最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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少ーし時間が飛びます。

相談事を書いたせいか、後書きが長くなってしまいました。

とりあえずどうぞ。



その3

あの病室での出来事からいくつか日が進み、今日はクリスマスイブとなった。

 

[ゆーゆ~?今どこ~?]

 

[今近所の空き地に居るよ園子ちゃん]

 

[え~?今日は風先輩達の家でクリスマスパーティーするんだからね?風邪引かないでほしいんよ~]

 

[あはは。気をつけるよ]

 

[頼むよ~?じゃあ、またパーティーで会おう~!]

 

園子ちゃんとのやり取りを終え、携帯の電源を消した後、ため息を一つする。

 

あれからもまだ大赦さんから結界に入られると連絡は来ていない。

 

最初は翔助君がいないことを悲しく思い、勇者部の雰囲気も暗めだったけど、みんな

「落ち込んでいても仕方ない」と気持ちを強く持ち、今ではいつも通りの勇者部活動を送れている。

……少し寂しさや虚しさはあるけどね

 

 

「・・翔助君、、」

 

ふと彼の名前を呟いてしまうあたり、彼にいつも支えられてのを改めて実感する

……彼は大丈夫なのだろうか、今どうしているのか、そんなことをあの日から心配で考えてしまう。

 

 

「心配だけど、、でも……信じて待たないとだめだよね。」

 

それでも私は彼を信じて待つ。

彼はきっと大丈夫だって。それが私が、彼の【友達】としてできることだから。

そしていつか助けた時に言うんだ

笑顔で『おかえりなさい』って。

 

「あの日から悪い夢も見ちゃうこともあるけど……私頑張るよ、翔助君。だから、、」

 

 

 

どうか無事でいてください。

 

その願いが彼に届くどうかわからないけど、できるなら叶ってほしいな。

 

 

そう考えながらパーティーの準備を手伝うために風先輩達のところに歩を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁー』

『君たちの顔にも飽き飽きだぜ』

『勇者部の子達が恋しいよ』

 

そう愚痴りながら目の前のバーテックスにネジを突き刺して殲滅する。

…これで何匹目かな?50を越えてから数えてないからわかんないや。

 

・・もうどれぐらいたったのかな?

最初の頃は端末の時計を見て確認してたんだけど、、

 

『あらら』

『僕の血でぶっ壊れちゃったよ』

『…なんか汚いな』

 

とっくに今では僕の血でぶっ壊れてしまっているので、時間なんてわからないんだよな~…今が何日なのかすらわからないからだいぶ不便だ。

 

世の中にいるか?自分の血で端末みたいなスマホとか携帯をぶっ壊す人。

 

まったくバーテックスには困ったな。

右腕、左腕、右足、左足だとか何回切り飛ばされたかわからないぜ。

ちなみに命も刈り取られてるのだが、同じく数が多過ぎてわからない。

おかげでさっき言った端末はもちろん、着ていた服も血で重くなってるよ

…ちなみに全部僕の血です。

 

自分の出血をなかったことにすればいいだろって思うかもしれないけど、そんなこといちいちやってたらキリがない。

それゆえ、大嘘憑きも使いまくっているためか、少し頭が疲れてきたよ。

 

…バーテックスにやられる回数が増えていくのもそのせいかもしれないな。

 

『でも弱音は吐けない』

『僕が戦うことで他の人達が、、勇者部のみんなが少しでも楽になれるなら』

『何回死のうとやってやんよ』

 

そう自分に言い聞かせて、もはや死んだ自分の目をこすりつつ立ち上がる。

足が言うことをきかないので、大嘘憑きで無理やり治す。

 

 

 

 

 

・・正直もう嫌になってきたよ。

前世で暴力を受けることは慣れていたけど、、殺されるまではなかったからね、所詮僕は人の子だからな。

 

 

今の僕は意地で行動している。

…かっこよく言うと『決意』かな。

 

 

――翔助君!――

 

――翔助!――

 

―翔助先輩!――

 

――にっしー!――

 

 

考えていると、ふとみんなが笑って僕の名前を呼んでいるのが脳裏に浮かんだ。

 

 

 

自分のネジを持つ腕に力を入れる

 

少し震えていた足の震えを止める

 

乱れていた呼吸を無理やり整える

 

焦点が合っていない目を再び合わせる

 

 

何度も何度も深呼吸をする

 

 

 

辛いなんて思うな。

絶望的だなんて思うな。

もうやめたいだなんて思うな。

 

 

僕は『大嘘つき』なんだから。

 

自分の気持ちに【嘘をつけ】。

 

 

 

 

辛くなんかない。

絶望的なんかじゃない。

もうやめたくなんかない、そうだろ?

 

 

 

僕の気持ちなんかたった一つだけだ。

 

 

 

静かに、ゆっくり、落ち着いて。

 

 

 

『括弧つけ』なくていい。

 

 

僕は『球磨川禊』じゃなくて『西村翔助』なんだからさ。

 

 

 

 

バーテックスに天の神に聞かせてやれ

 

 

 

 

 

「あの子達の幸せを守りたい」

 

 

 

 

 

【嘘】の効力は永遠ではない

 

いつかはきれるだろう

 

きれた時には、心が酷いことになっているかもしれない

 

それでもいい

 

 

だから――

 

 

 

「いくぜバーテックスさん?」

 

「僕のしぶとさはゴキブリも引くぐらいだからな~?覚悟しろよー?」

 

 

 

「・・自分にすら嘘をついている僕が無様なら好きなだけ罵れよ」

 

「例え無様でも。格好(括弧)よくなかろうとも。その先にみんなの笑顔や平和が待っているって言うなら」

 

 

 

 

 

 

「無様に足掻いて、足掻いて、足掻きまくってやるよ。」

 

 

 

 

 

――しばらくの間は無様に舞わせくれよ

 

 

 

 

血で染まった真っ赤なネジが宙を舞った




今回の後半には自分なりに力を入れてみたんですけど、、どうですかね?
読みにくいようでしたら次からは気を付けますので、ご連絡ください。

オリ主は精神の強さではチート級と言いましたが、さすがに今回ではくじけました
…チートはあくまでチートなだけで、無敵ではないですからね。

それでも歩む翔助君は精神の強さはチート級と言えませんかね?…少々無理やりですけどね。

翔助君に対しての意見などできれば頂けると幸いです。今更ですが、参考になりますので、お願いいたします。


長くなってすみません。深夜テンションです……@深夜だけに。

・・はい。ではまた。

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