最弱先輩に憧れて   作:@深夜

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お久しぶりです。

最近色々な方の小説を読みあさるのにハマっておりまして、自分の小説方面が疎かになってました。

とりあえず本編をどうぞ


その9

「よっと……ついにたどり着きましたよ、あなたのもとにね。神樹様、助太刀させていただきますよ」

 

何百匹といるバーテックス達を長い間蹴散らしながら進むと、ついに天の神であろうモヤと、同じく神樹様であろう神々しい光のもとへとたどり着くことができた。

……さすが神というだけあって、妙なプレッシャーを感じて変な汗が出てくる。

 

 

だからといって、臆してはいられない

懐からネジを一本取り出し、先手必勝と天の神に投げつける。

 

「な……すり抜けた?もしかして、実体を持ってないのか?」

 

しかしそのネジはモヤをすり抜け、どこかへと飛んでいってしまった。

実体を持ってないとするなら、どうやって倒せばいいんだ?僕の攻撃手段はあのネジしかないんだけど…

 

「神樹様はとりあえず下がっててください。お疲れでしょうから、僕が戦っている間にお身体を休めてください」

 

【・・・・】

 

そう言うと、光が本当に後ろへと下がってくれたので、一応こちらの言うことは伝わってはいるようだ。

そう光の方へと注意を向けていると、前の方から大きな音が聞こえた。そちらの方へと目を向けるとそこには大型バーテックスがモヤの隣に三匹並んでいた。

 

「あはは、、もしかして先ほどのネジ投げに怒ってらっしゃいます?天の神様?」

 

僕がそう喋り終わったのと同時に三匹がこちらへ凄い勢いで向かってくる。

それにネジを投げ、能力を確実に作動させることによって相殺するも、バーテックスは再び湧いてくる。

 

「これじゃあ、結界内の生活と変わらないじゃないか…」

 

 

そう愚痴りながら何回か殲滅を繰り返していると、突然バーテックスが逆方向へと走り出して、モヤの中へと突っ込んだ。

するとモヤの一部がそれぞれ変形し始め、次第にそれぞれ鎌や刀、弓、槍、鐘、天秤といった物に形を変えていった。

 

「合体……いや、もとあった場所に戻っただけかな。・・天の神自身の手で、直々に僕を潰そうってわけですか」

 

そのためにわざわざバーテックスを自分の中へと戻すとは、、余程厄介がられている様子だ。僕を確実に叩きのめそうとしてるのが何よりの証拠だろう。

 

 

そう考えていると、さっそく天の神が攻撃を仕掛けてくる。

右から刀、左から鎌が素早く斬りかかってきたのを慌てて避けるも、今度は槍が目の前から迫ってくる。

それもギリギリで避けるが、息をつかせる間もなく、矢が上から飛んできていた。

このままでは数本喰らってしまいそうなのでネジを投げつけ相殺しようとするが、耳をつんざくような音が聞こえ、思わずネジを手放してしまう。

 

矢によって体が傷ついたのを痛みによって理解しつつ、先ほどの猛攻を行ってきたモヤの方を睨む。

 

「・・辛いな、、回避しても次から次へと攻撃の雨が降り注いでくるし、相殺しようとするとあの鐘の騒音で邪魔されてしまうと……まだまだ来そうだ、いつの間にか再び構え始めてるし」

 

疲れこそ能力のおかげでしていないけど、これじゃあ回避が間に合ってない。

そう心の中で悪態をつきながらも回避に専念するが、、やはり避けきれない。

それに先ほどよりも少し刀や槍、矢の本数や手数が上がっているうえに、スピードも同じく上昇しているせいで回避が余計に辛くなっていってしまう。

 

「危な!…この泡って、水瓶座の、、まさか攻撃の種類も増えていくのか?……大きな板までモヤから生成されてるのを見るに、そう考えて良さそうだ」

 

主に取り込んだバーテックス達の武器を操ってるみたいだけど、攻撃速度や威力がバーテックス達と全然違う。

 

 

・・このままじゃ、あの世に行くのも時間の問題だろう。

どんどん傷が増えていく自分の体を見て、思わず顔をしかめてしまう

 

「……一旦傷を治して、態勢を立て直さなきゃまずいな」

 

一旦天の神の攻撃を避けながら距離を取り、さっきまでやってきたように自分の傷をなかったことにしようと強く念じる

 

 

 

 

 

 

しかし、、

 

 

 

 

 

 

「・・・あ、あれ?治らない?」

 

 

さっきまでは確かに作動していたのにも関わらず、なぜか今回はいくら念じても、一向に傷一つと治らない。

 

どれだけ強く念じても、感じるのは傷の痛みだけで、前のように治った時の独特な感覚はまったくもっておとずれない。

 

「・・冗談だろ?こんな重要な時に作動してくれないなんて……っ!」

 

僕が嘆いていると、後ろから嫌な空気を感じたので伏せる。少し遅れて僕の上を刀が通りすぎたのを見て、肝が冷える。

…そりゃあ、律儀に相手を待っててくれるわけないよな。当然の事だ。

 

困惑しつつも、また回避に徹せれるように気を集中させる。

だが、再び増えていく傷を見ていると、ある嫌な考えが脳裏をよぎる。

 

 

 

・・傷が治らない、、ということはもし、ここで死んでしまったら…?

 

今までは『大嘘憑き』によって『自分の絶命をなかったこと』にしていたが、この調子だと上手く作動するかどうか……

 

「……体が上手く動かなくなってきた…このままじゃ、、」

 

避けることがだいぶ辛くなってきてしまった、これじゃあその内致命傷をもらって、そのまま、、死ぬ。

防戦一方のままじゃまずい。

 

だがこちらから仕掛けようとしても、あの鐘の音がうるさくて邪魔される。

あの鐘がなければ……仕方ない、無理やり突破するしかないか

 

この方法はリスクがデカイうえに、成功するかどうかもわからない、、だけどこのままじゃどっちにしろ前へ進めない。

 

 

「・・賭けにでよう」

 

自分の中で考えが決まったので、ネジを袋から取り出して両手に構え、天の神の攻撃を一回避けた後、全速力で鐘へと跳ぶ

 

 

 

ゴーン ゴーン

 

 

「…生憎、痛みにはある程度耐性があるんだよっと!」

 

鐘に近づいたことによって先ほどよりも大きく音を感じてしまい、耳が大きく痛むのを感じるが、無理やり鐘の部位にネジを突き刺して吹っ飛ばした。どうやら変形した部位には実体が存在するらしく、物理も通用するようだ。

 

僕がやったことを一言であらわすなら、単なる「ごり押し」というやつだ。

うるさい音を無理やり突破するにはこれしかない、実にシンプルな方法だ。

 

急いでもとの場所に戻ると、やっぱり『耳が聞こえなくなっていた』。

ただでさえうるさかった鐘の音を、あんな至近距離で聞いたのだから、聴覚をもってかれていて当然だ。

 

 

「失った物は大きかったけど、その代わりにあの鐘を排除できたのなら……」

 

 

良かった。そう言おうとするが、目の前に刃が迫ってることに気付き、さっきまでと同じく避けようと体を反らす。

 

 

 

 

しかしその直後、体に強い痛みが走り、遅れて大きな浮遊感を感じた。

 

 

「っ……吹っ飛ばされたのか?でもいったい何で?刀の一撃は避けたはず、、」

 

そう言いながら天の神の方を凝視してみると、さっきまで鐘があった部分から大きな拳が生えていた。

もう代わりができていたのか…すっかり油断していた。つまり、刀を避けた後の隙を狙った攻撃を僕はもろに喰らってしまったというわけか。

 

だが、このまま倒れているわけにはいかない。早く起き上がって復帰しないと…

急いで体に力を入れて起き上がろうとするが、体を動かそうとすると激痛が走り、体もまともに言う事を聞いてくれない。

 

「・・拳の一撃をもらう前からボロボロだったせいか、もろに喰らって骨が何本も折れてる……痛みには慣れてるとはいえ、体が…くそっ、動かない」

 

ネジを杖のように扱って、何とか立とうと試みるが、何回やっても結果は変わらず、ズルッっと態勢を崩してしまう。

何度も何度も諦めずに体を動かそうとするが、やはり立つことすらできない。

 

 

 

そしてそんな僕の状態を天の神がみすみす見逃すわけもなく、

 

 

「っ!…大量の矢が……!」

 

天の神が弓で射ったであろう矢が上から大量に僕へと降り注ごうとしているのが目に入った。

もちろんネジを構えて相殺しようと試みるが、吹っ飛ばされた際に脳も打ったのか、急に視界がおぼつき、なおかつ体もまともに動かないせいで、うまく狙いを定めることができない。

そのせいで全てを打ち落とすことができず、何本も矢をもらってしまう。

 

「・・ははは……容赦ないなぁ、天の神様はまったくさ」

 

体に刺さった矢を悪化したりしない内にすぐさま抜くが、出血多量により意識が朦朧としてくる。

頬を叩いて、無理やり意識を覚醒させようとするが、いまだに朦朧としたままだ。

 

そこに無慈悲にも天の神が再度矢を放ってきており、無情にも矢は僕へと降り注いでくる。もはや相殺しようとする為の力など残っておらず、ほとんど全弾をもらう

 

追いうちの矢を喰らったことによって、尚更意識がまともに保てなくなり、とうとう横になってしまう。

 

 

 

「・・意識が……もう…みんな……」

 

 

 

僕の抵抗虚しく、視界がどんどん黒く染まっていき、、

 

 

 

 

 

僕は意識を手放した。

 

 




いかがでしょうか?

この小説での天の神の戦い方はオリジナルですので、原作はまったく調べずに書かせていただいております。

さて、翔助君の今後は一体?

あらゆるところでの駄文が目立つと思いますが、次回も読んでいただけるとありがたいです。

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