最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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迷いまくりました、深夜です。

どう話しを展開させて行こうか悩みに悩んだ結果、どうするか迷いまくりました。


とりあえず、どうぞ。


その6

 

 

「いよいよね、、」

 

安芸先生に私達が戦うことを伝えた日から数日が経ち、、ついに決戦の時が来た

 

 

「・・みなさん、それぞれ自分の端末はちゃんと持っていますか?」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

「・・大丈夫みたいですね……それでは勇者の皆様…どうか世界をお願いします」

 

「皆様のご無事を願っております…」

 

 

安芸先生達が頭を下げながら言ったその言葉に対して私達は頷き返し、既に弱くなっていた結界を通り外の世界へと出る。

 

「相変わらず酷い光景ね、まったく」

 

以前も見たとは言え、やっぱり火に包まれている世界は酷く、風先輩がそう言うのも無理はないだろう。

 

 

「友奈ちゃんはどこ……!」

 

友奈ちゃんと神樹様の神婚を急いで止めなければならないため、周りを見渡して探していると、見つけることができた。

 

神婚の儀式は今まさに始まるところのようで、友奈ちゃんの周りに光がいくつか舞いはじめていた。

 

「ゆーゆ!!」

 

「友奈!!」

 

「友奈ちゃん!!」

 

「・・東郷さん…みんな……」

 

 

私達の声が聞こえ、こちらに振り向いた時の顔には悲しげな様相を浮かべていた

 

・・そんな、来て欲しくなかったような表情をしないで…友奈ちゃん……

 

 

「友奈ちゃん!もうやめて!」

 

「・・東郷さん…みんなが助かるには誰かが犠牲になるしかないんだよ……だから、他の誰かが苦しまないように、私が神樹様と神婚しようと思ったの」

 

「友奈、あんた、、」

 

「・・・ごめんね、みんな」

 

そう言うと友奈ちゃんは背を向けてしまって、表情が見えなくなった。

 

 

「っ……そんなの認めるわけないでしょ!友奈を止めに行くわよ!みんな!」

 

「うん!お姉ちゃん!」

 

「言われなくてもそのつもりよ!」

 

 

風先輩の言葉にみんなで賛同し、友奈ちゃんのもとに行こうとするが、目の前の地面から大きな根が生えてきて、私達の行く手を阻まれてしまった。

 

「何で根がいきなり、、」

 

「・・神樹様も儀式の邪魔はされたくないってわけね…この期を逃したらもうチャンスはないから必死なんでしょう……」

 

「くっ、、このぉ!…駄目だ、びくともしない…これじゃあ助けれないぞ!」

 

私の言葉を聞いて、根を退かそうと銀が根を引っ張ったり、武器で叩いたりしているがもろともしない。

 

 

私達が友奈ちゃんを助けようと必死になっているのと同じように、神樹様も儀式を邪魔されないよう必死なのだろう。

 

 

「・・・このままじゃ、、友奈ちゃんと神樹様が神婚を行って友奈ちゃんが―」

 

 

死ぬ。

そう嫌な考えが脳をよぎり、自分でも情けないと感じてはいるが涙が零れ落ちそうになってしまう。

 

 

 

「諦めんじゃあないわよ!っと!」

 

 

そんな怒鳴り声が聞こえたので、声の方向を見ると、風先輩が大剣を取り出して根に叩きつけていた。

 

「本当かったいわねーこれ」

 

「風先輩、、?」

 

私が困惑したような声を上げると、風先輩は困ったように浮かべていた笑みをやめ、真剣な表情で私の目を見て話した。

 

 

「何諦めてんのよ、東郷。確かにこのままじゃ根が邪魔で、友奈を助けにいけないし、かといって根を破壊もできない…絶望的な状況よ。」

 

「なら!「でも!」…え?」

 

 

「助けたいんでしょ?友奈を」

 

 

「ならこんなところで泣いてる時間はないわよ?壊せないなら、壊せるまで叩き続けばいいのよ。」

 

 

そう言いながら風先輩が私に手を優しく、ゆっくりと差し伸べてくる。

 

 

 

「ほら、五箇条にもあるでしょ?勇者部五箇条その五…『成せば大抵』?」

 

 

 

・・本当に、頼りになる部長さんよね。風先輩って。

 

 

私はその手を取り、風先輩の言葉に続く

 

 

「・・『何とかなる』でしたね。風先輩…いや、風部長。」

 

「それでよし!……よーしみんなー!こんな根なんかこじ開けて、とっとと友奈を救いに行くわよ~!」

 

「ラジャー!」

 

「了解です!」

 

「完成型勇者の力を見せてやるわよ!」

 

「私も頑張るよ!お姉ちゃん!」

 

 

 

みんなで気を持ち直し、根をどけようとすると再び地面が大きく揺れた。

 

 

何事かと周りを見ると、黒いモヤのようなものが神樹様と友奈ちゃんの方向に向かっていこうとしていたのが見えた。

 

 

「あれは……まさか天の神?」

 

「神婚の邪魔をしにきたってわけね…人間が新たな力を手に入れないように」

 

よく見ると、白いバーテックスなどもいくつかいるのも見えたため、全勢力を持ってしてでも神婚を止める気らしい。

 

 

「っ!すごい風!……って、根が黒モヤの方に行ったわよ!」

 

 

天の神の足止めを少しでもするために、私達の行く手を阻んでいた根をそちらへ回したのだろう。根がモヤへと向かっていく

 

 

「よし今のうちに!」

 

「いや、風が凄すぎて動けないわよ!?動けたとしても吹っ飛ばされるわよ!」

 

根が消えた代わりに、天の神と神樹の激しい攻防により発生した風によって身動きができなくなってしまった。

 

 

もう、次から次へと、、今度はどうすればいいの……?

 

 

 

 

そう頭を必死に働かせていると、後ろからだれかの足音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、、あれ?ここは……」

 

どうやらバーテックスと戦っている中、僕は途中で気を失っていたらしい。

 

目を覚ますと見えたのは火に包まれた世界ではなく、いつぞやの何もない神秘的な景色が目に見えた。

 

「目を覚ましたか、少年よ。」

 

 

前のことを思い出していると、落ち着いた声が後ろから聞こえた。

振り向くと、神様が座りながらお茶をゆっくりと啜っていた。

 

 

「今回はどうしたんですか神様?それともまた休憩してけとでも仰るんですか?」

 

「それもいいのだが、、今回は別件だ」

 

 

別件?

僕がその内容について考え、首をかしげていると神様がお茶を置いて、真剣な表情で話しだす。

 

 

 

「お主のもう一つの能力についてだ」

 

 

 

『僕の能力』、、今まで何回も考えてきたが、一向にわからなかったことだ。

もともとは転生の特典選択の際に『自分のオリジナルな力が欲しい』と神様に頼んだ物でなのだが、、内容については一切指定をしたりしなかったため、自分でもまったく予想ができないのだ。

 

 

「僕の能力について何か教えてもらえるんですか?」

 

僕が神様にそう訪ねると、なぜか渋い顔をしてそっぽを向かれた。

 

「あの、、何かまずいこと言いましたか?僕?そっぽを向くってことは」

 

「・・いや、そういうわけじゃない。」

 

「なら―」

 

何で。

そう聞こうとすると、突如として空間がまぶしい光に包まれた。

 

 

……と思ったらすぐに光が晴れた。

 

 

「?…何だったんですか?今の」

 

先ほどからよく分からないことだらけなので、きっとマンガとかなら僕の頭の上には疑問符が二つぐらい浮かんでいるだろう

困惑を隠さずそのまま神様に訪ねると、なぜか先ほどよりも渋い顔をしていた。

 

 

「・・だから何なんですかその顔。…何か問題でもあったんですか?」

 

もう何回目かわからない質問をすると、渋々といった様子で神様が口を開く。

 

 

 

「・・お主のもう一つの能力についてなのだが……実はそれが、、『わしが与えた物じゃないのだ』」

 

 

「・・え?それってどういうことです?だって僕は漫画やアニメのキャラみたいに、能力なんて持ってないですよ」

 

前世でも僕はどこにでもいる普通の高校生として生きてきたので、神様から与えられていないなんてことはありえないはずなのだくど、、どういうことだろうか?

 

 

「あぁ。もちろん少年がもとから持っていた能力なんて一個もない。手から火や水を出したりなんかできやしないだろう?」

 

「ならどういうことなんです?神様が与えた物じゃないなんて」

 

もとから持っているというわけじゃないのなら、いったいどういうことだ?

ますますわからなくなってきたので、若干顔をしかめながら神様に訪ねる。

 

 

「詳しく言うとだな、、わしが与えた能力がお主の中で『変化』してしまった…というわけなのだ」

 

「変化?なら最初に僕へ渡そうとした能力は何だったんですか?」

 

なるほど、そういうことね。

つまりさっきの神様の発言は『本来与えようとした能力とは違う能力になってしまった』という意味合いだったのだろう。

だから『わしが与えた物じゃない』なんて言ってたのか、、紛らわしいなぁ。

 

なら神様が僕へと最初に与えようとした能力は何だったのだろう?

 

ふと気になり神様に訪ねると、柔らかい笑顔を浮かべて僕を見ていた。

 

 

 

「・・『幸運』じゃよ…お主が少しでもいい人生を送れるように願いを込めてな」

 

 

「・・幸運、、ですか…」

 

「…お主の前世を昔拝見したが、とても幸せとは程遠いものだった……それはお主自身が一番良くわかっているだろう?」

 

「・・・・」

 

 

神様の言葉に無言で返す。

ここで「いいえ」と言えるような人生を送れていたら良かったのになぁ……

 

 

「お主を転生させる時に、暇潰しと言っただろうが…本当は同情の方が大きかったんじゃよ。」

 

・・転生する時に感じた嘘半分はそういうことだったのか。

しかし神に同情されるとは…どんだけなさけないんだよ僕って、、

 

「だから二度目の人生こそと思ったが、、また苦労してしまってるようじゃな…」

 

「いや、別に、、」

 

「なんともない、か?」

 

「・・・・」

 

「・・お主の人生だ、わしも神とは言えとやかくいう権利はない。だが……」

 

 

 

「無茶苦茶すぎだ。お主のやり方は」

 

「自分の感情や気持ちに嘘をついてまででも敵と戦うなど……どう考えても人間ができることではない。いくらお主が慣れているとは言え、このままじゃ―」

 

 

「――死ぬぞ」

 

 

 

「・・そんなのわかってますよ。慣れっこなんて言ったって、所詮人の子、いつかは頭がおかしくなるでしょう」

 

「ならば、、」

 

 

 

 

「『それでも』ですよ」

 

「僕の前世を見ているならお分かりの通りに、普通の人間じゃない。ねじまがった、壊れている…異常者なんですよ」

 

「・・・・」

 

「そんな気持ち悪い僕でも、彼女達の幸せを守れるっていうなら、例えそれで狂おうとも…僕は幸せなんですよ」

 

 

 

「人はいつか死ぬ。どんな人でも必ず」

 

 

「病で、事故で、寿命で」

 

 

「だからいつか来たる死の前に悔いが残らぬよう、ほとんどの人は自分の事にだけ意識を向けて生きて、死んでいく」

 

 

「自分のために生きて死んでいく」

 

 

 

一通り話し、最後に神様と目を良く合わせてから口を開く。

 

 

 

 

「そんな中、大事な友達のために死ねる僕は幸せ者だと思いませんか?」

 

 

 

 

「・・はぁ。お主の考えは変わらないみたいじゃな……まったく、お人好しが」

 

「お人好しなんかじゃないですよ。僕はせいぜい偽善者ぐらいが丁度良い」

 

「まったく…強いな、お主は本当に」

 

「そんなことより…『幸運』が何になったんですか?」

 

 

そう聞くとさっきまでの明るい表情が神様から消え、苦い顔になっていった。

 

「とうしたんです?子供が初めてコーヒーを飲んだみたいな表情をして」

 

「・・わしはただお主に幸せに暮らして欲しかっただけなんだ。なのになぜ……」

 

僕のジョークが聞こえていないようで、一人でぶつぶつと神様が喋る

顔もどんどん険しくなっていたので、すかさず呼び戻す。

 

「おーい。神様?」

 

「お、おう。すまなかった取り乱して」

 

「早く教えてくださいよ?いい加減気になってきましたよ僕。それとも…そんなにヤバい能力なんですか?」

 

いつも微笑みを浮かべている神様が取り乱すなど、余程の事なのだろうか?

そう聞くと神様は静かに首を上下させ、僕の目を見てゆっくりと口を開いた。

 

 

 

 

 

「わしらのような神すらも殺めることができる……世界を覆す危険な能力だ」

 

 

 





いかがでしょうか。

そろそろ終わらせようと大まかな方針は決まっているのですが、詳細内容にすごく苦戦しております。

『西村翔助は□□□である』の□□□内は何なのかみなさん予想つきましたかね?
翔助君が手に入れるオリジナル能力についてもぜひ考えてみてください。

では、また。

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