夫だ

 

『風先輩。友奈ちゃんが苦戦してるみたいなので、援護に行ってもいいですか』

 

「え?援護って言ったって、どうやってあそこまでいくのよ?」

 

「私達は大丈夫ですけど、、どうするんですか?翔助先輩?」

 

とりあえず許可はおりたので、昔やったフォームを思い出しながら、構える。

 

『こうするんですよっ!っと!』

 

「「「えぇ!?」」」

 

いつぞやの光景と同じだなー。

槌を投げて、思いっきり強化された体を全力で使い、地面を大きく蹴り、飛び上がって槌、もとい友奈ちゃんのもとへ。

 

 

『やぁぁぁーあ。友奈ちゃん。』

 

「えぇ!?翔助君!?」

 

天へと高く飛び上がると、姿が大きく変わって顔をしかめていた友奈ちゃんがいた

まぁ、直ぐに驚愕の表情に染まったが

 

『大丈夫かい?友奈ちゃん?』

 

「あ、うん。やっぱり壊せなくて、、」

 

大きなヒビは入っているが、確かに壊すまでには至っていなかった。

 

ん~一人でだめならば――

 

『よいしょお!』

 

二人でやればいい――

 

強く叩いた後、友奈ちゃんの手を両手で包み込んであげる。

こころなしか、少し震えていた。

 

『なら、二人でやればいい。』

 

「・・え?」

 

『どうやら君は少し抱え込む癖があるみたいだね?大方、『私がやらないと』とでも考えてたんじゃないかな?』

 

「・・うん。」

 

『それは間違いだよ。正しくは私『達』だからね。何のための勇者部なんだい?』

 

『一人で無理なら、みんなでやる。ほら、実に簡単なことだろ?』

 

『君は一人じゃない、だからさ、、』

 

 

 

 

 

 

『一人で抱え込まないでくれよな?』

 

 

「・・うん、うん!」

 

『よし、良い返事だ。先に僕が叩くから後に続いてくれよ?』

 

「そうだ!どうせだから勇者部五箇条の五つ目を言いながらやろう?」

 

『良いねー。じゃあ行くぜ?』

 

槌を大きくさせて、無理やり体を動かしつつ叫ぶ。

 

『勇者部五箇条。その五!』

 

「なせば大抵、何とかなる!!」

 

 

 

「勇者パァァーンチ!!」

 

 

その後無事勝てたのだが、三人共に着地の事は考えておらず、樹ちゃんに何とか助けられた。本当にありがとうございます

 

 

 

 




長くなりました、、

という訳で総力戦でした。
時間を稼いでいたというわけで、オリ主オンリーのシーンが多めになりました。

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