とある魔術のボンゴレX世   作:メンマ46号

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ちょっと今回の話は自分でも無理矢理かな?と思います。特に前半から中盤にかけてのリボーン。
いずれ大幅に書き直すかも?


希望の活力来る!

「リ、リボーン!?」

 

「この赤ん坊が例の家庭教師……!?」

 

 突如小萌の部屋に現れ、ちゃぶ台の上で寛いでいたリボーンを発見したツナと上条は愕然としながらリボーンへと視線を向ける。リボーンは上半身を起こすと変わらずちゃぶ台の上にて胡座をかいて話し始める。

 

『おいツナ、お前今何処にいる?このボロっちい部屋はなんだ?』

 

「え!?何処って……お前今ここにいるじゃないか……」

 

『よく見てみろ。今の俺はホログラムだぞ。メローネ基地の時と同じだ。ヘッドホンを介して通信をしているに過ぎねえ』

 

 それを聞いてツナは未来に行った時の事を思い出す。メローネ基地でスパナに捕まった時にもリボーンは非7³線(ノン・トゥリニセッテ)によってボンゴレアジトから出られないが故に同じようにツナのヘッドホンを介してホログラムを投影して連絡を取っていた。

 言われてみればリボーンの姿は少し透けている。

 

『それでツナ、お前は何処にいるんだ?何に巻き込まれている?そこのそいつは何者だ?』

 

「え、えっと……」

 

 ツナは話した。あの匣兵器を開いたら学園都市という科学的に開発する超能力の研究機関の街にいた事。そこで出会った上条当麻という少年とインデックスという少女について。そしてそれを発端に始まった魔術師達との戦い。そしてインデックスの背負う宿命。そこに見つけた矛盾点。とにかく学園都市に来て起きた事、聞いた事、知った事。全てだ。

 

 

 そして学園都市に来てからの最大の疑問……ツナが並盛にいた時期は秋頃のはずなのに、この学園都市は7月下旬である事。

 

 

 その後、学園都市という機関についてはツナよりもそれを詳しく知っている上条が説明した。

 

『……人の脳を弄って人工的に超能力を開発する学園都市、そんな街は聞いた事がねーぞ。それに魔術とそれを使う魔術師……必要悪の教会(ネセサリウス)……どれもこれも眉唾物でどうにも胡散くせーな』

 

「うっ…、そりゃあ……俺だって最初聞いた時は訳分かんなかったよ。でも実際超能力も魔術も見ちゃったから……」

 

「……これ、一般常識のはずなんだがなぁ」

 

 リボーンもツナも学園都市の事を全く知らない。リボーンは赤ん坊なので見た目的にそれが当たり前なのだろうが、ただの赤ん坊ではないのが丸分かり故に上条も判断に困る。

 

『胡散くせーとは言ったがお前の話を信じねーとは言ってねーぞ。お前がそんなくらだねー嘘を吐くとは思わねーからな』

 

「リボーン……」

 

 ツナとリボーンのやり取りを見て上条は少しだけほっこりする。リボーンは見た目は赤ん坊だが、精神的にはかなり老成している。この二人には相応に培ってきた絆があるのだろう。

 一方でリボーンはツナから聞いた超能力と魔術という異能の力はやはり胡散臭いとは思いつつも、学園都市の超能力の方は似たような例が近くにあった為、どうにか噛み砕く事が出来ていた。

 

『それでお前達が今直面している問題についてだが、それを聞いた限りで言えば…そうだな、インデックスが完全記憶能力のせいで死ぬ事はあり得ねぇ』

 

「「!!」」

 

 ツナと上条はリボーンにインデックスの抱える問題……人の脳と完全記憶能力について相談をしていた。一刻も早く答えが欲しかった。見た目は赤ん坊なれど見た目通りの存在ではない事は分かり切っていた為、リボーンの返答に喜びを露わにした。

 

『そもそも人間の脳ってのは140年分の記憶が可能なんだ。それを一年で15%だの言ってんのがもうあり得ねーぞ。完全記憶能力者は確かに珍しいがそいつらが態々定期的に記憶を消さなきゃ生きられねーなんて事もねぇ。それに人の記憶ってのはそれぞれ入れ場所が違うんだ』

 

「入れ場所?」

 

『その魔導書とやらの知識を入れるのは“意味記憶”、これまでの思い出なんかを入れるのは“エピソード記憶”、歩き方や言葉なんかは“手続き記憶”って具合にな。だから例え10万3000冊の本を丸々覚えた所で思い出を消さなきゃならねーなんて事は絶対にねぇ』

 

 言葉に詰まる事なく断言するリボーン。彼は医者ではないが、最早そんな肩書き云々など関係無くツナも上条も確信していた。インデックスの記憶消去を強制し、命を脅かしているのはステイルや神裂の上にいる必要悪の教会(ネセサリウス)の者達。及びその者達が仕込んだ魔術だと。

 

「とにかく、記憶を消さなきゃ生きられないなんて事は無いんだな」

 

「神裂さんは調べ終わったらすぐに来るはずだし……インデックスに仕掛けられた魔術の情報待ちになるかな……」

 

 インデックスの命が危機に瀕しているという状況には変わらないが、やはり脳が記憶に耐えられないという話は魔術師達の嘘だったという事が分かり、ツナも上条もホッと一息吐く。

 

 しかしここでリボーンが上条に視線を向けて口を開いた。

 

『上条当麻、おめーなら確実にインデックスを救えるはずだぞ』

 

「……え!?」

 

『ツナから聞いた話の通りならお前の右手は超能力も魔術も打ち消せる。なら、インデックスに仕掛けられた魔術だって例外じゃねぇはずだぞ』

 

「……」

 

 幻想殺し(イマジンブレイカー)。上条の右手に宿る能力(ちから)。まだ概要しか聞いていないリボーンだったが、彼の頭脳は並の人間どころか学者をも凌駕する。そんな彼がこの答えを導き出せるのはある意味当然だった。

 

『その右手で何処を触れば魔術が解けるのかはまだ分からねーだろうが、自分のやるべき事は分かっているな?』

 

「……ああ」

 

『ツナ、おめーもだぞ。学園都市の事はこっちでも調べてみる。いずれはこっちからその街へ行く方法を見つけるから、今は思う存分戦え。インデックスを助ける為にな』

 

「うん」

 

 リボーンからの激励に上条とツナは頷く。するとホログラムのリボーンの姿は徐々に掻き消えそうになり、音声にもノイズが発生する。

 

『……そろそろ通信も限界みてーだ。上条当麻、ツナを頼むぞ』

 

「分かった」

 

 上条の了承を聞くとリボーンは満足そうに笑い、通信は途切れた。

 

****

 

 -並盛町、沢田家

 

 ツナのヘッドホンへの通信が終わると、ずっとパソコンで通信の為の作業をしていた入江正一はぐったりした様子でだらける。一応言っておくがここはツナの部屋だ。

 

「はぁ〜…やっと上手く行った。綱吉君も無事みたいで良かったよ……」

 

「正一、お前はツナと話さなくて良かったのか?」

 

「少しでも気を抜いたら即座に通信が途切れそうになってたからそんな余裕は無かったよ。それに綱吉君も僕やスパナ、ジャンニーニが協力してた事くらいは分かるんじゃないかな?」

 

 あの日、ツナがあの匣兵器を開いて姿を消してから、9代目の指揮の下、ボンゴレファミリーはすぐにツナの捜索を始めた。

 その中には勿論ツナの守護者達、友人であるシモンファミリーの面々や兄弟子ディーノのキャバッローネファミリー。ボンゴレの門外顧問機関、CEDEF(チェデフ)も含まれている。

 

 母親である沢田奈々にはいつもの如く家光のツッコミどころ満載な嘘で誤魔化している。天然な性格故にそれで誤魔化しは利くがいつまでもそのままという訳にはいかない。

 

 ボンゴレを指揮する9代目は多くの人員を割いて世界中に情報網を張ってツナを捜索。それでも一向に手掛かりが掴めない中、ツナと一緒に消えた彼の荷物……その中でも独自の通信機能を持つX BURNER用のヘッドホンへと通信を行い、漸く連絡が取れたのだ。

 

「……けど、この通信に反応した座標軸……これは地球の何処にも該当していない。どういう事なんだこれは……」

 

「……上条当麻って奴が言うには学園都市は日本の東京付近にあるそうだが……」

 

 そんな街や機関は聞いた事が無いし、そんな街の存在が秘匿出来る訳がない。しかも上条から聞いた話によればごく普通に世間に浸透している一般常識の類いらしい。すぐ分かるような嘘を吐くとも思えない。

 

「………パラレルワールドにならそんな街があるのか?」

 

 真っ先に浮かんだ可能性。人工的な超能力や魔術が確立されたもしもの世界ーーーパラレルワールド。かつて白蘭が何万通り以上に存在するそこの自分自身と知識、思惟を共有してあの未来での出来事が起こった。

 ツナがそれらの条件を満たすパラレルワールドに飛ばされた……それが真っ先に出た仮説だ。

 しかしその説は正一が否定する。

 

「パラレルワールド……10年バズーカでも使わない限りそんな所に行けるとは思えない。それにこうしてリアルタイムで通信が出来てしまったのなら、それも違うはずだ」

 

 パラレルワールドそのものを移動する事は白蘭であってもまず不可能だ。10年後の未来では彼は雷の真6弔花として他のパラレルワールドに存在する白蘭自身を呼び寄せたが、彼の持つパラレルワールドの知識でその為の技術を最先端の物として確立させても失敗に終わった。それで得た成果がGHOST。パラレルワールドの白蘭は他者の死ぬ気の炎を無差別に吸い尽くすだけの化け物となってしまった。その上その白蘭のいたパラレルワールドが丸々滅んでしまうというオマケ付き。

 

 ツナがそんなパラレルワールドに飛んでしまったのなら、間違いなくGHOSTの時以上の災厄がその瞬間にこの世界で起きていただろう。勿論ツナ自身無事には済まなかったはずだ。

 

「となると、その学園都市とやらが存在する場所は……」

 

「まず考えられないような答えだし、逆にどうして通信出来たのか分からなくなるけど……綱吉君が体験した並盛(ここ)と学園都市の時期のズレも肯ける。未来に行ったり、パラレルワールドの存在が実証されている以上、絶対に有り得ないなんて事も無いと思う」

 

「………異世界、か」

 

 自分達で導き出しておきながら馬鹿馬鹿しい答えだと思う。しかしこれ以上しっくり来る答えが存在しないのもまた事実。ツナや彼と行動を共にしている上条当麻という少年が嘘を吐いていれば話は別だが、それならリボーンがすぐ気付くだろう。ホログラム越しでも相手の顔も見えたのだから。

 

「……今回のツナ失踪…いや、誘拐はその学園都市とやらの上層部が関わっていると見て間違いねーだろうな。異世界という線が当たっているなら、そこまでする狙いは……ボンゴレリングか」

 

「その可能性は高い。(トゥリニセッテ)はマーレリングが封印され、おしゃぶりが復讐者(ヴィンディチェ)の管理下にあり、唯一奪取出来る可能性があるのはボンゴレリングだけだ。もしかしたら今回通信出来たのもボンゴレリングのおかげかもしれないな……」

 

「正一、お前は獄寺達に連絡を入れろ。俺は9代目に報告する」

 

 とはいえ、これを聞かせた所で彼らに納得して貰うのは容易ではないだろう。リボーン自身、納得など出来ていないのだから。

 せめてあの匣兵器が再び目の前に現れ、解析出来れば何か分かりそうなものだが。

 

「それにしても学園都市か。そこでは子供を集めて人工的に超能力を発現させているのか……」

 

 リボーンはそれを聞いてエストラーネオファミリーというマフィアを思い出した。あのマフィアは何処からか子供を攫っては非道な人体実験を繰り返していた。その産物が黒曜の者達。六道骸の右目に宿る六道輪廻の能力や城島犬の獣人化能力などだ。

 超能力を手に入れた子供達を集めて何やら良からぬ事を企んでいるのではないかとすら思う。

 

「……」

 

 ふとリボーンは先程から視線を向けられていた窓の方を見やる。そこから見える先には一羽の雀がちょこんと止まっていた。先程からこちらの会話を盗み聞きしていたのは分かっていた。その上で敢えて聞かせていた。

 

 

 学園都市について聞いて、彼がどう反応を示すのか少しばかり興味があったから。

 

 

 雀の瞳は右だけ赤く、『六』の文字が刻まれていたが、次の瞬間にはそれが消えて雀は空へと飛んで行った。

 

****

 

 

 

「……やはりリボーンにはバレていましたか」

 

 黒曜ランドに構える一味の根城にて雀への憑依を解いた六道骸は黒字で『六』という漢数字が刻まれた赤い右目を爛々と輝かせながら呟く。そんな彼の両耳には霧のイヤリングver.Xという彼専用のVG(ボンゴレギア)が装着されている。これこそが彼がボンゴレ10代目霧の守護者であるという証明なのだが、彼にその気は一切無い。強力な武器、手札として手元に置いているだけだ。

 先程までの沢田家でのリボーンとツナの通信とその後の入江正一とのやり取りをその辺の雀に憑依する事で盗み聞きしていたのだが、当然リボーンにはバレていた。その上で敢えて無視されていた。

 

「さて、人工的な超能力を開発する都市に魔術……そして異世界……そんな場所に本当に沢田綱吉が飛ばされてしまったのか甚だ疑問ですが……」

 

 骸がこんな形で情報収集をしていた理由は簡単。突然消息を絶ったツナの行方を追う為。ボンゴレ10代目であるツナの肉体を乗っ取り、マフィア間の抗争、それによる全マフィアの殲滅という野望を未だに諦めていない骸にとってもツナにいなくなられる訳にはいかない。

 もし本当に異世界に行ってしまったのなら、連れ戻す必要がある。

 

「……この見覚えのない匣兵器が沢田綱吉の元にも出現し、これを開いた事で飛ばされたというのなら、介入する手段は既にあるという事ですか」

 

 そう告げる骸の目の前にはあの日ツナの鞄から出て来た謎の匣兵器と酷似した匣兵器が置かれていた。尤も、酷似しているだけでそれそのものではない。ツナが開いた匣兵器を見ていない骸には分からない事だが。

 これは間違いなく、話に出た学園都市とやらの科学者がツナとは別に骸をその街へ呼び寄せる為に送り込んで来たものだろう。

 それにしても少し概要を聞いただけで胸糞悪い気分になる。かつて自分達が人体実験を受けさせられたエストラーネオファミリーを思い出させる街だ。

 実際にツナを拉致している時点で少なくともその街の上層部はあの腐れマフィアと同類と見て良いだろう。

 

「クフフ……未来の記憶を頼りに手に入れたコレのテストとしてトマゾ8代目辺りでも潰して抗争を起こそうかと思っていましたが……、丁度良い。学園都市とやらを最初の標的にしましょう」

 

 暗い空間の中、一人でぶつぶつ呟いて悦に浸っている骸は他者から見ればただの危ない人だが、それらを差し引いても無視出来ない要素が彼にはあった。

 彼の右手の人差し指と中指には青い宝石のような装飾と、人の眼球のようなデザインをした二つのヘルリングが嵌められていたのだから。

 

「他の守護者達の元にもいずれ同じような匣兵器が届くでしょう。僕がこれを開くのはボンゴレがそれらの解析を済ませ、彼らを送り込んでからでも遅くはない……」

 

 クフフ……と嗤い声を暗い空間の中で響かせる六道骸。かつてマフィアの人体実験に苦しめられた術士がその同類達に鉄槌を下す日は……案外近いのかもしれない。




何故かヘルリングは上条さんの右手で壊せる気がする。

骸はここで出さなかったら出ないまま放ったらかしになる気がしたのでここで出しました。
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