最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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はい、
今回は総力戦のその後になります。




その拾三

 

--前のバーテックス戦のその後--

 

あの戦いが終わってから、僕達はそれぞれ検査のために入院することになった。

検査とは言っても、簡単な血液検査やら身体検査ぐらいのため苦ではない。

 

さて、問題は満開による代償だが、、

 

「少し左足と左腕が動かしにくいみたいですが、疲れているだけでそのうち治るでしょう。他にも負傷箇所がありましたが、君は治癒能力が高いのか直ぐ治りました」

 

やはり代償で奪われたということは伏せて告げられるが、僕にはちゃんと伝わる

どうやら左の腕と足が奪われたらしい

・・体ならまだ大丈夫だな。

満開の代償は能力では治せないと言ったが、応急措置ぐらいはできる。

100%まではいかないが、70%ぐらいまでは使えるようになる。

 

「・・それと、ここからが本題なのですけれど、君は内臓機関が衰え気味らしい。あまり動くのは良くないのだが、、少し前線から身を引いてはどうかな?」

 

医者の先生が告げた通り、僕は内臓機関を満開の代償として捧げている。

ちなみに僕の満開の回数は今回の戦闘での使用を合わせて7回。

捧げている箇所は、

心臓・肝臓・右肺・左肺・左脳

という感じである。

この中で一番やばそうなのは心臓に見えるだろうが、一番影響があったのは脳だ。

まぁ、左脳だけだったのは幸いだね。

 

回数を見るとまだ足りないと思う人がいるだろう。その分は他に回されている。

代償の事についてしゃべりたいのはやまやまだけど、、皆の元に行こうか。

 

『いえ、大丈夫ですよ。あくまで弱いだけなんですよね?なら問題なしです。』

 

「いや、しかし、、」

 

『勇者がこのくらいで音をあげていられませんよ。あの子達が頑張っている中休むなど言語道断ですよ?それに、、』

 

扉を開けながら医者さんに語る。

 

 

 

 

『あんないい子達が辛い思いをして、こんな僕が楽をしていい筈がないですよ』

 

 

 

 

 

神樹様もそう思っているだろう。

僕はどんなに頑張っても、『壊れている』のだからね。

 

 

 

部屋を出て娯楽室に向かうと皆既に集まっていたみたいだ。

・・少し暗くない?

何かあったのかな?

 

『何かあったのかい?少し暗いけど』

 

「・・いや、樹の声がでなくてさ、、」

 

「お医者さんは戦闘後の一時的な疲れらしいのだけれど、、」

 

「・・・!」

 

そうか、樹ちゃんは声なのか。そして風先輩は左目の眼帯を見るに、左目か。

辛そうに皆が樹ちゃんを見ると、樹ちゃんはそれに、ふるふると首を横にふる。

 

『心配無用って言いたいのかい?』

 

「・・・!!」

 

そう聞くと縦に首を大きくふる。

樹ちゃんは何気に勇者部の中で、一番メンタル的には強いかもしれない

普通なら怖がるだろうにね。

 

「樹、、」

 

『・・あんまり暗い話はいけないってのはわかってるけど、みんなは特に何か言われたりしなかったかい?』

 

二人の絡みを横目で見つつ、みんなに現在の状態を訪ねてみる。

 

「わたしは特にないよ。」

 

「私は左耳が聞こえないわ、、」

 

『夏凜ちゃんは大丈夫かい?』

 

「えぇ、特に問題なしよ。私が一番被弾とかの被害が少なかったからね」

 

なるほど。美森ちゃんが耳に、友奈ちゃんは特になし、、というかまだわかってないだけだろうな。隠してるわけでもなさそうだし、だからと言って安心はできない。

 

目に見えず、実感も湧かない物はある。

例は美森ちゃんの『記憶』とかだね。

むしろ尚更心配になるよね、不明は。

 

「そういう翔助君はどうなの?」

 

『ん?僕なら少し左腕と左足が使いにくいぐらいかな。美森ちゃんと違って、全く使えないわけじゃないから、大丈夫だよ」

 

「良かったぁ~。」

 

友奈ちゃんと美森ちゃんが心配そうな目で僕を見てくる。夏凜ちゃんは少し申し訳なさそうに見てくるので、大丈夫なことを伝えると三人共胸を撫で下ろしていた。

 

『・・とりあえず勇者部の勝利を祝って、祝勝会でもやりません?風先輩?』

 

「・・・そうね。とりあえず大勝利を祝って、パーっとやりましょう!」

 

 

少し経って売店からお菓子やらジュースやらを買って祝勝会を開いた。

 

「よぉーし、みんなー。乾杯~!」

 

「「「「乾杯!」」」」

 

風先輩のその言葉を期にみんなでがやがやお菓子を食べながら話した。

 

 

みんなは話しに夢中になってるようで気づいていないが、僕はあることに気づいたので、ある人物に話しかける。

 

『友奈ちゃん。どう?楽しんでる?』

 

「あ、翔助君。もちろんだよ。」

 

・・嘘だね。明らかに隠してる事がある

さっきふと友奈ちゃんのみた時、お菓子を食べた後、渋い顔をしていた。

 

食べた後に渋い顔をしたという事は、

 

『はい、ダウト。・・味覚かい?』

 

「・・うん。味がさ、しないんだ。」

 

友奈ちゃんは『味覚』か、、

良くもなく、悪くもないが、食べ物を食べる時は気持ち悪いだろうね。

 

『言わないのかい?』

 

「あまり心配かけたくないし、大丈夫だよ!お医者さんが言うには治療をすればちゃんと治るって言ってたしさ?」

 

・・黙っていたほうがバレた時、より心配かけると思うんだけど。

まぁ、それが友奈ちゃんの選択なら僕は何も言うまい。そもそも人の事を僕も言えないからね~。

友奈ちゃんを優しく撫でながら話す。

 

『わかった。君がそれでいいならいいけど悩やんだら相談だぜ?』

 

「ん、、ありがとう。」

 

 

 

少し時間を置いたのち風先輩がみんなにシール付き携帯を渡し、勇者アプリが使えないことをみんなに説明する。

それを聞いた友奈ちゃんが牛鬼との別れをしっかりできなかったことを嘆いていた

 

「あたし達の戦いはあれで終わったからしょうがないわよ。」

 

・・『終わり』、、ね。

 

そううまくいけばいいけどね~。

 

 

 

 

そんな事を考えながらみんなと別れ、娯楽室をあとにした。

 

 




短めです。
オリ主の勇者部みんなへの考えと、代償についてなどなどでした。

残り二つの代償については皆さんも考えてみてください。

正解はしっかり話のどこかで書きます。

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