思いついたので書きました。
時間がとびとびです。長くなりそうなので
ではどうぞ
時が経つのは早いもので、幼稚園児だったと思ったらあっという間に小学生高学年になった。
『光陰矢の如し』とは良く言ったものだ。
だがその間に何にもなかったわけではない
そうだな、、数ヶ月前の時に
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「なぁ、翔助。園子ちゃんとは最近どんな感じなんだ?」
『え?どうって何だい?父さん?』
「そりゃあ、、わかるだろ?関係の進展だよ。付き合っただとか、恋人になっただとかそういうのだよ」
『父さん小学生にそんなの求めるのは気が早いよ?まだまだ数年積まないと。』
「甘い!そんなこと言ってるとあっという間に売れ残り行きだぞ~昔の母さんみたいになー。」
『小学生の息子になんてこと言ってんの?
・・父さん、、後ろ。』
「ごまかそうとするなよ~というか後ろがどうし、、た、、」
「あなた?さっきなんて言いました?」
「な、なんでもないぞ!なぁ翔助!」
『あぁ、ソウダネ』
「棒読みで言うなぁー!!」
そんないつもどうりの平和(?)な朝の風景だったのだが、、
コンコンコン
『お?母さんもうそれぐらいにしてあげて
父さん、来客だよ。』
「ハァーわかったわよ。・・命拾いしたわね~あ・な・た?」
「ひぃ!と、とりあえず確認するか」
母さん怖! ・・父さん手震えてるよ?
そんな震えた手で父さんが扉を開けると
「失礼いたします。」
仮面の人間が立っていた。
・・・は?誰?変質者じゃん。110番しよう
「え?な、なんで大赦の方がこんな普通の家にいらしたんですか?何かご用で?」
ん?『大赦』?
あぁこの人が大赦なの?
この世界は僕が住んでいた世界と違い、神に支配されている。
一部の県以外は全て天の神の支配下に置かれており。それでも人類が生きていられるのは『神樹様』の力によって守られている
それにこの地域は壁に囲まれていて、景色もあまり変わらないため暇だった。
目には目を神には神をということらしい。
その神樹様を奉っているのが『大赦』という組織らしい。
ちなみにだが乃木家と上里家が2トップらしい。曖昧にしかわからないが
しかし本当に何のようだ?
うちはごくごく一般の家系のはずなのだが
「西村家様の西村翔助様が『勇者』として選ばれました。」
「・・・・は?」
『勇者』?何だそれは?
「ゆ、勇者として選ばれるのは大赦の中でも伝統のある家系で、なおかつ無垢な少女なはずでは!?」
「そ、そうですよ!なんでうちの息子が」
なるほど『勇者』とだけあって選ばれる条件もかなり厳しいのか、、
でも父さんが言ったことが本当ならばますます意味がわからない。
僕の家は一般家庭、少女でもなく、なんなら無垢ですらない。
というかなんで父さん詳しいんだ?
母さんも同調してるってことはある程度は知っているってことだろうし。
「神樹様の信託です。『西村家の西村翔助を勇者にせよ』と。」
「そ、そんな、、なぜ?」
「我々にもわかりません。しかし適正値も低くはなく、むしろ高い部類に入っておりますので。」
「なら!家の関係はどうするんですか!」
「家は、大赦の中でも低い位なのですが『新倉家』に養子として出ていただきます。」
「いくらなんでも急すぎます!!そんないきなり自分の息子を養子だせだなどと、、そんな条件を飲みこめというのは無理でしょう!?」
「確かに急な申し出なのは理解しておりますが。それでも飲みこんでいただきます。
神樹様の信託によってもうすでに決まっていますので。」
「っ!!、、せめて最後の生活の時間ぐらいください。」
「はいそれに関しては数ヶ月間お待ちいたしますので、荷造りなどはその間にすませてください。」
「・・・・わかりました。」
「では、また当日」
バタン
「う、うぅ、、」
「くそっ、、何でうちの息子が、、」
ひどい状況だな。
母さんは泣き崩れて父さんがそんな母さんを支えてポツリと言葉を紡ぐ。
養子として出るということは僕の名字も変わるんだろうな。
話の通りだと「新倉 翔助」ってなるのか。
にしても、僕が居なくなるぐらいのことなんかで悲しんでくれるなんてなぁー
『父さん、母さん大丈夫だよ僕は』
「翔助、、」
「・・翔ちゃん、、」
『名前が変わるだけで僕は僕だ。本質はなに一つ変わってないよ。』
「「・・・」」
『だから大丈夫だよ。本当にね』
「ごめんねぇ、、翔ちゃん、、」
「悪い、、翔助、、」
その日は生まれて初めて父さんと母さんが泣いていた姿を見た。
数ヶ月後に大赦の人が迎えに来た。
養子にいく最後まで父さんと母さんは見送りにきてくれた。
母さんがつけてた大事なミサンガを僕に渡そうとしたが断った。
「翔助。強く生きろよ。」
『父さん?』
「俺みたいに、、大事なものを守れないような人間になるなよ。」
『・・・父さんは立派だよ。僕の自慢の父さんだよ。』
「翔助、、」
あぁ、本当にいい人だよあんたらは。
・・できれば最初っからあんたらみたいな
両親が欲しかったよ、本当にね。
「では、そろそろ」
『はい。じゃあね父さん、母さん。』
「あぁ」 「えぇ」
車に揺られて僕は次の養子として生活する
『新倉家』に向かう。
「ようこそおいでくださいました。西村翔助様」
目的地に着いて言われた第一声がこれだ。
『いや、そんなあらたまらないでくださいよ。今日から家族になるんですから。』
堅すぎる。敬語とか、、実に堅い。
こんなんじゃ『家族』じゃなくて『貴族』
になった気分だよ。
「そうね。今日からあなたの母親になる、『新倉 愛理』です。よろしくね」
『いえいえこちらこそよろしくお願いしますよ。』
「・・本当に小学生かしら?あなた?」
『よく言われます』
最初はやっぱりぎこちなかったけど徐々に距離を詰められたので良かった。
ずっとお互い敬語とか気まずすぎるからね
その後本当の両親じゃなくてごめんねだとか言われて色々と気遣われたのでこの人も好きでこうしているんじゃないんだなとわかったので良かった。
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というわけで僕はもう
『西村 翔助』ではなく『新倉 翔助』
として生きている。
学校では両親が離婚したのち、新しい人とまた結婚したので変わったと説明してもらった。
そして今日は大事な日だ。
なぜかというと今日の学校が終わったら、西村家に顔を出しにいくからである。
「へい!にっし〜一緒に帰ろうぜ~!」
『ごめんね。今日は用事があるから無理』
あだ名が変わってないのは僕が「前のままでおねがい」と園子ちゃんに頼んだからだ
ていうかテンション高いな。
「えー大事な用事なのー?」
大事な用事か、、もちろん
『うん。大事な用事だよ。』
前の両親との気持ちにけりをつける
コンコンコン
『西村翔助だよ。父さん母さん。』
ガチャ
「よく来たな~翔助ー!上がれ上がれ!」
「いらっしゃーい!翔ちゃん」
上がった後は色々なことを話した。
学校生活は大丈夫か
友達関係で困ったことはないか
新しい環境には慣れたかなど
色々なことを話して楽しい時間だった。
「今日は有意義な時間だったなー母さん」
「そうねーとても楽しかったわ」
『僕も楽しかったよ』
ああ本当に楽しかったよ
「そうか!良かった良かった」
「良かったわねー」
『そうだ!二人にお願いがあるんだ。』
「ん?珍しいな?言ってみなさい。」
『ちょっと目をつぶってて?』
「なんだ?なんかのサプライズかー?」
「楽しみね~うふふー」
『、、二人ともありがとね。』
「「?」」
二人とも目をつぶったのを確認して思わず呟いてしまった。
本当に感謝だ。僕が養子として行っても僕のことを心配してくれて。
実に息子思いの両親だ。でも、、
そんないい人に僕という足枷はいらない
二人に人の腕ぐらいの大きさのネジを高速で投げる。二人に命中したのを確認して僕は呟く。
『大嘘憑き』【オールフィクション】
『二人の頭の中にある僕という記憶を
【なかったこと】にする。』
『あんたらは優しすぎる。』
『息子の事を思い養子に出た後でも大赦に文句を言いに行こうとするぐらいだ』
『あんたらは僕が連れていかれたのは自分達の力不足が原因だと考えている』
『おそらくこの先もその事を悔やみ続けるだろう。』
『僕という存在に縛られてしまう』
『そんなの駄目だ』
『あんた達の足枷になるぐらいなら』
『僕についての記憶なんて』
『【なかったこと】にしてしまえばいい』
『じゃあね。また次会う時があったら』
「赤の他人として話そうぜ」
結局長くなってしまった。
まとまらねぇー