最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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ちょっと話が進まないかもしれません。

グダグダかもしれませんが、ドラ○もんのように暖かい目で見ていただけると幸いです。

どうぞ。


その弐拾

 

 

風先輩を止めて、姉妹の家族愛をながめたあの後、身体に異変を感じたので夏凛ちゃんに断りを入れて、その場を離れた。

 

『ゲホッ、ゲホッ、、うぇっ、こんなのみんなには見せられないな。』

 

いくら応急措置をしているとはいえ、やっぱり内臓がほとんど使えなくなっているので時々不具合が起きる。

手に、咳と共に吐き出してしまった血を眺めて、思わずそう呟いてしまう。

 

正直吐血なんて前世で見慣れているものなので、全く問題ないのだが、普通の人には異質な光景だろうから見せるわけにはいかないので注意しなくてはね。

 

 

『大嘘憑き』で不具合を一回なかったことにしてから、現在位置から病院との距離をなかったことにして移動する。

やっぱり便利な能力だなー。とても過負荷とは思えないよ、本当にさ~。

 

そんな今さらながら能力による感想を述べながら病院の入り口の扉に手を掛けようとしたが、、その手を止める。

 

病室の二人には悪いが、あの部屋は気持ち悪くて、居心地悪いんだよな~。

しめ縄が外に飾ってあるわ、この前なんか病室の中に人形がベッドの下にたくさんあったし、病室の棚の後ろには変な文字がかいてある書かれている紙がびっしりあって、それはそれは不気味だった。

恐らく神様関係の神聖な物なのだろうが、あれじゃまるで呪われてるみたいだ。

いくら頼めば大赦の人達が大体対応してくれるとはいえ、いくら二人がいるとは言え、好きこのんで戻ろうとは思わない。

 

『…まあ、せっかく数日ぶりに外に出たんだし、、うん、お金はあるな。どこか小さい旅館にでも今日は一泊するとして、、今は最近行けてなかった所に行くかな。』

 

もしも時のためにいつもポケットにいくつかお金を入れておいて良かったよ。

ん?どれぐらい入れてるのかって?

立派な旅館に三泊できるぐらいは入れておいているよ。

ってそんなことよりも、あそこに行かなきゃね。・・時間あいちゃって、、悪いことしちゃったな。

 

 

だからと言って代償付きの身体で走るわけにもいかないので、ゆっくりと目的地へと歩を進めていく。

 

 

 

 

『……やぁ、久しぶりになってごめんよ、

父さん、母さん。』

 

目的地の墓地に着いて、目の前の『西村』

と書かれた墓石の前に立って話す。

 

『…ごめんね。父さん、母さん。最近忙しくってさぁ~。あ、そうそう、園子ちゃんと銀ちゃんにも会ってさ、二人共前より大人びていたから二人にはばれてないと思うけど、びっくりしちゃったよ。』

話しながらも道中で買っておいた花やお供え物を並べる。

そうだと思い、園子ちゃんと銀ちゃんの話しをする。二人共確かに散華のせいでぼろぼろに変わりはてていたけど、優しい雰囲気はまったく変わってなかった。

まあ、父さん母さんに話しているとおり、

前よりも二人共落ち着きがあって大人びており、正直驚いたのだけどね。

 

それからも話しをした。

学校はどうか、家庭環境は、などなどを話していたが、時間は有限。

確かに話したいことはいくつもあるが、僕が今回来たのはそれを話すためではない

一回話すのを止め、深く息を吸って気持ちを切り換える。

 

『……あんたらは本当に馬鹿だよ』

 

新倉さんには事故で亡くなったと聞いていたが、詳しく調べると他の人を庇ってなくなっていたことがわかった。

 

本当にお人好しだよ、今世の親はさ。

 

『…僕はてっきり避難が間に合わなくて死んだんだと思ってたんだけどねー』

 

まさか自分より他人を優先するとはね。

 

まったく、、本当に、本当に、、

 

 

 

 

『あめぇよ。あんたらは』

 

 

 

激甘だ。それこそ反吐が出る程にね。

人なんて、自分が生きていてなんぼの生き方こそが人間のらしい生き方なのにな~

他人を蹴落として、踏み台にして、自分はより高みへと登っていく。それこそが『強者』の生き方だ。

 

 

それに比べて二人は自ら他人を死という沼から引っ張りあげつづけたあげく、最終的に自分の人生さえも捧げた『愚か者』だ

 

甘い、甘過ぎる。

『自己犠牲?』笑わせるな。そんなものヒーローが言う戯れ言だ。

『聖人?』そんなものになってどうする。

名誉なんか得たって、死んでしまえばこれっぽっちの意味もない。

 

 

『下らない』その一言で正直言って二人の生き方はあらわせることができる。

 

 

でも、不思議と、、

 

 

 

そんな甘い両親との生活は、、

 

 

 

 

とても暖かく、心地よかった。

 

だからね、、父さん母さん。

 

 

 

『僕はその甘さ、嫌いじゃあないぜ?』

 

 

 

……言いたいことは言った。

もう未練は何もない。

 

そう思い予約した旅館に行こうとすると、優しく、暖かい声が聞こえた気がした。

 

「・・・がんばれよ翔助。」

 

「・・・私達はいつも見守ってるわよ」

 

一応振り返ってみるが、そこには両親が眠っている墓しかない。

・・まさか死んでもなお僕の心配をするとは、まったく、、できた親だな~

本当に前世とは大違いだぜ。

再び墓に背を向けて、ゆっくり呟きながら少しずつ歩き出す。

 

 

『頼もしい親だね、まったく。』

 

 

 

嫌な予感はいまだにする。

僕の予感はほぼ100%当たるので、その原因について少々考えていたのだけど。

 

 

 

なぜか今日は捧げて調子が悪くなった脳が少しいつもより回ったような気がした。

 

 

 





はい、主人公病院に戻らないっていうね

今世の親との生活で感じたことを改めて話す主人公。
主人公の人の生き方について考え方が少々暗いです。

前世の影響で
まぁ、良くも悪くも現実を見てます。
・・見すぎですがね。

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