最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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少し迷走してました、深夜です。

とりあえず、どうぞ。


その弐拾五

 

 

 

 

『いい天気だね~こんな日はひなたに当たりながら、世間話といこうぜ~?』

 

「あはは、そのセリフはおじいさん見たいだよ?翔助君?」

 

「でも、世間話には賛成だわ!今後の日本についての思いを話し合いましょう!」

 

『ごめん、美森ちゃん。そこまでは考えてなかったよ』

 

「どうどう、東郷さん。」

 

あー平和だねぇ。

三人でそんなやり取りをしていると、本当にいつもの日常が帰ってきたんだなぁと感じる。…嫌な予感も一旦消えたみたい。

 

あと、美森ちゃんの身長が昔よりも思った以上に伸びていたので少しびっくりしつつ、みんな成長しているんだなぁと少し寂しく思っていたのは内緒だ。

 

「ん?……大赦の印がついた黒い車?」

 

「……何かしら、、?」

 

またそう考えていると、友奈ちゃんが言っている通り、大赦印の黒塗り高級車が目の前に止まっていた。

 

・・僕の考えすぎるくせ、直したほうがいいかな?

 

そう考えながら、警戒している二人を横目で見ながら車を観察する。

……別に危ない雰囲気や、空気は感じないから大丈夫だろう。

 

『そう固くならなくても――』

 

大丈夫だよ。そう言おうとすると車から見覚えのある金髪の子が飛びついてくる。

 

「にっし~!!」

 

『おぉう。……なんだ、そのちゃんか』

 

「む。その反応は点数低いんよ~!」

 

『それは何の点数なんだい?』

 

「内緒~♪」

 

『そうかい…随分テンション高いね?』

 

久しぶりにそのちゃん節を聞けたので少しうれしく思うが、異常にテンションが高いので、おもわず理由を訪ねる

 

すると車からもう一人降りてきて、その問いに代わりに答える。

 

「そりゃここに来るまでずっと、『にっしーと、わっしーと、また遊べるんよ~♪』ってはしゃぎまくってたからなー」

 

『さらっと会話に入ってきたね、銀ちゃん。…そうなの?そのちゃん?』

 

「Yes!」

 

なぜ英語?日本語でOKなのだが。

しかしそのちゃんがいる時点で察してたけど、銀ちゃんもいるんだね。

懐かしいね、、昔に戻ったみたいだ。

 

 

「あ、あの~確か、園子さんと、銀さんですよね~?」

 

「……懐かしいわね。銀、そのっち。」

 

友奈ちゃんと美森ちゃんの声が聞こえ、二人がいる事を再確認する。

 

「あ、ごめんね~。…とりあえずサプライズは成功かな~わっしー、ゆーゆ。」

 

「ゆ、ゆーゆって私の事、、?」

 

「そうだよ~?友奈ちゃんだから、ゆーゆなんだよ~」

 

『ごめん…二人がいることすっかり忘れてたよ。というかゆーゆって、、相変わらずあだ名つけるの早いねそのちゃん』

 

「えへへ~」

 

「褒めてないと思うぞ~園子~?」

 

本当に相変わらずだな二人共。

病院内で数日間話したので、どんな感じかは大体ならわかっていたのだが二人共包帯が巻かれていたりして具体的にはわからなかったので、改めて二人が成長していることがよく分かる。

 

「とりあえず!サプライズは大成功なんよ~!」

 

「そうだな……というか、美森って翔助よりでかいんだな。」

 

・・銀ちゃんよ、、人が気にしてることを言わないでくれないかな?

そう、実は僕と美森ちゃんだと少し美森ちゃんの方がでかいのだ。

 

「確かにそうかもしれないけど、、大して変わらないわよ?」

 

『・・満開の時に成長を奪われなければ負けなかったのに、、』

 

あの時に奪われた成長に関しては戻ってはいるのだが。奪われていた間の成長の分は返してくれず、身長が小6の時から一ミリたりとも伸びていないのだ。

美森ちゃんがフォローしようとしてくれたが、それは逆効果で余計に悲しくなる。

 

ただでさえ女の子より運動ができないっていう悲しみを背負っているのに、身長でも負けるとは、、僕の唯一のプライドが粉々に消え去っていくのを感じるよ……

 

「まぁまぁ~私は昔と変わってないにっしーも好きだよ~?」

 

『……変わらなさすぎだよ、、』

 

顔ももちろん変わっていないし、ただでさえ弱い力もまったく成長していない。

前世よりも運動能力が低いとか、どうすればいいんだよ?

 

 

そう考え、思わず頭を抱えてしまった

 

 

『僕は悪くない、、よね?』

 

 

 

 

 

 

あれから放課後-----

 

 

「勇者部入部希望の~乃木園子参上なんだぜ~!」

 

「一応アタシもいまーす。」

 

『退院したのは分かるけど、二人共リハビリとか大丈夫なのかい?』

 

「リハビリはある程度済んだから、通学の許可も出てるんよ~」

 

「リハビリは辛かったけど、やっぱり学校に通いたいから頑張ったんだぞ~?・・主に勉強とか、勉強とか……」

 

 

放課後二人が勇者部に訪ねてきた。

予想はしていたが、部員が増えるというのはやっぱりうれしいもんだね。

銀ちゃんは……うん、お疲れ様です

 

「またそのっちと、銀と、翔助君の三人で学校に通えるなんて、、」

 

「また居眠りしそうだな、園子は。」

 

「えへへ~その時はにっしーに起こしてもらおうかな~?」

 

『あはは、しょうがないなぁ~』

 

「もう!そのっちは寝ちゃだめよ?それに翔助君もそのっちをあまり甘やかさないで

よ?」

 

「『善処しまーす』」

 

「もう、、二人ったら、、」

 

息を合わせてそう言う僕達に呆れたように

美森ちゃんはため息を一つ、ついていたが

顔はうれしそうだったので、満更でもないのだろうね~。

 

 

 

その後は園子ちゃんが夏凛ちゃんの事を、

『にぼっしー』と呼んだり、頑張って話しかけてくれた樹ちゃんの事も、『いっつん』と呼んでいたりしていつも以上にがやがや騒いでいた。

しかしまぁ、よくそんなあだ名が思いつくものである。ネーミングセンス凄いな

風先輩のことを、『ふーみん先輩』とよんでいたのは少し笑いかけてしまったよ

 

 

「にっしー」

「翔助ー」

 

『ん?どうしたんだい?』

 

部活が終わった後の帰り道を歩いているとふと、二人に話しかけられる。

少し真剣な様子だけど、どうしたんだ?

 

そう不思議がっていると、二人は互いに顔を見合せると、真剣な様子から笑顔を浮かべて同時に口を開く。

 

 

「「またこれからも、よろしく!」」

 

 

 

・・何だ、そんなことか。

そんなこと言われるまでもないよ。

むしろ、、

 

 

『こちらこそよろしくね。二人共』

 

 

 

こちらから頼みたいぐらいだ。





いかがでしょうか?

今更なのですが自分の思いつきで書き初めた作品故、読んでいる人から見てどう感じたかお気軽に感想など頂けると幸いです。

相変わらずの駄文ですが、見守っていただけるとありがたいです。

では、また。


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