最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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自分の小説情報をふと見ると、書いた文字数が10万字越えてました。

気軽に感想などを書いていただけるとアドバイスなら参考に、他なら励みになりますのでありがたいです。


・・ふと気になったんですが、この小説に来た人って『~は勇者シリーズ』を知って来てくれた人と、『めだかボックス』の球磨川先輩を知って来てくれた人、どっちの方が多いんでしょうか?




その拾九

 

 

目が覚めると知らない天井だった。

……って、定番のセリフ考えてる場合じゃないよな~。

 

しかし、まさか園子ちゃんにスタンガン使われて気絶させられるとはな。

まぁ、あのスタンガンかなり弱めだったから普通の人ならほんのちょっと痛いぐらいだろうから僕の身体が弱すぎるだけだな

そのあとに抱きしめられたのは病院に精霊の力を使って転移するためだろう。

 

「……あ、起きた~?」

 

「……お、本当だおはよう。」

 

起きた僕に気づいた二人が挨拶してくる

というか、同じ病室なんだね。

 

『中学生の女の子と同じ病室なのか』

 

「……そのほうが私達、満開複数組を奉りやすいからじゃないか?」

 

なるほど、それなら納得だな。

 

「まあ、私達が一緒がいいって言ったのもあるんだけどね~。」

 

「ちょ、ちょっと言うなよ園子!」

 

・・へぇー二人共うれしいこと言ってくれるねぇ~。

 

『あはは、そう言ってくれると、友達冥利に尽きるよ~ありがとうね?』

 

そう感謝の言葉を二人に告げると、ジトーっとした目を向けられる。

さっきまで恥ずかしがって頬を赤らめていた銀ちゃんまでジト目で見てくる。

・・何で?何か変なこと言った?

 

『……何か変な事言ったかい?』

 

「…そういう所だぞー?翔助ー?」

 

「……これはやっぱり難しそうなんよ」

 

『??』

 

えぇー?わけわかめなんだが?

でも、それから色々な話を数日間して盛り上がった。勇者部の子達の話しとかは面白がって聞いてくれていたけど、こころなしか顔が少し険しくなっていたので、疑問に思いながらも昔三人の時間を楽しんだ。

 

「いやぁーやっぱり翔助がいるだけでだいぶ暇をつぶせるなぁー」

 

『銀ちゃん?君は僕のことを暇潰しの道具か何かだと思ってないかい?』

 

「……べ、別にー?」

 

『無理があるぜ銀ちゃん。』

 

「あはは。・・こうして話すとまるで散華がなかったころに戻ったみたいだね~」

 

『美森ちゃんもいたら、、そうだね』

 

僕がそう言ったのを皮切りに空気が変わり悲しい雰囲気になる。

 

「そっか、、今は美森だったっけ。」

 

「わっしー元気そうで何よりだったよ」

 

 

そう話す二人の表情には少し影がともっていた。・・いくら前よりも成長して、中学生になっているとしても、この子達は可哀想すぎるよなー

この世界は前世と比べてどの人も優しい性格の人ばかりで一見平和と思うかもしれない、だけど裏では『勇者』と呼ばれる子達が身を削り平和を作っている。

 

ははっ、『誰かが犠牲になっている』という意味では前世と同じだね。

人はどんなにいい人でも、気づいていないだけで他人を蹴落としている。

・・ほらね?一緒だろ?

まあ、これは今世でも言えるけどね。

 

 

違いは犠牲になる人が『弱者』から

『無垢な少女』になってることかな?

 

 

そんなことを考えていると、ふと空気の乱れを感じた。

・・誰かが何かに怒ってる、、いや、そんなレベルじゃないな。怒り狂ってるって表して丁度良いレベルだ。

 

「……ん?どうしたんだ、翔助?」

 

さっきまで倒していた身体を急に起こした

僕を不審に思ったのか、銀ちゃんが不思議な様子で訪ねてくる。

 

『……何か嫌な予感がしてね。』

 

「…確かに何か変な感じがするね、」

 

「そう言われてみると、確かに、、」

 

コンコン、、ガチャ

 

銀ちゃんがそう言いかけた時に病室の部屋の扉が数回のノックと共に開く。

 

「失礼します。園子様、銀様、翔助様。」

 

大赦の人達が断りを入れて、入って来る

 

「現在、現勇者の犬吠埼風が暴走しております。」

 

「そうみたいだね。」

 

・・色々と原因は考えられるが、大方樹ちゃん関連だろう。

確か前にこっそりと夢があることを教えてくれたのだが、、もしかしてそれか?

樹ちゃんの代償は声……なるほど。そりゃあ暴走するわな。

 

「皆さま、これを」

 

大赦さんが三人分の端末が入ったアタッシュケースを開く。

「止めろ」ということだろうね。

 

「どうか皆さまのお力を貸していただけませんでしょうか。」

 

僕達は代償によって普段は動けないが、変身すれば話しは別だ。

精霊のサポートがあるため、代償は関係なく、更には僕達三人は何回も満開を行ってきたため、純粋な力は勇者部の皆よりもあるだろう。それに先代では訓練もやってたからある程度身体はできてるしね。

 

「私達は手をださないよ」

 

園子ちゃんのその言葉で、一瞬静まりかえったのち、大赦さん達が慌てる。

 

「し、しかし皆さま、このままでは」

 

『僕は行ってくるよ。』

 

僕がそう言うと、今度は園子ちゃん達が驚愕の表情を浮かべていた。

 

「お、おい?翔助何言ってるんだよ?」

 

「にっしー、、冗談にしては、、」

 

『おいおい。僕は本気だぜ?』

 

「・・正気なの、、?にっしー?」

 

ベッドから降りて、アタッシュケースの中にあった自分の端末を取り出すと園子ちゃんが不安そうな表情で聞いてくる。

 

『風先輩がああなったのは僕の責任でもある。総力戦の時に言っておけばまだ違う未来があったかもしれない、、だから自分の過ちは責任を持って僕が行うよ。』

 

そう答えたのと同時に変身して窓から他の家の屋根をつたって風先輩の元にいく。

 

 

 

 

風先輩の元に行くと、どうやら夏凛ちゃんと戦闘中だったらしく、剣で防御している夏凛ちゃんを風先輩が大剣でおしていところから長くは持たないだろう。

 

『・・『大嘘憑き』夏凛ちゃんとの距離を

【なかったこと】にした。』

 

丁度大剣で押しきられる寸前に二人の間に

入り、長剣で風先輩を大剣と一緒に弾く

 

「翔助!?あんたいつの間に、、?」

 

『大丈夫かい?夏凛ちゃん?そんなことは一旦、置いておいて…少しやりすぎですよ?風先輩。』

 

「翔助、、あんたまであたしの邪魔するのかっ!!」

 

『風先輩、あなたは妹思いのいい人だ。そんな人に道を踏み外させるわけにはいかないでしょうよ。』

 

「……そう。ならあなたはあたしの敵ってわけね、、」

 

『そうなりますね』

 

「なら……潰す!!!」

 

そんな敵意がこもった言葉に比例するかのように大きくなった剣を振りかざしてくる

が、こちらも長剣から槌へと切り替え、大剣を弾きとばす。

 

「……くっ!まだまだぁぁ!」

 

めげずに何度も斬りかかってくるが、こちらはそれを全て弾き返す。

 

『もう、やめません?』

 

「やめるわけないでしょ!!」

 

『樹ちゃんがこんなことされて嬉しいと思うんですか?』

 

「……っ。でも、あたしがこんな部を作ったから、樹も皆も巻きこんじゃったのよ!!全部全部、あたしと大赦が悪いのよ!!だから、、だから!」

 

ハァー。まったく、、責任感が強すぎるんだよなぁ~風先輩はさー。

風先輩は何やかんやで他の人を思いやられるような人だ。

・・一番止めやすい手をつかうか。少し心苦しいが、、仕方ない。

少し時間を稼ぐだけでいい、、そうすれば後は彼女がやってくれる。

 

『なるほど、風先輩の辛さはよくわかりましたよ…だから、、これでどうです?』

 

そう言いながら勇者衣装を解除する。

 

「・・は?」

 

『は?じゃないですよ。あなたがそこまで言うなら一思いに斬りかかって来てくれていいですよ。』

 

『僕は逃げも隠れも、反撃も防御もしませんよ。そのかわり、、』

 

『僕を倒さない限りここから先へは行かせませんよ?』

 

「・・・・」

 

僕がそう言うと、風先輩は最初は大剣に手をかけようとしていたが、すぐ手を離し、顔をうつむかせていた。

やっぱり、風先輩はいざやるとなると躊躇しちゃうような優しい人だ。

 

「……なんであたしなんかのためにそこまで邪魔するのよ、、」

 

そうボソボソ言っているのを聞き取れたので、微笑みを浮かべながら風先輩の近くまで走っていき、抱きしめる。

 

「・・翔助?」

 

『そんな理由なんてたった一つですよ』

 

俯いていた顔をあげた風先輩の顔は少し悲しげな、泣きそうな顔になっていた

そんな風先輩に苦笑しつつ、答える。

 

 

『あなたが大切だからですよ。』

 

 

そう告げた時の風先輩の顔は驚愕で染まって、ほんの少し頬が赤みを帯びていた。

 

『大丈夫です。まだ実害はほとんど出ていませんから、、まだ戻れますよ。』

 

「っ!……翔助、、」

 

『ちなみに先輩のことを大切に思ってる人は他にもいますよ、、ね?』

 

「・・え?」

 

そう風先輩の後ろにいる樹ちゃんに微笑みながら問いかける。

コクリと頷いたのを確認し、さっきまで抱きついてた風先輩から離れる。

 

「あ、、」

 

『ここからは姉妹の時間ですよ。行ってきてあげてくださいよ、風先輩。樹ちゃんも相当心配してたみたいですよ?』

 

なぜか名残惜しそうな声を出す風先輩を樹ちゃんの元へ送りだすために背中を軽くポンと押してあげる。

 

 

良かった~樹ちゃんが居てくれたおかげで、『却本作り』を使わずに済んだよ。

 

 

二人のやり取りに部外者である僕はお邪魔虫でしかない。

そう思い二人から離れて歩くと夏凛ちゃんが一人地面に座っていた。

 

『何やってるんだい?一人でさ~』

 

「うひゃあ!?、、びっくりさせんじゃ、ないわよ!!」

 

『あはは、ごめんね。……暗い顔してどうしたんだい?』

 

あまりにも暗い顔をしてしまっていたので思わず驚かしちゃったよ。

 

「別に、、ただ、『わたしは何もできなかったから』って被せんじゃないわよ!」

 

あまりにも予想しやすかったため、思わず夏凛ちゃんに被せてしまったよ。

まったく、、風先輩といい、夏凛ちゃんといい、勇者部のみんな責任感強すぎだよ

そう呆れながら、夏凛ちゃんを撫でる。

 

「……何で撫でるのよ。」

 

『頭が堅すぎるから少しでも柔らかくなるようにだよ。』

 

「…あっそ。」

 

『いくら強くったって、無敵じゃない。だから何もできないような事があっても仕方ないよ。それでも納得できないなら、次その反省を生かせばいいよ。』

 

「次に生かす、、」

 

『そうそう。まぁ、今回は夏凛ちゃんはちゃんと頑張ってくれてたと思うよ?おかげで僕が追い付くことができたしね。ありがとう、夏凛ちゃん。』

 

「…ふ、ふん、、どういたしまして」

 

そう夏凛ちゃんと話しながら姉妹の方を見ると、風先輩が泣きながら樹ちゃんに抱きついているのが見えた。

・・どうやらあっちも無事解決したらしいね。良かった、良かった。

 

 

そんな二人の家族愛を眺めながら僕は感傷に浸っていた

 

 

 

 

しかし、まだ、

どうにも嫌な予感がした

 

 





入院の話し+風先輩暴走回でした。

怒ってる様子を表すの難しいですね、、


ちなみに今回の前書きの件はおそらくですが、『~は勇者である』から来て下さる人の方が多いんじゃないかと思ってます。


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