最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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番外編です。

ほのぼのオンリーですので、シリアスはなしです。よろしくお願いします。


--番外--
彼について


「風先輩ー!今日は翔助君放送部に助っ人として行くそうで、遅れるらしいです!」

 

「え?そうなの?……珍しいわね、あいつが連絡し忘れるなんて。」

 

「え~?にっしーいないんですか~?」

 

「助っ人って、、何やるのよあいつ。」

 

いつも通り部室に入ると、友奈ちゃんが風先輩とそう話しているのが目に入った。

 

「あら、翔助君休みなの?友奈ちゃん?」

 

「あ、東郷さん。うん、なんか放送器具の調子が悪くて先生もよく分からないからって、翔助君が助っ人としていくんだって」

 

「翔助……あいつ運動以外なら大体なんでもできるよな~本当」

 

「東郷はできないの?放送器具の修理とか点検だとか」

 

「あまり複雑なのはちょっと、、」

 

「東郷以上なのね、あいつ……」

 

友奈ちゃんの話しを聞いて、銀と同じ事を思ってしまう。

・・翔助君本当に運動以外なら大体できるからすごいのよね……放送器具の修理とかどこで覚えたのかしら、、?

 

『あー、あー、ただいまマイクのテスト中、マイクのテスト中……よし。おーい直ったぜ~?井頭ちゃーん』

 

 

「おっ。噂をすれば本人の声が」

 

「もうなおったんですか、、」

 

「仕事が早いね、翔助君は。」

 

みんなで彼のことを話していると、部室のスピーカーから彼の声が聞こえてくる。

 

いくらなんでもちょっと早すぎないかしら?もうちょっとかかると思ったのだけれど、まさかもう直るとは。

 

そう内心驚いていると、また続けて声が聞こえてきた。

 

『え?せっかくだから何か話してくれって?・・いや、無茶ぶりすぎないか?え?

なら明日のお昼ご飯の時間に?・・まあ、それならいいけど……って決定?マジ?おーい待ってくれ』ブツッ

 

「「「「「「「・・・」」」」」」」

 

 

「・・何か翔助も大変そうね。」

 

風先輩の言葉にみんなで頷く。

強く生きてちょうだい、翔助君……

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、みんな。そういえば私達って翔助の事あまり知らないんじゃないかしら?」

 

みんながそれぞれの仕事を行って、一区切りついた後突然風先輩がそう話しを切り出してきた。

 

「いや、アタシたちは別に、、な?」

 

「そうね。小学生の時に翔助君の生活を覗いたりしたから、知らないってことはないですよ。」

 

「わたしはにっしーの事なら大分知ってる自信あるんよ~」

 

「まぁあんた達はね……って東郷、それどゆこと?何?覗いたって?」

 

「風先輩~細かい事気にしてると女子力下がりますよ?」

 

「・・よーし、話しを戻しましょう!」

 

そうやって話しをそらした後風先輩の死角に入って、親指を立てて銀がこっちを見ていた。……ナイスよ、銀。

そのGサインにそのっちと一緒に親指を立てて返す。

 

「ハァー。……口じゃなくて手を動かしなさいよ、風」

 

「お姉ちゃん?仕事にもちゃんと力入れないとだめだよ?」

 

「そ、そうですよ!今はお仕事頑張りましょうよ!風先輩!」

 

「ふーん……じゃあ夏凛と樹と友奈は翔助の事気にならないの?」

 

風先輩が少し意地悪な表情で三人に訪ねると、三人共表情を曇らせていた。

 

「ほら~やっぱり気になるんじゃない」

 

「・・ま、まぁ気になりはするわ、、」

 

「・・わたしも、、」

 

「・・翔助先輩は謎が多いですからね」

 

「・・やっぱりそうよね。あいつ休みの日とか何してんのかしら?」

 

昔の私達と同じ事を思っている四人を見て、改めて翔助君は謎が多い男の子なんだなと感じる。

 

みんなも知りたがってるみたいだし、、少し位教えてあげようかしら。

そう思い口を開こうとすると、部室のドアが開いた。

 

『別に大したことはしてませんよ?近所の子供達の相手とかはしてますけど、他には読書ぐらいですかね。』

 

「翔助!?……聞いてたの?」

 

『部室に近づいたら話し声が聞こえましたので、ちょっと耳をすましたら内容がわかりましたよ。』

 

「翔助君?盗み聞きは感心しないわよ?」

 

『犯罪ギリギリアウトの観察をした君には言われたくないぜ?美森ちゃん?』

 

「お帰りにっし~」

 

『うん、ただいま。だけどすぐに抱きつく癖はなおそうね?僕は大丈夫だけど、他の男の子にやったらびっくりしちゃうから」

 

「・・え?それマジで言ってんの?翔助?ギャグじゃないの?」

 

『?そうですけど?』

 

「あー、、ちょっと風先輩…それとみんなも集合。」

 

翔助君とそのっちの会話を見て、風先輩が困惑して訪ねる。…そのっちが他の男の子に抱きつく姿なんて見たことないわよ?

 

その様子を見て銀がみんなを集めてこそこそ話しだす。

 

「翔助はどうやら、自分はみんなに好意をよせられているって気づいてないみたいなんですよ。」

 

「え?…いわゆる鈍感ってやつ?」

 

「いや、ちょっと違うっすね~。そもそもあいつはアタシ達とのふれあいを色恋じゃなくて、友好的な物だと捉えてるみたいなんすよね~。」

 

「ちょ、ちょっと!私はそんな色恋の感情なんてないわよ!」

 

「はいはい、可愛いわね~夏凛は~」

 

「風!撫でんじゃあないわよ!!」

 

「わ、わたしが翔助君のことを……あわ、あわわ」

 

「・・翔助先輩のことをわたしが、、そ、そんな事な……くはないけど、、」

 

「私は大好きだけどね~にっしーのこと」

 

「ま、まぁ?アタシも好きだけど?」

 

みんな銀の言葉に反応してそれぞれの反応を示していた。それでも、一つ共通していることがある、それはみんな頬を赤く染めていることだ。夏凛ちゃんをからかっている風先輩も

 

・・かく言う私も、顔に熱がともっているのを感じる。……私も翔助君のことは好きだけど、いざ人に言われると恥ずかしいものねやっぱり……

 

 

 

 

 

『・・いや、何この状況?』

 

 

一人のけ者にされたあげく、頬を染めて恥ずかしがっているみんなを見て、彼が余計困惑していたのは言うまでもない。

 

 

 

『僕は悪くない、、はずだよね?』

 

 

 

 




はい、翔助君が悪くないと思う人はいらっしゃいますか~?

・・どうですかね?なんなら感想欄にでもご自由に書いてみてください。




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