この章では、原作キャラの視点をいくつか作る予定です。
とりあえず、どうぞ。
その1
・・あれから何時間たっただろうか
飛びかかってきた白いバーテックスをネジで打ち落としながら考える。
『これじゃあ、きりないぜ』
園子ちゃん達が乗ってる船が結界の外にいくまで無事時間を稼ぐことはできた。
しかし、問題はその後だ
僕も早々と結界の外に出ようと、戦線から脱出を試みたのだが、失敗に終わった。なぜかと言うと、、
『・・何匹、、いや、何百匹いる?』
『数えられる量じゃないのは確かだ』
船がいなくなった後、バーテックス達が急に湧き出まくってきたのだ。
小型だけなら問題はないんだけど、残念ながら魚座や天秤座といった大きめのバーテックスもうじゃうじゃ湧いてきている
『最初にいた大型バーテックス三体も倒したはずなのに、、』
そう呟きながら前を睨みつける。
『何で復活してるんですかねぇ』
『しかもさっきより大きくなってる』
『強くてニューゲームはずるいぜ』
動きも良くなっているため、倒すのにも時間がよりかかりそうだ。
……勘弁してくれよ~
『危な、、とりあえず大型を一匹は潰しておかないとね。っと』
大型を一匹槍で貫いて倒す。
でも、また時間が経てば復活するので、たまったもんじゃない。
『さすがにキツいぜ……【大嘘憑き】橋の結界と、僕との距離を【なかったこと】にする。』
さすがにキツいゆえ、能力を使い結界のもとに無理やりテレポートして、脱出しようとする。……しかし
『うぉっ。……弾かれる?なぜ?』
結界に触れると、なぜかバチッっと弾かれてしまい、抜けることができず押し戻されてしまう。
ここに来る時は確かに抜けられた。それは確かなのだ、なら一体なぜ、、?
・・まさか、天の神の祟り?
神ならば一人の人間を結界内に閉じ込めるぐらい造作もないだろう。
それに天の神の力は神樹様よりも強いはずなので、結界をいじることもその気になればできるかもしれないしね。
祟りかかったのは、多分友奈ちゃんに渡したあの『ネジ』のせいだろう。
……良かった。ちゃんと友奈ちゃんを守ってくれたみたいだね、あのネジは。
それなら別にいいや。
誰かの犠牲になるのは慣れっこだし、何より…勇者なんていう危険な役目を背負っている彼女達の犠牲になるなら大歓迎だ
『おっと。……君たちがいること忘れかけていたよ。』
結界について分析していると、嫌な予感がしたので態勢を低くするが、右腕をもっていかれてしまった。
うん、冷静に分析する時間を敵がくれるわけないよね。
『【大嘘憑き】僕の今までの負傷を【なかったこと】にした。』
『僕はしぶといぜ?頂点さん?』
大嘘つきで負傷を完治させて、ネジを袋から取り出し、戦闘態勢を整える。
ふと自分の服装に目をやる。
白黒の葬式の喪服みたいなカラーリングである自分の勇者服。
そういえば最初っから『勇者』なんて言葉は僕には合わないって思ってたんだよ
僕は『勇者』なんかじゃあない。
僕はそこらへんにいる普通の、
『【大嘘憑き】僕の勇者としての力を【なかったこと】にする。』
『大嘘つき』だ。
『良かったよ、勇者としての力をなかったことにできて。』
『僕はただの大嘘つきで、不幸で、底辺なだけの、普通の少年なんだからさ。』
『勇者みたいな【ヒーロー】は僕のがらじゃあないぜ』
『来いよ頂点。本当の底辺には底なんてないって事を教えてやるよ』
『しかと、僕という【過負荷】を君たちの頭にねじこんでやるよ、ネジだけにね』
「んぅ、、んん?あれ?ここは?」
「…あ!ゆーゆ!みんな~ゆーゆが目を覚ましたんよ~!」
「友奈!あんた心配かけて、、」
「まぁまぁ、おはよう友奈」
「おはようございます、友奈さん」
「夏凛ちゃん、銀ちゃん、樹ちゃん」
「おはよう友奈。体は大丈夫?」
「あっ、はい。ところで私は今までどうなっていたんですか、、?」
「それはね、、」
風先輩の話しによると、私は東郷さんを救うために動いた後、どうやら疲れて気を失っちゃっていたらしい。
「……そういえば、東郷さんは!」
「私なら大丈夫よ、友奈ちゃん。」
大事な友達の姿が見当たらないので、慌てていると、病室の扉が開き、元気そうな東郷さんが姿を見せていた。
……良かったぁ~。そう思い胸に当てていた手を、そっと撫で下ろす。
「本当にごめんなさい、友奈ちゃん、、一度だけじゃなく、二度も危険な目に遭わせちゃって……」
「ううん、大丈夫だよ。忘れちゃってた私も悪いんだし。こちらこそごめんね、東郷さん。」
「・・ありがとう。友奈ちゃん」
無事東郷さんを救出できたし、私だって忘れてたんだから、それでお相子だよ。
こうしてみんな無事に帰れたんだから、良かった良かった。
そう思い病室を見渡して、みんなの顔を確認していると、ある事に気づく。
・・『彼』がいない。
「あの、風先輩?翔助君はいったいどうしたんですか?」
そう聞くと、風先輩の表情が曇る。
よく見ると他のみんなの表情も曇っていた。……どうしたんだろう?
「・・翔助は、、」
「にっしーはまだ結界の中から戻ってこれてないんよ。」
「え!?……戻ってこれてないって、、どういうことなの?園子ちゃん?」
「それに関してはあたしから話すわ。みんなも良く聞いてちょうだい。」
私が園子ちゃんの発言に驚いていると、風先輩がそう言い、私と目を合わせて真剣に言葉を発する。
「…大赦が言うには、翔助は天の神の祟りを受けて結界を出られないらしいの」
「……え?祟りって、何でですか?天の神に翔助が接触してたことなんてなかったはずなのに、、」
天の神、、祟り、、もしかして
「・・私のせいかもしれない」
「…え?ゆーゆ?どういうこと?」
「実は……」
私はみんなに東郷さんを救いにいった時の事を話した。
私が黒い玉の中に入って、東郷さんを連れて帰ろうと手を伸ばすと、焼けるような痛みが手に走った。
「い、痛い。でも…東郷さんを助けなきゃ、、」
そう考えなおし、再び手を伸ばそうとすると、翔助君に貰ったネジがなぜかひとりでに動き、腕に刺さった。
「きゃっ!痛、、くない?むしろぽかぽかして、痛みもひいてきた……翔助君がまるで励ましてくれてるみたい。」
あの時は翔助君の言葉通り、お守りみたいな物だと思ったけど、、あれがもしかして私の代わりになって、祟りを……?
「というわけだから、私があのネジをもっていかなかったら良かったんだ……」
「友奈ちゃん、、」
「ゆーゆ、、」
「で、でも風先輩!アタシ達が翔助のためにしてやれることだってあるんじゃあないんですか!」
そう銀ちゃんが叫んでいるのを聞いて、私も風先輩の方を向いて返答を待つ。
そうだ、私達にだってできることはあるはず、、その時に翔助君への謝罪をすればいい。東郷さんと同じように
「・・・・」
「風先輩?……まだ何か?」
「・・みんなには辛いかもしれないけど、言うわね?」
「あたし達と翔助の接触は『今後一切』【禁止する】って大赦に言われたのよ」
「・・・ぇ?」
その言葉を聞いて私は情けない声を出してしまったが、無理もなかった。
はい、どうですかね?
原作キャラ視点を書くのは難しいですね、、いつもの駄文がより目立ちます。
新章のタイトル内にある□□□に当てはまる文字について考えながら、ぜひ読んでみてくださいね。
では、また。